ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ホタルの出現が遅くなる可能性が。

2009-05-20 22:56:20 | ホタル
 九州などの西日本の一部で、ホタルが発生したところがあるようである。それらが、ゲンジボタルかヘイケボタルなのか、また、自然発生地なのか、或いは飼育して放流している地域なのかは分からないが、昨年に引き続き平年よりも少し早めのホタルの出現であるようだ。
 民間の気象会社が5月19日に「春の暖かさが影響で、ほたる昨年に引き続き早めの出現」と発表した。東北や北海道などでは、やや遅れる可能性もあるとしながらも、全国的に出現が早かった昨年よりも、さらに早まる傾向が現れており、その原因として、「冬から春にかけて全国的に平年よりも気温が高くなり、幼虫の活動が活発化し、上陸が平年よりも早まったものと思われる。」と発表している。

 さて、東京の場合はどうであろうか。ゲンジボタルの場合では、今年は例年の時期に発生する地域もあれば、かなり遅くなる可能性のある地域もあると私は考えている。東京でのホタル幼虫の上陸は、自然発生地に限っていえば、ほとんどが5月に入ってからである。丘陵地ではゴールデンウィーク期間に上陸し、6月中旬頃に成虫が出現する。山間部では、上陸の時期は丘陵地よりも後になり、7月上旬に発生する。
 今年は、ゴールデンウィーク期間に雨が降っており丘陵地では例年通りに上陸が見られたが、その後、今日までほとんど雨が降っておらず、山間部では上陸が行われていない。明日24日は、午後から雨の予報だが、万が一降らなければ上陸は更に遅くなり、発生時期も遅くなると予想される。ただし、遅い時期に上陸しても、気温(地温)が高くなるので、羽化までの期間が短くなるから、極端に発生が遅れることはないが、それでも例年よりは遅くなると考えられる。

 ホタルの出現時期は、幼虫の上陸時期に左右される。幼虫の上陸時期は、気温、水温、幼虫の成熟度も関係しているが、それだけではなく日長時間も大きく関係している。冬から気温や水温が例年よりも高いからといって、上陸が早まることは自然発生地ではない。また、もっとも重要なのは、降雨である。上陸時期になっても雨が降らなければ上陸は行われない。
 つまり、「冬から春にかけて全国的に平年よりも気温が高くなり、幼虫の活動が活発化し、上陸が平年よりも早まった」とする気象会社の考え方は、間違っている。

 ホタルの出現が早い地域があることは確かである。おそらく、上陸時期には期間に幅があるから、その一番初期に降雨があったことで、上陸がスムーズに行われたこと。そして、上陸後の気温(地温)が高かったことで、前蛹期間が短くなり、結果として、成虫の発生が平年よりも若干早くなったと考えられる。
 また、昨今幼虫を水槽で飼育して3月頃に放流することが各地で盛んに行われているが、この場合、幼虫は人工飼育によって、上陸時期を決定するシステムが狂わされている可能性があり、これら幼虫は相対的にかなり早い時期に上陸し、成虫の発生も早い。
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クロマドボタル

2009-05-04 21:53:56 | ホタル
 5月2日、4日とクロマドボタルの幼虫観察に行って来た。2日は、あきる野と青梅に、4日は、八王子とあきる野の生息地にいったのだが、二日間で出会えたクロマドボタルの幼虫はたったの1頭。林道脇のササの茎で発光していたが、これ以外はまったく見つけることができなかった。4月25日以来、雨が降っていないため、林道脇の茂みも乾燥している。どうやら陸生ホタルの幼虫は、活動が活発な夜間でも、乾燥した状態が続いていると落ち葉の下の土に体を密着させてじっとしているようである。
 観察のために持ち帰った幼虫も、昨日は昼夜を問わず落ち葉の下でじっとしていた。ウスカワマイマイも殻の中に閉じこもっている。

陸生ホタルの生態と生息環境
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