ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

稼ぐ学校

2019-06-09 08:37:16 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「稼ぐ学校」6月4日
 『みずほ、情報銀行に意欲』という見出しの記事が掲載されました。同銀行が、『保有する顧客情報を本人の了解を得たうえで企業に販売する「情報銀行」に参入する』ことを報じる記事です。顧客の『趣味や預金額などの顧客情報を、消費者の行動傾向を把握するビジネスデータとして企業に販売する』という構想で、『銀行は情報管理などに費用をかけており、他業種に比べ信用度が高い』のだそうです。
 なんだか学校で習った銀行の概念が変わってしまいそうで、ついていけません。では、学校はどうでしょうか。学校にはたくさんのデータが集積されています。それも、ある年齢層で、子供がいる家庭に特化した情報です。個人名を消し、性別、家庭の状況(単親、兄弟の有無など)、学業成績、進学先など、私には活用法が思い付きませんが、教育産業を初め、いくつもの活用方法がありそうな気もします。また、学校には、健康診断等で子供の健康に関するデータが抱負に存在します。これなどは、製薬会社がほしがる情報かもしれません。
 もっとも、公立校が保持している情報は、役所と同じだと考えれば、安易に売却はできないかもしれませんが、得た収益を教育予算に限定して使うというような方針を打ち出せば、市民や保護者の納得を得られるかもしれません。そうなれば、学校は宝の山、埋蔵金の埋まる場所となります。
 また、私立校であれば、単に保護者の了解を得るだけで済みます。入学時に承諾書の提出をも求めるという形にすれば、簡単です。さらに、授業料の軽減というような「特典」をつければ、むしろセールスポイントにさえなるかもしれません。
 私はこんなことが現実のものになると真剣に考えているわけではありません。しかし、大学では、国からの補助金等が削られ、大学が企業と連携するなどして、「自分で稼ぐ」ことが求められるようになっています。今でもこうした在り方に批判はありますが、大きな声にはなっていないようです。そうだとすれば、義務教育段階でも、私が述べたようなことが現実となる可能性を無視することはできません。
 そんな学校が、本当の意味で教育機関と呼べるのかが疑問ですが。あなたはどう考えますか。

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