ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ムラサキシジミ

2017-08-28 21:09:40 | チョウ/シジミチョウ科

 ムラサキシジミは、過去に何度も撮影し、その都度記事にしてきたが、先日、メスの開翅を撮影したので、 今一度過去の撮影分と合わせてまとめたいと思う。

 ムラサキシジミ Arhopala japonica (Murray, 1875) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ムラサキシジミ属(Genus Arhopala)のチョウで、翅表は、和名のように黒色の広い帯で縁どられた紫藍色で、オスの方が紫藍色部分が広い。一方、翅裏は地味で灰褐色にやや濃い斑紋が並んでいるのが特徴である。暖地性のチョウで、本州(宮城県以南)、四国、九州、南西諸島に分布し、平地から山地の照葉樹林や落葉樹林に生息している。原因は不明だが、東京都や埼玉県では、1960~70年代頃に一時的に本種の姿が消えたが、最近では食樹がある都心の大きな公園でも見ることができるようになっている。
 ムラサキシジミは、多化性で6月~10月の間に2~3回発生するが、季節型はなく、羽化時期による翅の色彩や形状、大きさ等の違いは見られない。その年の最後に羽化した成虫は、そのまま単独ないし数匹の小集団で越冬し、越冬後は4月頃まで見られる。
 成虫は、花で吸蜜することは稀で、ほとんど何も食さないと考えられているが、幼虫はアラカシ、イチイガシ、スダジイなどのブナ科の常緑樹を食樹としている。また幼虫は、アリと密接な関わりを持った生活をしている。
 ムラサキシジミの幼虫は、糖とアミノ酸の豊富な蜜を分泌してアリに栄養報酬として与え、外敵から守ってもらうことで知られている。幼虫の分泌物を口にしたアリの脳内では、ドーパミンレベルが低下することを神戸大学の北條賢博士と琉球大学、ハーバード大学の共同研究グループが研究により明らかにしている。脳のドーパミンシグナルを改変することで、アリは幼虫に夢中になり、幼虫が触覚を引っ込める等の危険信号を発した時は、幼虫に危害を加えようとする外敵に対して攻撃を加えるようになるというのである。この研究は、これまで考えられてきた異なる生物種がお互いの利益を交換しあう「相利共生」ではなく、幼虫が化学的・視覚的な刺激で一方的にアリを操っていることを明らかにした。生態学的にも、反響の大きい発見である。

 甘い蜜に釣られて知らぬ間に操られているのは、アリだけではないだろう。銀座や歌舞伎町等の「夜の蝶」には気を付けたい。

追記

ムラサキシジミは、分類学上(Narathura属)という別の属に扱われることが多いが、明確な理由がないため、ここでは(Arhopala属)として表記した。

参考文献ほか

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、すべて1024*683 Pixelsで掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ムラサキシジミの写真

ムラサキシジミ(オスの開翅)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1250(2017.6.11)

ムラサキシジミの写真

ムラサキシジミ(メスの開翅)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 400 -2/3EV(2017.8.19)

ムラサキシジミの写真

ムラサキシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.0 1/800秒 ISO 200(2010.11.03)

ムラサキシジミの写真

ムラサキシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 3200(2010.8.07)

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タカネトンボ(静止と産卵)

2017-08-26 20:33:28 | トンボ/エゾトンボ科

 タカネトンボ Somatochlora uchidai Forster, 1909 は、エゾトンボ科(Family Corduliidae)エゾトンボ属(Genus Somatochlora)で、北海道・本州・四国・九州・屋久島に分布している。和名の“タカネ”は、高嶺(高い山、高い峰の意)にちなんでいると言われるが、標高300mほどの丘陵地から標高1,600mの高地まで分布し、周囲を樹林に囲まれた閉鎖的で小規模な池沼等に生息している。

 この時期は、タカネトンボの最盛期である。東京都内の低山地や丘陵地の神社の池や林内の水たまり・・・どこでも見かける。オスは、池の上でこまめに移動しながらホバリングし、縄張りを見張っている。そんな様子を見ると、ついカメラを向けてしまう。過去に何度も撮影し本ブログ記事においても「タカネトンボ」として写真を掲載しているが、今回もカメラを向けてしまった。ただし、今回はホバリングを撮るためのレンズを持っていなかったので、静止と産卵の撮影に挑戦した。
 東京都内では珍しい種ではないが、環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定され、青森、秋田、山形、宮城、新潟、長野、石川の各県RDBでは絶滅危惧Ⅰ類に選定されており、岩手と富山県では絶滅危惧Ⅱ類に選定されている。

 タカネトンボの美しさと魅力は、鮮やかな金緑色に輝く複眼とメタリック・グリーンの胸部であろう。枝に止まったところで、ストロボを自動調光で発光させて撮影。また自然光のみでも撮影した。(後日、9/18に自然光のみで撮影した写真を2枚追加した。)
 池上からオスが姿を消すと、それほど間を置かずにメスが産卵にやってくる。メスは、一度、池面に腹部を付けて腹端に水を含ませ、その後、泥の岸辺や苔むした石等に卵と水滴を一緒に飛ばして貼り付けるという産卵方法である。そのためだろうか、メスの産卵時の腹端は大きく上下に開いているのが特徴である。
 過去にも産卵の様子は撮影し「タカネトンボ(産卵)」として掲載しているが、今回も産卵そのものの瞬間ではなく、産卵飛翔の証拠程度の写真しか撮ることができなかった。薄暗い池においてストロボを使用すると、夜に撮影したかのような画面になり、またタカネトンボの体色はギラギラした感じに写ってしまうので、ストロボは使いたくない。しかし、明るいレンズでなければ、シャッタースピードを稼げずに被写体ブレの写真になってしまう。なかなか難しい撮影である。
 これもピンボケで証拠程度であるが、過去に撮影したタカネトンボの産卵の動画を参考までに掲載した。この動きを写真で撮るのは、至難の業である。

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タカネトンボの写真

タカネトンボ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/50秒 ISO 400 -1/3EV ストロボ使用(2017.8.26)

タカネトンボの写真

タカネトンボ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 ストロボ使用(2017.8.26)

タカネトンボの写真

タカネトンボ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 3200 -2/3EV(2017.8.26)

タカネトンボの写真

タカネトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/125秒 ISO 3200(2017.9.18)

タカネトンボの写真

タカネトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 3200(2017.9.18)

タカネトンボ産卵の写真

タカネトンボ(産卵飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 3200(2017.8.26)

タカネトンボ産卵の写真

タカネトンボ(産卵飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 3200(2017.8.26)

タカネトンボ産卵の写真

タカネトンボ(産卵飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/50秒 ISO 3200(2017.8.26)

タカネトンボ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / (2014.9.14)

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カラマツ林

2017-08-21 21:50:06 | 風景写真

 カラマツ林は、ほとんど戦後の植林によって作られたものだ。山地帯や亜高山帯など比較的寒冷な土地や火山灰の痩せ地などスギの植林が困難な地域でも十分に育つため大規模な植林が行われ、人工のカラマツ林が広く分布している。自然林は、上高地なし本州中部の標高1,500mほどの山岳地帯に限られる。
 カラマツは日本原産で、唯一落葉する針葉樹である。春の芽吹きの緑や、秋の黄金色に輝く紅葉・・・北原白秋は、詩「落葉松」で軽井沢のカラマツ林の美しさを詠んでいる。

  • カラマツの林を過ぎて
  • カラマツをしみじみと見き
  • カラマツはさびしかり
  • たびゆくはさびしかり

 この時期は、昆虫の撮影を主として出かけているが、撮影できずに心が折れることがしばしばである。そんな時、ふと自然風景に目を向けると癒される光景に出会う。
 カラマツ林は、四季を通じて表情を変える。その光景は、見る人によって見方や感じ方に相違があるだろうから、主観的な意見はここでは避け、私が感じて撮影したカラマツ林の写真を掲載するに留めたい。
 以下の写真は、カラマツ林の緑、紅葉、そして霧氷であるが、春先の新緑をまだ撮っていない。来年には「カラマツ林の四季」としてまとめたいと思う。

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カラマツ林(緑)の写真

カラマツ林(緑)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:長野県富士見町/入笠湿原 2017.8.13)

カラマツ林(紅葉)の写真

カラマツ林(紅葉)
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1秒 ISO 100(撮影地:山梨県甲州市/一之瀬高原 2011.11.5)

カラマツ林(霧氷)の写真

カラマツ林(霧氷)
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 5秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰 2013.1.27)

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カラスアゲハ(夏型の集団吸水)

2017-08-20 17:46:31 | チョウ/アゲハチョウ科

 カラスアゲハPapilio dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864)<名義タイプ亜種, 日本本土・朝鮮半島亜種>は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)アゲハチョウ属(Genus Papilio)のチョウで、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。食草は、ミカン科のコクサギ、キハダ、サンショウ、カラスザンショウ、カラタチ等であるため、山地の渓谷で主として見られる。同属のミヤマカラスアゲハ(Papilio maackii Ménétriès, 1858)に似るが、ミヤマカラスアゲハには前翅の表面と後翅の裏面に白い帯があるので見分けられる。 羽化の時期によって春型と夏型が存在し、春型の方が小さく色彩もより美しい。

 カラスアゲハは、ツツジ、ユリやアザミの花でよく吸蜜する他、雨上がりの気温が高い日には、川岸の湿った砂地などで集団で吸水する性質がある。
 東京は記録的な異常気象で、8月になってから連続19日雨が降っており、日照も極端に少ない。前日(8/19)の夕方に激しい雷雨があったが、本日(8/20)は、曇りで気温は28℃。砂利が敷き詰められた渓谷近くの空き地では、オスのカラスアゲハが6頭、集団で吸水している様子が見られた。

 カラスアゲハは、環境省カテゴリに記載はないが、香川県のRDBには、準絶滅危惧種として選定されている。選定理由として、低中山地の渓流環境の悪化により、生息地、個体数とも減少しているためとしている。都市近郊の低山地の開発、森林の伐採、スギなどの植林による、コクサギの生える生息地の減少や成虫の吸蜜植物の減少を要因として挙げている。

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カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 400 +2/3EV(2017.8.20 10:02)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200 -1/3EV(2017.8.20 10:16)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(2017.8.20 10:19)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(2017.8.20 10:29)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 2000(2017.8.20 10:30)

カラスアゲハの集団吸水写真

カラスアゲハ(夏型の集団吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200 -1/3EV(2017.8.20 10:16)

カラスアゲハの写真

カラスアゲハ(夏型オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400(2017.8.20 10:25)

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地味なチョウたち

2017-08-19 19:51:14 | チョウ

 8月の三連休の信州遠征にて撮影したチョウを紹介したい。特に目的とした被写体ではなく、何気なく撮影した地味な種ばかり。普段ほとんどカメラを向けないセセリチョウやヒョウモンチョウ、ヒカゲチョウしか飛んでいなかった。
 あまり撮影しないので未撮影種も多い。帰ってから気が付いたが、2種が初見初撮影であった。

 コキマダラセセリ Ochlodes venatus (Bremer et Grey, 1852)は、セセリチョウ科(Family Hesperiidae)コキマダラセセリ属(Genus Ochlodes)のチョウ。北海道から本州中部や中国山地に分布し、本州では標高1000m程度の高原でよく見られる。
 環境省カテゴリに記載はないが、東京都では絶滅、島根県、山口県では絶滅危惧Ⅰ類に、茨城県、神奈川県、愛知県では絶滅危惧Ⅱ類に選定している。

 コキマダラセセリは、当ブログの昆虫リスト「鱗翅目」で137種類目となる。

 ウラギンヒョウモン Fabriciana adippe ([Denis et Schiffermuller], 1775) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)ドクチョウ亜科(Subfamily Heliconiinae)ウラギンヒョウモン属(Genus Fabriciana)のチョウ。北海道から九州に分布し、山地の草原で普通にみられる。翅表はヒョウモン類では一般的な模様だが、後翅裏には銀白色斑が顕著に現れるのが特徴である。
 ウラギンヒョウモンは、当ブログの昆虫リスト「鱗翅目」で138種類目となる。

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コキマダラセセリの写真

コキマダラセセリ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 200 +1EV(2017.8.13)

ウラギンヒョウモンの写真

ウラギンヒョウモン
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 200(2017.8.13)

クロヒカゲの写真

クロヒカゲ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800 +1/3EV(2017.8.13)

ヒメキマダラヒカゲの写真

ヒメキマダラヒカゲ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800 +1/3EV(2017.8.13)

ミドリヒョウモンの写真

ミドリヒョウモン(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 800 +1/3EV(2017.8.11)

ミドリヒョウモンの写真

ミドリヒョウモン(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 2000 +2/3EV(2017.8.11)

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アオイトトンボ

2017-08-16 23:19:28 | トンボ/アオイトトンボ科

 アオイトトンボ Lestes sponsa (Hansemann, 1823)は、アオイトトンボ科(Family Lestidae)アオイトトンボ属(Genus Lestes)に分類されるトンボで、北海道、本州、四国、九州に広く分布する。南九州では産地が限定され、鹿児島県では最近分布の確認が記録されていない。
 平地から山地の挺水植物が繁茂する明るい池・沼・湿原の滞水や高山の池塘に生育し、光沢のある青緑色をした美しいイトトンボで、成熟すると複眼は青くなり、オスは胸部と腹部に白粉を帯びるのが特徴である。

 アオイトトンボの撮影を、これまで日本の数か所で行ってきたが、長野県の乗鞍高原の個体群は、成熟してもほとんど体に粉を吹かないようである。この地を訪れる毎に観察しているが、粉を吹いた個体を見たことがない。成熟しても光沢のある美しい青緑色を保って飛んでいるため、一見、カラカネイトトンボかと思うほどである。
 同じような標高にある八ヶ岳の池に生息する本種は粉を吹くことから、標高差ではく、地域的な特異であると思われる。比較対象として、別の場所で撮影した粉を吹いた本種の写真も掲載した。

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アオイトトンボの写真

アオイトトンボ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 250 +1/3EV

アオイトトンボの写真

アオイトトンボ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1250

アオイトトンボの写真

アオイトトンボ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 2500

アオイトトンボの写真

アオイトトンボ(埼玉県)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 640

アオイトトンボの写真

アオイトトンボ(静岡県)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/400秒 ISO 500

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ゴマシジミ(開翅)

2017-08-12 13:51:55 | チョウ/シジミチョウ科

 ゴマシジミの開翅をようやく撮影できたので紹介したい。

 ゴマシジミ Phengaris teleius (Bergstrasser, 1779) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ゴマダラシジミ属(Genus Phengaris)に分類されるチョウで、日本国内では4亜種が生息しており、本記事で取り上げているゴマシジミ本州中部亜種 Phengaris teleius kazamoto (H. Druce, 1875) は、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種として環境省カテゴリにおいては絶滅危惧ⅠA類に選定されており、福島県、新潟県、群馬県、長野県、愛知県のRDBにおいても絶滅危惧Ⅰ類としている。
 ゴマシジミの生活史は特異で、親はワレモコウの花穂に産卵する。 孵化した幼虫は花穂を食べて秋に3齢まで成長し、4齢(終齢幼虫)になると食草から地上へ降り、草原の土の中を好むシワクシケアリによって巣に運ばれてシワクシケアリの幼虫や蛹を餌にして越冬し、翌年の夏にアリの巣の出口付近で蛹化・羽化して地上に出るのである。ワレモコウもなくてはならないが、それ以上にシワクシケアリの存在が重要で、このアリが生息できる環境でなけれればゴマシジミも生息することができず、絶滅・減少の大きな原因になっているのである。
 採集者の乱獲も問題になっているが、ゴマシジミ本州中部亜種は、2016年に「国内希少野生動植物種」に追加指定されたことで、国内のどの地域でも捕ることができない。また、長野県松本市では、特別天然記念物に指定しており、許可を受けずに捕獲したり、譲渡したりすると5年以下の懲役や500万円以下の罰金が科されるので、今後は採集圧による絶滅は防げるであろう。

 ゴマシジミの開翅を撮るために、4年間で9回も生息地に通った。保全地区であるため個体数が多く、翅を閉じて止まっている姿を撮影するだけなら容易だ。しかしながら、ゴマシジミは、なかなか翅を開かないことで知られており、何度挑戦しても、開翅する気象条件が合わず、翅を開く様子をまともに撮影することはできなかった。唯一、2014年8月23日に2頭の開翅を撮影したが、1頭は翅表が暗褐色タイプで、もう1頭は翅が擦れた老個体でり、満足できるものではなかった。
 ゴマシジミの翅の斑紋や色は、地理的並びに個体的な変異が著しく、日本産シジミチョウ科の中でも最も変化に富むチョウの1種で、翅表は黒縁、黒斑を有する青藍色から全面暗褐色のものまで変異が大きいと言われている。この生息地のゴマシジミは、青い鱗粉がのったタイプ(通称:青ゴマ)と青い鱗粉がほとんどない暗褐色タイプ(通称:黒ゴマ)、またその中間タイプも見られる。撮影の目標は、翅表に青色鱗粉が多くのった個体である。
 今回の天気は、曇り時々晴れで、気温は21℃。7時過ぎから探索を始めたが、何と、どの個体も葉に止まると翅を開いた。開翅には、天候と気温が大きく関係しており、やっと条件が合致した。撮影開始から1時間くらい経過すると、オスは草叢の中を探雌飛翔し始め、なかなか止まらなくなるが、時折、花で吸蜜する時には翅を開いてくれた。ただ、どの個体も青色鱗粉が少ないものばかりである。
 探索を続けていると、葉上でじっとしている新鮮な個体が目に入った。飛び立ってもすぐ近くに降り立つ。飛んだ瞬間に見えた翅表は、まさに「青ゴマ」である。この個体に的を絞るが、頑なに翅を開かない。しばらくすると、探雌飛翔してきたオスに絡まれ翅を開いた。羽化後から時間があまり経っていないのであろう交尾も拒否しているようであった。

 参考までに2014年に撮影した、青い鱗粉がほとんどない暗褐色タイプ(通称:黒ゴマ)の写真も掲載した。

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ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(2017.8.11 9:32)

ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(2017.8.11 9:32)

ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(2017.8.11 8:32)

ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(2017.8.11 9:12)

ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(2017.8.11 7:39)

ゴマシジミ開翅の写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 640(2017.8.11 7:54)

ゴマシジミの写真

ゴマシジミ(暗褐色タイプ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(2014.8.23)

ゴマシジミの写真

ゴマシジミ、シワクシケアリとワレモコウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(2017.8.11 8:27)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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カオジロトンボ

2017-08-06 20:55:56 | トンボ/トンボ科

 カオジロトンボ Leucorrhinia dubia orientalis Selrs ,1887 は、トンボ科(Family Libellulidae)カオジロトンボ属(Genus Leucorrhinia)で、体色は全身が黒で、翅胸背面や腹部第2,3節あたりに黄褐色または赤色の部分がある。また腹部背面には黄褐色の斑紋がある。また額が白色であるのが大きな特徴で、和名の由来となっている。
 海外では、ヨーロッパ・ロシア・中国・朝鮮半島に、国内では、北海道から本州中部地方に分布し、ヨーロッパには原名亜種 Leucorrhinia dubia dubia (Vander Linden ,1825)が、ロシアから日本かけては本種が分布している。またカオジロトンボ属のトンボは、国内では本種とエゾカオジロトンボ Leucorrhinia intermedia Bartenef, 1910 の2種のみが分布している。
 カオジロトンボは、北海道では低地に、本州では、標高1,000以上の山岳地帯に点在的に生息し、モウセンゴケやミズゴケの生えた高層湿原にある池のみというごく限られた環境に生息しており、個体数も少ない所が多い。湿原周辺の樹林伐採による土砂流入、水源の枯渇や水温上昇などによる生息環境の悪化で、絶滅が危惧される地域もあり、環境省カテゴリにこそ記載はないが、福井県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類、岐阜県、石川県、栃木県、山形県、青森県では準絶滅危惧種として選定している。

 今回、カオジロトンボの交尾態を初めて撮影したので、過去に撮影したオスの写真ともにまとめた。
 撮影した池は、池の半分以上がミズゴケで覆われ水深も浅い。撮影はしていないが、本種以外に、ルリボシヤンマ、キイトトンボ、アオイトトンボが見られた。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、すべて1024*683 Pixelsで掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 640(2017.8.07)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800(2017.8.07)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 640(2017.8.07)

カオジロトンボ生息池の写真

カオジロトンボの生息環境

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