ZOO,死にぞこないの青 (乙一)

 

昨日書いたことの関連と言うことで。

・ZOO
1,2巻の短編集。1巻では5編,2巻では6編が納められている。
1巻の第1話,「カザリとヨーコ」

カザリとヨーコは一卵性双生児なのだが,ヨーコだけ母親に虐待されている。
ヨーコは母親をこう分析する。
『母親は人づき合いが苦手で,外では口数が少なく自分を主張できない。だから人間関係が上手くいかないとイライラして私を虐待する。』
妹のカザリは活発で明るい。だから,
『私はカザリに憧れている。母親も強い憧れを抱くのだ』
と。

ストレスのはけ口,近親憎悪,そして最後は・・・

1巻はほとんどホラーだが,「陽だまりの誌」は切なさ全回の良作。
2巻はホラーが2つ,推理,コメディチック推理,コメディチックサスペンス,4Pの書き下ろしと,バラエティに富んでいる。


・死にぞこないの青
マサオはクラス全員からイジメを受ける。先導しているのは担任。

ラスト,マサオは聞く,何故自分だけ叱り続けたのかと。
担任は答える・・・

正にモラハラの典型的な話。普通の人間では耐えきれるはずがない。限界を超えたときに出てくるのは,そのストレスを解消しようとするもの。
それがどのような結果を招くのかは,誰にもわからない。

「他人への接し方がチトまずいか??」と感じたことがある人ならば,読んでおいた方がよい。ある意味,抑止力となるかも 
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