2019/1/1より始めておりますので10日ごとに記録を辿ってみます。
興味のある方はバックナンバーからご覧下さい。
2020/7/21は「リンダ リンダ リンダ」で、以下「ルーム」「レイジング・ブル」「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」「レインマン」「レオン」「レスラー」「レ・ミゼラブル」「老人と海」「ロード・トゥ・パーディション」「ローマの休日」と続きました。
「バニシング・ポイント」 1971年 アメリカ

監督 リチャード・C・サラフィアン
出演 バリー・ニューマン クリーヴォン・リトル
ディーン・ジャガー ポール・コスロ
ボブ・ドナー ティモシー・スコット
ギルダ・テクスター アンソニー・ジェームズ
ストーリー
元海兵隊員、元警察官、元オートレースのドライバーで、今は車の陸送をやっているコワルスキーは、デンバーからサンフランシスコまでを猛スピードでの陸送を引受ける。
覚醒剤を取りに“地獄の天使”というバーに立ち寄った彼は、店の主人とサンフランシスコまで15時間で行くという賭けをした。
全速力で飛ばすコワルスキーの車を発見したオートバイ警官が追跡してきたが追いつけず、路傍の砂埃の中に置き去りになった。
やがて受信機を通じてスーパー・ソールの声が聞こえてきた。
スーパー・ソールは盲目のディスク・ジョッカーでコワルスキーのためにスパイ役をやっている。
警察の通信を盗み取りして、情報をコワルスキーに流して追跡者たちをまく手助けをしているのだ。
始めたのだ。
国境を越えネバダ州に入ると、今度はネバダ州の警官が追跡してきた。
彼は自分が警察署に勤めていたときのことを思い出した。
上官が少女を麻薬所持の疑いで取調べ中に、弱みにつけこんで彼女を手ごめにしようとしたのをとめ、クビになってしまったことなどだ。
彼がさらに走っていると、スーパー・ソウルが再び通信してきた。
警告通り追跡してきた数台のパトカーに追い詰められ、やむなく彼は車を砂漠に向けた。
コワルスキーは警官時代、雪国で恋人のベラと遊んだり口論したりしたことを思い出した。
また海兵隊員のころ、負傷兵を野戦病院へ運ぶ途中、ジープに砲弾が命中し、負傷したことなども。
そのときタイヤがパンクした大きな爆発音で回想が破られた。
タイヤの交換中、彼はガラガラ蛇に襲われそうになるが、砂金取りの老人が現れてガラガラ蛇を捕らえてバスケットの中へ放り込んだ。
バスケットは蛇でいっぱいだった。
老人は、砂漠を脱出する道を教えてくれ、ガソリンのある集落に案内してくれた。
老人と別れて逃走を続けるコワルスキーに、スーパー・ソールの情報が入った。
彼のニュースはいまや全世界に広がり、大変な話題となっていて、彼の向かう道という道には、警察当局の網が張られていると言った。
やがて平服を着た警官たちがスーパー・ソールの発信所へ行き、スーパー・ソールを袋叩きにした。
コワルスキーはバイクに乗った男エンジェルと出会い、荒野の中にある彼の家に連れていかれた。
そこにはヌードでバイクに乗った娘がいて、彼に強壮剤や煙草をくれた。
エンジェルのアイディアで車をパトカーに偽装して非常線を突破したコワルスキのゆくてに、巨大なパワー・シャベルが立ちふさがっていた。
コワルスキーの心に一瞬の戦慄が走った。が、コワルスキーの顔に笑みが浮かぶと、彼はアクセルを踏み込んだ。
猛然と突っ込んだコワルスキーの車は、火柱をふき上げて空に舞い上がった。
寸評
平均時速200キロという狂ったようなスピードで突っ走ろうとするコワルスキーと、面目にかけても彼を捕らえようとする警察との間に繰り広げられるバトルが見せ場となっているが、コワルスキーの回想を通じて当時のアメリカ社会の問題と若者の反抗する姿を描いている。
バトルは警官とだけではない。
ジャガーに乗ったスピード狂に挑戦されて相手を川に転落させている。
彼の運転が巧みなのは元モーターバイクのレーサーであったからで、そのことは回想で示されるのだが、彼はふっ飛ばされて重傷を負っていた。彼は警察官をやっていた頃のことも回想する。
同僚がワイロを取っていたこと、麻薬所持の疑いで取調べ中の少女を犯そうとしたのを咎めたこと、出動を拒みパトカーを勝手に動かしクビになったことなどだが、それは警察組織の腐敗を訴えていることになる。
雪国の回想では彼女とマリファナの事で喧嘩し、サーフィンをしてまた喧嘩する。
兵役の頃の回想では砲火をくぐり負傷兵をジープで野戦病院へ送ろうとしているのだが、砲弾がジープに命中しコワルスキーは傷ついてしまっている。
当時のベトナム戦争への批判も含まれていたのだろう。
この映画は「イージー・ライダー」の影響を受けていると思う。
警察とのバトルなど「イージー・ライダー」よりも楽しめる場面は多いとは思うが、劇場で見た時の印象として、どこか「イージー・ライダー」の陰を追いかけているような気持になったような気がする。
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