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はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

牧阿佐美バレエ団 サマー・バレエ・コンサート2020

2020年08月12日 | バレエ

2020/08/11

昨夕は文京シビックホールで行われた、牧阿佐美バレエ団の「サマー・バレエ・コンサート」に行ってきました。

 

8月4日の小ホール公演はコロナ不安からパスしてしまいましたが、こちらは出かけました。

でも、その前からコンサートが中止になっていないか、何度もHPで確かめていました。

牧阿佐美バレエ団も3月からの2回の公演が中止になっています。これからは、さまざまな分野の公演が「ウィズコロナ」を考えながら開催していくことになっていくのでしょう。そうしないと世の中がまわっていきません。

いつもなら文京シビックへは自転車で行くのですが、この暑さなので地下鉄で行きました。

ホールでは手指のアルコール消毒、健康カードへの記入をすませて入場です。座席は半分に減らして、ひとつおきに座ります。観客も全員マスク着用。

コンサートといっても、バレエのガラコンサート。有名バレエ作品の見どころをピックアップしたものです。

https://www.ambt.jp/summerballet2020/

 

ダンサーの方々は久々に舞台で演じる喜びにあふれているように感じられました。いつ見てもバレエダンサーはきれいですね。

 

プログラムを記録用に書いておきます。

第1部

☆「ゴットシャルクの組曲」より

☆「カルメン」よりカルメンの踊り

☆「コサックの歌」

☆「シェヘラザート」よりパ・ド・トゥ

☆「ラ・バヤデール」幻想の場より

☆「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ

☆「トリプティーク」

第2部

☆「角兵衛獅子」第2幕  

海賊のグラン・パ・ド・ドゥはダンサーの見せ場ですが、男女とも跳躍や回転が見事でした。

最も印象に残ったのは「角兵衛獅子」。日本的題材で、舞台装置も衣装も日本的。音楽も物語も日本情緒に溢れていました。紅絹の反物の流れる動きがきれいでした。ちょっと新体操のリボンのよう。大人数の動きは、炎が燃え上がっているようで圧巻でした。

カーテンコールで牧阿佐美さんが舞台に出ていらして「8か月間舞台に出られなかったが、行くところがないので、そのぶん練習はよくできていた」とおっしゃっていました。

ブラボーもなく拍手のみでしたが(歌舞伎座でも掛け声禁止でしたね)、観客も満足だったのではないでしょうか。

久しぶりにこういう場に出かけること、よい公演を見ることは、ほんとうに気分転換になりました。

 

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上野水香さんと町田樹さんのクロストーク

2020年05月01日 | バレエ

2020/05/01

今日から5月です。新緑が爽やかな季節ですね。

この時期、上野の森バレエホリディをとても楽しみにしていましたが、もちろん中止となりました。

ですが公式サイトで動画をたくさん配信してくれるので、毎日チェックして楽しんでいます。

東京バレエ団の上野水香さん、柄本弾さん、英国ロイヤルバレエの高田茜さんなど、すばらしい顔ぶれ。

町田樹さんが上野水香さんと対談している「ダンサー・クロストーク」も配信されました。(5月6日までの限定配信です)

40分近い動画ですが、舞踊と音楽の関係について、とても深いお話です。これは私が最も興味を持っている分野と近いので、うれしいトークです。踊る人の内面の動きや、バレエとフィギュアスケートの違いを語っているのも興味深いです。

 

町田さんは今年3月に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科後期課程を修了し、論文も提出して博士号(スポーツ科学)を取得なさいました。 
そして、國學院大學の助教に就任されたそうですよ。

おめでとうございます!

町田さんの公式HPにお書きになっています。

「先日3月26日(木)に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士後期課程を修了し、博士(スポーツ科学)を取得いたしました。博士論文のテーマは、「アーティスティックスポーツのマネジメントに関する学際的考究の可能性 —— フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化経済学」というもので、競技性と芸術性を兼ね備えているスポーツ全般の振興を企図したマネジメント論です。」

町田さんの公式ページはこちら ↓

http://tatsuki-machida.com/news/index.html#20200401_greeting

 

町田さんはアーティスティックスポーツという分野を開拓していますね。フィギュアスケーターで深く研究の分野に入られた方がいなかったので、今後がとても楽しみです。

3月に行われる予定だった町田さんの講演会は7月に延期になりましたが、チケットを買ってありますので、お話が聴けるのを楽しみにしています。

 

 

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ハンブルクバレエ「ベートーヴェン・プロジェクト」

2020年04月29日 | バレエ

2020/04/29

 

NHKBSプレミアムで日曜深夜に放送されるプレミアムシアターは、バレエの放送があるのでいつもチェックしています。

バレエ公演はテレビで放送されることが少なくて、専門チャンネル以外ではこのプレミアムシアターくらいしかないのではないかしら。私はバレエも好きなんです。

劇場に行けない昨今ですから劇場の雰囲気も味わえて、ありがたい放送です。

4月19日のハンブルクバレエ『ベートーヴェン・プロジェクト』は、ジョン・ノイマイヤー振付でベートーヴェンの曲を使ってのバレエということで録画しておきました。すぐに見たのですが、コロナのことなど書いていたら、10日も過ぎてしまいました。

今年はベートーヴェン生誕250年。ベートーヴェン・プロジェクトは、ジョン・ノイマイヤーの、ベートーヴェンへのトリビュートであり、物語とシンフォニックバレエの要素を融合しています。

クラシックの楽曲(特に交響曲)に動きを振付けたものはシンフォニックバレエと呼ばれています。音楽の視覚化とも言われます。一般的には物語がなく、音楽の要素を動きで表現するものですが、何かの情景をイメージして振付けることもあります。

リトミックと相通じるものがあるので、私はいつも興味を持って見ているのです。

今回の放送では、2012年にローザンヌバレエコンクールで優勝した菅井円加さんも出演しています。ハンブルクバレエ団に入って、プリンシパルになったのですね。菅井さんは体の可動域が広くて動きにキレがあり、躍動感が群を抜いています。

 

振付も斬新で、そのぶん難しそう。運動量も多くて、主人公(アレイズ・マルティネス)は大変だったのではと思ってしまいますね。でも、音楽をどういうふうに動きで表現していくのだろうと見ていると、とてもおもしろいのです。

短い紹介動画ですが、雰囲気は伝わるかしら。載せておきます。

Beethoven Project - A Ballet by John Neumeier

 

 

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吉田都さんのこと

2019年12月01日 | バレエ

2019/12/01

 

NHKBS1で、吉田都さんが引退するまでの最後の1年間をドキュメンタリーで撮ったものを見ました。

『LAST DANCE 吉田都 引退までの闘いの日々』

http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=21162

 

今年8月の吉田都さんの最終公演は残念ながら見に行きませんでした。1度も見ないうちに現役を引退されてしまったなと思います。

ドキュメンタリーを見てわかったのは、もう体力の限界、怪我と戦う1年だったのですね。

53歳での引退ですが、練習風景でもスリムな体つきと動きからは、とてもその年齢には見えません。しかし、股関節の疲労骨折、「一般の人だったら松葉杖ついて、リハビリやっててください」と言うほどのお医者さんの言葉。そんな中での「エスメラルダ」と最終公演の2公演。

 1983年、英国ロイヤルバレエに入った当初は劣等感ばかり。「見た目ではかなわない。踊りなんて見た目やラインが大切ですから」「立っているだけできれいな人ばかりなので、もうかなわない。醜いという感じで、とにかく自分の持っているものすべてが嫌でした」

「楽しいお稽古をしてきていない、大変な思いをしてきているので、負けたくない、だって悔しいじゃないですか」「一緒のレベルにいたらかないっこないので、違う見せ方をする」

しかし、「一番大変だったのは、自分の居場所があると思えないこと」「いつも怖いし不安だし、追われている感じで厳しかった」

自分の居場所がないと感じるのはつらいですね・・・。今から20年前、海外のトップバレエ団のプリンシパルを日本人が務めることはほんとう大変だったのですね。日本人バレエダンサーの先達です。

しかし、バレエ団監督ケビン・オヘアは「彼女のステップやターンは桁外れ、誰もあんなふうに踊れない」と言います。

元監督ピーター・ライト氏は「都の踊りは音楽とぴったり、一体となるのです。」「頭も素晴らしくよい。なんでも簡単に踊ってみせますが、裏にはものすごい努力がある」とべたほめ。そんな努力家だったから、日本人初のプリンシパルになれたのです。

吉田都さんの「やっぱりチャレンジしたいんですよ、限界に挑戦したい」という言葉。

私は吉田都さんの言葉の数々が羽生結弦さんに重なりました。それまで日本人がなし得なかった分野で世界のトップに立つ人は、そう考えるからこそ、その地位に立てたのだと思います。

痛みをこらえて、今年1月に「エスメラルダ」を踊った時、「恐怖しかなかった。本当に怖かったです。だって想像できないんです。トウシューズで舞台に立つってことが。あまりにも遠かったので」という。ですが、そんなことは微塵も感じさせずに踊るのです。

吉田都さんは9歳までリトミックを習っていたそうです。吉田都さんの音楽同調性、リズム感は、その頃にも養われていた部分もあるのでしょうか。 同じ学習者としてはうれしいことです。

吉田都さんが長い間トップの座を維持できたのは、努力だけでなくチャーミングで愛される人間性があったからこそと感じました。

これからは新国立バレエ団の次期監督としてのお仕事をされるそうです。

なお、この番組は12月2日(月)BS1午後7時から再放送があります。

 

 

 

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旅するフランス語

2019年11月13日 | バレエ

2019/11/13

 

NHK、Eテレの「旅するフランス語」に東京バレエ団のプリンシパル・柄本弾さんが出演しています。

私は時々バレエを見に行くのですが、日本のバレエ団は牧阿佐美バレエ団と東京バレエ団が半々ぐらい。東京バレエ団は「ザ・カブキ」を見たのが最初で、その時の主役が柄本弾さんだったのです。先月の「雲のなごり」でも踊っていましたね。

1度「旅するフランス語」を見たら、柄本弾さんが出ていたので、見るようになりました。といっても、第5回、6回と2回ですが、バレエに関する内容で、劇場やフランスのバレエ団を訪れてフランス語の勉強をするのです。

NHK語学サイト  https://www2.nhk.or.jp/gogaku/french/tv/

フランス語は第二外国語でやりましたが、ほとんど覚えてません。内容に興味があるので楽しく見ています。

 

 

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「春の祭典」

2019年11月03日 | バレエ

 

2019/11/03

10月27日に見た、東京バレエ団の『春の祭典』についてはまだ書いていませんでした。

趣味的になりますが、書いておきます。

 ストラヴィンスキーのバレエ曲『春の祭典』、初演は1913年のニジンスキ―振付のものです。発表当時は物議をかもした作品でした。

今回、東京バレエ団の公演で見たのはベジャールの振付けですが、こういうものだったかと驚きました。

独特な動き。でも面白くて目が離せません。野性的な、動物的な、原初の時代の人を感じる。男女の愛の営みが直接的すぎる。ロマンチックな古典的バレエとは全く違った動き、振付が斬新です。

音楽の拍子が不規則、アクセントの入れ方も不規則、演奏も難しいだろうなあ。演じ手も音楽に合わせるのは難しいだろうな~ けれど、武満のように拍が感じられない音楽よりもリズムが明瞭だから、カウントはとりやすいかも、なんて感じながら見てました。

 

東京バレエ団のサイトには『春の祭典』について書かれたものがあります。振付のベジャールの言葉もあります。



〈ストラヴィンスキーの最高傑作であり、現代音楽史上もっとも重要な作品のひとつである『春の祭典』は、太陽神への礼賛と生贄として選ばれる乙女を描いたもので、1913年ニジンスキーの振付によりバレエ・リュスによってシャンゼリゼ劇場で初演され、劇場中が騒然とするほどの賛否両論の激しい反響を呼び起こした。〉

 

そのニジンスキー版の踊りは、探したら解説付き動画がありました。ベジャール版とは違って、シャーマンの女性が踊るというテーマですが、1913年頃にこんな振付けで踊ったのでは、当時の観客はさぞ驚いたことでしょう。今回私が見たベジャール版とは別物ですが、参考程度に載せておきます。ニジンスキー独特と思われるあのユニークなしぐさもジャンプも出てきます。


(引用続き) 

〈ベジャールの『春の祭典』は、1959年にブリュッセルで初演されている。彼はストラヴィンスキーの台本を離れ、野性的で官能的な若者たちの肉体と躍動美の"祭典"を創り上げた。この創作にあたっては、発情期の鹿、交尾する鹿を描いた映画からインスピレーションを得たという。その鹿の動きがストラヴィンスキーのリズムにピッタリだったのだ。

 ベジャールは人間の欲望、獣性、生きるための闘いを描くことによって、ストラヴィンスキーの音楽を鮮烈に視覚化することに成功した。この作品は年配の観客の眉をひそめさせ、人々はスキャンダルを話題にしようとしたが、男性舞踊手の活躍、シンプルこのうえないボディタイツのみの衣裳、ホリゾントだけの舞台等、さまざまな革新的な試みは、若い観客を中心に圧倒的な支持を得た。これを契機に20世紀バレエ団が生まれ、バレエは古い殻を破って新しい時代へと突入したのだ。〉

 〈春とは一体何であろうか? それは冬のマントの下で長い間眠っていた巨大で原始的な力にほかならないそう春は突如として湧き起こり、植物、動物、人間それぞれの世界を、燃え立たせるのである。

 人間の愛というものは、その肉体面において、宇宙を創造した神の愛の行為、そして神がそこから得る悦びを象徴している。人間の精神に関する逸話の国境が少しずつ消えてゆき、世界の分化について語り始めることができるときには、普遍性のない民族的情趣はことごとく捨て去り、人間の本質的な力を取り戻すことにしよう。いかなる大陸にあっても、どんな風土であろうと、あらゆる時代に共通の力を。

 どうかこのバレエが、あらゆる絵画的な技巧から解き放たれ、肉体の深淵における男と女の結合、天と地の融合、春のように永遠に続く生と死の讃歌とならんことを!(モーリス・ベジャール)〉

 

 

東京バレエ団のブログには、今回『春の祭典』の演技指導をした那須野圭右さん(モーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督補)のロングインタビューが載っています。このインタビューも興味深いです。部分的に引用させていただきます。

 

〈ベジャールさんは、本当に音に厳しい方でしたから! 「つま先を伸ばしなさい」「脚を伸ばしなさい」なんてことはいちいち注意されませんでしたが、いつも「音!」「音!」「音!」と。

とくに大事なのは細かい音符です。ダンサーにとって音楽は、聴くだけのものではなくて、聴いて、しっかり理解して、身体で表現するものでしょう。そこには四分音符だけの単純なリズムだけでなく、より複雑なリズムもあるわけだから、耳で聴いて合わせるだけでは表現しきれない。そうならないよう、ベジャールさんの音の取り方がしっかり身体に染み込むよう、厳密に、稽古を重ねています。

 

──つい群舞の迫力に目がいってしまう作品ですが、実はかなり緻密に組み立てられていますね。

たとえば冒頭、ダッダッダッダッダッダッという音で男性群舞が四つん這いになって跳ぶ場面はすごく印象的ですよね。四つん這いなんて誰でもできる形だけれど、どこをどう気にしながらどんなポジションにもっていくか──。そこをしっかり押さえることで、ぐんと野性味が出て、動物的になり、だからこそ迫力が出てくる。

『春の祭典』では、その動物的な雰囲気がとても重要。ベジャールさんはよく「鼻で探せ!」とおっしゃっていました。まさに、獲物かメスを探す動物の姿です。〉


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東京バレエ団x勅使河原三郎

2019年10月29日 | バレエ

2019/10/29

 

日曜日は東京文化会館で東京バレエ団の公演を見てきました。

演目

1・「セレナーデ」振付:バランシン 音楽:チャイコフスキー

2・「雲のなごり」振付:勅使河原三郎 音楽:武満徹

3・「春の祭典」振付:モーリス・ベジャール 音楽:ストラビンスキー

 

以前、バランシン振付のチャイコフスキーの「セレナーデ」をテレビで見て、なんとすてきな演目だろうと思っていたら、東京バレエ団が秋に公演すると知り、行ってきました。

チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」がどんな曲か思い浮かばない人もいるかと思いますが、「上司に恵まれなかったら、オー・人事」という派遣のCMの時に流れていた音楽です・・・(こんな形容でいいの?)

音符に合わせて踊る、まさしく音を体で表現する作品。チャイコフスキーの音楽はどれもメロディが美しいので好きですが、あのフレーズではあの動きになるんだ、と見ると興味深い作品です。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の生演奏がまたよかった。オーケストラの低音部がよく響いてくるのです。

次は「雲のなごり」。世界初演だそうです。

振付:勅使河原三郎、音楽:武満徹ですが、ダンサーたちはとても上手だと思いますが、私はどうも武満の音楽がわからない・・・海外で評価の高い武満ですが・・・。「地平線のドーリア」、「ノスタルジア―アンドレア・タルコフスキーの追憶にー」。難しいですね。不安を掻き立てるような感じであまり心地いいとは言えません。

勅使河原氏の言葉

〈創作をするとき、まるで身体のために音楽があるように感じます。きちんと向き合い、あるいは深くその音楽を愛さなければ、また身体的に交わらなければ、その音楽を使うことはならないという気持ちがありますが、いつか、武満さんの『地平線のドーリア』で作品を創りたいと思っていました」とも。藤原定家の歌「夕暮れはいずれの雲のなごりとてはなたちばなに風の吹くらむ」に想を得たことにも触れ、「夕日が暮れるときの、時間を超えたその最後に残る花の香り──。それは匂いという現象を受け取った知覚ではなく、なごりという感覚が残るということ、と感じたのです」。〉

東京バレエ団公式サイトブログ https://thetokyoballet.com/blog/

西洋音楽とは全く違う、日本的で瞑想的な音楽といえば言えるような。

「春の祭典」については衝撃的な作品ですが、長くなりそうなので次回にします。

 

 

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エイフマン・バレエ 「ロダン ~魂をささげた幻想」

2019年09月21日 | バレエ

2019/09/21


16日にNHK BSプレミアムで放送されたボリス・エイフマンの「ロダン~」は圧巻でした。バレエでこんな表現ができるのだと感心しきり。


エイフマンバレエ団は、日本ではまだそれほどの知名度がありません。今年7月の来日は21年ぶりということで、日本の観客の前で踊ることが少なかったせいかもしれません。

ロシア、サンクトペテルブルクのバレエ団で、現地の人気は大変なものだそうです。男性ダンサーは身長182cm、女性は172㎝以上、長身で美しいダンサーたちは技術も一流。

エイフマンは鬼才と呼ばれる振付家で、アクロバティックであり、心理的なバレエを振付けています。


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彫刻家の物語ですから、ダンサーたちは造られた彫像を表現するのですが、鍛え上げられた筋肉と柔軟性で静止像もほんとうの作品のよう、いや、生身の体はもっと美しい。

カレーの市民  
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振付で使用された音楽も、サン・サーンス、エリック・サティ、ドビュッシー、ラヴェルなど、ロダンの生きた時代のフランス音楽が使われています。この音楽にこの動きなのかと、これがピッタリで心理的な葛藤や不安を表しています。

ダンサーたちは大変だろうなと思う動きですが、素晴らしくて目が離せなかった作品でした。

 

公式サイト https://japanarts.co.jp/eifman2019/rodin.html

来日記者会見の様子はこちら → https://spice.eplus.jp/articles/246488

 

 

 

 




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「フェリ、ボッレ&フレンズ ~レジェンドたちの奇跡の夏~」

2019年08月01日 | バレエ
2019/07/31


文京シビックホールで行われたバレエ「フェリ、ボッレ&フレンズ」を見てきました。
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https://www.nbs.or.jp/stages/2019/ferri-bolle/index.html


「踊るギリシャ彫刻」といわれるロベルト・ボッレを見るのを昨年から本当に楽しみにしてました。

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「古代ギリシャ・ローマの彫像のように輝くばかりの完璧な容姿と端正な技術を備え、数々のバレリーナから相手役に望まれて世界的に活躍。その若々しい美をいまも驚くほど保ちつつ、演技を成熟させてきたロベルト・ボッレ。」(公演の紹介文より)ボッレは今年44歳。


フェリは今年55歳。
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「ジュリエット、マノン、椿姫などのヒロイン像を演じてめくるめくオーラを放ち、一世を風靡する人気を誇りながら44歳で引退。その後、50歳でバレエ・ダンサーとして奇跡の復活を遂げたアレッサンドラ・フェリ。」(公演の紹介文より)

フェリもボッレもイタリア出身のバレエダンサー。

今まで見たバレエ公演の中で一番よかった。←見るたびにこの言葉を言っているような気がする。

ボッレは187cmの長身で肩幅も広く、筋肉ひとつひとつがライトに浮かび上がってまさしくギリシャ彫刻。手の動き、足の動きもダイナミックで華がある。

フェリも鍛え上げられたスリムな体で美しい。柔軟性も素晴らしいのです。舞台で見ると年齢を全く感じさせない。あれだけの体を保つには、やはりすごい練習と日々の節制をする精神力が必要だろうなと感心。目を引いたのは足元の美しさ。足の甲のアーチがきれいなんです。

今回の出演者たちは、みな筋肉が美しくて、脂肪なんて少しもないような皮膚1枚の下はすぐ筋肉という感じ。すべてそぎ落として残った筋肉という感じ。

7月31日~8月4日までの5日間の公演で、A、B、2つのプログラムを演じます。私が見たのはAプロのほう。

記録としてAプログラムを書いておきます。

1.「カラヴァッジオ」 メリッサ・ハミルトン、ロベルト・ボッレ
2.「フォーリング・フォー・ジ・アート・オブ・フライイング」 
     シルビア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
3.「ボレロ」 上野水香、マルセル・ロゴス 
 
         休憩

4.「アミ」 ゴメス、リアブコ
5.「クオリア」 ハミルトン、ボッレ
6.「アルルの女」 アッツオーニ、リアブコ

         休憩

7.「アルグリットとアルマン」 フェリ、ボッレ、ゴメス、リアブコ

どれもみな良いプログラムでした。

「カラヴァッジオ」は現代風な美しい作品。
上野水香さんとゴメスのボレロ、16分もある曲を踊り続ける。パ・ド・ドゥなのでリフトが入り、ひとりで踊るより肉体的に大変かと想像しました(やったことがないのでわかりませんが)。

特にうれしかったのは、4番目の「アミ」。男性のゴメスとリアブゴが踊りました。
曲がショパンのノクターン13番ハ短調だったのです。この曲は最近、寝る前に毎日聴いているお気に入りの曲。舞台の後ろのほうにグランドピアノがあって、ピアニストの生演奏での演技でした。2人が競い合うようなコミカルな振りもあって、仲が良いけれど競い合う男友達ということなのか。曲の美しさにうっとりしました。

フェリとボッレが踊った「アルグリッドとアルマン」は椿姫。アシュトン振付、音楽はリスト。
肺を病んだ椿姫をフェリがよく演じていて、ほんとうに調子が悪いんじゃないかと思うくらい(笑)はかない感じが出ていました。

フェリが語った言葉がVOGUEに載っていて、そのとおりだなあと納得。

「私たちは年齢には逆らえませんし、過去の自分と同じ姿でいることはできません。そうしようと空しい努力をすると不幸になってしまいます。ありのままの今の自分を受け止めなくてはなりません。今もエネルギーと創造力に満ちていて新しいことに挑戦したいという気持ちを持っているのですから。

私はアンチエイジングという言葉には、興味がありません。化粧品のCMに出演しましたが“年齢より若くみせるのではなく、50歳の自分ができるだけ美しくいられるようにしましょう”というメッセージを伝えたいと言ったのです。
20歳には20歳の美しさ、40歳には40歳の美しさ、年齢なりの美しさがあります。私たちは他人のために美しくあることはやめなくてはなりません。自分のために美しくあるべきです。自分の人生なのですから幸せに生きたいですもの。今私はまだ踊ることができるし、よく踊れていると思っています。ダンスは、人生が私に与えてくれた贈り物です」

若く見えることがいいという文化はきっと最近の流行りでしょう。人はみな一様に老いていくのですから、老いていくことが衰退、悲しむべきことではないのです。年齢なりの美しさがあるというフェリの言葉には勇気づけられる気がしますね。


VOGUEの紹介記事も興味深いので、読んでみてください。
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/interview/2019-4-12/alessandra-ferri-ballet



(画像お借りしています



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英国ロイヤルバレエの「ロメオとジュリエット」

2019年07月26日 | バレエ
2019/07/26


7月21日の深夜、NHK・BSプレミアムシアターで英国ロイヤルバレエの「ロメオとジュリエット」が放送されました。これは前から楽しみにしていた放送です。

というのも、日本人プリンシパルの平野亮一さんがロメオ、高田茜さんがジュリエット。英国ロイヤルバレエの主役2人が日本人とはうれしいですね。

初めはスティーブン・マックレーがロメオ役だったのですが、怪我で降板したため、平野さんに役が回ってきたのです。2週間半ほどの稽古期間で仕上げたそうです。長い作品なので大変だったでしょうね。

このロミジュリはプロコフィエフの音楽にケネス・マクミランが振付けたもの。プロコフィエフの曲は、緊張感のある場面の旋律が有名ですが(ソフトバンクのCMに使われた?)、全体を聴くと美しい悲劇的な音楽です。

2人とも全編に漂う悲劇の雰囲気をよく表していて、楽しい場面や愛の場面でもどこか切なさが漂う。

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番組の冒頭にインタビューがありました。

平野さん 「僕たちは体で会話するので、人が違えばテクニカルが違う、相手がどういうふうに体で話してくるか、内容も少し違う。それができると楽しい」

高田さん「亮一さんのパートナーリングは一番だと思っている。自由に踊らせてもらった」「カーテンコールでも自分自身になれていないくらいの感覚でした(役に入り込んでいて自分に戻れないくらい)」

高田さんは体重を感じさせずに宙を舞い跳ぶ。体の線も美しく動きも優雅です。

平野さんは上半身もしっかりしていてリフトも軽々に見える。2人の呼吸もぴったり。
それにしても、体重40~50㎏はあるであろう女性を一瞬のうちに頭上高く持ち上げる筋力はすごいなと思わずにはいられません。それが何度もあるのですからね。

熊川哲也さん、吉田都さん以来の英国ロイヤルの日本人コンビですが、感情表現が上手でテクニックも確か、バレエの世界でも日本人の活躍が、何か誇らしい感じさえしました。





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