ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、様々な昆虫や美しい日本の四季
自然風景の写真も撮っています。

ホタルの幼虫放流とホタルの飼育

2008-04-17 21:39:49 | ホタル
 今年も3月~4月にかけて日本各地の多くで、学校の校庭のビオトープや公園の小川にホタルの幼虫が放流された。ホタルを守る会や小学校の児童が飼育したホタルの幼虫を放流している。再三訴えてきたことだが、ほとんど養殖状態に育てたホタルの幼虫を「たくさん飛んでね。」と4月頃に放流することに大きな疑問を感じる。
 なぜ、毎年放流を続けるのだろうか?定着の初期段階や8月頃なら納得できるが、4月に終齢幼虫を放流し続ける。幼虫は水中生活の90%以上を水槽で過ごし、本来の生活場所である小川では、ほんの1~2ヶ月である。また、人工養殖の多くの場合、同じ親を持つ兄弟が増えて、遺伝的に偏りが出る。そのうち放流してもホタルはあまり飛ばなくなってしまう。なぜ、ホタルが自然発生する環境づくりを最優先にしないのだろうか。なぜ、ホタルが一生を通じて暮らせる環境を作らないのだろうか?飼育することが環境教育につながる・・・そんな声を聞く。確かに、飼育することはホタルや自然に対する興味関心を呼び起こすことに役立つだろう。しかし、ホタルの真の生態を観察することなく、ホタルを沢山飛ばすために養殖行為に走り、何百、何千という幼虫を育てることが、果たして環境教育なのだろうか。生態の観察ならば、100匹も飼育すれば十分である。放流せずに、そのまま成虫までさせればいい。
 ホタルの幼虫放流などしなくてもよいように、環境づくりをするべきである。飼育は、少ない数でしっかりと観察すればよいと思う。ホタルの飼育の目的は、ホタルの生態観察であって、放流してたくさん飛ばすためであってはならない。

 今、日本のホタルは泣いている!

人々のためではなく、ホタルのために 東京ゲンジボタル研究所/古河義仁
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「ホタル百科」 第4刷発行

2008-04-12 17:11:18 | ホタル

自然環境を考える上での身近な指針にもなりうる「ホタル読本」の決定版。


 2007年10月に東京ゲンジボタル研究所著の「ホタル百科」が、第4刷発行となりました。たいへん多くの皆様にご支援をいただき、心より御礼申し上げます。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【内容概説】

 日本人に馴染みの深いホタルは自然環境の破壊とともに減少の一途をたどっており、各地でホタルへの感心が高まるとともに、保護活動なども行われています。しかしホタルの生息環境への理解が足りないがゆえに、その考え方や方法に問題がある場合も少なくありません。本書はホタルや自然環境を考える上での身近な指針になることを目的に、ホタルに関する様々な知見を紹介。余り知られていないホタルの生態や生息環境についても詳しく解説しました。特にホタルの保護に関しては、生態と生態系を把握した上で生息地全体の保全・再生を最優先すべきであるという考えから、多くのページを割いています。

ホタル百科 東京ゲンジボタル研究所著  丸善 【税込価格】 1,260円  ISBN:4-621-07435-0

人々のためではなく、ホタルのために 東京ゲンジボタル研究所/古河義仁
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