ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

背広にリュックザック

2022年06月19日 | 日記

                キスゲ              

 エレベーターに乗ってきた男性、壮年でスタイルも整っていて、仕立ての良いダークスーツを身につけている。相応な地位にいる人なのだろう。ところが彼氏、重そうなショルダーバックを担いでいて、上衣の肩に食い込んでいる。皺がよっていて、型崩れしないか、見ている私の方が気になった。洋服の仕立ては、肩のラインが命で、パットなどが適度に縫い込まれている。だからハンガーなども丸みを帯びた形になっている。そんな大事な部分で、重そうなバックを担ぐのでは、仕立て屋が泣くだろうに。
 最近はパソコンやら、いろいろな事務機を持ち歩くことが当たり前になっているらしく、ショルダーだけでなく、リュックサックを担いでいる人も目立つ。 
 私たちの現役の頃は、手荷物は文庫本か新聞だった。何も持たないことが普通だった。書類鞄を持っていると、かえって仰々しく思われたものだ。せいぜい書類用の紙袋。デジカル化して便利な時代になると、逆に手荷物が増えるのだろうか。そう言えば、スマホも大きくて重い。だから私は依然としてガラケーで済ましている。
 そんな関係からか、ファッションも変わってきているように見える。ネクタイをしている人をあまり見かけなくなった。でも背広は昔と変わらない。背広でリュックサックを背負う姿は、私にはとても違和感があるのだが、リュックにふさわしい上衣をデザインできないのだろうか、などと思う。【彬】

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