ホタルの独り言 Part 2

ホタルを初めとして様々な昆虫や美しい日本の四季、自然風景を追い求めて撮影した写真を

解説とともに掲載しています。

ホタル販売

2008-05-15 23:07:34 | ホタル
 仙台のある団体がホタルまつりを開催した。自然発生のホタルが飛ぶかどうかわからなかったので、保険としてホタル養殖販売業者から数百匹のホタル(ヘイケボタル)を購入していた。結果は、数十匹の発生があったため、購入したホタルは放すことはなかった・・・あるテレビ番組の一場面である。

 実は、購入したヘイケボタルは、兵庫県のホタル養殖販売業者が北海道の自然発生地で乱獲したものなのである。ホタルまつりの開催時期が遅かったため、自前の養殖ホタルでは対応できず、当時、発生最盛期であった北海道から調達したのだ。この業者は、全国各地のホタル自生地から平然と乱獲を続けている。テレビ番組の中でも紹介されていたが、車のハザードランプを点灯させ、捕虫網を持った数人で次々と捕獲していくのである。養殖施設を持ち、数十万匹という幼虫を養殖しているようだが、それらの種ボタル用として乱獲する他、上記のようにそのまま販売している。養殖数を上回る需要があるのである。買い求める人々は、学校、自治体、ホテル、旅館、料亭・・・何と多いことか!買われたホタルは、教材として飼われたり、まつりやイベント等の客引きとして放される。自然環境から離された可哀想なホタルたちを見て、人々は自然環境に思いを馳せるのか?そして真に癒されるのか?

 年々、ホタル養殖販売業者は増加している。需要があるから商売が成り立つ。日本人はホタルが好きだから、販売戦略も立てやすい。それに世間では難しいと思われているホタル養殖も、人工的ならばそれほど難しくもないのだ。ホタル養殖販売業者にとって、ホタルはただの商品にかすぎない。生態系だの遺伝子など関係ない。法的規制もないホタルビジネスは、もはや3億円市場だ。身近な場所でホタルを見せようという買い手の勝手な思惑のために、特に保全されていない、いわば自然のままに発生している貴重なホタルが、次々と乱獲されているのである。遠方への移動によって遺伝子攪乱も頻繁に起こり、固有種は絶え続けている。餌として外来種の巻き貝も持ち込まれ、河川の生態系が崩れ掛けている。何と悲しいことだろう。「美しい日本」は、どこへいくのだろうか。

 絶対にホタルを購入してはいけない。本当にホタルが好きで、自然を大切に思うならば、そしてホタルを里山という豊かな自然環境の結晶として捉え、日本の原風景の証のまま、いつまでも生きていて欲しいと思うならば、絶対にホタルを買ってはいけない。売ってもいけない。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/東京にそだつホタル
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4 コメント

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ホタルの悲鳴 (ホタルの本音)
2007-09-25 23:00:02
 古河所長様の申す通りです。「買わない」となれば、供給は出来ません。ホタルは生物です。私達人間と何ら変わらない生物です。命も私達と同じ一つです。余りにも身勝手過ぎる行動には急停車を命じたいです。これからも古河所長様のご意見及びご活躍を楽しみにしています。応援しています。
頑張って下さい。

板橋区住人「ホタルの本音」より
Unknown (古河)
2007-09-26 16:21:54
 コメントありがとうございます。あくまでも私個人の意見ですが、ホタルが好きな者として黙っていられなくなりました。現代人は、風情を感じる感性や価値観も、自然に対する愛情や危機感も失っているのではないでしょうか。
Unknown (tu4477)
2007-09-27 08:17:54
 悲しい事です。そういう商売が成り立ってしまう事が問題ですね。
 今年の夏、昆虫写真をやっている私のブログへ、テレビ局の社員を装い、子供たちに自然の蛍を見せたいとして、自然の生息地を教えて欲しいと言う、本当に腹立たしいメールが来ました。もちろん完全に無視ですけど、こういうのに騙されてしまう方もいるだろうし、とても心配です。
 また、私がよく行く場所に、蛍を放そうと小川を作っている場所があります。ここはアメリカザリガニが沢山いて、到底、定着はしないと思われますが、専門業者が来て何も知らない土地権利者に売りつけ、その場所の生態系を破壊してくのはとても辛いです。

 いつも応援させていただいております。これからも先頭に立って頑張ってください。
ヤフオクにて販売されてます。 (halupontan)
2008-07-02 12:36:20
この人の出品物を見てください>  <。
多分、捕り方は上記と一緒の方法だと思われますが。
単体1匹の価格が\200一撃で・・・その後の追加は100匹まで可能と記載されてました。(;_x。
自然の蛍を無断で捕まえ、販売するなんて言語道断ですよ!!
っと言うより、悪質で酷過ぎせんか??

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ホタル販売 (ホタルのひとりごと)
ホタル百科 作者: 東京ゲンジボタル研究所 出版社/メーカー: 丸善 発売日: 2004/05 メディア: 単行本  仙台のある団体がホタルまつりを開催した。自然発生のホタルが飛ぶかどうかわからなかったので、保険としてホタル養殖販売業者から数百匹のホタル(ヘイケボタル)を...