よし坊のあっちこっち

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Cheap Wineを侮るな

2021年05月03日 | アメリカ通信
まだ日本に居た頃、テレビのバラエティでワイン通を自称する芸能人数人に安いワイン(1000円級)と高級ワイン(?万円級)のブラインド・テイスティングをさせる番組があった。結果は安いワインを高級ワインと見事(?)に言い当てていた。日本には自称ワイン通はゴマンといるが、さほど当てにならぬ。

ボージョレ・ヌーヴォーというのがある。世界を尻目にその時期になると狂喜する日本人。何しろ輸出量の半分が日本向けとあるから、その狂喜度は凄まじい。熟成後の出来を占うほやほやワインをを新酒として売り出したワイン業者のしたたかさに、新しもの好きの日本人は見事に嵌った。ワインは年代物じゃないと、という一方で”獲れたて”というだけのボージョレに至極ご満悦なのである。

よし坊はワイン通ではない。アルコールは好きだからワインもたまに飲むが、焼肉かスペアリブの時くらいで年に数回、それもALDIかTrader Joe’sの3ドルクラスのワイン。このワインの世界に踏み込んだジャーナリストのビアンカ・ボスカーの「Cork Dork」がSmithonian Magazineに紹介されていて面白い。彼女はワインの裏側を知るためにソムリエの訓練を受けて一年半かけて取材したそうである(以下ハイライト)。

”伝統を壊す”のが得意なアメリカ人は最新の科学の力を駆使して世の高級ワインの味に近づけた安いワインの製造に成功したという。ワインは法律上、アルコール度、酸化防止剤及び着色剤使用の有無のみ表示すれば良く、そこに自由度を見出した人達は最新技術によるフレーバー研究等により、消費者が求める香りや軽さ、重さ、渋味などを自在に管理し、安定生産を可能にしたという。安くて上質なワインの誕生により、アメリカは今、ワイン飲酒の黄金時代を迎えている。

安いワインにはいろいろと”混ぜ物”が入っているのだが、しからば、高級ワインは混ぜ物は無いのか、といえば、今頃のワインには程度の差こそあれ、立派に混ぜ物が入っているそうだ。表示の必要がないからいかにも無さそうな振りをして、有名な産地を売りものに安いワインの10倍の値段を取っているのが現状だという。知らぬは消費者ばかりなり。あなたはどちらのワインを飲む?

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