僕と猫のブルーズ

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カフェボヘミア雑感

2006年12月11日 | 佐野元春

カフェ・ボヘミア20周年記念盤を聴いて感じた事をツラツラと。

「カフェ・ボヘミア」はボクが初めてリアルタイムで聴いたアルバム。
大学3年生。22歳。色んなオンガクに目覚めた時期だった。

高校時代から佐野元春の名前は勿論知ってた。
「アンジェリーナ」「サムデイ」「ヤングブラッズ」もラジオで聴いてた。
「ロッキングオンジャパン」創刊号で初めてその顔を見た。
石鹸まみれの姿にはビビッた。(笑

最初はサザンが好きでそこから色んな洋楽を聴きだした。
エリック・クラプトン、ビートルズ、ポリス、ホール&オーツ、スタカン。
その中に「佐野元春」がいた。そして初めて手にしたアルバムがコレ。
(しかもレンタル。当時貧乏大学生だったもんで(^^;)ヾ )

一聴した感じでは
「シングル曲がイッパイ収録されてて知ってる曲多くてウレシイ!」
「インストお洒落だけど・・別になくてもイインじゃない?」
ポップな曲が多くてコピーしたテープはウォークマンの常連になった。

当時はお洒落でスタイリッシュなオンガクだなと思った。
桑田さんとは違う・・・ブンガクやテツガクを感じた。
オンガクに詳しい先輩が「スタカンのパクリ」って言ってたけど
「アレはアレ、コレはコレ」と気にならなかった。

元春の描く「世界」はとても素敵だった。
元春のウタを聴くだけで「世界」が分ったような気がしてた。そんなバカだった。

しばらくしてKBS京都で放映していた「ライブトマト」で元春のライブ映像を見た。
初めて見た元春のライブ。ステージの上で元春は・・・走ってた(笑。
その姿は衝撃だった。そして。。。ボクは本格的な元春のファンになった。



実はボクは「カフェ・ボヘミア」のLPもCDも持っていない。
今回、ひさしぶりにチャンと聴いた。
改めて聴いてみて・・・その過激さ・トンガリ具合にビックリした。
80年代の洋楽の要素をシャッフルしてぶち込んだサウンド。
パーカッションが鳴り響く強いリズム、唸るエレキ。加工されたボーカル。

「わからない」「闇」「ひとりきり」「専制君主」「国、教室」「リーダー」
「つきぬけたい」「税」「くぐりぬける」

お洒落なサウンドに乗っかるコトバは実は結構ネガティブなモノが多い。
同時に能動的、行動的なコトバが並ぶ。そのことに改めて気付いた。

そのコトバの切っ先が向かう先は・・・「世界」「社会」。
自分の周囲の世界や社会に対する違和感、不安、苛立ちを「柔らかく」でも
「挑戦的」にレポートしてる・・・そんなウタたち。

「反抗」じゃない、「抗議」じゃない。ここにあるのは「挑発」。

そして・・その「挑発」は今40代のボクにとっても刺激的だ。
「月と専制君主」のイントロのパーカッションは「何かが始まりそうな」予感を
与えてくれる。ワクワクする。
明るいポップスと思っていた「ヤングブラッズ」の歌詞に思わず泣きそうになる。

30代の頃周囲や社会に違和感、嫌悪感、苛立ちを感じてた。
歳をとるうち・・現実を知るうち少しづつ、そんな気持を封じ込めてた。忘れてた。

このアルバムを聴いてると・・あの当時の気持ちが覚醒する。
あのときの様な若さもない、元気もない。
ココロもカラダも少しづつくたびれている、壊れていってる。

でも・・・何とか歩いてみせる、できることあるはず、かえることあるはず。
このアルバムは・・・確かに今、ボクを後押ししてくれる、肩を叩いてくれる。

初めて聴いた元春のアルバムがこのアルバムだったこと・・・
それはボクにとって・・必要な出逢いだった・・・この歳にとってそんな気がする。

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