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よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

映画三昧 - チャーリー・ウィルソンの戦争

2008年03月26日 | 映画
Based on True Story。世間を騒がせた実録モノもあれば、知られざる実録モノもある。

トム・ハンクス主演のCharlie Willson's Warという映画は後者の実録モノにあたり、当時のアメリカで行われた裏のアフガン戦争の話である。
思えば、当時アフガン戦争は79年突然ソ連が侵攻して始ったが、そのソ連が泥沼に陥り、ついには不名誉の撤退となった戦争である。日本で、撤退のニュースが流れていたのを覚えている。この撤退の裏に、テキサスの下院議員が仕掛けた約10年に渡る極秘作戦があった事など我々は知らない。当時のアメリカでも議会筋以外は知られておらず、CIA最大の成功作戦だったと後に報じられている。

映画は、軍施設の一角でささやかに行われた、テキサス州選出の下院議員、チャールス・ウィルソンを称えるセレモニーの場面から始る。

当時アフガンなどには目もくれていなかったアメリカの議会筋で、ウィルソンはひょんなことからソ連対抗のアフガン支援に目を付け、CIAを動かし、軍事予算をもぎ取り、親ソ政権に反対する勢力ムジャヒディーンへの援助を始め、この影の戦争に勝利するのだが、このチャーリー、写真の如く、実物もなかなかのダンディーで相当な発展家、事務所の女性スタッフは軒並み綺麗どころで、往年の人気テレビ番組に因んで、彼女らは、チャーリーズ・エンジェルと呼ばれていたと言う。

思えば、この大成功からアメリカはアフガンに深入りする事になり、当時反ソ勢力に繋がっていたオサマ・ビン・ラーデンが、9.11を引き起こした事はなんとも皮肉な結果である。


映画三昧ーシドニー・ポアティエ

2008年02月29日 | 映画
映画のアカデミー賞も近年は差別の壁が壊され、黒人俳優の賞取りが俄然多くなったのは喜ばしい事。賞の有無にかかわらず、人気俳優は多い。デンゼル・ワシントン、ハリ・ベリ、サミュエル・ジャクソン、キューバ・グディング、ウィル・スミス、モーガン・フリーマン、フォレスト・ウィテイカー等等。

しかし、シドニー・ポアティエほど、映画の世界と黒人俳優に大きなインパクトを与えた俳優は恐らくあるまい。

彼が活躍したのは、60~70年代という、アメリカが人種差別の鬩ぎあいの真っ只中なのである。

日本でも彼は大人気だった。彼の役を中心に白人の脇役にアメリカ白人社会の現実を語らせ、しかしこうあるべきではないかと迫る。「招かれざる客」では、スペンサー・トレイシーに 総論リベラル各論差別主義を演じさせる。「夜の大走査線」では差別の激しい南部で発生した殺人事件解決に黒人FBI捜査官を派遣、白人警官ロッド・シュタイガーに、世の中黒人でも優秀な奴はいるもんだと気づかせる。最後の駅での見送りのシーンは、「俺は黒人は嫌いだ、だがお前さんには負けたよ」とでも言っているような顔だ。

彼が黒人として初めてアカデミーを取った「野の百合」。修道尼達との心の交流を描いた地味な作品だが、観ているとジワっときてしまう。
もう一つ地味な作品だが、人種平等の精神を謳った有名な言葉からとった「Separate but Equal」というテレビ映画がある。アメリカ公民権運動史上、人種平等を法廷で勝ち取った、分岐点的な実話を題材としたもので、大御所バート・ランカスターも出ている。

この時代、シドニー・ポアティエという逸材を得て、次々と重いテーマを送り出したハリウッドもある意味では凄い。映画という特殊世界を牛耳っているユダヤ系アメリカ人だからこそ、出来る芸当なのだろう。

ポアティエは日本人には全く馴染みのないバハマと言う小さな国の出身である。そんな小さな国だから、日本に大使館など置けないのだが、彼は非常駐ではあるが、日本におけるバハマの正式大使である。

映画三昧 - 行き行きて進軍

2007年12月19日 | 映画
強烈な印象を残したドキュメンタリーがある。独立系の映画なので、限定公開ではなかったと思う。当時、恐らくアートシアターに掛かったのではないだろうか。もう20年位前のことだ。

「行き行きて進軍」。戦争を生き延びた奥崎健三が、かつての上官達を訪れ、時には脅しながら、戦地で彼らが何をやったかを強引に言わせようとするのである。極限状態の戦地で一体何が起こったのか。

いかなる戦争も、それは「狂気」であるから、だからどんな事でも起こりうると言うことか。人間、「生」への渇望は想像以上のようだ。

「生」への渇望という意味では、1972年にアンデス山中に墜落した飛行機事故で、約二ヵ月後に救出された事件は、衝撃的だった。死んでいく仲間から命を貰って食いつなぐ。黙って死んでいく者もおれば、死んだら俺を使ってくれと言い残した者も居たと言う。死んだ者は、後に残された者達の命となったのだ(この事故は、後に「Alive」という題名で映画になったので、鑑賞した人も多いと思う)。

奥崎健三は、当時の上官達を訪れ、「お前達が何をしたのか言え」と迫り続ける。最初は、単に「生きんが為に人を食した」事を糾弾しているのかと思ったのだが、違うのだ。部下の銃殺とその後の人食が連動している。アンデスの場合は、死者から命を授かるという行為だが、奥崎の告発は、極限状態と言えども、飢えをしのぐ為に人を殺していいのか、という事だ。

戦争を知らない我々世代にとっては、戦争の狂気を教える貴重な、秀れたドキュメンタリーである。


映画三昧ー 第四の核

2007年11月13日 | 映画
スパイ物といえば、やはり東西冷戦を背景にしたヨーロッパが舞台としてふさわしい。ロバート・ラドラム、ジョン・ル・カルレ、ジャック・ヒギンスやら、フレデリック・フォーサイス等の小説は大変スリリングである。そして、そのうちのいくつかは映画となっている。

フレデリック・フォーサイスの「第四の核」というのがある。原題は「The Fourth Protocol」という。テロリストを追い詰めていく話である。これは映画化されるなと思っていたが、仮に映画化されても、イギリス映画となるはずだから、主演がハリウッドスターとはならぬわけで、そうすると、日本上映はまずない。だから、日本で見るのはあきらめていた。

それがひょんなキッカケで見ることが出来たのは誠にラッキー。アメリカへの出張での機内上映にあったのだ。機内上映は全部見る主義なので、早速機内誌をチェック。と、「The Fourth Protocol」の字がポ~んと飛び込んできた。やはり映画化されておったのだ。米英公開が1987年らしいので、見た時期は恐らく88年頃だろう。主役はマイケル・ケイン。彼がテロリストを追い詰めていくのだが、テロリスト役をやっていた若い俳優が印象に残った。

後年、何代目かのジェームス・ボンドが発表されニュースを賑わしたのだが、顔を見てどこかで見たような奴だ。何処だっけ。あいつだ。テロリスト役のあいつだ。それがピアース・ブロスナンである。今なら007で有名になったブロスナンだから、日本のDVDの棚にも並んでいるだろう。

主役のマイケル・ケイン、好きな役者のひとりだ。今はたまに映画に出ては、フロリダでのんびりと暮らしている。

映画三昧 -幻の第二のハリウッド

2007年11月04日 | 映画
あまり世間に知られていないが、と言ってもアメリカの話だが、アメリカ人もあまり知らない話がある。1990年頃、アメリカで、第二のハリウッドを作ろうと言う構想があった。仕掛けたのはジョージア、もっと正確に言うとアトランタである。当時のアトランタは既に南部最大の都市として、更に飛躍を目論んでいた。その最大の目玉が90年のIOC東京会議で勝ち取った96年のアトランタ五輪なのである。この90年を前後して、兎に角アトランタは将来の青写真を描くべく、奔走していたのだ。

アトランタには、ご存知のCNNニュースが有り、そのオーナーだったテッド・ターナーは映画の宝庫の一つであるMGMを所有していた。アトランタはそれ以外にも音楽産業も盛んで、全米でも有数のエンターテインメント都市である。こういう素地も大いに構想に関係してたはずだ。

一本の映画を撮るのには大変な金がかかる。即ち映画を撮影する場所には大きな金が落ちると言う事なのである。ジョージアは州として、撮影の為の税優遇策を打ち出した。続々と映画のシューティングが始まり、カリフォルニアやハリウッドに住んでいた俳優達がジョージアへ移り始めたのだ。

しかし、それは大きな流れにはならなかった。第二のハリウッドと呼ばれるくらいの塊にはならなかったのだ。ハリウッドと言う映画産業は、一握りのハリウッド・マフィアとも言うべき連中に牛耳られているわけで、それに対抗するのは無謀と言えば無謀である。

それだからと言って、大失敗だったのかと言えばそうでもない。ハリウッド並みの塊にはならなかったが、映画産業も相変わらず盛んで、ジョージアに残った俳優も結構いるのだ。とりわけ黒人中心の映画は相当強力である。ハリウッドでは受け入れられなかったパワーがジョージアで花開いたとも言える。

ハリウッド映画史を飾る「風と共に去りぬ」はジョージアを舞台にして懐かしい。

映画三昧 - 違和感のある女優

2007年10月20日 | 映画
映画とかテレビドラマとか、面白ければいいので、出ている俳優をどうのこうのと言う事もあまり無い。もちろん、うまい役者であれば、それに越した事は無い。

人気女優の中に、仲間由紀江という女優さんがいるが、この人の演技にはいつも、なんとなく違和感を感じるのだ。表現しにくいのだが、あの、独特の喋り口調というか、台詞回しというか、聞いていてすんなり入って来ないのだ。

もちろん、どんな俳優でも、それぞれ独自の口調やら、台詞回しがあるのだが、それぞれに面白く、今まで違和感など持った事が無かった。しかし、この女優さんには、デビュー当時からずーっと違和感が付き纏う。別にこの女優が嫌いだからと言うのでもない。こんな風に違和感を感じるのは自分だけだろうか。

脇役ならば、個性的な部分を売りにしてガンガンやればいい。そういう脇役でいい役者はたくさんいる。しかし、常に主役を張るとなると、いろいろな役柄を演ずるわけで、この女優さん、大成するのかな、と思わず心配してしまう。

このなんとも言えぬ違和感、無くなる日が来るのかな、、、、。

映画三昧 - In the Valley of Elah

2007年10月12日 | 映画
今公開されている、トミー・リー・ジョーンズの「In the Valley of Elah」を観た。原題を直訳すれば、「エラの谷で」となるが、旧約聖書に出てくる谷で、ダビデが巨人ゴリアトと戦って倒した谷らしく、映画のシチュエーションを暗示している。

あらためて、正義の戦争なんて有り得ない。そしてその後遺症は計り知れなく、やはりベトナム後の再来を危惧してしまう。
以前は毎日のようにイラクで何人の米兵が死んだのかを伝えていたテレビも、最近は殆どお目にかからない。この戦争が人々の意識の中で早くも風化しつつあるのだろう。

映画のあらすじは、イラクで軍役を終えてアメリカ本土の基地に戻った若者が、故郷の両親へ帰国連絡もせず、行方不明となり、後日死体で発見される。父親の執念で事実が次第に明らかになっていく。

この映画の下敷きは、2003年、ジョージアのFt.BenningというArmyの基地で実際に起こった悲劇を基にしている。Lanny Davisは、妻と共に息子Richard Davisが「今戻った」の連絡を待っていた。が、一向に連絡が無い。基地に問い合わせたら「帰ってきたのだが、行方が分からない」との返事。不安に思い、ジョージアに飛んだ父親は、軍が何も捜索していないことに愕然とし、直感で「何かがオカシイ」と感じ、自ら捜査していく。消された理由は、イラクで起きた出来事の隠蔽である。映画では子供をひき殺すのだが、実際はレイプのようだ。息子Richardは、何と帰国後24時間で仲間に殺されていたのである。

この出来事は、ブッシュJR.が進軍ラッパよろしく米軍をイラクに侵攻させた2003年3月20日からわずか数ヶ月後のことである。始ったばかりの戦争に不祥事は禁物だ。軍は捜索しないということでの隠蔽を図ったのだろう。

彼も含め、この戦争で命を落とした人達は犬死だ。怪我を負うた人達の人生は間違いなく狂っている。 戦争は狂気以外のなにものでもない。
イラク戦争がすっかり支持基盤を失った今、隠蔽されていた事がいろいろなメディアで出てくる。今年から来年はそういった類の告発的映画が続くのではないか。

巨大で不気味な軍を相手に、ダビデであるLanny Davisは、Elahの谷で敢然と戦って勝利した。

映画三昧ー Manhunter

2007年08月01日 | 映画
1991年公開の「羊達の沈黙」というサスペンスに溢れた映画があり、その後 「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」と続き、最近はそもそもCannibalな主人公が出来上がった経緯を描いた「ハンニバル・ライジング」も公開されて、夫々に面白い。

実は1986年公開の作品で、主人公であるハンニバル・レクターを登場させた「Manhunter]という映画がある。
この映画は、アメリカに来て、テレビで放映されていたのをたまたま観たのだが、内容的には「羊達の沈黙」がこれの続編にあたるので、その意味では必見作品だと思う。日本でもテレビ放映されているらしいアメリカの人気ドラマ「CSIラスベガス」のウィリアム・ピーターセンが主役の捜査官として出ているが、2002年公開の「レッド・ドラゴン」は、この「Manhunter」のリメイクなのである。

「Manhunter」の犯人役は性格俳優のTom Noonanという役者だが、何とも薄気味悪く、ぞくっとさせる雰囲気を存分に出しているのがいい。「レッド・ドラゴン」も悪くはなかったが、やはり、オリジナルの方が好きである。

映画と言うのは、俗に言う大物俳優を起用して興行収入を上げようとするのは止むを得ないところだが、時として、地味な配役だが小気味のよい作品もあり、この作品も当時のそれに当るだろう。



映画三昧 ー 猿の惑星

2007年07月02日 | 映画
1960年代の後半に作られた「猿の惑星」は、SF映画の中でも傑作の一つだろう。封切り当時は大学の一年か二年だったと思うが、意表をついたあのラストのシーン、忽然と現れた自由の女神には、思わず唸らされた。

猿やゴリラのメイクも良い。CGで何でも出来てしまう現代の、ある種のつまらなさ、とは違い、出色の出来だろう。

映画としては、その後第五作まで製作されるのだが、二作目には、チャールトン・へストンを探しに来る役で、ジェームス・フランシスカスが出てくる。彼は日本で放映されたミスター・ノバックの先生役で出ていたので直ぐ分かった。

昔のテレビドラマでは、アメリカのドラマが圧倒的に幅をきかしていたと思う。思いついた所では、医者物の「ベン・ケーシー」、戦争物の「コンバット」、ホンワカほのぼの系の「パパ大好き」「名犬ラッシー」「奥様は魔女」等。そして学園物の「ミスター・ノバック」。

あまり一般的に馴染みが無い役者だが、三作か四作目でリカルド・モンタルバンが出ている。大体顔が個性的なのと、なんたって名前がモンタルバン。その昔どんな映画に出ていたかは忘れたが、名前と顔だけは頭の中に残っていた。

2~3年前、一作目のリメークがあったが、オリジナルを観た者にとって、やはり、リメークはいただけない。

映画三昧ー Away From Her とジュリー・クリスティ

2007年06月04日 | 映画
久しぶりに、ジュリー・クリスティを観た。思えば60年代後半だったか、あの「ドクター・ジバゴ」の映画を観たのは。ロシア革命を背景とした、見ごたえのある作品だったと思う。あの映画では、アラビアのロレンスで鮮烈な印象を与えたオマー・シャリフと初めてみるジュリー・クリスティ。他には、ジュラルディン・チャップリンやアレック・ギネスが出ていた。

今、アメリカで、「Away From Her」という映画が限定公開上映されている。老境の夫婦の、今避けて通れないアルツハイマーをテーマとしている。この映画は中々の秀作だと思う。

昨年、やはり、佳作の「Notebook]という、これも認知症を題材とした映画があった。この映画は出来も良かったし、内容的に若いカップルのロマンスが組み込まれていたので、大衆受けする映画にもなっていた。

「Away From Her]は、当事者にとっての、もっと現実的な問題を観客に浴びせかけけようとしている。何十年も連れ添った人と離れる事実、記憶をなくしていく中で、新しい恋人(あるいは心の拠り所)が出来てしまう現実、それを受け入れ、自分も変わっていく現実。老人の性の世界。綺麗事では済まない現実を突きつけられ、考えさせられてしまう映画である。日本で公開されるかどうか分からないが、もし公開されたら、特に50歳を過ぎ、認知症が他人事ではなくなる世代には是非観ていただきたい。認知症の世界の、男と女の物語である。

ジュリー・クリスティも、あの「ドクター・ジバゴ」のラーラから大いに歳をとったのだが、作品数は意外と少ないのだ。その理由が彼女に関する記事から分かった。

映画のメジャーデビュー「ダーリン」でいきなりアカデミー主演賞をものにし、「ジバゴ」がヒット。この英国からの新進女優はアメリカの映画界を上り始めるのだが、あまりの金(カネ)亡者達のエグイ、ハリウッドという世界に嫌気が差し、さっさとイギリスに帰ってしまった。以後は、映画とは極力距離を置き、出ても自分なりに納得できる映画しか出ないようになった。

今回の映画も、製作者のセーラ・ポーリーが再三オファしたのを断り続け、最後にセーラがロンドンへ直談判に行って漸く決まったものらしいのだが、ジュリー・クリスティは映画の役より、セーラ本人に惚れ込んでオーケーを出したらしい。