畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載197「遥かなる我が家」(その3終わり)

2019-06-03 04:41:22 | 暮らし

        遥かなる我が家(その3終わり)

 そのグミの木辺りから、家の後ろの畑が広がり、自家用の野菜が色々と作られていた。

前の畑の渋柿と対角をなす辺りの畑の隅には「にお」と呼ぶ、薪の山が積まれ、雨除けに藁がかぶされていた。


 茅葺の家の話でも書いたけれど、玄関が有った前中門と対をなすように反対側、

玄関から裏にあたる部分には、比較的新しく付け加えられた、木端葺きの後ろ中門があり、

下は両親と私たち子供の寝室兼居間。

狭い階段で上がる二階は物置として使われ不要な、農作業用具や家具などを置いていたようだ。


 この、千鳥破風の前のめりになった前中門を持つ、家で小学校の2年生まで過ごし、3年生の途中で、

今の北堀之内駅の駅前に新築された家に移り住むことになったのだ。


 長い人生のうちのわずか10年ほどの短い時間しか過ごさなかった家だったけれども、

自分が生まれた家と言う事もあり、何時までも懐かしく、その記憶が消えることは無い。

そして貧しいながらも家族で一生懸命に生き、そして母と不仲の祖母との間で泣かされて育ったことも。

        (終わり)

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密かな楽しみ「ワラビ採り」

2019-06-03 04:37:56 | 山菜

 スベルべママには良い顔をされないのだけれど、スベルべにはひそかな楽しみもある。

畑仕事の最中にも休憩時間はほとんど取らない。水を飲む程度で済ませてしまうのです。

 そんな中で唯一の楽しみ、息抜きが「ワラビ採り」です。

幸いなことに山の畑でも、下の畑でもすぐ近くでワラビが採れるのです。この日は大束に束ねて6把でした。

 

 スベルべママはそんなに大量に漬けても食べきれないと言う。

でも、ここが山菜好きの性。そして、進呈すると喜ばれるからというサービス精神のなせる業。

 

 漬物桶の重石を取り、そして中蓋を取ってワラビを漬け込む。

束ねて根元を切り揃え、そして先端も切り落として揃えて輪ゴムで束ねる。

 

 そして、上から大量の塩を掛けます。

今回で5キロ袋の二つ目が空になった。つまり、10キロの塩を使ったことになります。

 

 この漬物桶の下の方は、山独活とワラビがサンドイッチ状態に付け込まれている。

塩分による浸透圧で独活とワラビの水分は抜けて染み出てくる。

 時々抜けて来た水分を汲み出さないと、山菜の水分は桶からこぼれてしまうほど。

ワラビの束が多い日は10束以上。平均でも5~6束は漬けて一か月近くになります。

 「もう止めよう」と思うのですが、疲れた身体もワラビ採りに向かうと元気になるから不思議。

忙中の閑。とでも言うのでしょうか。始末に困るほどの大量の塩漬けワラビが出来上がりそうです。

コメント (2)
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