時々、喉から手が出るほどに欲しい言葉、というのがあって、それは「欲しい言葉だ」と気付いた瞬間には絶対に手に入らなくて、すっかり「もうどうでもいいや」と思い始めた頃に突然手に入ったりするもんだから、ひゃっ。とびっくりして、欲しかった言葉なのか分からなくなってしまったりするのですが、後になってよくよく噛みしめてみるとやっぱり間違いなく喉から手が出るほどに欲しい言葉だったので、だいぶ経ってから「ああ良かった」と、しみじみふんわり、としたりするのですが、一度でいいから「欲しい言葉だ」と気付いた瞬間に、ぴたりとその言葉を貰ってみたいのです。けれど贅沢は言いません。どんなタイミングだとしても、貰えた事に変わりない。贅沢ばかり言ってたら贅沢に慣れて、喉から手が出るほどに欲しい言葉を、勝手にどんどん増やしていくだけですから。それに、忘れた頃に貰える方が、しみじみふんわり、としたりする量が多いという可能性はあるのです。だからなんでしょうか。私は可能性という言葉が大好きです。
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