もう10日ばかり経ってしまいましたが、我が師匠、食文化研究家の魚柄仁之助先生の講演会が、5月26日(土)、JA国分寺支店でありました。
前日「おうちカフェ」が終わり、そのあと新宿へ行き帰ってきたのは夜遅く。とても国分寺までなぞ行けそうにない・・・と思ってたけど、奇跡的に行けた・・・のは既に書きました。
いや~、人間、愛があればなんでも出来るのね、工夫するのね・・・、うふっ♥
・・・なんて思いながら今日まで温めておいた話、少しご披露いたします。
講演のテーマは「大災害前夜 食の備えはできてますか?」
去年の震災以降、世間で関心の高いテーマ。私にとっては、テーマは何でも魚柄さんのお話を聞けるというだけでどこでも参ります・・・状態でしたが、魚柄さんの講演を拝聴するのはたぶん5回目くらい。
10年以上にわたり、いろいろな主催のところで聴いて、そのたびに強烈な刺激をいただいて帰ってきました。
一番最近は、小学校のPTA会長をしていた、もう7年ほど前でしょうか、開校5周年記念講演でわざわざ小学校に来ていただきました。
ダメモトでお願いして、来ていただけて、あの時は司会をさせていただいたけれど、ドッキドキして。だって目の前に魚柄さんがいらっしゃるだけで胸いっぱいなのに、し、司会ですと。でも、私がやらんで誰がやる。
150人近くの参加者があり、大盛況で終わったのだけれど、わーい、今日はまっさらな気持ちでお話を聞けるぞ。ルンルン。
この日も会場はたくさんの人で溢れていました。
魚柄さんのお話はおもしろい。絶対的におもしろい。これは聞いたことのある人ならみんな「うん、うん」とうなずくと思います。
数え切れないほど食にまつわる講演会に参加してきましたが、めっちゃくちゃ本が売れたメジャーな先生方でも、独創的な調理法でユニークな先生でも、眠くて我慢しながらどうにか最後まで聞きました・・・というのも、申し訳ないけど今まで何度かありました。
でも、魚柄先生はそんなこと一瞬たりともありゃしない。信奉してる私だから・・・じゃありまっしぇん。たぶん・・・。会場には笑いが始終洩れてました。
おまけに、帰ってすぐ実践できることがいっぱいある。具体的なのです、お話が、例が。
それは魚柄さんが日々実践されていることをお話されているからだと思います。そして、「やってみなけりゃソンソン」って思ってしまうのだ、真似しようって。
炊飯器やお鍋でごはんを炊くときに上にいろいろ乗せて一緒に調理してしまう話は毎回お聴きできて、今回もだったけれど、何回聴いてもうんうんと確認できて、それプラス「ふふん、私もちょっとやってますぅ」と、周りの人に勝手に優越感を感じたりして。
もし、ママスハウスの「ひとみさんのおうちごはん」に参加された方がこれを読んでいらしたら「あーあれか」と思われると思います。
「ごはん炊くときに、上にスティック状に切った人参、かぼちゃ、さつまいもなんかを乗せておくと、蒸し野菜ができて、そのまま子どもにもたせてあげてもいいし、つぶしておだしやお湯でのばしてあげて離乳食に使えますよ」
・・・なんて話してますけど、あれは魚柄さんの教えを基にわたし流にお伝えしてるアイデアなのです。
他にも私が講座でお伝えしていることはほとんど魚柄さんから教えていただいたこと(・・・勝手に ^^;)が基盤になってます。
そう思えば、私も日々実践していることをお伝えしてるのか・・・うふ、スタイルも師匠と同じであります(^^)。
でも、魚柄さんのお話は楽しい、おもしろいだけではありません。ぐっさぐっさと胸に刺さることもあります。でも、以前より柔らかになられた気がする。だから、前に聴いて怖かった印象の人はまた機会があれば聞きに行ってみるとよいと思います。(レアだけど。)
前に聞いた時の自分と今の自分を比較することもできるし、立ち止まって、では今どうすべきか、どうしたいかを考えるきっかけになります。
惰性で流れている日常、思い込みなどにメスを入れられちゃう、そんな感じです。
と、解説ばかりしてますが、この日の話の中心は去年の大震災以降の食の話。
現代は生活の知恵、食の知恵がなくなっている、便利になればなるほどなくなっている・・・ということで、明治や昭和の食の実際の話があったあと、では「何が非常食なのか」という話へ。
魚柄さんは、非常食と日常食を分けるのがまちがっていると。日常食の延長にあるのが非常食でないといけないと、そして、干し野菜や干した食パンの話へ。
日常食べているものを乾燥させてそれを保存し、古くなったものから食べていく。
非常食をためるのではなく、非常時に役立つ知恵と知識を養わなくてはならない・・・とおっしゃっていました。
うーん、こんな文章ではとてもお伝えきれません。師匠、申し訳ありません。
3.11の後、ママスハウスで「こんなときこそ乾物を」とお伝えしたり、お店の食品が品薄になったと聞き買い物に行かなかったときに、家にあったひじきを炊いたりしていた私ですが、それだけにとどまっててはいけないんだなあと思いました。
「非常時に役立つ知恵と知識」・・・これは難しいです。もしかしたら、子どものほうが柔軟に持っているかもしれません。
日頃から磨いておかなくてはいけない感性、自分の中で守りたい一線、こんなふうに暮らしや食をとらえていきたいという思い・・・自分が大切にしたいことは何か、それを新たに見直すことになった気がしました。
ぼおっとして、忙しさにまぎれて暮らしていると、鈍っていくものがあります。
肩に力を入れて「これやってます」ということではなく、柔軟に、でも曲げない部分はしらっとして頑なに、そんなふうに食から世の中を見ていきたいと思いました。
ここを読まれた方、ぜひ、魚柄さんの本を一冊、まず読んでみてください。自分に合うなあと思った本から。どれ読んでもきっと笑えます。楽しいです。そして、気づきがあります。その日からすぐ使えるヒントがあります。
ほんとだよ。本を読みましょう!!
これが今回のチラシ。
うーん、魚柄さん、かっこいい♪
さて、おまけ。
帰り道、実は師匠と一緒になったのだ。そいでもって、一駅だけお供させていただきました。
ひやー、夢みたいだし・・・。とってもうれしかったです。
憧れの人と電車に乗るって、一緒にごはんを食べるよりドキドキしませんか? それって変か。雑踏の中にいる時こそ、ふたりの世界になっちゃうって感じ!?
うーん、くるみ食堂御来店に引き続き、進展してるなあ。やーん、次は何?・・・なんつって、心は夢見る少女になっちゃった一日でした。
師匠。この日の学びを生かして私も実践し、少しでも教えを私の周りの人に伝えていけるように頑張ります。有難うございました!!