食べ物から「旬」が消えた(その1)
スーパーに行くと、冬でも夏野菜のキュウリやナス、トマトなどが並べられ、客も扱う店舗側も何の不思議さも感じないようになって久しい。夏野菜が季節に関係なく年中売られているのは考え方によっては不思議なことでは無いだろうか。
露地栽培は別だが、ハウス栽培は季節に関係なく温度調節によっていつでも自在に生産できるものになってしまっている。いつでも自由自在に生産できるという事は見方によっては農産物ではなくて、工業製品のようなものだとも言える。
極端な例では温度ばかりか光、肥料まで管理して栽培できる技術さえ確立され、東京の丸の内のビル街の一角、ビルの地下で稲を栽培し米を生産し「丸の内米」などと名付けられている例さえある時代なのです。
さて、そこで地球温暖化の話です。温暖化の原因は二酸化炭素の排出量が主原因とされていますが、原因はそれのみではなくて、複合的なものが指摘されている。極端な例では牛がするオクビ、ゲップさえ主成分がメタンガスであり、これも温暖化を助長する原因ともなっているという。
ハウス栽培には色々な熱源が使われます。灯油ボイラーなどが排出する二酸化炭素の排出量も少ないものでは無いはずです。そして、電気を熱源としても同じこと。その電気を発電するのが石炭火力発電などで、この面でも日本の対策遅れが諸外国に指摘されているところです。
(続く)