馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

ひどい裂蹄と蹄関節損傷

2016-10-13 | 蹄病学

Tieback&Cordectomyを終わったところに、重種仔馬の外傷の依頼。

農機具につないでおいたら引張って逃げたのだそうだ。

ざっくり切れている。

広げてみると、外見以上にひどいことがわかる。

これはかなり洗浄、デブリドメントしたあと。

蹄関節も開いてしまっている。

内部を縫合し、蹄は針糸では縫えないのでワイヤーで固定した。

繋より遠位のDistal limb castを巻いた。

関節炎や化膿が抑えられないなら、はずして処置しなければならないだろうけど。

                     -

治療費も手間もかけられないらしい。

しかし、おざなりな治療ではまちがいなくダメになる。

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去年も咲いていた。

葉もなく、いきなり花だけ咲いたように見える。

コルチカム、イヌサフランというらしい。

なぜコルチカム?たぶん”皮質”だ。

 

 

                                   

 



11 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2016-10-13 20:28:03
 この重種馬の仔はばんえい競馬のおんまさんの素質は十分過ぎなんでしょうね。治してあげたくなりましょ?きっとそうでしょ?
 コルチカムは地名からの学名のようです。好きになれないお花もあるんです、はとぽっけにも。
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>はとぽっけさん (hig)
2016-10-14 04:49:40
お母さんは乳母として出稼ぎに行ってまだ戻っていないそうです。

典型的な園芸種、外来種、ですね。この寒くなった秋に、草の勢いがもうないときに、ポンと咲いているので面白いです。
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Unknown (Unknown)
2016-10-14 07:02:40
チャレンジですね。牛なら断蹄といいますか、除去でしょう。
蹄冠がなくなったわけではなさそうですが、ここの癒合が肝になりそうな気がします。
靭帯も明確に断端が見えているようですが、こういうのは別個に縫合したのでしょうか。
蹄壁に穴開けるのには細ドリルとか使ったのですか。
糸が通ってもワイヤー使わないと構造が安定しないのでしょうね。
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Unknown (zebra)
2016-10-14 07:21:54
前のは私です。
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Unknown (piebald)
2016-10-14 09:40:35
なぜ、名前に「イヌ」と付けるのでしょうね?
イヌツゲ、イヌマキ、イヌホウズキ。

お母さんの出稼ぎ中の怪我。ちゃんと、治りますように。
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Unknown (まりおん)
2016-10-14 10:31:07
イヌサフランは薬草ですけど毒草でもありますので、特に球根をわんこが食べないようにご注意くださいませ。名前は原産地コーカサスにあったコルキス王国に由来、ギリシア神話のアルゴー号の目的地(この国の森にある金の羊の皮をとりにいった)ですね。
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>zebraさん (hig)
2016-10-14 19:35:30
蹄関節の側副靭帯も切れていたのでしょうが、再建と呼べるような縫い方はできません。ドリルは用意して使いましたが、留置針の内筒で刺さる部分もありました。そこへワイヤーを通すわけです。糸だと切れてしまうでしょうね。
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>piebaldさん (hig)
2016-10-14 19:37:06
「ちょっとちがう」奴に、”イヌ”とつけるんでしょうかね。里にはなくて山にあるのは”ミヤマ”なんとかです;笑
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>まりおんさん (hig)
2016-10-14 19:38:16
コーカサスから来ているのか、と思ったら、コーカサスの語源は”皮”ですか。面白いですね~
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Unknown (まりおん)
2016-10-17 12:47:19
イヌサフランとかイヌマキの「イヌ」はもともと「否(いな)」だったそうです、「じゃないほう」みたいな(笑)イヌとかウマとかネコとか動物の名前のついた植物はたいてい人間の役に立たない(食用にならない)とかニセモノとかそういう理由で名づけられたんだとか。
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