ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

パトリス・ルコントの新作を見る

2008年01月06日 | 映画
新春 初映画を見に行く。

夜9時45分のスタートで Patrice Leconte(パトリス・ルコント)の新作。 去年の暮れからかかっていて今5週目。フランスでも人気があった映画のようだ。

パトリス・ルコントといえば「髪結いの亭主」とか「仕立て屋の恋」とかで有名な監督で、最後に見た彼の作品は「親密すぎる打ち明け話」だったかな。で、それ以来の作品となるわけだ。

タイトルは Mon Meilleur Ami (Mein Bester Freund=My Best Friend)
2006年、フランス


監督:Patrice Leconte、出演:Daniel Auteuil、 Dany Boon


これまでの男女の恋愛ものと違って男の親友探しの物語。成功している古美術商のフランソワは、ある時同僚の女性や知人らから「あんたには真の親友と呼べる人がいないでしょう。」と言われる。それに反論していると言ったら、「じゃ月末までにその親友を紹介しなさいよ。」ってことになったから大変。実際、フランソワは仕事上の付き合いをする人はいても本当の親友はいなかったのだ。で、ある時にタクシー運転手のブルーノと知り合って・・・。軽いいかにもフランス的なノリのコメディではあるけれど充分楽しめました。


2006/2007年に見た映画とDVD

2007年12月31日 | 映画
2007年もあと数時間で終わり。ここらで見た映画やDVDをまとめて見ると・・・。


・Brokeback Mountain 2005年 USA
・Tokyo Tower 2004年 日
・ラヂオの時間 1997年 日
・みんなのいえ 2001年 日
・OUT  2002年 日
・Iris 2001年 英
・American Beauty 1999年 USA
・THE 有頂天ホテル 2005年 日
・明日の記憶 2005年 日
・Caché 隠された記憶 2005年 仏
・恋愛適齢期 2003年 USA
・Calendar Girls 2003年 英
・About a boy 2002年 英
・マグノリア 1999年 USA
・Quand j’ étais chanteur 2006年 仏
・プラダを着た悪魔 2006年 USA
・Marie Antoinette 2006年 USA
・Je crois que je l’aime.(Kann das Liebe sein ?) 2007年  仏
・今会いにゆきます 2004年 日
・春の雪 2005年 日
・武士の一分 2006年 日
・Always 三丁目の夕日 2005年 日
・ゆれる 2006年 日
・嫌われ松子の一生 2006年 日
・善き人のためのソナタ 2007年 独
・Eastern Promises 2007年 Canada/英  
・佐賀のがばいばあちゃん 2006年 日
・魂萌え! 2006年 日
・東京タワー、オカンと、ボクと、時々、オトン 2007年 日
・かもめ食堂 2005年 日

30本のうちちゃんと映画館に行って見た映画はわずかに5本のみ。最近本当に映画館に行く暇がなくなっている。それもすべてゴルフに時間を取られているから。
映画よりゴルフのほうが楽しいんだもの、しかたない。






映画 「Eastern Promises」

2007年12月26日 | 映画
イヴの前夜に当たる23日夜9時半から映画を見に行く。

David Cronenbergの新作「Eastern Promises」はドイツでは12月27日にドイツ語吹き替えで公開されるのだけど、この夜はそれに先立って原語の英語での公開。

名画座は思ったよりも多くの人出。クリスマスといっても親元に帰らないような連中もたくさんいるのね。日本人は我々2人のみ。



ニコライ、あんたは一体何者なの?


この新作も強烈でした。Cronenbergは大好きな監督の1人なのだけど、彼の作品を見たのは久々で前作は見ずじまい。最後に見たのは1996年の「Crash」だったかも。

今回はロンドンに根を張るロシアマフィアに関連した話。写真のニコライはあるロシアマフィア組織のボスの息子の運転手なのだが、このバカ息子が仕出かす人殺しの後始末をやってやったりしている。1人の少女が街の薬局で倒れ、運ばれた病院で女の子を出産するが死亡する。残した日記から彼女が14歳でマフィアのボスの爺さんに強姦されて妊娠したことがわかり・・事実が暴かれそうになり関係者に危険が迫り、チェチェンの追っ手が迫って来たり・・・ま、いろいろあるんだが最後の結末がはっきりせずに、アレ?ってな感じで映画が終ってしまった。これからどうなるんだよう?もっと見せて・・とやや欲求不満状態。

もう一度ドイツ語吹き替えヴァージョンを見に行こうかしらん。

ニコライをやったViggo Mortensenが最初はマジにワルの顔つきだったんだけど、実はマフィア内に潜る正義の人だったりしてだんだん顔付きがやさしくなっていくのがわかりやすかったというか・・カッコ良かった

それにしてもイギリスにもしっかりロシアマフィアが入り込んでいるのね。そういえば、元KGBのリトヴィネンコがロンドンで暗殺されたのもちょうど今くらいだったんじゃなかったっけ。この映画はフィクションだけど、ま、これに似た世界があるんだろうなあ・・きっと。



他人の人生 ~ 善き人のためのソナタ

2007年06月13日 | 映画
善き人のためのソナタ スタンダード・エディション

ビデオメーカー

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日本からの帰りの飛行機の中でこの映画を見た。今年のアカデミー外国語映画賞を獲得した作品で、ずっと見たいと思っていたがシネマに足を運ぶ暇がなかったので見逃していたのだった。

1984年の東ドイツのシュタージ(Stasi=東ドイツの秘密警察・諜報機関=国家保安省)の役人が反体制的と思われる劇作家とその恋人の役者の盗聴をすることから始まる映画。最初は権力に忠実に盗聴していた役人が2人の生活を知り、さらに、文学、恋、音楽、人生、etc. を知るようになり、ついには権力に歯向かって2人を庇い、彼自身が出世の道からはずれてしまい、1989年のベルリンの壁が崩れるまで、地下で封書を開く作業を来る日も来る日もさせられることになる。

その後、劇作家が自分を助けてくれた東側のシュタージが存在していたことを知り、彼に感謝をささげた本を出す・・・といった感動物の映画でした。

1984年といえば、私が始めて東ベルリンに行った年でもある。西ベルリンと東ベルリンの間の国境で東側のお金に両替して、恐る恐る入国した東側の至る所には、監視の兵隊が立っており、本当に憂鬱になってしまった。入ったレストランにも兵隊がいて、私達はちょっとおちょくってやろうか・・などと、「タバコ吸いますか?」なんて声かけてみたけど、全然話に乗ってこなかった。夕方再び同じ関所を抜けて西ベルリン側へ戻って来たときは、本当にうれしかった。自由だ!監視なしだ!てなもんでした。

全くもって、東に住んでいた人々の監視のされ方といったら半端ではなかったようで、この映画の内容のようなことは頻繁に起こっていたらしい。こんな善人のシュタージって実在したんだろうかしらん?

この映画は必見に値します。お勧めです。




蛙の雨が降ってくる映画

2007年03月28日 | 映画
マグノリア コレクターズ・エディション

ポニーキャニオン

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その昔「空から男が降ってくる」というような歌詞の歌があったっけ。

でも空から蛙の雨が降ってくるってどういう意味なんだ? 変な映画。

数年前、一時絵を習っていたことがあってそのときの絵の先生で飲み友達だった美大留学生が持ってきてたビデオがあったので見てみたら、ロバート・アルトマン監督作品並みの群像劇だった。

・癌で瀕死の金持ち男は、昔捨てた妻子のことが自分の人生で唯一最大の悔いであると死の床で介護士の男に打ち明ける。
・その捨てられた息子は今ではモテナイ男の性の教祖様になっている。
・その若い後妻は金目当てに結婚して遊びまわっていたが、夫が瀕死になって初めて自分のやましい魂胆を恥て、自殺未遂を企てる。
・子供時代にテレビのクイズ番組に出演して天才少年ともてはやされた男は親に食い物にされたことを恨み、今ではしがない普通の男になってしまい好きな男に愛を告白したあげく自分の働く店に空巣に入る。
・テレビのクイズ番組に出演し、現代の天才少年ともてはやされている少年は番組の途中で爆発してしまう。
・その長寿番組の司会者の男は癌で余命2ヶ月と宣告され家出した娘に会いに行くがおっ返されてしまう。
・この娘はその昔父親に性的虐待をされたと思っていて今ではコカイン中毒。
・この妻は夫が娘に性的虐待をしたかもしれないことを知って家を飛び出す。
・娘のアパートの騒音騒動でやってきた警察官は彼女をデートに誘う。

なんと言いますか、この映画といい「アメリカン・ビューティー」といいアメリカには山のように病んだ連中がいるってことでして・・。

この1999年の映画、ベルリン映画祭で金熊賞を取ったのね。知らんかった。それほどの映画かしらん?

圧巻はトム・クルーズ演じるセックスの教祖様でした。彼の出た映画ってこれまで見たことなかった・・・、おお「アイズ・ワイド・シャット」は見たな。で、それ以外は見たことなかったけどやっぱり上手いねえ。こんないい演技できるんだ。ちょっとばかり感心しましたです。単なるサイエントロジー狂いの変なハリウッドセレブじゃないのね。

それにしても、あの絵の先生だった美大の留学生は去年の冬に忽然とこの街からいなくなってしまった。おそらく日本に夜逃げ帰国?どうしてるんでしょね。

映画「マリー・アントワネット」

2007年01月29日 | 映画




原題も Marie Antoinette  USA 2006年
監督は Sophia Coppola
キャスト: Kirsten Dunst, Jason Schwarzman 等など・・

いや~、今週は3度も映画館に足を運びました。いつもこれくらい熱心に映画を見る気になればいいんだけど、このところ映画に行くのはどういうわけか、冬の寒い時期だけだ。今年は年間を通してもっと映画を見に行こう。何てたって映画環境も東京に比べて数段に恵まれているし・・・家から15分でどの映画館にも到着できるし、大きなシネコン以外にたくさんの名画座があるんだものね。

さて、さっき見てきた映画は、今日本でも公開されている「マリー・アントワネット」。こっちでは去年の夏だか秋に公開されていたので今は名画座でやっているだけ。

これはお勧め マリー・アントワネットの青春物語。14歳で異国に嫁いだ女の子の目から見た宮廷ライフ。彼女みたいにマカロンを山のように食べてみたい シャンペンも浴びるほど飲んでみたいよ~。きれいなおべべや靴にゴージャスな鬘。

ソフィア・コッポラの作品のテーマは、異国や異なる社会に放り込まれた人間の孤独感、孤立感を描くこと・・か。マリー・アントワネットもロスト・イン・トランスレーションもこの同じテーマですね。

そういえば、ヴェルサイユ宮殿に行ったのはちょうど20年前だ。なつかしいな~。

あの宮殿でこんな豪勢な毎日が繰り広げられていて、それに怒った民衆にギロチンにされてしまったわけね。
う~ん、生れ落ちてこの方上流の生活しか知らない俗世と断絶した生活を強いられた女の子に民衆のことを考えろというほうがあの当時は無理だったのかも知れぬ。

あ、マリーの浮気相手のスウェーデンの貴族フォン・フェルセン役の人、なかなかイケメンでした。


映画「プラダを着た悪魔」

2007年01月28日 | 映画




オリジナルタイトル「The Devil wears Prada」USA 2006年
原作:Lauren Weisbergerの同名小説
監督:David Frankel
キャスト: Meryl Streep, Anne Hathaway 等等

う~ん、如何にもアメリカ的な映画。本当にミランダ(Meryl Streep)みたいな公私混同の極めつけのような専制的なカリスマ辣腕編集長っているんだろうか? 

原作者は実際にアメリカ版ヴォーグ誌の女性編集長のアシスタントだったらしいから内容的にも当たらずといえども遠からずってところなんだろうか。小説がベストセラーになったのも実際のファッション業界の内幕を皮肉っぽく描いているからかもね。

ミランダのとっかえひっかえの高級ファッションも凄いけど、アンディ(Anne Hathaway)が大学卒業したばかりの野暮ったい格好から段々モデルのようにきれいになるのが見もの。

「私もあんなに毎日きれいなオべべを着てみた~い。」とは思わないのよね、最近はちっとも。それどころか化粧もしなくなった。毎朝時間のやりくりに大変で、結局端折ってしまうのが化粧時間で、基礎化粧品だけ塗ったら、後は眉書いてちょっとだけアイライナー使ってあとは口紅だけで終わり。かかる時間は正味数分だけ。

映画を見てまたニューヨークに行きたくなってしまった。
去年行ったときは、昔ほどに感動しなくって、ニューヨークってよく見ると煤けて汚いところが多いよね~なんて思ったんだけど、それなりに楽しいところには違いない。お金がたっぷりとあってマンハッタンの高級アパートに住めればね・・。

****

昨日は、家の掃除をしているうちに、ゴルフの練習に行く時間が無くなってしまった。映画を見てダンス幹事交代の打ち合わせ、ダンスの練習、中華料理店で打ち上げの食事会。半分くらいの人はこの後2次会のカラオケに行ったみたい。私は猫が待っているので帰宅。



この海老が大変においしかった。

映画 「僕が歌手だった頃」(仮題)

2007年01月25日 | 映画




原題は「Quand J'etais chanteur」(僕が歌手だった頃)
ドイツでのタイトルは Chanson d'amour(愛のシャンソン)でした。
2006年のカンヌ出品作品だけど賞なし。監督はXavier Giannoli

いやいや久しぶりにほのぼのラブストーリ映画でした。

アラン(Gérard Depardieu)は田舎の町のダンスホールや会社のパーティなんかに呼ばれて歌う歌謡曲歌手。パリのおしゃれでスノッブな一流歌手とは程遠い中年男で無骨でちょっとでっぷりしていてとても格好いいとは言えない。でも田舎の町には彼のファンの中年・高年のオバちゃんたちがいて結構人気はあるのだが、実生活ではペットのヤギと暮らすちょっぴり孤独な男。そのアランがあるパーティで歌っているときに若くてきれいなシングルマザーのマリオン(Cécile de France)と知り合って恋に落ちたのだった。マリオンは不動産のブローカーとして働いていて、アランは彼女の気を引くために、そして彼女との生活も少し夢見たりしたながらいろいろと物件を探させたりするのだが・・。中年男と問題かかえたシングル・マザーの関係はすんなりとは上手く行かなくて、2人は分かれるのね・・・・と思ってたら、最後はハッピーになりそうな感じでよかったね、おっさんと言いたくなってしまった。

Gérard Depqrdieuはこの映画で昔の流行歌を本当に彼本人が歌っているらしいけど、結構聞かせてくれる。アランの家には昔なつかしジュークボックスがあってそこから流れてくるのが、なあ~~んと、私が小学生か中学生の始め頃だかに流行していたカンツォ-ネ(canzone)の Una lacrima sul viso「頬にかかる涙」by Bobby Solo  映画館から帰宅して速攻でこの曲をダウンロードしてずっと聴いてしまったよ。

そう言えば、子供の頃やたらイタリアの歌謡曲、カンツォーネが日本でも流行っていたっけ。サンレモ音楽祭というのも有名だった。ボビー・ソロの「頬にかかる涙」は大好きだった。日本では誰が歌っていたんでしたっけ?
フランスでもカンツォーネは流行っていたんだ。

何しろこの映画の舞台は地方都市のクレルモン・フェランかその辺りの場末のダンスホールだったりするわけで、おしゃれとは程遠いんだけど、マリオン役のCécile de Franceがすご~~くかわいい。頭の形がいいわ、ショートヘアがよく似合う。で、アラン役のGérard Depardieuも普段の彼っぽくてとっても自然。4年近く前にパリの鮨屋で隣同士になったときの彼と同じ。とっても普通っぽくって包容力ありそうでいい感じ。 
真っ当なラブストーリで、ちょっぴりキッチュ(kitsch)なんだけど、見た後ウキウキとした気分になれます。

******

昨日辺りからヨーロッパにやっと冬が来た。
本日も朝は氷点下で昼間も1度くらいだったかも。朝からいい天気だけど外は寒い。この辺りは幸い雪も降らずにただ気温が低いだけだけど、南ドイツは雪がふっているらしい。これでスキー場にも雪が降って観光業者も一安心だ。







おなごの望みは万国共通

2007年01月08日 | 映画
恋愛適齢期

ワーナー・ホーム・ビデオ

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クリスマス休暇中に見た女性好みの映画「恋愛適齢期」(2003年)、「アバウト・ア・ボーイ」(2002年)も ちょっと前に見た日本の連ドラ「結婚できない男」もすべてテーマは同じ。

金も暇もありしかもイケメンのプレーボーイが散々女遊びをし尽くしたあげく自分と知り合ってとうとう改心して良き恋人、夫になるというもの。

「恋愛適齢期」の中のプレーボーイの役はJack Nicholsonだから、イケメンというには無理があるが、そこら辺の中年おじさんに比べたらまだまだイケる。金持ちのこの男は独身主義でいつも若い女の子をとっかえひっかえして遊んでいるやつでチョイ悪どころか女に対してはかなりワルで最後には若い女の子連中に愛想をつかされて改心し、 Diane Keaton 扮する中年女のところに戻り好々爺となってしまう。
ついでに この中年女性の脚本家(Diane Keaton)は20歳くらい若いイケメンの医者(Keanu Reeves)にも真剣に愛されてしまうという中年女性の願望をすべて実現させてしまうのだ。独身主義のプレーボーイを改心させ、若い男からも恋されるなんて・・・やっぱ、ハリウッドのお気楽恋愛映画 for 中年女性だわね。

「アバウト・ア・ボーイ」でのプレーボーイ役は Hugh Grant。父親がヒットさせた曲の印税で生活している独身主義の裕福フリーター。結婚はしたくないけど女性とは付き合いたいと、シングルマザーをナンパしようとして自らもシングルファーザーと偽ってシングルの会に出向く。その会を通じて学校でイジメにあっている母子家庭の男の子と知り合い、この少年との付き合いから段々と改心し、ひとりで居るより大勢で居た方が楽しいということに気付くわけだ。

で、連ドラ「結婚できない男」の中で阿部ちゃんがやっていた建築家もそうだった。プレーボーイではないけれど、1人大好き、結婚きらい。ひとり焼肉、ひとりフォンデュも平気。でも最後には改心して夏川結衣扮する医者のことを好きになってしまいひとりご飯ともおさらば。

要するにおなごどもは自分勝手な男たちを改心させて如何に自分に都合のいい男に仕立て上げるかということに日頃苦心惨憺しつつも苦労を舐めさせられているのね。だから、映画の中の男たちはこんなに簡単に改心してしまうのね。

私が男だったら、甘い! その手には乗らないよ。 と冷たく言い放つところだ・・なんてね。そこまで徹底して美学を貫く独身主義のイケメンプレーボーイってジェームス・ボンドくらいかしらん。




やっぱりヨーロッパ映画よねえ~!

2007年01月03日 | 映画
隠された記憶

タキコーポレーション

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年末に人から借りていたハリウッド製のアホバカパニック映画を見続けてゲップが出そうになったので、レンタルヴィデオ屋に行って私好みの映画を借りてきた。

やあ~ッとこの映画を見てすっきりしたわ。内容は決してすっきりするようなものではなくってハリウッドの映画に比べるとズ~ンと重いのだが、これ、これ、このセンスなんだよね、私が好きなのは。

「隠された記憶」(Caché =Hidden) Michael Haneke 監督、主演はDaniel Auteuil と Juliette Binoche  この映画は2005年のカンヌ映画祭で監督賞を取ったらしい。

テーマは、「疚しさ」ですかね。ある過去の出来事をめぐる加害者と被害者の話。傷つけた方は疚しさからその出来事を記憶の底に抑圧してなかったものとして生きているが、傷つけられた方は、それによって人生を狂わせられて癒されないまま過去の傷を引きずって生きている。で、加害者がすっかり過去を忘れた頃に、再びその過去を記憶の底から蘇らせてしまうような事件が起きる・・・。

成功したニュースキャスターのジョルジュと出版社で働くアン夫婦の元に差出人不明の変なヴィデオや絵が頻繁に送られてくる。ジョルジュはその絵を見て子供の頃に知っていたアルジェリア人のマジッドが犯人ではないかと思い出す。マジッドはジョルジュの両親の家で働いていたアルジェリア人の使用人の子供で両親が養子にして育てようとしていたのにジョルジュが親に嘘の告げ口をしてマジッドを孤児院に追いやってしまったのだった。

隠していた過去が、送られてくるヴィデオと絵によって少しずつ記憶の中から浮かび上がってくるのだが、それでもジョルジュは過去の卑怯な行為を謝罪するわけではなく、これまでに築いた名声に傷がつくことだけをただ恐れる被害者面をする・・。絶望したマジッドはジョルジュの目の前で自殺。

誰がヴィデオを送ってきたのかは最後まではっきりしない作品の作り方。監督によると、「誰がヴィデオや絵を送ったのかは問題ではない。」とのこと。

小市民的なインテリのいや~な面をまざまざと見せ付けられる映画。それにフランスと植民地だったアルジェリア人という問題もからんだりして・・。

私も何か、子供の時に悪いことしなかったかな・・と思わず考えてしまいましたよ。そう言えば、小学校のとき、前の席の男の子もパンツの中に消しゴム入れたり後ろからいたずらしてたな・・。ゴメンね、許して。

78. Academy Awards

2006年03月07日 | 映画

早朝にライブ放送されたアカデミー賞授賞式をヴィデオに取っておいたのでそれを見ていたのだけど、案の定録画取りに失敗してSPで取ってしまい、途中でテープが終り、アレ~・・巻き戻されている・・・なのにテレビには授賞式が映っているけど・・なんで?と思ったら、今再放送している最中だったのだ。しかも早朝ライブは英語そのままだったのに、今夜の再放送ではドイツ語のナレーションが途中被っていたりするので邪魔くさいんだけど録画失敗したところもちゃんと見ることができてやれやれ。しかし、アメリカのショーはやっぱり英語でそのまま聞きたいよ。

結果としては、「ブロークバックマウンテン」は作品賞をもらえず監督賞他3つの賞を取っただけで、作品賞は「LA CRASH」が取った。「クラッシュ」といえば私にとっては、大好きな監督の1人 David Cronenberg の映画「クラッシュ」を思い浮かべるのだけど、今度の「L.A.クラッシュ」も悪くなさそうなので見に行ってみるか。

いずれにしてもハリウッド特有の大金かけた特撮娯楽映画が賞を取らなかったのはうれしい。プロデューサーや興行主は製作費用を取り戻せなくって大変かもしれないけれど。私はあの手の映画は嫌いなのだ。

そう言えば私の大好きな監督の1人、ロバート・アルトマンが名誉監督賞をもらった。彼の映画はいわゆるB級映画と言われるレベルかもしれないけれど「M★A★S★H」「ザ・プレイヤー」「プレタポルテ」「ニューヨーカーの青い鳥」「ショート・カッツ」「カンザス・シティー」等等私はどれも大好きだ・・。だけど、私にとってはセンスのいいおしゃれな映画と思えてもアカデミー賞を取るほどの作品とはいえなかったのかこれまでノミネートされることはあっても賞は取ったことがなかったらしい。今回ステージに出てきたアルトマン監督はもうかなりの年のようだけど、オスカー受賞してよかったよ。

ベスト・コステューム賞は「ゲイシャ(サユリ)」が取ったのだけど、「いろいろ教えていただいた日本に感謝します。」とスピーチで言ってるわりには、映画の中の着物の着付けはめちゃめちゃっぽいんだけど。

そう言えば昔に比べてアカデミー賞授賞式も昔のような派手さがなくなってヨーロッパの映画祭の授賞式みたいに地味目になってない?


昔、アメリカの家庭は私の憧れだった

2006年03月06日 | 映画
アメリカン・ビューティー

ソニー・ピクチャーズ

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今晩というか明朝というかもうじき今年のアカデミー賞が決まるけど、最近シネマで見た唯一のアメリカ映画「ブロークバックマウンテン」が大賞を取るといいなあ。

アカデミー賞に因んで6年前の大賞作品でまだ見てなかった「アメリカン・ビューティー」のヴィデオを借りてきた。こういう作品ならアメリカ物でも好きだわ。

私が子供だった頃アメリカの家族風景は憧れだった。大きな家に大きなキッチン、緑の芝生に大きな自家用車。「わんぱくデニス」「パパは何でも知っている」「うちのママは世界一」「恋するカレン」等等・・。あれから約半世紀が過ぎて、アメリカの郊外にあるきれいな住宅の中に住む家族は単に幸せを演じる対外CM用の家族となり実際はバラバラに崩壊しているのだ・・というのを半分コメディタッチ、半分シリアスタッチで描いた作品。ケヴィン・スペイシーの冴えない中年男がいい味だしている。

広告業界で働くレスターはリストラされるが上司の悪事をネタに退職金をがっぽりせしめてハンバーグ屋でバイトを始める。妻のキャロリンは不動産ブローカーで虚栄心の強い女。2人の夫婦関係はすでに壊れている。娘のジェーンは高校生で反抗期の最中。レスターは娘の同級生のアンジェラのチアガール姿を見て惚れ込んでしまう。ある時隣に元軍隊大佐だった男の一家が引っ越してくるが、ここにも問題児の息子リッキーと亭主関白で軍体調の律し方しか知らない夫とそれに疲れた妻の姿が・・。そのうち、レスターの妻キャロリンは仕事敵の男と浮気を始め、娘のジェーンは隣のリッキーと仲良くなるのだが、レスターとリッキーがたまたまガレージに2人でいるところを隣から盗み見ていた大佐は2人がホモの関係を結んでいると誤解してしまい、帰ってきたリっキーを殴りつけ出て行けと罵る。リッキーはジェーンに駆け落ちしようと持ちかけ、隠れホモだった大佐はレスターのところに行って彼を誘うがあえなく拒絶され、すごすごと帰るのだが・・・・。レスターはアンジェラと寝ようとするが、彼女が口先ばかりで実はまだ未経験だと知って手を出すのをやめる。このあたり、平気で援助交際という買春をやる日本の中年親父よりまだモラルがあるかも。最後の瞬間にレスターはアメリカの美を思い出しながら死ねたのだろうか。その死に顔には穏やかな微笑みが・・。エンディングに流れるビートルズの「ビコーズ」の詩と曲が賛美歌のようで絶妙に合っている。
配役の一人一人にドラマがあって、映画の作り方は私の好きなロバート・アルトマン監督の作品に通じるものがある。なるほどね、アカデミー大賞あげてもいい作品だ・・って、取ったんだけどね。

そう言えば昔テレビドラマで山田太一の「岸辺のアルバム」というのがあったっけ。あれも家族の崩壊と再生を多摩川の決壊にかけて描いていたけど、あの中の夫はいかにも日本的な仕事人間で、そういう生き方に疑問のひとつも持ってないような男で、魅力なかった・・。あれでは妻は他の男に走っても納得だ。もう内容はちゃんと覚えてないけど、テーマ曲だったジャニス・イアンの「Will you dance」というのが良かった。



寒い夜はヴィデオ三昧

2006年03月04日 | 映画
アイリス

松竹

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先週末からまた寒波がやってきているドイツ。ここ西部ドイツには大した影響はないけれど、中部から南部にかけては昨日は大雪となりミュンヘンやフランクフルト空港ではほとんどの便がキャンセルとなった模様。ドイツといっても東西南北でかなり気候が異なるんだけど、ここライン河沿いの西部ドイツは比較的マイルドな気候で助かっている。ここから10kmくらい奥に入ったちょっと高地になるとすでに雪が降っていたりするんだけど。

本日土曜日は久しぶりに老人ホームにボランティアに行くことにしたので、そういえばアルツハイマーになった作家の映画があったよね・・と昨晩ヴィデオ店に行き「アイリス」を借りてきた。Iris Murdoch(アイリス・マードック)の小説を数冊読んだのは大学生時代のことで、それからずっと忘れていたが数年前に彼女がアルツハイマーに犯されたことを知り驚いた。彼女のように頭脳明晰で言葉を操るのが職業のような大作家でもこの病から逃れられないなんて・・。

彼女の夫の回顧録を元に映画化されているようだけど、アイリスは若い頃恋多き奔放な人だったんだ。小説の詳しい内容はもはや覚えてないけれど、読んだ印象ではもっと固い女性かと思っていたけど、私の母親と同世代にしては男関係もすごいもんで、あ~そう言えばSimone de Beauvoir(シモーヌ・ド・ボーヴォアール)だって同じ世代で奔放だったし、これが普通だったのか・・。そういう奔放なアイリスの男性関係をすべて知りながら尚且つ純粋に彼女を愛し最後まで一緒にいた夫のジョン。 こういう男性なら夫に持ってもいいかもねえ・・って人生そんなに上手くは行かないんだよね。

数日前のドイツのニュースチャンネルのネットに「社会的な付き合いをしなくなったり、他人に敵意を示したりし始めたら、それはアルツハイマーの兆候かもしれない。」と載っていた。むやみに他人から物を盗られたとかいじめられたとか言い出したらおかしくなっているってことですかね。記事によると70歳以下では30人に1人の割合なのが90歳になると3人に1人がアルツハイマーになっているそうだ。う~ん、明日は我が身だけど、そうなる前にさっさとこの世からおさらばできればいいのだけど。

こちらはアイリス・マードックについての詳しい記事です。

この期に及んでも・・・

2006年01月26日 | 映画
ラヂオの時間

東宝

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何しろ日本にいないから日本のマスコミがどういう様相を示しているかは実際のところわからないのだけど、ま、想像はできる。今頃はあらゆるメディアが口をそろえてホリエモンバッシングの最中なんでしょうねえ。日本マスメディアのファシズム的行動にはいつものことながら恐怖を感じる。またそれに付和雷同している大衆も多いんでしょうね。「時代の寵児」とか「改革の旗手」とか持ち上げてたのに今じゃ「ホリエモンの転落」だもんねえ。それにうんざりしてテレビはCNNに変えちゃったというtyuioさんのように賢いお宅もある。

私はまだ釈然としない。一体何が悪かったわけ?限りなくブラックに近いグレーなことをいくつかしたらいきなり検察が出てきて逮捕なわけ?それにライブドアのように一部上場でもなく出来てわずか数年の会社が仮に証券取引違反をやっていたとしてそれがそんなに日本中で大騒ぎするほどの問題なわけ?ま、ホリエモンが代表やってなかったら話題にもならなかったような事件かもしれない。
第一、金融庁も東証も認めていて上場していたんだから、まず監督不行届きで責められるべきはこの二つの組織だと思うのだけど。それを通り越していきなり検察が出てくるってのは誰の権力が働いているの?

風説の流布や証取違反くらいじゃ大した罪にならないから、今後脱税疑惑で来るんでしょうね、検察は。
だけど、今回の検察の出現で株式市場を撹乱し、暴落させた罪は大きいと思うよ。

・・で、この期に及んで何ですけど、私はまだホリエモンを応援している。何だか憎めないのよね、あのキャラが・・といっても私はテレビで本物を見たこともないのだが。それにもちろん、あのお姿が好みというわけでも決してない。だって私はイケメン好みだもん。それはともかく、あの日本という国際化からは程遠い国にあって既成の価値に噛み付いて壊し屋を買ってでていたホリエモンにはスカッとするものを感じていたのだ。日本の外ではグローバルスタンダードなことを日本国内でやると拝金主義だとか株式市場をマネーゲームだと思っているとかの非難になるけど、拝金主義とマネーゲームで日本にバブル崩壊を招いた連中がエラソーに言うのはおかしい。

あ~、日本は本当に変わらないな~。日本を出て20年以上過ぎたけど本当に変わらない。

変わらないんだけど、三谷幸喜の映画「ラヂオの時間」はおもしろかったと突然話が変わる。何しろ、日本からの話がうんざりするものばかりなので、少しは日本に希望を持ちたいと楽しい内容のヴィデオを借りてきたのだ。97年の彼の初監督作品。出てくる役者が皆いい味出していて深夜に大声出して笑ってしまった。こういう個別の日本は好きなのに、全体としてみるとうんざりするのよね、変われない日本に。

今年の決意その2 「映画をたくさん見る」

2006年01月21日 | 映画
東京タワー 通常版

バップ

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・・・というわけで、過去の映画を駄作も含めてなるべくたくさん見ようと昨日レンタルヴィデオ屋で2作品を借りてきた。そのひとつが「tokyo tower」
これって江国香織の原作だったんだ。な~るほど。

年上の女と二十歳も年下の男のラブ・ストーリー。原作のほうは読んでないけど、黒木瞳と岡田准一の恋愛話は「冷静と情熱の間」のヒロインと同じくらい現実的ではなく、見ながら「ありえないだろう・・!!」と吼えてしまった。
夫は有名なCMプランナーで彼女は青山にセレクトショップを持っている優雅な女性。大学生の、岡田准一扮する透の母親は編集者で彼女の友人、これまたその辺の母親と違ってセレブっぽい。なんだかここら辺が、まるで「冬ソナ」の主人公とその母親の優雅さに通じるような非現実的設定で笑えた。しかも、この大学生と、その母親の知り合いの黒木瞳扮する詩史のありえないだろう的純愛。

さらに、最後に東京タワーじゃなくってエフェル塔のパリに舞台が移ったりして、優雅な画学生と離婚して年下男を追ってきた女になって、あ~、ありえない!

設定がメルヘン過ぎる。しかし、20歳も年上の女に一途になれるものなの?
21歳と41歳。ま、ないこともないか・・だけど。

ここだけの話、不肖私も10歳くらい年下の男に一途になられたことがあるけど、20歳年下ね・・、今だったら、30歳年下でもド~ンとなんだけど、もはや誰も来ないって(笑 & 

映画の出来栄えはともかく、年上女に一途になる年下男の話は希望が持てていいもんだわ。でも、若い女好きの日本の男じゃ、ほとんどありえない恋愛かも。

この恋愛と並行して進むもうひとつの年上女(寺島しのぶ)と大学生(松本潤)の恋愛のほうが主題じゃないかと思えるくらいよかった。寺島しのぶと一緒に見ると黒木瞳の演技の大根ぶりが際立つ映画だった。こっちのふつうに結婚生活の閉塞状況にいる女と、これまたありえないかもしれないけど、年上女好みの大学生なんだけど、そういう女の醜さ、滑稽さも含めて全部がいとおしいと思えるような男の描き方のほうがいいんだけど、大学生くらいでそこまで成熟しているものかな~・・。ま、将来的にはこっちの男の方が女性経験の酸いも甘いも知っていい男になっているだろう・・なんてことを考えつつ見てしまった。

もうひとつ、寺島しのぶ扮する喜美子の夫が、「今日は酢豚だな。」というのがやけに卑猥な意味に響いて、妙にリアルでもあった。酢豚の日はあの日ってことを想像させるというわけで・・。