横浜映画サークル

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三国連太郎、船越英二、俳優のプロ根性。海外も調べてみました。

2013-06-04 09:57:12 | メンバーの投稿

歯を抜いたり、体重を減らしたりプロと言うのはすごいものだと思います。

三国連太郎の俳優プロ根性

2013年4月14日に三国錬太郎が90歳で亡くなりましたが、横浜映画サークルで1985年に自主上映をした市川昆「ビルマの竪琴」の井上隊長役をやっていたのを思い出します。

歯を10本抜いて役作りをした家城巳代治監督『異母兄弟』(1957年)は有名ですが、その写真です。

三国連太郎1923年1月20日生34歳?夫婦役の田中絹代1909年12月29日生48歳?

14歳の差があるので、写真を見る限り歯を抜いてもまだ三国連太郎の若さが、大女優田中絹代(左)の旦那として少し無理を感じます。写真はネットから。

船越英二の俳優プロ根性

先日スカパーの日本映画専門チャンネルで市川崑監督「野火」を観ましたが船越英二が俳優プロ根性を出していた。共演したミッキーカーチスの話が映画の終わりにあり面白かった。

船越英二はフィリピンでの兵隊の役作りのために1週間絶食して水だけで撮影に入った。撮影中も絶食を続け、医者と看護婦が付くようになった。撮影の終盤は、意識までおかしくなっていた、とミッキーカーチス。

下の左が普段のイケ面俳優船越英二、中央が撮影途中、目つきが違っています。右は終盤、写真では分かりにくいのですが、映画の中では明らかに食べ物を食べずに、痩せてがりがりになり、朦朧とした、ストーリーの中と同じ状態になっていることが分かります。

  

共演にミッキーカーチスを採用したのはとても痩せていたことと、原作の大岡昇平がクリスチャンで、ミッキーカーチスの日本人離れした顔にキリストのイメージを重ねたのかもしれないとのことだった。また、市川昆監督はカラーでも撮れたが、血の色など刺激的になりすぎるので、意図的にモノクロにしたとのことです。

「野火」は現地人や仲間の人肉を食べるなどの悲惨な日本軍の実話に基づいたものですが、私の父の満州での話を思い出したので記しておきます。

父は戦時中満州鉄道(大連から北へ伸びる鉄道)の車両整備の仕事で行ったのですが、仕事場の中尉が日本刀で中国人の首を切って、川で洗ってから、天皇を祀った神棚に奉げる。一週間を越すと臭いがしてきて、我慢できない匂いになったら川に捨てていた。しばらくして、再び夕方街に出かけて行き、川べりの狭い路地で待ち、1人だけの通りかかりの中国人に声を掛けて路地に入ってきたところを切りつけて新しい首を手に入れ、胴体は川に流す。中国人が路地の端まで来て、なんだろうと隙間から顔を突き出したところを上から切りつけると、一刀のもとに首が切断できる、日本刀は切れ味が良いと中尉が話していたとのことでした。これを少なくても父が満州を離れるまでは繰り返していたとのことです。神棚への「いけにえ」お供え物の心理?戦争は人を狂わせると、「野火」を観て、亡くなった父の話を思い出した。

『2014/09/30追記。塚本 晋也監督が『野火』を再び映画化し、受賞はならなかったが2014年第71回ヴェネツィア国際映画祭メインコンペティション部門に出品した。2015年に公開予定との事である。市川崑監督作品と比べて、戦争の現実をどう描いているかや俳優陣が船越英二を越えられるか興味がある。そこで、映画「野火」について、以下の通り追記しました。

「野火」とはフィリピンの広い森林を高台から見下ろすと、煙が上がっているところがある。それを「野火」と言った。「野火」の付近には現地人の村があり食料がある。映画『野火』では日本軍がそこを襲って食料や女性を奪っていた。日本軍の本部(大本営)は食料を現地調達せよと命令していたので命令に従ったとも言える。黒澤明監督の『7人の侍』の野武士のような状態に多くの日本軍がなっていた。それでも食料が不足し、映画では現地人を「野生の猿」を捕まえたと言って食べている。日テレかNHKBSのドキュメンタリー番組でのフィリピン現地の女性の証言「父(祖父だったかもしれない)が夕方になっても帰ってこないので、あちこち探した。偶然日本軍のキャンプに遭遇し、遠くから見ていたら、日本軍の人がドラム缶で煮物をしているようだった。そこから手が出たのが見えた。父はいまだに帰ってこない。あの手は父だと、今でも思っている。」との証言だった。

フィリピン以外でも同様の状態があり、2014年8月に放映されたNHKドキュメンタリー「山本五十六の真実」ではガダルカナル島守備隊2万人のうち1.5万人(75%)は戦闘で死んだのでなく、餓死だったと述べている。インドネシアの他の島々全体でも60%以上が餓死との報告があり、生存者も激しい栄養失調や病気が多かった。インドのインパールへ進軍した日本軍のほとんどは餓死したが、数少ない生存者の一人は「軍人同士でも食べ合い、人肉食はやめるべきだと言った人から先に食べられた。」と証言している。証言者の多くは帰国当時には話す事が出来ず、高齢になって余命が少なくなって、事実を話しておかなければならないと義務感をもって話す人が多いように思う。

このような悲惨な日本軍の状態は幹部指導層が軍事戦略の基本から誤っていために生じと思われるので、紀元前5世紀の中国の兵法書「孫子の兵法」を参考に、戦争に対する基本を考えてみる。映画「野火」を見る参考になると思う。

自衛官幹部を育成する防衛大学校の教官などが執筆し、「刊行によせて」は防衛大学校学長松本三郎が書いている「軍事学入門」(防衛大学校、防衛学研究会1999年かや書房)では、「孫子の兵法」は「今日においても、その大半が有効であるのみならず、これを超える総合的な戦略書はいまだに存在しない。p130」と述べている。以下は、スカパーの経営者向け有料チャンネル、BBT557の「コンサルタントの見た、孫子の兵法」(講師後正武)や「孫子の兵法」(島崎晋、2006年、PHP研究所)などの内容をテッシーの責任で抜粋し、一部「孫子の兵法」原文を省略したり、解説だけとしたり、要約したりしている。「孫子の兵法」全体は13篇からなる。

第3篇謀攻戦争の目的敵を敗ることではなく「自国を全うすること」:国が維持され、民衆が豊かになるためである。民衆を犠牲にする戦争を行ってはならない。最上の戦略は戦争に訴える前に謀(はかりごと)をもって外交で攻め、「戦わずして勝つ」ことである。謀攻は民衆の犠牲が無い。

第1篇始計「孫子曰く、兵は国の大事、死生の地、存亡の道なり、察せざるべからざるなり」:無謀な戦争をしてはいけない。戦争は国の重大事。多くの命がかかっており、国の存亡の分かれ道でもあるから、開戦するにあたってはよくよく検討、計画しなければならない。「占いで開戦を決定することはせず(孫子の時代占いで決めていた武将がいた)、憶測、恣意、偏見、期待を排除し、事実に基づき合理的、具体的に検討する必要がある。」

「算多きは勝ち算少なきは勝たず。いわんや算なきにおいておや」:戦う前に勝つかどうかは分かる。勝つ見込みがない場合は戦争を始めてはならない。その場合は相手の支配下に入ってもやむを得ない。ましてや、勝つ見込みがないのに勝てることなど絶対にない。

12篇火攻主は怒りをもって師を興すべからず」:君主は怒りにまかせて軍を動かしてはならない。怒りで家々を焼き払うようなことをしてはならない。焼き払われたり殺されたりした恨みは、抑えられるものでなく、戦いに勝利した後の統治の障害になる。

「戦争は、利に合わざれば、すなわち止む」:戦争は有利な状況にならないようであれば中止する

以上、日本軍の本部(大本営)は「孫子の兵法」から見れば、戦争に対する考え方の基本から誤っていることが分かると思う。

尚、中国人の首を切断する日本軍人や人肉食をする日本軍人の中にはサイコパス特性の強い人がいたと推測される。また、サイコパスを餡としたサイコパスまんじゅうが形成されていたことも強く示唆される。サイコパス及び、サイコパスまんじゅうについては、本ブログの「映画『凶悪』残虐性は「人間が持つ普遍的暗部」と描く。だが最新科学は先天的障害であるとする(その1~その7)」を参照。

日本軍についてはフィリピンや中国や韓国など外国に対して何を行ったかの問題だけでなく、日本軍内部や日本国民に対しどのようなことを行ったかの内部問題でもある。映画「野火」はこのことがテーマになっている。』

 俳優のプロ根性に戻ります。海外の俳優二人。いずれもネットの写真

クリスチャン・ベール『マシニスト』(2004)で約32kg減量

下の左が普段のベール、中央と右が『マシニスト』でのベール。すごいですね!その下の写真はバットマンシリーズの主人公役のベール。

  

マット・デイモン『戦火の勇気』(1996)で約18lg減量

下の左が普段のイケ面デイモン、中央と右が『戦火の勇気』のデイモン。まるで別人ですね。

  

下の写真はアランドロンの『太陽がいっぱい』1960年と同じ原作を1999年に米国が映画化した『リプリー』の主人公リプリー役の若いデイモン。(Lillyさんリプリーを載せておきました)

メタボにならないよう1kg減量するのも大変ですが、プロというのはすごいものですね。以上テッシー

コメント (2)
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