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花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

オニドコロ

2006年01月11日 | 種子

野山の林縁に普通にみられるつる性の多年草で、肥厚して横にはう根茎があります。 トコロと名がついていますが苦みが強くて食べられないそうです。
果実は楕円形で3翼があり、冬の時期でも枯れずに残っているので野山を歩いているとよく目にします。

自然薯として有名なヤマノイモの果実も似ていますが、果実はまるくて3翼が、オニドコロよりもずっと大きいので区別できます。 

 
ヤマノイモの果実

種子を観察すると、もっと大きな違いがあります。 
オニドコロの種子は片方だけに翼がある扁平な形をしています。 一方ヤマノイモの種子には全周に翼があり、目玉がある感じです。 2つの種子を並べてみました。


オニドコロの種子             ヤマノイモの種子


ウバユリ

2006年01月10日 | 種子

ウバユリの2つの果をつなぐように雪が積もっているのを見つけました。  とっても仲良しでかわいい感じがしましたので、思わずパチリ。

果には数え切れないくらい多数の種子が入っています。 果が熟すと3つに裂けますが、側面は編み目状につながっていて、種子を少しづつこぼすようになっています。

種子は10~13mmほどで、とっても薄くて角の円い三角や半円形をしています。 周りにはさらに薄い半透明の翼がついていて、風を受けてひらひらと落ちてゆきます。


アオツヅラフジ

2006年01月07日 | 種子

アンモナイトの化石??  
アオツヅラフジの種子は4~5mmで表面に深い模様があり、ジュラシックパークでおなじみの恐竜時代のアンモナイトを連想させるおもしろさです。
アオツヅラフジは野山の林のふちなどに多く見られる、つる性の落葉植物です。 見たところ草状ですが葉が落ちた後も地上部は枯れずに残ります。

     

雌雄異株で、雌花の子房が分離して数個のまるい実になるそうです。
実は晩秋に黒く熟しますが、粉をふいていて美しい紺色に見えます。
カミエビとかチンチンカヅラともよばれています。 


サラシナショウマ

2006年01月06日 | 種子

         

夏~秋に山地林内に生える多年草で、真っ白いブラシのような花はよく目立ちます。
袋果は四角っぽい楕円形で長さ約1cm、先がちょっと曲がった花柱が残っています。

袋果の中には種子がつまっていて、熟すと袋果が割れて中から2mmほどの種子がでてきます。



種子には、うすい翼がうろこ状についていて風を受けやすくなっています。 小さな種子ですが、造形美がステキな種子だと思います。


ボタンヅル

2006年01月05日 | 種子

年末に、センニンソウとタカネハンショウヅルのそう果をblogに載せました。 ボタンヅルも同じセンニンソウ属です。 
そう果が多数集まり羽毛状になった花柱が、まるい綿毛のような感じに見えます。 まるい綿毛の大きさはボタンヅルが1番小さくて、直径約3cmくらいです。 


1つのそう果は長さ4mmほどで卵形をしていて、白い毛が生えています。  

センニンソウとは花の感じがよく似ていますが、そう果を比べると、センニンソウの方がかなり大きくて扁平で、毛は寝ていてあまり目立たないので、はっきりと見分けることができます。

 【関連の記事】
  ・センニンソウ
  ・タカネハンショウヅル


センニンソウ

2005年12月24日 | 種子

昨日のタカネハンショウヅルと同じ、センニンソウ属のセンニンソウ(仙人草)です。
そう果は長さ7~8mmと大きくて扁平です。先端には白くて羽毛状の毛が3cmほどのびています。
この白い毛が、仙人の髭にたとえられたところからセンニンソウと名づけられたといわれています。
   

野山の日当たりの良い林縁に生えるつる性半低木で、茎はよく分枝しほかの木や草にからみつきます。 夏~秋に白い花を上向きにたくさん咲かせます。 花びらのように見えるのは萼だそうです。

種子の白い毛が光を受けてキラキラしているようすは、ちょうど野山のイルミネーションのようですね。


タカネハンショウヅル

2005年12月23日 | 種子

タカネハンショウヅルの白いまんまるい綿毛が、今あちこちで見られます。
タカネハンショウヅルはキンポウゲ科センニンソウ属のつる性の低木です。
果実は多数のそう果が集まり、そう果の花柱が羽毛状になっていてこれが、センニンソウ属の特徴の一つになっています。

  

センニンソウ属の学名はClematis(クレマチス)で、園芸種のカザグルマやテッセンも同じ仲間です。  
  
秋の花の時期でも、気をつけていないとわからないように遠慮がちに咲くタカネハンショウヅルの花は、とってもかわいいですよね。

  


セイタカアワダチソウ 2

2005年12月21日 | 種子

セイタカアワダチソウの種子の冠毛が白く泡立つようになってきました。 
有名な雑草ですよね、なんと歌にまでにまでうたわれています。 
一時は花粉アレルギーの犯人と騒がれたこともありますが、虫媒花なので関係が無いことが明らかになりました。 
でも、いまだにそう思っている方もいるようです。
 
   
1株になんと4~5万ほどの種子を作り、いっせいに風で広範囲にばらまきます。 芽が育てば地下茎をどんどん伸ばし、1年間で50倍以上にも増えるそうです。(すごいっ!!) 
さらに根からは他の植物の生長を妨げる「アレロパシー物質」まで出しています。(そこまでやるのか!)
このように脅威的な繁殖力で日本中に広がっていきましたが、最近では自らのアレロパシー物質による自家中毒で繁殖率が下がっているといわれています。
そう言われてみれば、場所によっては少なくなった所もありますよね。
 
 【関連の記事】

ヒメヒゴタイ

2005年12月17日 | 種子

ヒメヒゴタイの種子がまさに飛び立とうとしています。
冠毛は2列になっていて、外側のものはごく短く、内側のものはマアザミと同じように羽毛状になっています。 
冠毛の長さと種子とのバランスがとても良く美しい形をしています。
飛び立とうとしている姿は、まるで海の中を悠々と泳いでいる幼生プランクトンのようです。
 
    
頭花は夏~秋に咲き紅紫色をしています。 総苞片の先端にも紅紫色の付属体があり、
つぼみの時から花が咲いているようでとても綺麗です。
 
    
花が終わった後も、草原にすっと立つ姿はどことなく気品があるように思います。
  

ヒオウギ

2005年12月16日 | 種子

ヒオウギの種子は球形で直径が5mmほど、真っ黒で光沢があります。 
その漆黒さはあまりにも黒く、「ぬばたま」 「うばたま」と呼ばれ、
古来より「黒・夜・夕・月」などの枕詞として使われています。
 
また外国でもヒオウギはこの種子の黒さから、ブラックベリー・リリーと呼ばれているそうです。
 
 
 
ヒオウギの葉は扇状で、この様子が檜の薄板を重ねた檜扇(ひおうぎ)に似ています。
花は夏に咲き、橙色で暗赤色の斑点があって美しく遠くからでもよく目立ちます。