G7広島サミットが近づく中、バイデン米大統領がこの会合を欠席する可能性が出てきた。このことが日本の言論界に波紋を投げかけている。後述するが、こういう過剰な反応は日本独特の島国根性のなせる業ともいえ、どことなく滑稽ですらある。
その最たるものは、サイト「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された次の記事だろう。
《岸田首相G7広島サミットは“親友”不在? バイデン大統領ドタキャン騒動に透ける日本軽視》(5月12日配信)
このタイトルが示すように、この記事の筆者(日刊ゲンダイ編集部)は、バイデン米大統領の欠席を「日本軽視」の表れと見て、次のように書いている。
「『米国との緊密な連携』を強調する岸田首相も軽く見られたものだ。」
さらには、こうも書きたてる。
「透けるのは、トランプ政権時代と変わらず明確な米国ファースト主義だ。デフォルト回避の優先はうなずけるが、裏を返せば、バイデン大統領がいかに岸田首相を軽視しているかの証左でもある。米国のリーダーシップ失墜と比べれば、岸田首相のメンツなんて知ったこっちゃないのだ。」
記事がさらりと言ってのけるように、米国内は今、連邦政府の借入限度引き上げをめぐり、与党・民主党と野党・共和党が熾烈な綱引きを繰り広げている。借入限度が引き上げられなければ、連邦政府は6月1日にもデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。
バイデン大統領は今、正念場を迎えていると言えるだろう。来年に米大統領選を控える中、支持率低迷にあえぐバイデン大統領にとっては、いかにして支持率を上げるかが最大の課題であり、デフォルト問題を避けて通ることはできない。連邦政府がデフォルトに陥れば、米国は世界経済におけるリーダーシップを失うことになり、バイデン政権の不人気に拍車が掛かることは必至となる。
だれでも自分が可愛い。その意味で「自分ファースト」に傾くのは、大統領に限らず、ごく普通に見られる人間の心理だろう。バイデン大統領がデフォルト問題の解決を現時点の最優先課題にし、G7広島サミットを欠席するのは、「米国ファースト主義」というより、「自分ファースト」の然らしめるところであり、これはある意味仕方のないことなのである。
「日刊ゲンダイDIGITAL」のこの記事の筆者は、そのあたりの事情をよく弁(わきま)えているようだが、にもかかわらずバイデン大統領の欠席を「日本軽視」の表れとみなし、「岸田首相のメンツをつぶした」と書きたてるのは、大衆受け狙いのプロパガンダとはいえ、僻み根性、島国根性以外の何ものでもない。
その最たるものは、サイト「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された次の記事だろう。
《岸田首相G7広島サミットは“親友”不在? バイデン大統領ドタキャン騒動に透ける日本軽視》(5月12日配信)
このタイトルが示すように、この記事の筆者(日刊ゲンダイ編集部)は、バイデン米大統領の欠席を「日本軽視」の表れと見て、次のように書いている。
「『米国との緊密な連携』を強調する岸田首相も軽く見られたものだ。」
さらには、こうも書きたてる。
「透けるのは、トランプ政権時代と変わらず明確な米国ファースト主義だ。デフォルト回避の優先はうなずけるが、裏を返せば、バイデン大統領がいかに岸田首相を軽視しているかの証左でもある。米国のリーダーシップ失墜と比べれば、岸田首相のメンツなんて知ったこっちゃないのだ。」
記事がさらりと言ってのけるように、米国内は今、連邦政府の借入限度引き上げをめぐり、与党・民主党と野党・共和党が熾烈な綱引きを繰り広げている。借入限度が引き上げられなければ、連邦政府は6月1日にもデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。
バイデン大統領は今、正念場を迎えていると言えるだろう。来年に米大統領選を控える中、支持率低迷にあえぐバイデン大統領にとっては、いかにして支持率を上げるかが最大の課題であり、デフォルト問題を避けて通ることはできない。連邦政府がデフォルトに陥れば、米国は世界経済におけるリーダーシップを失うことになり、バイデン政権の不人気に拍車が掛かることは必至となる。
だれでも自分が可愛い。その意味で「自分ファースト」に傾くのは、大統領に限らず、ごく普通に見られる人間の心理だろう。バイデン大統領がデフォルト問題の解決を現時点の最優先課題にし、G7広島サミットを欠席するのは、「米国ファースト主義」というより、「自分ファースト」の然らしめるところであり、これはある意味仕方のないことなのである。
「日刊ゲンダイDIGITAL」のこの記事の筆者は、そのあたりの事情をよく弁(わきま)えているようだが、にもかかわらずバイデン大統領の欠席を「日本軽視」の表れとみなし、「岸田首相のメンツをつぶした」と書きたてるのは、大衆受け狙いのプロパガンダとはいえ、僻み根性、島国根性以外の何ものでもない。
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