僕と猫のブルーズ

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高野寛「TRIO」

2014年08月08日 | オトの記憶(CD、ライブ)

「昔は良かった」とか「昔に戻りたい」ってコトバが大嫌いだ。
それって「現在(いま)より昔の方が楽しい」って事じゃん。
そりゃ、子供時代や学生時代は楽しかったよ。何の責任も義務もないし。
だけど、「昔の方が良かった」なんて口が裂けても言いたくない。
どんなに現在がイヤなことが多くても大変でも「今がサイコー!」って言いたい。

だから音楽も昔を想い出したり懐かしむために聴くのはイヤだ。
昔から聴いてる音楽でも基本「現在(いま)の自分にどう響くか」で聴きたい。
響かない音楽は当然捨てていく。

高野寛はボクと同い年。90年代初め、結構ハマった。
ただ、そのうち彼がリスペクトするYMOやトッド・ラングレンにハマり高野クンからは離れた。
でも「ソリトンB」は見てたし、細野さんや宮沢和史なんかのライブで事あることに
彼の姿は見ていた。

また聴き出したのは5年前、彼の久しぶりのアルバム「レインボーマジック」を聴いてから。
とても素晴らしいアルバムだった。久しぶりにライブにも行った。
それ以来、なんとなく彼の動向はチェックしている。

高野寛のニューアルバム「TRIO」が今週発売された。ブラジルで現地のミュージシャンと録音。
でも、いかにもブラジルって感じの曲は少ない。

いつもは宅録でサウンドに徹底的に凝る人だけど今回はブラジルミュージシャンとの
セッションをそのまま活かしたオーガニックなサウンド。
とても聴きやすく風通しの良さを感じる。メロディの良さは相変わらず。
どこか、ひねくれているけど素直に耳に入ってくるメロディ。2、3回聴いたら覚えちゃう。
自分の心象風景を呟いたり、時代を皮肉った歌詞も健在。
ブラジル録音という違いはあるけど「高野寛の良さ」がたっぷり詰め込まれている。

一方で物足りなさも感じる。彼が書く曲はミドルテンポ中心の大人しい曲が多い。
デビュー当初は結構エレキガンガンの曲や変則的なリズムの曲とかあったけど
ここ数枚でのアルバムはその手の作品は無くメロディアスな作品ばかり並ぶ。
勿論、それでも彼のアルバムは素晴らしいけど・・もっと突き抜けてほしい気もする。

ただ今回、ロックチューンが2曲収録されている。「一分間」と「ないものねだり」。
これが非常に良かった。特に「ないものねだり」の性急さはイイ!
文句を言ってますが何やかや気に入ってます。このアルバム(^_^;

今回、旧い曲のセルフカバーも収録されている。
デビュー当時の曲「See You Again」「いつの間にか晴れ」。
2000年前後の曲「確かな光」「美しい星」

「See You Again」「確かな光」を聴いたとき、どういうワケか・・・泣きそうになった。
「懐かしい」「せつない」そんな感情に襲われた。
でも、「See You Again」は知ってる曲だけど、そんな好きでもない。
「確かな光」に至っては数年前ベストアルバムを買って知った曲。
どちらも若い時の想い出やエピソードが詰まった曲でもない。
でも、なぜか「懐かしい」と感じた。・・・・

そういえば数年前「All over,Starting over」を聴いたときも似たようなことがあった。
この曲は「ソリトンB」のテーマ曲として聴いてたけど・・CDは持ってなかった。
ベストアルバムを買って初めてチャンと聴いた。そのとき「懐かしい」と思った。
「懐かしい」・・何が?高野寛を聴いてた頃の自分はサイアクの状況だった。
あの頃に戻りたいなんて絶対思わない。あのときよりも現在(いま)の方が遥かにイイ。
なのに、何で「なつかしい」なんて思うんだ?

きっと・・・高野クンのコアの部分が変わっていなかったことが嬉しかったんだろう。
デビュー当時の作品に比べ歌や演奏力、サウンド創りは当然上手くなってる。
歌詞の表現力、コトバの使い方も幅が広くなってる。
でも、どの歌も根底にある真っ直ぐさ、未来への曇りなき視点は、変わってない。
50にもなる男が、こんな曲がってないなんて・・・凄いな。
オレは・・曲がっちまったよ。折れちまった。
昔、高野クンを聴いてた頃、持ってたはずの純粋さや真っ直ぐさも消えちまった。

10月に高野クンのライブがある。久しぶりにいってみようかな?
同い年、自分のコアをチャンと守って闘っているアーティストを直に見たい。

今日から夏休み。今夜は下北沢でリクオのライブを見てきます。
ヨモちゃん、夏休みたっぷり遊ぼうな♪

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