ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ゲンジボタルの発生状況

2007-06-28 22:47:05 | ホタル
 昨日、ゲンジボタルの観察地の1つである場所に行ってみた。6月13日頃に発生し、16日は約100匹、20日は約200匹、23日は約300匹、そして27日は約50匹の飛翔であった。この間、メスのゲンジボタルは1匹も発見できなかった。地元の方々もそうおっしゃっていた。今年のこの場所の特徴は、わずか2週間ほどの発生期間で、10日ほどで発生ピークを迎え、その後は急速に減少。前半はほとんど雨が降らず、今半になってやっと少しだけ振るという状況。気温は日中の最高気温が30度を超える日が多く、湿度も低かった。上陸の時期にも降雨日が少なかったことから、まとまって上陸したために発生時期が短かったのかも知れない。ただ、一晩中、観察していたわけではないので、何とも言えないが、メスが見つからなかったのが不思議である。
 別の河川では、16日に発生ゼロ、23日に約30匹、27日は10匹と少なくなっていた。こちらは、4年前には200~300匹の発生かあったが、翌年川沿いの電柱工事が大々的にあり、それ以後発生数が少なくなってしまった。ここ数年は、毎年20~30匹というところである。
 どちらも、別の原因も考えられる。乱獲である。前述の場所では、夜中に網をもった人がゲンジボタルを大量に採集しているのが目撃されている。メスを中心に捕られた可能性も高い。後者でも同じだ。また、どちにもカワニナも大量に捕られているようである。ある市で「ホタルの里復活」を目指す団体もそこでカワニナを採集したというから、あきれてしまう。自分のところさえホタルが飛べば、だれも管理などしていない自然発生している所は、どうなってもいいのだろうか・・・
 
 とたんに飛翔する数が減ってしまった河川で、何だかとても寂しい思いに駆られてしまった。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル

 
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コモチカワツボとゲンジボタル

2007-06-25 23:20:37 | ホタル
 以前、外来種の巻き貝「コモチカワツボ」が、神奈川県内の河川で繁殖しているという記事を取り上げたが、昨今のニュースでも、また話題になっている。私の観察地域では、コモチカワツボは進入していないが、実験によれば、コモチカワツボを与えればゲンジボタル幼虫の成長を阻害し、成虫の発光力も低下するという。ゲンジボタルは、生息環境と生態からカワニナを栄養源としてきた。水田に住むヘイケボタルの場合と違って、カワニナしか食べるものがなく、それを効率よく消化吸収できるように進化してきたものと考えられる。だから、似ているからといってもコモチカワツボで成長できないのは理解できる。
 この貝はホタルの養殖業者や飼育マニアによって持ち込まれ、自然河川において大繁殖している。外来種ということも大きな問題がだ、根本は違う。
 ホタル養殖業者やホタル飼育マニア、ホタルが飛べさえすれば良いと考える団体は、できるだけ楽をしてホタルを増やそうと考える。カワニナを増やすことが難しいとなれば、代用食を考える。カワニナに似ていて、いとも簡単に増えるコモチカワツボは、打ってつけの代用食と思われたのだろう。
 ホタルは、自然環境の象徴なのである。豊かな里山環境と生態系があってこその存在だ。その自然環境を保全することによってホタルも生き続ける。代用食などと考えるのは、複雑で大きな自然環境など眼中になく、目先の利益と結果だけを追い続ける者の考え方だ。ホタルの幼虫を養殖して放流するのも同じだ。

 時間がかかっても、地道で難しい道のりでも、豊かな自然環境を取り戻す努力をした結果、例えわずかな数でもホタルが飛んでくれた・・・この積み重ねが、重要だと思う。そうしなければ、未来はいったいどうなるのか。
 
 人々のためではなく、ホタルのために・・・ 東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル

 
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ホタルと光景に感動

2007-06-23 23:54:16 | ホタル
 午後から、陸生ホタルを探しに東京のある場所に行った。生息条件からあの場所に行けば、これまで観察したことのないオオオバボタルに出会えると期待して行った。林道でまず見つけたのは、ムネクリイロボタル。次にカタモンミナミボタルも見つけることが出来た。深い杉林と渓流沿いに続く林道。脇には放置木が横たわっている。スギが伐採されて明るく開けた所に下草が茂っていた。その下草の茎にいたのである。オオオバボタルが。その近くにもう一匹。ゲンジボタルのメスほどの大きさがある。前胸の赤斑と長く伸びた触角が印象的だ。よく観ると、発光器らしき部分が赤い色をしている。なかなか美しいホタルである。はじめて観るホタルに感激し、今日の目的が達成できた満足感で一杯になった。何枚か写真を撮ると、オオオバボタルは飛び去ってしまった。

 場所を移して、同じく東京都内のゲンジボタルのいる小川へ。かなりの発生数である。300匹以上は飛んでいたのではないだろうか。半月に近い月が出ていたものの、無風状態であったために河川の上をゆっくりと行き交うゲンジボタル。土手には住宅もある里の川。子供達も土手を走り回っている。ゲンジボタルはまさに人里のホタルとしみじみ実感させる光景であった。幼虫を放流することなどはしていない自然発生のゲンジボタル。この場所は今月3回目の訪問だが、訪れるたびに感動する。ホタルは里山という自然環境の結晶であって、環境を取り戻す、或いは保全することが第一優先にも関わらず、昨今の新聞では、「ホタル復活・・・3月に幼虫を放流してみごとにホタルが舞う。」などというバカげた記事が多い。環境は二の次で、飼育養殖したホタルの幼虫を放流することが、ホタル保護とかホタル復活と思うことは、間違っている。車のハザードランプを付けたり、懐中電灯を照らしたり、フラッシュを焚いて写真を撮る「ホタル滅ぼし族」もいない。ホタルは、人々が見るための観賞虫ではないことを、この「東京にそだつホタル」は教えてくれる。

 目で見える情景を写したく、露出や構図を変えながらオリンパスOM-2で何枚もシャッターを切った。どれだけ撮れているだろうか・・・東京に残された貴重な環境。撮影したこれらホタル写真と風景写真の現像が楽しみである。(ブログに掲載している写真は、別の場所である。)

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル
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ホタルは里山の昆虫と実感。

2007-06-19 23:23:42 | ホタル
 友人と二人で南房総まで出かけてきた。今日の目的は、陸生ホタルの観察と写真撮影、そして新たなゲンジボタル生息地の調査である。

 千葉県は、東京では見ることの出来なくなった田園風景がまだまだ沢山広がっている。それが当たり前のように県道の両側に続いている。

 最初に、親戚の持つ山荘でオバボタルとムネクリイロボタルを撮影した後、県道からそれて脇道を進んだ。ホタルが生息していそうな谷津ばかりである。民家が点在する田んぼの真ん中を走る道。ふと右側を見ると水田の中心にこんもりとした森がある。鎮守の森である。車を降りて歩いていくと、森の向こうにも水田が広がっており、どうやら川も流れている様子。美味しい空気を吸い込みながら茂みを抜けると、護岸工事されていない幅2m程の河川と水田が広がっていた。茂みは河川に沿うように続いており、水田の向こうには低い山並み。街灯も一切ない。水田にはタニシとモノアラガイ、そして川底を覗けばカワニナが数え切れないほどへばりついていた。これならいる!

 近くの水田で草刈りをしていた農家の方に「ホタルはいますか?」と友人が訪ねれば「そこらへんにたんさんいるよ。」
”ホタルなんて珍しくもなく、普通にいる虫”というような口振りが印象的であった。
「やっぱり、いるのか!」
1時間半ほど夕食を食べながら待機。そして19時15分。1匹が茂みの奥で光り出した。
「やっぱり、いたな!でもどれほどいるのかは・・・」
19時40分。あちらこちらの茂みから無数のゲンジボタルが光りながら飛び出し、気が付けば、あぜ道や水田上には、ヘイケボタルが弱々しく飛んでいるではないか。時間が経つにつれホタルの数は増し、まさしく源平合戦となった。われわれ以外には誰一人として訪れることもない。

 すばらしい光景と環境である。しかし、これはここでの普通の風景であり出来事なのである。何の変哲もない田園風景。人々の暮らしもある。ホタルは里山に生きる普通の昆虫なのだと改めて実感した。東京都内にも、まだホタルが自然発生する所がある。いつまでもホタルが舞い続けるよう、その環境を守らなければならない。

写真(ホタルの写真より)は、自宅で羽化したホタルを自宅のセットで撮影。生息地でのストロボ撮影は禁物です。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル
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東京のホタル前線

2007-06-17 10:23:59 | ホタル
 毎年ホタルの観察を続けている東京都内某所(自然発生地)に行って来た。この場所では、5月6日に幼虫の上陸を確認しており、その後の積算温度から6月10日頃が羽化と予測していた。ホタルの成虫は、羽化してから地上に出てくるのに2~3日、また降雨や気温も影響するので実際に飛ぶ日は計算通りにはいかないが、地元の人の話では13日に初めて飛んだらしい。

上陸後、Σ(毎日の平均気温-8.02)が408.4を越えると羽化

という飼育実験から得た有効積算温度による発生予測は、今年も当たったようである。今年のホタル前線は、例年より一週間ほど早いと言われており、実際に千葉県勝浦市ではそうであるとこの目で確認したが、今日訪れた場所は例年と同じ発生時期である。ホタル(ゲンジボタル)の発生は、暖冬は関係なく、いつ上陸したか、そしてその後の積算温度によって決まるのである。

 河原で写真を撮っていると、地元の人に「なにやってるんだ!」といきなり怒られてしまった。自己紹介をすると納得していただいた。どうやら、ホタルをたくさん捕まえて持って帰る人が後を絶たないらしい。そのためにパトロールをしているそうだ。暗闇では顔が見えない。ホタル泥棒と間違われないようにする工夫はないものだろうか。

 ここは開けているので日没後もなかなか暗くならない。一番ホタルが飛んだのが19時40分。一時間前から周囲の様子を観察して夕暮れを堪能しつつもホタルを待ちわびる同行した知り合いにこう話した。

 「ホタル鑑賞は、ホタルの光だけを見るのではなく、ホタルの舞う風景を観賞するものだ。」

写真は、自宅で羽化したホタルを自宅のセットで撮影。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル

 
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ゲンジボタルの里を撮影する

2007-06-14 21:32:04 | ホタル
 先週末に訪れた千葉県勝浦市のゲンジボタルの写真が出来上がった。自前のフィルムスキャナーが故障したためにプロラボでスキャンしたもらったjpegデータの掲載である。フィルムスキャナーが良ければ、もっと解像度の高い画像になるのだが、ボーナスが出るまでは、しばらくし仕方がない。

 前回のゲンジボタルの撮影では、街灯や月明かりが邪魔となって、背景が明るすぎてゲンジボタルの光りがわかりにくかったが、今回はそこそこイメージに近い撮影ができたと思う。点数を付ければ100点満点で50点だが・・・。ホタルの写真は、ホタルの光の数よりも風景(背景)が命だと思う。愛機オリンパスOM-2、ズイコー50mmF1.8レンズにコダック/プロビア400xで5分の露光。ピントは、ファインダーを覗きながら飛んでいるゲンジボタルの光にあわせる。街灯がなかったのでフィルターなしでも緑かぶりがなく、自然な色合いを再現できた。

 残念ながら、水田の上を飛ぶヘイケボタルをゲンジボタルと同時に撮影した源平合戦の写真は、撮影時のミスにより失敗となってしまったが、とにかく、すばらしい里山であった。また来年、是非訪れたいと思う。

その時撮影したゲンジボタルの写真は、東京にそだつホタル
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○○ウォーカーへの取材拒否

2007-06-10 20:25:23 | ホタル
○○ウォーカー編集者・ライター 各位

 写真画像の使用規定違反等々の問題、ホタル保護の理念により
今後、ホタル鑑賞を目的とした雑誌内容に関しては、ホタルの写真画像の利用及び取材等は、一切拒否いたします。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

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ホタル百科

2007-06-08 22:04:44 | ホタル
 暗闇の空間に明滅する数多くの小さな光たち―近年、環境問題が我々の身近な問題になってきたのと同時に、ホタルへの関心がものすごい高まりを示している。本書では、この魅力的なホタルの生態や生息環境から、飼育の方法、そして保護の話題に至るまでを、最新の知見を交えて、ビジュアルに紹介していく。自然環境を考える上での身近な指針にもなりうる「ホタル読本」の決定版。

【内容概説】
 日本人に馴染みの深いホタルは自然環境の破壊とともに減少の一途をたどっており、各地でホタルへの感心が高まるとともに、保護活動なども行われている。しかしホタルの生息環境への理解が足りないがゆえに、その考え方や方法に問題がある場合も少なくない。本書はホタルや自然環境を考える上での身近な指針になることを目的に、ホタルに関する様々な知見を紹介。余り知られていないホタルの生態や生息環境についても詳しく解説した。特にホタルの保護に関しては、生態と生態系を把握した上で生息地全体の保全・再生を最優先すべきであるという考えから、多くのページを割いている。

【目次】
第1章 ホタルの不思議(ホタルの魅力/ホタルの種類/名前の由来/生活史/ホタルの形態)/第2章 知られざる生態(成虫/卵/幼虫~上陸/蛹~羽化)/第3章 水、清くして魚住まず―ホタルの生きる環境(ゲンジボタルの生息環境/ゲンジボタルの生息条件/ヘイケボタルの生息環境/多様性と生態系)/第4章 飼育は、観察のために(飼育の目的と意義/飼育方法と観察)/第5章 守るためにすべきこと(ホタル減少の原因/ホタルの鑑賞のために/保護活動と問題/環境教育の必要性/ホタルを守るということ)

読者からのコメント

ホタルが好きで、毎年夏になると家族で見に行っています。この本は、ホタルのすべてがわかりやすく書かれていて、とても勉強になりました。ホタルについて意外と知らないことが多いものだと感じました。また、ホタルだけでなく、ホタルを通じて自然の大切さが実感できました。ぜひ、ホタル好きの人や自然が好きな人、大勢の人にもお薦めしたい一冊だと思います。

自然を愛し、ホタルを愛しているからできた本だと感じました。幼い頃、夢中でホタルを追いかけた。そんなことを思い出させてくれました。

ホタル百科 東京ゲンジボタル研究所 著  丸善 【税込価格】1,260円
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ホタル前線今年は一週間早め?

2007-06-07 23:05:21 | ホタル
 ある民間気象情報会社が、全国に約1万人いる同社のリポーターからの観測報告や、気象庁が鳥の初鳴きや花の開花時期などを調べた「生物季節観測」データに基づく過去の傾向、気温などからホタルが舞い始める時期を予測した。それによると、今年は一週間早めであるという。実際に調べてみると一週間から10日ほどホタルの発生が早い地域が多い。

 同社は、その理由を「幼虫時代に、水温が16℃を下回ると発育が鈍くなると言われているが冬~初夏の気温が平年よりも高かったため、川の水温もやや高めで推移したと思われる。つまり、暖冬の影響で幼虫が順調に育ったためである。」としている。

 これは、大きな間違いである。ゲンジボタルの成虫の発生時期を決定づける要因は、幼虫の上陸時期と上陸後の土の温度である。幼虫の上陸は、気温・水温・日長時間、そして降雨が関係している。暖冬で水温や気温が高くても、ある日長時間に達しなければ上陸しないし、気温・水温・日長時間の条件が満たされても雨が降らなければ上陸しない。そして、上陸した後は有効積算温度に左右される。暖かければ蛹化までの日数は短くなる。幼虫の上陸が例年と同じ日であっても、積算温度により一週間は前後するし、上陸が例年と一週間前後としても、その後の積算温度により変化する。さらには、羽化した成虫が地上に出てくるタイミングも降雨が関与している。それにより2~3日はずれる。

「幼虫時代に、水温が16℃を下回ると発育が鈍くなる・・・」
確かに水温が高ければ生育はよいが、ゲンジボタルの幼虫は、2年越し、3年越しもいて上陸時期の遙か以前に終齢に達して、その時を今か今かと待ち望んでいる幼虫が多いのである。ホタル前線今年が一週間早めなのは、「暖冬の影響で幼虫が順調に育ったため」ではないのである。

 ホタル生態の正しい知識もなく、ホタル鑑賞のための情報をただ提供する姿勢に疑問を感じる。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル
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ホタルを滅ぼす企業の無責任なサービス

2007-06-07 23:04:24 | ホタル
 ある民間気象情報会社が、ホタル情報を配信する携帯電話向けコンテンツを今年もスタートさせてた。そのサービスの目的は、「季節の風物詩であるホタルの鑑賞を通じ、季節を楽しんでもらうこと。」であるという。

 コンテンツにはいくつかのサービスがあり、1つは、都心から観光地まで全国100ヵ所のホタルスポットのホタルの発生数や交通アクセスを随時配信するもの。
 もう1つは、160万人の会員による口コミ情報でホタルの穴場スポットを配信する。これによりガイド本にもサイトにものっていないホタル情報をチェックできるという。また、カメラ付き携帯電話で撮影したホタルの画像を募集する投稿コーナーなども用意している。

 ホタルの生息地(発生地)には、色々な場所がある。
①観光客誘致、町おこしのためにホタルを利用した場所、
②ハウス内や庭園で人工飼育した場所、
③自然発生しているが保全団体によって管理されている場所、
④誰も管理することなく自然発生している場所・・・
 都心から観光地まで全国100ヵ所のホタルスポットの紹介は、①と②が中心であると思われるが、これは紹介される側も望んでいることだから問題はない。しかし、口コミ情報でホタルの穴場スポットを配信することには、大きな疑問を感じる。

 ホタルの生息地(発生地)は、公表していい場所と、公表を慎重に検討しなければならない場所があるのである。学者でさえ論文に記載することをためらうのである。誰も管理することなくガイド本にもサイトにものっていないホタルが自然発生している場所が公表され、大勢が押し掛けたらどうなるだろうか。

 ホタルの減少や絶滅の原因は、環境破壊や悪化が一番の理由だが、次は、鑑賞者のマナーなのである。車のライト、携帯電話の明かり、カメラのフラッシュ・・・
これまでこれらマナーの悪さをどれほど目の当たりにしてきたことか。そのためにホタルが極端に減ってしまった場所をいくつも見てきている。また、ホタルを見ればどうしても欲しくなる。一人が1匹ずつ持ち帰るとしよう。500人が訪れればそこのホタルはすべて捕られてしまうかもしれない。

 企業では、「希少な昆虫となったホタルを鑑賞する際のマナーなども呼びかけていく予定。」と言っているが、カメラ付き携帯電話をで撮影したホタルの画像を募集しているのは、一体何なのか?

 人間は自分勝手な生き物である。守らせるのは簡単ではない。口コミ情報をどう分析し、どのような判断のもので配信するのかは解らないが、何でもかんでも配信するのであれば、この企業は無責任他ならない。自分達はホタルを保全する活動することなしに、情報を垂れ流すばかりである。人々を喜ばすだけで、ホタルを滅ぼしてしまうかもしれないサービスを展開する企業をどう評価すればいいのであろうか。

 ホタルは、できれば大勢の方々に見ていただきたいと思うが、ホタルのことを思えば心配でたまらなくなる。心ある方々は、是非とも口コミ情報を寄せないでいただきたい。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁  「東京にそだつホタル
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