キク科の種子には冠毛がないものもあります。 このヤブタバコ属のそう果には冠毛がありません。 冠毛がないので風によっての散布ではなく、くっつく方法をとっています。
ヤブタバコのそう果は少しいやな匂いをしていて、先端付近に粘液を出す腺があり、ここから出る粘液でそう果はべたべたしています。
衣服にくっつくとなかなか離れません。 ちっちゃいですが「くっつきむし」の仲間です。

この形は、もしかしたら自分のべたべたした種子を効率よくくっつけるために
このようになっていったのかも・・と想像しています。

マアザミはキセルアザミとも呼ばれ、湿地に生えるアザミの仲間です。
花が終わると、頭花は上を向き長い冠毛のある種子ができます。
冠毛は魚の骨のようにさらに羽状にわかれ、風をとても受けやすくなっています。
頭花は横向きや斜め下向きに咲き、茎には葉がまばらにしかついていない様子がちょうど煙管のようなのでキセルアザミと名付けられました。
ヤマジノギクの種子の冠毛が、ちょうど耳かきのうしろについている綿毛のように、
まんまるくなっています。
ヤマジノギクは秋に咲く野菊の仲間で、日当たりの良い山地の草原に生えています。
筒状花の冠毛は3.5~4mmと長く、舌状花の冠毛は約0.5mmとたいへん短いところが、ヨメナ属やシオン属との区別点です。 ですから、このまんまるく見えるのはすべて筒状花の冠毛です。 注意深く見てみると、冠毛がほとんど無い種子がまわりにあるのがわかります。
花の色はヨメナに似ていますが、冠毛の違いや、全体にあらい毛がありざらつくことや、葉がヨメナよりもずっと細いことでも区別できます。
花の時期はもう過ぎましたが、秋の野菊はどこか寂しげでいいものですよね。
大型の植物ハバヤマボクチは草原に直立し、茎から頭花まで紫褐色のその姿はひときわ目を引きます。
初冬のこの時期冷たい北風にふかれて種子を飛ばし始めました。 種子も大型で飛んでゆく姿はなかなか迫力があります。
ハバヤマボクチの葉は三角状ほこ型で、葉の裏に白い綿毛が密生しています。 この葉の綿毛を集めて火口(ほくち)としたそうです。
アカバナの花の柄のようにみえた長い部分は実は子房です。
熟すと4つに裂けて、中から白い種髪をつけた種子が風にのって飛んでゆきます。
後にはクルクルとカールした裂けた果実が面白い造形美をつくっています。
アカバナ科アカバナ属の花で、雌しべの柱頭は太いこん棒状をしていて、この柱頭の形でいくつかのグループに分類されます。
アカバナの名前の由来は、花が赤い(紅紫)色をしているところからではなくて、秋になると葉や茎が紅く染まることから名付けられたそうです。
ママコナの名前の由来には、
『 花びらの下唇にある2つの白いふくらみが米粒に似ているから 』・・・A と
『 若い種子が米粒のようだ 』・・・B の2つの説があります。
花が咲いている時期にこの白いふくらみはよく目につくので、A説かなぁとずっと思っていました。 昨年種子を観察したところ、「おおっまさに美味しそうな、お米がつまっているぞぉ~!!」と
B 説の方がぴったりくるぞと思ってしまいました。
皆さんは、どちらだと思われますか?
スイランは本州(中部地方以西)、四国、九州に分布する多年草で、原野の湿地や水辺に生育します。
9~10月にニガナの仲間によく似た大きめの黄色い花を咲かせます。 キク科スイラン属です。