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Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

グループワーク(1)

2013-06-22 01:00:00 | 雪2年(グルワ、ホームレス事件)


A大学経営学科の授業の中には、成績が個人評価で付かないものもある。

今回の国際マーケティングの授業も然り、グループワークでの発表が成績の対象となる。

グループメンバーは教授側が無作為に決定し、学生たちはそれに従うしかないのである。



雪は、同じグループのメンバーを見て愕然としていた。

柳先輩が、嬉しそうに口を開く。

「俺らラッキーだよなぁ!青田と赤山と同じグループなんてな~!」







一瞬注がれた彼の眼差しに、

雪はビクリと身体を揺らした。



しかし彼はすぐに視線を戻すと、

何事も無かったかのようにプリントに目を落とす。



なにこのデジャヴ‥



自主ゼミの時の不穏な空気を思い出す。

雪の心配をよそに、グループワークでのミーティングが始まった。




会議は青田先輩の主導で始まった。皆口々に意見を出し合う。

「国内企業のグローバルマーケティングだろう?まずは皆で意見を出し合ってみよう」



「A企業の電化製品はどう?」

「そこは資料が膨大で、事例を分類するのがちょっと難しそうなんだ。他のグループとかぶるかもしれないし」

「大手だもんな。そもそも課題に合ったグローバル企業を探すこと自体に時間がかかるんじゃね?」

「それなら最初から中小企業をターゲットにして探します?」



会議は早くも難航した。

しかし次の瞬間、雪の頭に良案が浮かぶ。

「それじゃあB‥」

「じゃあB企業はどうでしょうか?」



実際は青田先輩の意見を遮る形になったのだが、それに気づく者は居なかった。

雪すらも気が付かず、思いついたその案を皆に説明する。

「B企業はAほど有名ではないですが、代表商品にクリームパイがあるでしょう?

クリームパイは国内で20年間も販売され続けてますし、国内認知度も高いですよね。

世界進出を謳った広告もしてるじゃないですか」




雪の意見に、皆それはいいねと同意した。



「それじゃあ‥雪ちゃんの言う通り、クリームパイのグローバルマーケティング事例を扱うことにしよう」



最後には青田先輩の合意で、課題の調査対象が決まった。

「以前B企業のCEOのエッセーを読んだんだけど、B企業はすでに中国では成功しているし、

次はロシア市場を狙うと書いてあったよ。その事例を辿って探してみればー」




青田先輩の意見に、柳先輩が「お前そんなのも読むのかよ~!」と称賛の声を上げた。

そのまま青田先輩の意見の方向性で会議は進むかと思われたが、

雪の発言でそれは180度変わることになる。

「あの‥それはすでに失敗したって‥」



えっ?



場の空気が一瞬固まる。

雪はその発言の根拠を説明し始めた。

「青田先輩が話していたエッセーは私もこの前読んだんですけど、

最近B企業はロシア政府側と衝突があって、進出が失敗に終わったんです。

私、これとマーケティング原論を一緒に聞いているんですが、

B企業のクリームパイのSWOT分析をその授業で先週したとこなんです。

そしてたまたまこの間、その記事を読んだもんで‥」




柳先輩が両手を上げて喜んだ。

資料がかぶってることに対して、そして雪の優秀さに対して。



すると青田先輩が、雪に向かって提案した。

「そうか。それじゃあ雪ちゃんが持ってる資料を土台にすれば良いね」



えっ?と雪が困惑している間に、事態は既に進んでいた。

「君が持つB企業の資料の中で、グローバルマーケティング事例を種類別に選定出来ないかな?

そうしてくれると時間も短縮出来て助かるんだけど」




青田先輩の一声に、皆も口々に賛成し、資料を探す手間が省けたと雪に感謝の意を述べた。

「やってくれるよね?」



雪はもう断ることは出来なかった。

最新資料まであるとはさすが熱心だねと、青田先輩は微笑んだ。




先輩の笑顔には、有無を言わせない力があった。

人々を主導して、NOと言わせない無言の圧力。


「資料だけ整理すれば、レポートを書くのに多いに役に立つよ。ありがとな」



「い、いいえ‥私も同じ班のメンバーですから当然です‥」



雪はその空気に逆らえなかった。当然の流れに、押し流されるようにYESと言っていた。

「よっしゃー!これで俺らの班は終わったも同然だぜぇ~!」



柳先輩が立ち上がってそう言うと、雪と青田先輩の肩に手を置き、二人共素晴らしいと褒めると、

後は団結の時間だと騒いだ。

「会議で脳を酷使したあとはアルコールっしょ~!」


(はて、柳先輩はいつ脳を酷使したであろうか‥)

「行こうぜ~!!」



果たして一行は、連れ立って飲み屋へと移動したのであった。




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グループワーク(1)でした。

うわ〜青田先輩のあの笑顔‥。

結果出しぬかれた形になっちゃって、めちゃ怒ってますね。。


次回はグループワーク(2)です!



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