喜劇な日々

名古屋の劇作家、鹿目由紀のほんの少しだけ喜劇的な毎日を、綴ります。

場所

2014-01-02 20:02:45 | 日々のこと
祖母が、長年住んだ家を引っ越すことになった。蔵と一緒になっている古い形の家で、昔は亡き祖父が蔵の中で漆塗りをやっていた。ここを訪れるのも今日で最後だと思い、あちこち写真を撮ってみた。二階に上がる階段は、小さい頃感じていたより小さく心許なく見える。蔵の天井には明治参拾年の文字。改めて見ると歴史的建造物だ。思えば、従兄弟とかくれんぼしたり、鬼ごっこしたり、思い出深いこの家。蔵の窓には鉄格子のようなものがあり、魔除けにニシンが結び付けてあったのが印象的だった。祖母はこのレトロな建物を出て、快適な現代の建物にワープする。でもやっぱりこの建物は魅力的で懐かしくて、けっして暖かくはないけど温かい。そんなことを感じながら今日、祖母の家に別れを告げてきた。今までどうもありがとう。

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