ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ヒヌマイトトンボ

2016-06-30 22:37:02 | トンボ/イトトンボ科

 ヒヌマイトトンボ Mortonagrion hirosei (Asahina, 1972) は、イトトンボ科モートンイトトンボ属で、1971年に茨城県の涸沼などで発見されたことからこの和名が付けられた。体長3cmほどの小さなイトトンボで、汽水域に棲むトンボとしては唯一のものであるとされ、河口付近に広がるヨシ(Phragmites communis)群落のみを生息地とし、現在では宮城、茨城、千葉、愛知、三重各県および東京都と大坂府の海岸沿いの限られた地域にしか生息していないと言われている。 また、近年の環境変化により、絶滅してしまった地域もあり、環境省レッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に選定されている。

 ヒヌマイトトンボは、何年も前から撮影したくてもできていない種であった。これまで、多摩川、荒川、江戸川の様々な場所を探索したが見つからず、今年、知人S氏に生息場所をご教示いただいてようやく撮影に至った。といっても、今回撮影できた場所は、かつて探索した場所から100mも離れていない場所であった。
 聞くところによると、午前8時くらいでは、地上から1.0m~1.5mくらいの高さにおり、その後は、アシの水際付近に移動して活動するというので、撮影しやすさを考えて早朝に訪れると、 アシ原に入り込んですぐにヒヌマイトトンボを確認でき、やはり地上から1.0m~1.5mくらいの高さのアシ原を飛んでいた。今回は、個人的な時間制限もあり、やっつけ仕事的にオスのみを撮影して引き上げたが、今後は、メス、そして交尾などの撮影をし生態写真になるよう望んでいきたい。

ヒヌマイトトンボは、初見初撮影の種で、「蜻蛉目」では98種目となる。

参照:昆虫リストと撮影機材

  

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ヒヌマイトトンボ

ヒヌマイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000 +1/3EV(2016.6.26 7:06)

ヒヌマイトトンボ

ヒヌマイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 1250 +1/3EV(2016.6.26 7:07)

ヒヌマイトトンボ

ヒヌマイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 1600(2016.6.26 7:08)

ヒヌマイトトンボ

ヒヌマイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 2000(2016.6.26 7:09)

ヒヌマイトトンボ

ヒヌマイトトンボの生息環境
(2016.6.26)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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トラフシジミ(夏型開翅)

2016-06-29 20:57:53 | チョウ/シジミチョウ科

 トラフシジミ Rapala arata(Bremer, 1861)は、シジミチョウ科トラフシジミ属で、翅の裏面に虎斑状の斑紋があることからこの和名が付いている。北海道、本州、四国、九州に広く分布し、平地~山地の樹林、雑木林の明るい林縁や渓谷などに生息する。成虫は、各種の花蜜を吸いに訪れる。 マメ科、ユキノシタ科、バラ科、ツツジ科、ハイノキ科、クロウメモドキ科、ブナ科、トチノキ科、ミズキ科、ミツバウツギ科、リョウブ科、ムクロジ科などに属する植物が食草である。
 トラフシジミは、春と夏の季節型があり、色合いの違いが顕著である。4~5月に出現する春型は、翅裏が濃灰色で白色の横帯が鮮やかだが、6~8月に出現する夏型は、黄褐色に濃褐色の横帯になる。いずれも後翅後角部には橙黄色斑があり、オスの後翅前縁近くに円形の泥色斑があり、これが性標となっている。また、翅表の色は春型は薄い青色で翅裏の虎斑模様が透けて見えるが、 夏型は深いコバルトブルーである。
 環境省RDBに記載はないが、長崎県では絶滅危惧Ⅱ類、千葉県、鹿児島県では準絶滅危惧種に選定しており、生息地域においても個体数は多くないと言われている。

 トラフシジミの春型は、過去に何度も撮影し開翅も撮影しているが、夏型の開翅は撮影しておらず、その撮影は毎年の目標に掲げていたが、この時期撮影したい被写体が多く、優先度や梅雨の天候との関係で、なかなかトラフシジミの夏型には集中できていなかった。今年、ようやくタイミングが合い、トラフシジミの春型が多く見られる場所に赴くことができた。
 到着後、すぐにそれらしいチョウが目に入ったが、よく見るとアカシジミであった。今年はどこに行ってもアカシジミが目立つ。この場所でも何頭ものアカシジミが飛んでいた。しばらく探索すると、橋のコンクリートの上に止まっているトラフシジミの夏型を見つけた。近づくと弱々しく飛び立ち、近くの草に止まる。そして、開翅。今度は地面に降り立ち、そこでも開翅。春型とは全く違う深いコバルトブルーが美しい。その輝きは、どの方向から見ても同じであった。
 トラフシジミはなかなか翅を開かないと言われている。勿論、日中の盛んに飛び回る時間帯では一切翅を開いて止まることはないが、行動を観察すると開翅するタイミングが分かってきた。 勿論、生息地の物理的環境により開翅の時間や行動そのものにも差があると思われるが、撮影地における春型は、晴れた朝にヒメウツギに吸蜜に訪れ、その後葉の上に止まる個体がいる。 そうした個体は、しばらくすると体を横に倒し、体全体で日光を垂直に浴びる。そして、体を起こすと徐々に翅を開くのである。夏型は、晴れて暑い朝に地面で吸水し、その後、開翅する。掲載した写真は、たまたまの偶然ではない。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

トラフシジミ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640 +1/3EV(2016.6.26 9:42)

トラフシジミ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 500 +1/3EV(2016.6.26 9:44)

トラフシジミ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200 +1/3EV(2016.6.26 9:45)

トラフシジミ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/400/秒 ISO 200 +1/3EV(2016.6.26 9:40)

トラフシジミ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200(2012.5.4 10:47)

トラフシジミ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(2012.5.12 9:32)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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日本ホタルの会 ホタル観察会

2016-06-27 23:23:36 | ホタル

 日本ホタルの会 ホタル観察会が、さる6月26日に行われ、今回初となる「ホタルの写真撮影講習」も行った。オリエンテーションに始まり、夕食会、そしてゲンジボタルの観察と写真撮影。自生しているホタルも多く飛び、とても良い経験になったのではないだろうか。
 掲載の写真は、「写真撮影講習」の際に実際に撮ったものである。団体行動ゆえに、時間が限られていたので、一番乱舞する時間帯に引き上げなければならなかったのが少々残念であったが、参加された皆様は、これに懲りずに来年もまたご参加いただきたい。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ゲンジボタル

ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.4 4秒×80 ISO 800(2016.6.26)

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ヘイケボタル

2016-06-25 13:42:09 | ホタル

 ヘイケボタル Luciola lateralis Motschulsky, 1860 は、ホタル科(Family Lampyridae)ホタル亜科(Subfamily Luciolinae)ホタル属(Genus Luciola Laporte, 1833 )で、南西諸島を除く日本、朝鮮半島、中国東北部、東シベリア、サハリン、千島列島に分布している。 里山の流れのひじょうに穏やかな小川や水田、湿地等に生息しており、地方によっては「コメボタル」「ヌカボタル」等とも呼ばれている。
 ゲンジボタルは、東日本、西日本、九州という大きな3つの系統と6つの遺伝子型グループに分けられるが、ヘイケボタルでは、9種類の遺伝子型が検出されているが、遺伝子間の塩基差異はほぼ1%で、ゲンジボタルのようなグループは特定できない。また、地域集団間の分化もそれほどは進んではいない。

 今回訪れたの生息地では、ゲンジボタルの発生が終了するとヘイケボタルが羽化してくる。発生期間は長く、一か月以上も続く。観察と撮影に訪れた日は、雨の止み間で無風、気温24℃という絶好の条件で、谷戸の一部において小集団が見られ、全体では50頭程度の発生であった。
 19時半頃から発光を始めるが、ヘイケボタルのオスはゲンジボタルのオスように盛んに飛び回ることはない。稲やあぜ道の下草でメス同様に静かに発光し、時折、飛び立つ程度である。(写真1.)20時半頃になると飛ぶオスも多くはなるが、飛び回るという様子はなく、1mほどの高さを直線的に弱々しく飛ぶといった感じである。この日は、2組ほどの親子ずれがホタル観賞に訪れてきたが、たいへんマナーが良く、懐中電灯を照らすことなく観賞していたことに感心した。(写真2.)は、畦の下草にいるメスに対して多くのオスが集まってきている様子である。
 ホタルの発光は、最大発光波長 562nmを示す黄緑色だが、この日の観察では、ヘイケボタルの発光色は青白くも見えた。これは、我々の目は、暗くなると明るさを感じる能力の方が強くなり、色を識別する能力が低くなっているためである。(プルキニエ現象)本記事の写真は、ヘイケボタルの実際の発光色を表している。

注釈:写真3.は、かつて自宅のセットで撮影したヘイケボタルであり、本記事の生息地の個体でもありません。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ヘイケボタル

ヘイケボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影F1.4 4秒×75 ISO 320(2016.6.24)

ヘイケボタル

ヘイケボタル
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.4 4秒×80 ISO 320(2016.6.24)

ヘイケボタル

ヘイケボタル
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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ジョウザンミドリシジミ

2016-06-21 21:56:16 | チョウ/ゼフィルス

 ジョウザンミドリシジミ Favonius taxila (Bremer,1861) は、オオミドリシジミ属(Favonius属)の山地性ゼフィルスで、和名のジョウザン(定山)は、北海道の名勝地定山渓で最初に発見されたことにちなむ。北海道と本州に分布し、北海道では低地の、本州では山地のブナ科のミズナラやコナラの林に生息している。環境省RDBに記載はないが、東京都および埼玉県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類に選定され、茨城県のRDBでは、準絶滅危惧種として選定している。
 全国的に見れば、ジョウザンミドリシジミが多産する地域は多く、何だジョウザンか、と見飽きるほどである。地域によっては、早朝6時半頃から活動を始め、かなり低い位置(下草)に止まってテリトリーを見張り翅を開く。また、小雨程度でも同様の活動をするので、山地性ゼフィルスの中では撮影が容易だ。これから山地性ゼフィルスを撮ろうとする方には、良い被写体になるだろう。
 オオミドリシジミ属の翅色は青色が特徴で、このジョウザンミドリシジミは、典型的な「青色」と言っていいだろう。ただし、光線や見る角度によっては、鱗粉の微細構造による構造色で金緑色に輝いて見えることもある。この記事では。過去に撮影したジョウザンミドリシジミの翅色の違いを集めてみた。

注釈:本記事は、過去にて撮影し個別に公開していた写真を、時節柄の話題として提供するために再現像し編纂したものです。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ジョウザンミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 2500(2012.07.15)

ジョウザンミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.5 1/250秒 ISO 200(2013.07.13)

ジョウザンミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 500 -1EV(2013.07.14)

ジョウザンミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1000 -2EV(2014.7.6)

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ミヤマカワトンボ

2016-06-14 22:52:56 | トンボ/カワトンボ科

 ミヤマカワトンボ Calopteryx cornelia Selys,1853. は、カワトンボ科アオハダトンボ属。北海道・本州・四国・九州に分布する日本特産種で、丘陵地や山地の渓流に生息している。発生期間は長く、5月中旬~9月頃まで見ることができる。
 カワトンボ科では一番大きく、体色は金緑色、翅は赤褐色で翅端の近くに幅広い濃色帯があるのが特徴である。国内のトンボの中では、本種は例外的に縁紋がないが、メスは乳白色の小さな偽縁紋を持っている。オスは縄張りを持ち、川辺の岩などにとまって監視をしており、他のオスが侵入すると追いかけて追い払う。しかしながら、数頭のオスが川上を至近距離で飛んでいることもある。
 環境省RDBに記載はないが、長野県RDBでは準絶滅危惧種として選定している。

 前記事のウラクロシジミが生息する渓流にて、ウラクロシジミが活動を開始するまでの間、川原にて本種の撮影を楽しんだ。渓流の上をヒラヒラと飛ぶ姿が美しく、その飛翔を撮りたかったが、300mmレンズしか持っておらず、またミヤマカワトンボも忙しなく飛び回るので、駄作しか撮れなかった。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ミヤマカワトンボ

ミヤマカワトンボ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800(2016.06.12)

ミヤマカワトンボ

ミヤマカワトンボ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 800(2016.06.12)

ミヤマカワトンボ

ミヤマカワトンボ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 1250(2016.06.12)

ミヤマカワトンボ

ミヤマカワトンボ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500 +2/3EV(2016.06.12)

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ウラクロシジミ(2016)

2016-06-13 20:58:13 | チョウ/ゼフィルス

 ウラクロシジミ Iratsume orsedice orsedice (Butler, [1882]) は、シジミチョウ科ミドリシジミ族ウラクロシジミ属のゼフィルス。北海道の南部の一部、本州、四国、九州に分布し、食樹であるマンサク科のマンサク、マルバマンサクの生える山間部の渓流沿いに主に生息している。オスの翅表は、真珠のような輝きを持っている。
 環境省RDBに記載はないが、大阪府のRDBでは絶滅危惧Ⅱ類に、宮崎県、大分県、高知県、山口県、埼玉県のRDBで準絶滅危惧種に選定されている。

 ウラクロシジミの真珠のような翅表を撮るために、毎年、東京都檜原村の生息地を訪れているが、なかなか綺麗に撮れない。 理由は1つ。生息場所は渓谷であり、食樹は渓谷沿いに生えているため、ウラクロシジミに近づくことができないからである。
 早朝ならば、下草に降りていて朝日を浴びて開翅をするかもしれないと思い、6月11日は、夜明け前から午前9時まで待機したが、下草にはおらず、また近辺を飛ぶ姿もなかった。以前、同地区において9時~夕方まで待機した時に15時頃まで飛ぶ姿を確認できなかったことから、翌12日は14時から待機し、この生息地域で唯一、目線の高さ、もしくはそれ以下で撮ることができる場所で撮影に臨んだ。
 天候はうす曇りで時々日が差す程度であったため、15時前から活動が見られるかと思ったが、この日は15時半を過ぎてからであった。また、今年は昆虫の発生が一週間から10日ほど早く、ウラクロシジミにおいても発生時期終盤で、個体数もかなり少ない状況であった。

 ここで、これまでの観察結果をまとめておくと以下のようになる。
 地域特性もあると思うが、ウラクロシジミの活動時間は、夕方のみで早朝を含む他の時間帯には、一切活動しない。その日の気象条件にもよるが、15時~16時頃から活動を始める、 飛翔するのは、ほとんどがオスで、活動開始後に食樹に限らず開けた場所の葉上に止まり開翅するが、テリトリーを見張る行動ではない。30分もすると葉などに止まることなく飛び回り、 メスを探す。飛翔しながらオス同士が近づいても卍飛翔は一瞬だけで、すぐに分かれる。自分のテリトリーは持っていないようである。

 今回も開翅写真は撮影できたが、2014年の写真を超えるものは撮ることができなかった。ウラクロシジミまでの距離はおよそ10m。その先の葉に止まる10円ほどのウラクロシジミ。Tokinaの300mmに2倍のKenko TELEPLUS 2Xを付けて撮影。(35mm換算で960mm)ライブ・ビューで拡大表示させて、マニュアルでピントを合わせ、レリーズでシャッターを切った。この場所では、これが限界のようである。 今後は、撮影場所を見直し、更に行動パターンを学ぶことが必要であろう。
 本記事では、今回撮影した写真及び過去に撮影したものも含めた掲載した。また、1枚目以外はトリミングをした。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ウラクロシジミ

ウラクロシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200(2012.06.30)

ウラクロシジミ

ウラクロシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 160秒 ISO 3200 +2/3EV(2016.06.12)

ウラクロシジミ

ウラクロシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 3200 +2/3EV(2016.06.12)

ウラクロシジミ

ウラクロシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200 -1 1/3EV(2014.06.15)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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NHK「視点・論点」~ホタルの舞いを求めて~

2016-06-10 20:21:10 | ホタル

NHK「視点・論点」

各界の有識者や専門家が、世相や時代の潮流を読むオピニオン番組に出演しました。

~ホタルの舞いを求めて~

NHK G 13日(月)午前4時20分~午前4時30分
Eテレ 13日(月)午後1時50分~午後2時(再)

解説アーカイブス 「ホタルの舞いを求めて」(視点・論点

ゲンジボタルの乱舞

OLYMPUS OM-2 / ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8 / Ektachrome 320T Professional

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ヒメボタル

2016-06-06 20:33:36 | ホタル

 ヒメボタル Luciola parvula Kiesenwetter, 1874 は、ホタル科ホタル属(Genus Luciola Laporte, 1833)でゲンジボタルやヘイケボタルと同属であるが、幼虫が陸地で生活する陸生ホタルである。青森県から九州まで分布し、平地から高い山地の雑木林、竹林、ブナ林、畑、河川敷など様々な環境に生息している。体長は6mm~9mmほどで、メスは下翅がなく飛ぶことができない。そのため、分布地の移動性は小さく地域により遺伝的特性や体長の差などが著しい。発光は、黄金色のフラッシュ光の点滅が特徴で、活動時間にも地域差がある。日没30分後くらいから発光を始め、21時~22時頃まで活動するタイプと22時頃から発光を始め、深夜2時頃まで活動するタイプに分かれる。

 4年ぶりに埼玉県の生息地を訪れた。この場所は2010年に発見し、その当時は、地元の方は勿論、撮影者は誰一人といなかった。しかしながら、 5年ほど前に近隣の生息地に生息を案内する看板が設置され、インターネットやSNS等の情報で当該生息地も知られるようになり、一晩に20人~30人ほどの撮影者が訪れるようになったようである。
 ここのヒメボタルは、深夜型で21時を過ぎた頃から徐々に発光をはじめ、午前0時過ぎをピークに午前2時頃まで活動が続く。かなり広範囲に生息しており、地域全体では数千という単位であると思われる。また、他地域に比べ、メスの体長や前胸背板の赤斑に大きな違いが見られる。更には、オスは林の中から出てきて開けた畑の上を飛ぶという特徴がある。また、関東のヒメボタル生息地では、一番発生が早い場所である。

 4日、21時半に現地に到着すると、暗がりでちらほらとヒメボタルが発光を始めていた。4年前にはなかった家が建ち、少し様変わりしていたが、全体的には当時のまま。いくつかのポイントを廻って観察すると、発生場所に若干の違いが見られたものの、一番乱舞する場所は、2010年の初訪の時と変わっていない。22時を過ぎると、かなりの数のヒメボタルが乱舞を始めた。撮影者も多く20人以上はいただろう。人の多さにヒメボタルが可哀想に思えたことと、名古屋での講演の疲れもあり、ピーク前の23時で引き上げることにした。
 森の中で発光するヒメボタルの写真は、7月に東京都内でも山梨県でも撮影できる。この場所の一番の生態的特徴は、開けた畑の上を飛ぶことなので、今回もその様子を撮影した。また、ヒメボタルの発光色である黄金色が出るようにした。
 フィルム時代には、ヒメボタルの飛翔風景撮影を成功させるのに6年もかかったが、今のデジタルカメラでは、初心者でも簡単に撮れる。ソフトで合成すれば、光の数は無限大に増やせる。「風景、光景としての写真」という1つの作品ではあるが、生態学的な観点から過度な表現はすべきではないとも思う。

参照:ヒメボタル(秩父2012年)

注釈:ヒメボタルのマクロ写真(写真2~6)は、同じ生息地の個体ですが、2011年に研究用として雌雄1頭ずつを採集し自宅で撮影したものです。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ヒメボタル

ヒメボタルの乱舞
Canon 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
バルブ撮影 F1.4 5秒×50 ISO 1600(2016.06.04 22:30)

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル

ヒメボタル(交尾)

ヒメボタル

ヒメボタル(メス)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

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モネの池

2016-06-05 14:54:49 | 風景写真/湖沼

 モネの池は、岐阜県関市板取の根道神社参道脇にある池。「モネの池」はあくまでも通称である。フランスの印象派画家、クロード・モネの連作絵画「睡蓮」のようであるから、そう呼ばれている。話題の場所ならば、一見の価値はあるだろうと訪れた。

 4日。午前2時半に自宅を出発し、中央道、圏央道、新東名、東海環状自動車道で岐阜入り。現地に午前7時に到着。池を覘いてみたが、正直言って、それほどの感動はなかった。澄んだ水の美しさは、富士の忍野八海の方が上である。ただし、スイレンやコウホネと鯉という色彩の組み合わせは、他では見ない。泳ぐ鯉が、動的でしかもバランスよく配置されるように待ちながら、池のほとりで2時間半の間、ひたすらシャッターを切った。
 掲載の写真は、絞りを開放近くにしたボケ味と遅めのシャッタースピードで絵画的なソフト感が出るように撮影した。現像ソフトで通常の調整はしているが、加工はしていない。

 「モネの池」を撮影後、名古屋の名城大学に移動し、15時から「日本色彩学会第47回全国大会」の特別企画『自然の光,人工の光』にて 講演を行い、夜は、興正寺に移動して交流会とホタル観賞会の解説を行った。
 その後、予定では大阪の三草山にヒロオビミドリシジミのリベンジに行くつもりであったが、天気が悪くて断念。20時半に名古屋を出発して自宅に向かった。この日の走行距離は、828kmであった。

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モネの池

モネの池
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.0 1/15秒 ISO 100(撮影地:岐阜県関市 2016.6.4)

モネの池

モネの池
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.2 1/20秒 ISO 100 1/3EV(撮影地:岐阜県関市 2016.6.4)

モネの池

モネの池
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.2 1/40秒 ISO 100(撮影地:岐阜県関市 2016.6.4)

まったく趣が違うが、富士の忍野八海で撮影した写真も掲載しておきたい。

忍野八海

忍野八海
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/5秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:山梨県南都留郡忍野村 2014.1.3)

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