阿佐ヶ谷大映の入り口横のスチール写真。そこにひと際目立つ大きなポスター。山本富士子とその横に佇む川崎敬三の大写しと「白鷺」の題字。山本富士子を思い出す時、この映画館の前で、観たい衝動に駆られながら、食い入るようにポスターとスチールを見ていた姿を思い浮かべる。そして、今日に至るまで、「白鷺」は観ていない。
当代随一の美女の代名詞であった彼女の主演映画は意外と観ていない。「夜の河」「墨東奇譚」等があるが、とりわけ「白鷺」は観ておきたかった作品だ。泉鏡花の作品では「歌行燈」で雷蔵と共演しており、それはそれで良いのだが、「白鷺」を観ていないのが悔やまれる。
時代劇の「人肌シリーズ」もあるが、やはり彼女には現代劇が似合う。例の五社協定騒動で映画界を去ったのは残念だが、映画斜陽の時代に差し掛かっていたので、かえってよかったのかも知れぬ。そういえば、他社出演した松竹の小津作品「彼岸花」では浪速千枝子の娘役で何とも活き活きとしていたのを覚えている。
当代随一の美女の代名詞であった彼女の主演映画は意外と観ていない。「夜の河」「墨東奇譚」等があるが、とりわけ「白鷺」は観ておきたかった作品だ。泉鏡花の作品では「歌行燈」で雷蔵と共演しており、それはそれで良いのだが、「白鷺」を観ていないのが悔やまれる。
時代劇の「人肌シリーズ」もあるが、やはり彼女には現代劇が似合う。例の五社協定騒動で映画界を去ったのは残念だが、映画斜陽の時代に差し掛かっていたので、かえってよかったのかも知れぬ。そういえば、他社出演した松竹の小津作品「彼岸花」では浪速千枝子の娘役で何とも活き活きとしていたのを覚えている。