最近書いている“北海道記 再び”は
20年前に書いたツーレポなので内容については
今読み返すと少々恥ずかしい文章になっていますが
当時の思い出をそのまま伝えたいので
ほとんど加筆することなくアップしています。
なので現在と違う事もちらほらあるかもしれません。
そして今回はその中のひとつです。
カムイワッカ湯の滝が
一番上の滝壺まで行けなくなったようです。
《
詳しくはこちら》
今までも知床五胡までしか
マイカーで行くことはできなかったので
乗合いバスで滝の下流まで行ってましたが
さらに世界遺産に登録され
環境保護と安全確保が必要になったのでしょう。
確かに秘湯のガイドブックには必ず紹介されているし
知床を代表する観光地であることは確かで
多くの観光客が訪れることになった。
しかし大自然の懐にあるこの地に行くのは
そんなに簡単な事ではない。
もちろん道なんかなく滑りそうになる川の中を歩き
崩れ落ちそうな崖を登る、大きな岩を超える。
私が行った時も一箇所しかない崖の上り口を
年配の人が上るに登れず下るに降りられずといった状態で
大変戸惑った思い出がある。
実際そこまで行ってみると
なるほどこのダイナミックさは感動ものである。
だけど安易に考えて行くと
大きなしっぺ返しをもらうかもしれない。
今回の処置は結果的には正解かもしれない。
問題が大きくなってからでは遅いのだ。
たまたま私が行った頃はそこまでバイクで行けたし
もちろん一番大きな滝壺で湯を楽しんだ。
だからこんなことが書けるかもしれないけれども…。
4年前、乗鞍スカイラインを走った。
バイクで3,000mを走る事ができる唯一の場所だったからだ。
《
信州ツーレポ》
そして今この道もマイカー規制で
もうバイクで走る事はできない。
環境保護は大切な事だ。
その反面バイクで走る事ができる道が
無くなる事は寂しいのも事実。
せめて私にできることはそうなる前に行っておく事。
問題先送りではあるがそれしかできなかった。
カムイワッカの件はとても残念だが
あの素晴らしい知床半島の自然をこの先のライダーに伝える為
残念ではあるがここは我慢しよう。
その日私は開門と同時にカムイワッカへの林道を走りはじめた。
朝一番だったからか所々にエゾシカの群れを見つける。
大自然の懐の奥深さを感じた時だった。
そして道端の崖の上に4つ足の黒い動物が
ゆっくりと森の中へ消えていった。
知床半島って本当にそんな所なんです。