末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

E・パユ 来日公演

2006-11-04 21:39:44 | 音のはなし
仕事を “ お持ち帰り ” の宿題状態にしつつ、
足を運んできました。


エマニュエル・パユ インテグラルII
  < オール・コンチェルト > with 新日本フィル


   【日時】 11月3日(金・祝) 15:00開演

   【会場】 すみだトリフォニーホール 大ホール

   【曲目】 モーツァルト : 歌劇 「 フィガロの結婚 」 序曲 K.492
         モーツァルト : アンダンテ ハ長調 K.315
         イベール : フルート協奏曲

         《 休憩 》

         ハチャトゥリアン : バレエ音楽 『 スパルタクス 』
                     ~ 「 スパルタクスとフリーギアのアダージョ 」
         ハチャトゥリアン : フルート協奏曲 ニ短調
                   ( 原曲 ヴァイオリン協奏曲 /
                    J = P・ランパル編曲、及びE・パユによるアレンジ )

          ♪ 印 … E・パユの独奏があった曲


   【演奏】 エマニュエル・パユ ( フルート )

          指揮 / 温 以仁
          新日本フィルハーモニー交響楽団
2006来日公演案内_E・パユ/インテグラルI&II

*~*~*~*~*~*~*~*~*

名実ともに、間違いなく、現代最高のフルート奏者であるE・パユ。
けれど、私はこの人のCDを、あまり聴いたことがありません。
“ ソリストの花形 ” と言わんばかりの、その華やかな音色と、
揺るぎないテクニックとで奏でられる彼の音楽は、
ただもう、圧倒的すぎて、ちょっと言葉は悪いけれど、
一度聴くと、それだけでお腹がいっぱいになってしまい、
却って、繰り返し聴く気にはならないのです。

こういう演奏をする人は、
やはり、ライヴで鑑賞するのが一番だと思います。

< オール・コンチェルト > と題された本公演のプログラムは、
前・後半とも、メインはフルート協奏曲。
協奏曲は、独奏楽器とオーケストラとで作り上げていく楽曲ですが、
互いに手を取りあうようにして、旋律を織りなしていく場面がある一方、
ソリスト vs 管弦楽団で、丁々発止の真剣勝負が繰り広げられる箇所もあり、
そうして生み出される緊張感が、ステージに面白味を添えていきます。

私は今回、舞台に向かって右側ブロックの、前から4列目という席だったのですが、
全体的な “ 音の融合 ” を楽しむには、あまり適さないこのポジションも、
( だから、普段はこの辺りの座席は選びません )
丁度、ステージ上で楽器を構えたパユの姿を正面から捉えられるという点で、
非常に、興味深いひとときを味わえました。

曲が展開し、演奏が白熱していくにしたがって、
パユの背後から、オーラが立ち上っていくのが見えたような気がします。
この人の音楽は、本当にすごい存在感ですね。

アンコールは行なわれませんでしたが、
協奏曲での、あの独奏っぷりを披露したあとでは、それも致し方ないでしょう。
私なんて正直、前半のイベールを聴き終えた時点で “ ほぉ~っ ” となってしまい、
この後、2曲もプログラムが残っているなんて! と思ったくらいですから。。
ハチャトゥリアンは、演奏者だけではなく、聴き手の側でも緊張してしまう大曲です。
途中、“ いま、オケ、ちょっと乱れた? ” な部分もあり、
固唾を飲んで見守っていたせいか、曲が終わった時には、
私自身も、相当、肩に力が入っていました (笑)
パユ氏も、指揮者の温以仁さん&新日フィルの皆さんも、お疲れ様でした。


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