ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ホタル撮影の明日

2007-07-15 22:23:58 | ホタル
 どんどんフィルムが消えていく。先日はコダックEPJとコダックEPH の製造販売中止について書いたが、実は風景写真に使っていたコダックPKR も同じく姿を消している。このコダックPKR は、フジクロームフィルムのけばけばしい色合いに比べて、何とも深みのある発色が特徴だった。感度が低いのでホタルの飛翔風景には使えないが、ホタルの生息環境やホタルのクローズアップ撮影では愛用していた。これらリバーサルフィルムが消えていく原因は、デジタルカメラの普及に伴う需要の落ち込みに他ならない。世の中の流れとして仕方がないのかもしれないが、残念でならない。コダックPKR は、掲載のヒメボタルの写真(2006.7撮影)が最後の使用となってしまった。

 昨今、フィルム撮影専門のプロとアマのカメラマンからデジタルで撮影したホタル写真が批判の対象となっているが、私は、デジタルカメラでのホタル撮影の技法や撮影した写真の批判をするつもりはない。マクロではたいへんシャープであるし、飛翔風景ではフィルムでは不可能な表現の領域まで達している。大切なのは何をどう撮影して、どのように表現するかである。例えばホタルの飛翔を撮影するならば、光跡だけが写っているのではなく、背景の自然環境まで表現されていなければならないと思う。デジタルでの撮影技法として一般的である、残照があるうちに背景を撮影しておき、跡から細切れ撮影したホタルの光跡をパソコンで何十枚も合成したものは、確かに美しい。コンセプトが「ホタル舞う風景写真」というものだけならば、どのような撮影方法でもよいと思う。しかし、ホタルが実際に飛んでいない時間の風景ではなく、ホタルが飛んでいる実際の時間の背景(光と陰)を写したい。ホタルがどの空間を飛翔しているのかが重要だからだ。ホタルの飛翔は生息環境によっても時間によっても相違がある。合成でない長時間露光撮影は、シャドー部とハイライト部の差が激しくなるが、単なる風景写真を脱した生態写真になるのである。(デジタルでも同様の撮影は可能である。)
 と、いろいろと嘆いてもフィルムが無くなってしまったら、どうしようもないのである。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/東京にそだつホタル
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未来に残したい、ホタル舞う美しい大地

2007-07-11 20:43:33 | ホタル
 日本人の記憶の中に刻みこまれた里山の風景。そこに飛翔するほのかなゆらぎの光。私たちに癒しを与えてくれるホタルたちが安心して生きられる環境は、ふるさとの原風景そのもの。私たちが彼らと共存し続けられるかどうかは、一人ひとりのライフスタイルのあり方にかかっている・・・

 本日発売のスロー&オーガニック・ライフスタイルマガジン「ナチュラルスタイル」に私、東京ゲンジボタル研究所/古河義仁の記事が4ページにわたって掲載されています。

natural style vol.4 2007年7月11日発売

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ホタル写真

2007-07-08 20:03:13 | その他
 新しく購入したフィルムスキャナーは、Nikon COOLSCAN V ED という機種だが、けして安くはない。+αで一眼デジタルカメラが購入できてしまうが、迷うことなくスキャナーを購入した。私が撮影しているホタルの写真はすべてリバーサルフィルムであるから、ホームページに掲載するためにはスキャンしてデジタル化しなければならない。
 早速、試してみる。かなりの高解像度でスキャンできる。ホームページ用に画像を小さくしてしまうのが惜しいくらいだ。もちろん、リバーサル原盤にはかなわないが、5900×3900ピクセル、130Mb は印刷にも十分である。今まで掲載していたホタル写真もいくつかスキャンし直して差し替えた。今後も、リバーサルで撮り続けたいと思う。
 ホームページでは、ごく一部を除いて、東京都内のホタルの風景とホタルの生態写真を撮影している。なかなか満足いく写真は撮れないが、ホタルの研究者として、ホタルの生態研究と保全活動をしながら、東京に舞うホタルの風景を記録として残したいと思って撮影している。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/東京にそだつホタル
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ヒメボタル

2007-07-07 23:54:43 | ホタル
 東京の某ヒメボタル生息地を訪れて今年で5年目になる。今年は極めて少なかった。約15匹が飛んでいたにすぎなかった。時期が早いのか遅いのかは解らないが、2004年と2006年の発生数がとても多かったことと、ヒメボタルは成虫になるのに2年かかることを考えれば、今年は少ない年と言える。写真こそ撮れなかったが、それでも東京で懸命に生きているヒメボタルに昨日に引き続き会うことができた。きっと来年は多いことだろう。(写真は昨年のもの)

 これで、今年のホタル成虫観察はすべて終えた。毎年そうだが、ホタル成虫の時期が終わるとちょっと寂しく、空虚感もある。やりたいことはたくさんあったが、とりあえず千葉県において源平合戦が見られる新たな生息地を発見し、念願だったオオオバボタルを観察することができた。出来なかったことは、また来年である。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホタルの写真はこちら/「ホタルの写真

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ホタルの谷

2007-07-06 23:26:20 | ホタル
 東京の某所にゲンジボタルの観察に出かけてきた。そこは、深い谷と美しい渓流。一人で行くには少々勇気がいるが、ホタルが飛ぶなら我慢も出来る。山地だけに東京では一番発生時期が遅い。今が最盛期である。19時30分。一匹が光り出し、20時にはかなりの数のゲンジボタルが飛んでいた。実は、ここはもともとゲンジボタルは生息していなかった。20年以上も前に放流されたものが定着したのである。放流された幼虫は、すべて西日本型のゲンジボタル。当時は遺伝子すら解っておらず、西日本も東日本も区別はなかった。よく観察すると同期明滅するときの発光の間隔が2秒である。同期明滅するオスの数も30匹以上もいるため、素晴らしい光景である。山奥の車道からおよそ50m谷を降りていった渓流は、ゲンジボタルの楽園そのものである。渓流のすぐ上よりも、両脇にそびえる木々の上まで飛び回る様は、まさに「ホタルの谷」であり、里山のホタルとは全然違う様相を呈している。今回はじめて発見したのが、この渓流脇のスギ林にヒメボタルが飛んでいたことだ。この山の山頂付近には、とても多くのヒメボタルが生息しているのだが、麓近くにも生息していることがわかった。1匹だけであったが、ゲンジボタルが飛ぶ近くを黄金色のフラッシュが横切っていった風景に驚いてしまった。
 明日は、いよいよ山頂付近のヒメボタルに会いに行く。

 ホタルや風景の写真は、すべてリバーサルフィルムで撮影している。だから、ホームページにアップするにはスキャンしなければならない。ところが半年前からフィルムスキャナーが壊れてしまい、最近撮影したホタルの写真は、コダックのフォトCDというものを利用していた。
 しかし、ようやく新しいフィルムスキャナーを購入することができた。これまでは、Nikon COOLSCAN LS-30 で最大解像度 2700dpi、A/D 変換 10bitであったものが、新しいスキャナーは、Nikon COOLSCAN V ED 最大解像度 4000dpi、A/D 変換 14bit である。今までのものよりも美しい画像がスキャンできるに違いない。明日から、スキャンしてみることにする。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/東京にそだつホタル
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ホタル撮影のこれから

2007-07-01 18:45:02 | ホタル
  私は、ホタルの自然発生地の保全とそれらホタルの舞う風景を写真という記録に残すことを使命と考えて、これまで沢山のホタルの風景写真を撮影してきたが、ホタルが乱舞している風景写真を撮影する時に用いていた特殊なフィルムが、製造中止となってしまった。1つは、幻想的な写真を撮りたくて愛用していたコダックEPJ、もう1つは、ヒメボタルに用いたコダックEPHである。たいへん残念でならない。理由は、デジタルカメラの普及に伴うここ数年における急激な需要の落込みのための製造及び販売の終了。後者は、ISO400を増感すればいいが、前者においては、どうしようもない。デジタルカメラでは、いとも簡単に色調の調整ができるが、デジタルカメラを持っていない銀塩カメラ派の自分には、フィルムがなければ撮影すらできない。

 ホタルの舞う風景の中では、人間の目と感性はすばらしい。その見た感動を写真に写すことは至難の業だ。ホタルの光を写すことは簡単だが、その場の感動風景を表現するのが難しい。これまで現実の色を再現することから逃げて、特殊フィルムによる撮影でごまかしていた部分もある。今後の課題は、いかにホタルと周囲の自然環境を現実の色において、雰囲気までも忠実に再現するかであろう。私の撮りたいホタル写真は、ホタルの光跡だけでなく、ホタルの生息する自然環境である。単なる風景写真ではなく、生態学的記録である。

 プロもアマもデジタルカメラへの移行が激しい。あるプロのカメラマンが、デジタルカメラでのホタル写真の撮影技法を公開したことによって、急激にデジタルのホタル写真が増えた。批判はしない。虚偽さえなければ、デジタルならではの撮影技法と加工処理は、銀塩では撮影できない領域にも達する。しかしデジタルカメラを持っていない私は、銀塩を極めたいと思うし、デジタルカメラに変えるのはそれからでも遅くないと思っている。(何より金銭的余裕が必要だが・・・)
 そんなわけで、今年からホタルの風景写真は、富士フイルムのリバーサルフィルム/プロビア400Xのみで撮影しているが、掲載の写真は、何とかその場の雰囲気を少しは再現出来たかなと思っている。点数を付ければ100点満点で30点くらいだろうか・・・ホタルの発生初期でしかも飛び始めたばかりの時間なので、飛翔数は極端に少ないが、東京に残された貴重なホタルの自然発生地の風景である。(デジタルならば、ホタルの光をいくらでも合成できるのだろう・・・)

オリンパスOM-2 ズイコー50mm F1.8 2分間露光 プロビア400X使用

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    その他の写真はホームページ/「ホタルの写真」をご覧ください。
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