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はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

『100分deフェミニズム』を見ての感想

2023年01月08日 | 
2023/01/08



1月2日にEテレで放送した
『100分deフェミニズム』は
録画予約をしておいて見た番組でした。

期待にたがわぬ
学ぶことの多い、よい番組でした。
知りたかったこと、知らなかったことを
たくさん教えてもらいました。

講師陣は加藤陽子さん、上野千鶴子さん
鴻巣友季子さん、上間陽子さん
司会はバービーさん。

講師陣もそうそうたる顔ぶれ。


歴史学者・加藤陽子さんの選んだ名著は『伊藤野枝集』

翻訳家・鴻巣友季子さんは『侍女の物語』

教育学者・上間陽子さんは『心的外傷と回復』

社会学者・上野千鶴子さんは『男同士の絆』


どれも本当に興味深い話でした。

その中でも特に衝撃的だと思ったのは
マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』(1985年)。

題名は何となく目にしたことがあって
映画かドラマだと思っていましたが
原作本のことは知りませんでした。

 
「男性絶対優位の独裁体制が敷かれた近未来国家。
出生率の激減により
支配階級の子供を産むための「侍女」たちは
自由と人間性を奪われた道具でしかない」


以前、日本の現職の大臣が、女性のことを
「子を産むキカイ」と言ったことがありましたが
まさしく、侍女は司令官の子を産むために存在するのでした。

「侍女」とは代理母なのか側室なのか…。

作者のアトウッドは、自分の書いていることは
「現実に世界のどこかで起きていることだ」
と言っているそうです。

これに似たようなことは今でも世界のどこかで
きっと起こっているはずだと思うのです。


上野千鶴子さんは
「中絶は国際的な政治的問題なのだ」
と言っています。

本来、女性の個人的な体の問題で
決定権は女性本人にあると思いますが
日本では
世界中の国で認可されているアフターピルが
いまだに認可されていません。

昨年、全米のいくつかの州では
中絶禁止法が成立していますね。

どうして女性個人に選択権がないんでしょうね。

上間陽子さんの
「体を使って起きることは甘く見ないほうがいい」
という言葉は重いと思いました。



フェミニズムというと女性の権利を
声高に主張するというイメージを
持つ人もいるかもしれません。

でも、女性であるための苦しみから
ほんの少しでも女性を救おうとするためにあると
私には思われました。



「性暴力」、「性虐待」はフェミニズムが
「見える化」したものだそうです。

どういうことかというと
それまで「性暴力」という名称はなく
犯罪だという認識もなかったのです。

上間さんの活動の話も興味深かったです。


上野さんのおススメ本『男同士の絆』では
「ホモソーシャル」というのが新語であると知りました。

そういえば、私も2021年2月に講演会で初めて聞きました。


ホモソーシャルというのは
同性愛を排除した男同士の絆のこと。

レヴィ・ストロースが
「家父長制における異性愛とは
女性の交換を意味する」と言ったのは
まさしく目からうろこ。

「婚姻」における女性とは
男性の間で交換されるものだったのです。

でも、思い出すと、この概念も
昔、女性学で習ったことがありましたっけ。


上野さんの次の言葉はちょっと意外でもありました。

男が何に生きがいを感じるかというと
女に愛されることではなく
男から男だと認めてもらうこと。

力がある男と認めた相手から
「おぬしできるな」と言われること、だそうです。

ほんとかしら!?

私は女に愛されることだと思ってきました。

ひきこもり青年が
ひきこもりから抜け出すきっかけは
恋人や女友達ができたときだと
読んだことがあったのです。

それほど女性の存在は大きいのだと
思ったのですけどね。

しかし男性は私などが思っている以上に
権力や名誉が必要な存在なんでしょうかね。

「鎌倉殿の13人」はまさしく
「男同士の絆」の物語でしたね。
男は権力を欲しがりましたよね。


この番組はとてもよかったので
また第2弾があればと思いました。




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