goo blog サービス終了のお知らせ 

花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

ヤブタバコ

2005年12月15日 | 種子

キク科の種子には冠毛がないものもあります。 このヤブタバコ属のそう果には冠毛がありません。 冠毛がないので風によっての散布ではなく、くっつく方法をとっています。
ヤブタバコのそう果は少しいやな匂いをしていて、先端付近に粘液を出す腺があり、ここから出る粘液でそう果はべたべたしています。 
衣服にくっつくとなかなか離れません。 ちっちゃいですが「くっつきむし」の仲間です。

    
ヤブタバコは茎の上部から長い枝を四方にのばした特徴のある姿をしています。
この形は、もしかしたら自分のべたべたした種子を効率よくくっつけるために
このようになっていったのかも・・と想像しています。

 
 
藪に生えてタバコの葉に似たところから、ヤブタバコと名付けられました。
べたべたしたそう果は寄生虫の駆除薬として用いられていたそうです。

マアザミ

2005年12月14日 | 種子

マアザミはキセルアザミとも呼ばれ、湿地に生えるアザミの仲間です。
花が終わると、頭花は上を向き長い冠毛のある種子ができます。
冠毛は魚の骨のようにさらに羽状にわかれ、風をとても受けやすくなっています。

     


頭花は横向きや斜め下向きに咲き、茎には葉がまばらにしかついていない様子がちょうど煙管のようなのでキセルアザミと名付けられました。


ヤマジノギク

2005年12月12日 | 種子

ヤマジノギクの種子の冠毛が、ちょうど耳かきのうしろについている綿毛のように、
まんまるくなっています。   
               
ヤマジノギクは秋に咲く野菊の仲間で、日当たりの良い山地の草原に生えています。
筒状花の冠毛は3.5~4mmと長く、舌状花の冠毛は約0.5mmとたいへん短いところが、ヨメナ属やシオン属との区別点です。 ですから、このまんまるく見えるのはすべて筒状花の冠毛です。 注意深く見てみると、冠毛がほとんど無い種子がまわりにあるのがわかります。  

 

花の色はヨメナに似ていますが、冠毛の違いや、全体にあらい毛がありざらつくことや、葉がヨメナよりもずっと細いことでも区別できます。 

花の時期はもう過ぎましたが、秋の野菊はどこか寂しげでいいものですよね。

 


ハバヤマボクチ

2005年12月08日 | 種子

大型の植物ハバヤマボクチは草原に直立し、茎から頭花まで紫褐色のその姿はひときわ目を引きます。
初冬のこの時期冷たい北風にふかれて種子を飛ばし始めました。 種子も大型で飛んでゆく姿はなかなか迫力があります。 

        
 
ハバヤマボクチの葉は三角状ほこ型で、葉の裏に白い綿毛が密生しています。 この葉の綿毛を集めて火口(ほくち)としたそうです。


アカバナ

2005年12月06日 | 種子

アカバナの花の柄のようにみえた長い部分は実は子房です。
熟すと4つに裂けて、中から白い種髪をつけた種子が風にのって飛んでゆきます。
後にはクルクルとカールした裂けた果実が面白い造形美をつくっています。

  

アカバナ科アカバナ属の花で、雌しべの柱頭は太いこん棒状をしていて、この柱頭の形でいくつかのグループに分類されます。 
アカバナの名前の由来は、花が赤い(紅紫)色をしているところからではなくて、秋になると葉や茎が紅く染まることから名付けられたそうです。


マツムシソウ

2005年12月02日 | 種子

マツムシソウの果実は毛の多い小総苞に包まれています。 
刺状のガクが4~5本あり剛毛が生えていて、動物の体について運ばれます。
花は秋に高原に咲き その青紫色は美しく一度見たら忘れられないくらい印象的です。
 
 
中心部は5裂した筒状花、周辺の花は3つの裂片が大きくのびて舌状花のようになりにキク科のようですが、4個の雄しべが離生していることや・刺状のガク・盃形の小総苞など、キク科にはない特徴が見られます。 
名前も「松虫草」だと思われますが、その由来はよくわかっていないようです。  

ママコナ

2005年12月01日 | 種子

ママコナの名前の由来には、
『 花びらの下唇にある2つの白いふくらみが米粒に似ているから 』・・・A と
『 若い種子が米粒のようだ 』・・・B の2つの説があります。 

    
 
花が咲いている時期にこの白いふくらみはよく目につくので、A説かなぁとずっと思っていました。  昨年種子を観察したところ、「おおっまさに美味しそうな、お米がつまっているぞぉ~!!」と
B 説の方がぴったりくるぞと思ってしまいました。
皆さんは、どちらだと思われますか? 


スイラン

2005年11月30日 | 種子

スイランは本州(中部地方以西)、四国、九州に分布する多年草で、原野の湿地や水辺に生育します。
9~10月にニガナの仲間によく似た大きめの黄色い花を咲かせます。 キク科スイラン属です。

 

上部の葉は線形でごく小さいので、ひょろひょろとした細い茎の先に大きめの黄色い花が咲き、
風にゆらゆらゆれています。
根生葉は15~50cmで細長く、この葉の形がシュンランに似ていて水際に咲くので
「水蘭」と名付けられたようです。  

サワヒヨドリ

2005年11月29日 | 種子

たくさんの頭花が結実して、冠毛が開いてきました。
サワヒヨドリはキク科フジバカマ属の花で、日当たりの良い湿地に生えます。
夏から秋にかけて(8~10月)淡紫色の花を咲かせます。
秋の七草のフジバカマや、山地に咲くヒヨドリバナに近い種です。
 
 

頭花はすべて両性の筒状花で、先は5裂しています。
2裂して長くのびだした花柱が特徴です。 

スズサイコ

2005年11月28日 | 種子

スズサイコの果実が割れて、種子を飛ばし始めました。
種子にある長い毛を種髪といい、風にのって散布されてゆきます。

 
スズサイコはガガイモ科カモメズル属です。
花は7~8月に直径1~2cmの小さな花を咲かせますが、
日があたると花は閉じてしまうために、昼間に見てもいつもつぼんでいる状態です。
 
 
スズサイコの花は小さくてたくさん咲くのですが、果実は1~2個しかならないようです。
しかしその果実は驚くほど大きくなり、ちゃんとガガイモ科の特徴をしています。