花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

青花(あおばな)紙

2011年10月25日 | Commelinaceae



青花紙は、あおばな(オオボウシバナ)の色素を封じ込めた紙です。 あおばなの花びらを1枚ずつ摘み、そのしぼり汁を和紙に塗りつけます。 乾いては塗る作業を何十回も繰り返してつくられたものです。



この青花紙を小さく切って、水に溶かして染料として利用します。



友禅染のまねをして下絵を描いてみました。 驚いたことにまったくにじむことなく極細い線が描けます。



そして青花紙のこの青色は、水に濡れただけで一瞬にして跡形もなく消えてしまいます。 

染料なのに消えてしまうところを逆転の発想で、友禅の下絵具として利用するアイデアが生まれたそうです。 つまり消えてしまう弱点を最高の特徴にして創り出した素晴らしい染料がこの青花紙です。 この特徴は化学染料では到底まねができないそうです。


12 Comments

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青花紙 (かずこ)
2011-10-25 16:50:31
青花紙すばらしい染料です。
お花から採るなんて根気のいる仕事ですね。

ブログに載せる為に、これだけの準備をなさる、なかなかさんも根気のある方です。
絵もお上手で感心致しました。
ずぼらな私は恥ずかしい限りです。
すごいなぁ (panda)
2011-10-25 21:32:32
自然ってほんとに不思議ですね。
植物も不思議なことがいっぱい。
そんなことを一つ一つ教えていただいて
いつもありがとうございます。

それにしても、あすちーさんが喜ぶのに・・・
こんばんは (なかなか)
2011-10-25 22:48:08
かずこさん
青花紙のすばらしさを一度体験したいとずっと思っていましたら、今回このようなことができました。
実際に下絵を真似して書いてみましたが、とても書きやすいのにはビックリしましたよ。(絵までほめて頂いて恐縮しています)

pandaさん
自然ってほんとに不思議で素晴らしいと思います。
さらに体験してみるといっそう植物の素晴らしさを感じます。 あすちーさんが見たら漬け刃なところを近江弁でずばずば指摘されそうですが、やっぱり見てほしいです。
Unknown (夕菅)
2011-10-26 13:44:48
オオボウシバナ(アオバナ)、是非見たくなりました。
調べて行くと、今年4月末から5月末頃草津市で販売したことがわかりました。
来年もそうかしらと思って尋ねましたが、来年は予定は無しとのこと。
どこにも種も販売していないというのが不思議ですね。
アオバナの伝統を守られている中村繁男さんがおっしゃるように「草津の環境でしか花が咲き続けることはない」のでしょうか。
なかなかさん、来年は是非花を咲かせて下さい。
青花紙 (とんちゃん)
2011-10-26 15:27:34
なかなかさん、早速実験されたんですね。
オオボウシバナのアップの写真が強烈だったのか夢に見てしまいました。
ツユクサを見るたびに思い出したりして!!!
描きやすい上に下絵は水で消えてしまうなんて素晴らしいと思いました。
アイのときも素敵でしたがこの下絵も見事です~
先人の知恵 (アザミの歌)
2011-10-26 20:52:06
目にすることの出来ない実験を見せて頂き嬉しいです。
何時も先人の知恵には驚くことが多いのですが、絵の下絵に利用しようという発想が凄いですね。
こうしてあの素晴らしい友禅染めが出来るのですね。
来年は花を集めて試して見たくなりました。

なかなかさんの絵も本当にお上手ですね。(^^)
Unknown (とんとん)
2011-10-26 22:02:14
初めて知りました。
染みになって残りそうですが、消えてしまうなんで不思議です。
青花紙を作る手間もかなりですね。
きっとお高いのでしょうね。

普通のツユクサでもできるなら、来年遊べるのに。。。(ーー゛)

こんにちは (なかなか)
2011-10-27 12:10:42
夕菅さん
オオボウシバナ(アオバナ)、情報ありがとうございます。その地域特有の植物があることって素晴らしいですよね。 来年は予定は無しとのことでしたか、アオバナ農家は少なくなってきているそうですので対応が難しいのかもしれませんね。

とんちゃん
さっそく夢にまで登場したそうですね(笑)、これならオオボウシバナも喜んでくれることでしょう。 あっ!とんちゃんの夢は正夢かも・・・ 

アザミの歌さん
本当に先人の知恵には驚くことが多いです。 また植物をふくめて大自然の持つ力は大きいですよね。 アザミの歌さんの庭にはあおばなが咲きますので、ぜひと来年は花びらを集めて試してみて下さい。 (絵をほめて頂いてありがとうございます)

とんとんさん
そうなんですよ、私も染みになるかと思っていましたが、すっきりと消えてしまいます。素晴らしい染料だと感心してしまいました。青花紙を作る手間は大変なもので、真っ白い和紙に「数え切れないほどの回数」ほど青い汁を塗るのだそうです。
不明種のツユクサ (「ゆうすげ工房♪」楓子)
2011-11-04 22:59:00
10月7日に挿し芽をした不明種のツユクサの花が、
11月3日に咲きました。雄蕊の花糸は湾曲しており【サツマタチツユクサ・新称】によく似ていました。
楓子さん (なかなか)
2011-11-05 11:23:14
不明種のツユクサの花が咲いたご連絡ありがとうございます。さっそく見させていただきます。
外来ツユクサは、「サツマタチツユクサ」ではなく「ヤハタタチツユクサ」を新和名としています。 HPの方に新和名を書いていませんでしたので、このたび新たに書き加えました、ご確認ください。