ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

野党結集への道 まだまだ遠し

2019-02-09 11:34:04 | 日記
やっぱり、という気がする。「反安倍」、「非自民」「政権獲得」という合言葉で結びついても、それ以外の政策面で違いがある以上、しょせんは烏合の衆。「小異を捨てて大同につく」などときれいごとを言っても、いったん事があれば相互の反目は免れず、これでは政権政党の体をなさない。次の記事を見て、その思いを強くした。

国民民主、自由両党の合併交渉で、原発政策に関するすり合わせが焦点として浮上している。電力系労組の支援を受ける国民民主党は原発再稼働を限定的に認めているが、自由党は反対の立場を強硬に打ち出しているからだ。主要政策をめぐる隔たりを棚上げにしたまま協議が進めば、仮に合併が成就しても、党内不一致の火種になりかねない。
                         (産経新聞2月8日配信)

原発問題といえば、国政上避けて通れない、きわめて重要な問題である。そんな重要かつ基本的な問題で、「国民民主」と「自由」の両党は、意見を一致させることができず、ああだ、こうだ、ああでもない、こうでもない、といまだに喧々諤々、意見を戦わせている。

アンチ原発は時代の趨勢と言えるが、国民民主党はなぜこの趨勢に棹さすことができないのか。それは、上の記事にもあるように、この党が電力系労組の支援を受けているからである。時流に乗って「原発ゼロ」を達成しようとすれば、電力系労組の構成員から職をうばい、労組の首を絞めることになる。

アンチ原発の時流に乗れば、支持母体の首を絞める。時流に乗らなければ、国民の支持を失い、党勢の衰退は免れない。この「あちらを立てれば、こちらが立たず」の状況におちいったのは、国民民主党が最初ではない。この党の前身である民進党も、その前身である民主党も、同じ問題に直面している。

民進党、民主党がこの窮状を糊塗しようとして持ち出したのが、「2030年代原発ゼロ」のスローガンである。国民民主党もこの轍に倣い、問題を先送りした形だが、合併相手は自由党。この党は「再稼働反対」を政策の看板にかかげている。この両党が原発問題で折り合うことは限りなく不可能に近いと言わなければならない。

この違いをウヤムヤにして、仮に両党が合併したとしよう。もし、仮に、万々が一、政権にありついたとしよう。そのときこの政権は、原発政策に閑して、どういう指針をかかげるのだろうか。政権を握ったこの新党は、さっそく意見の不一致で分裂し、早々に政権を手放さざるを得ないだろう。元の木阿弥とはこのことである。
コメント
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