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横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-61)警察の問題11桶川ストーカ―殺人事件1

2016-07-09 23:01:30 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-60)の続き

(L-6)例16桶川事件(桶川ストーカ殺人事件)と警察対応:警察内部にサイコ特性を持つ警官

桶川事件の埼玉県警は栃木県警と類似の虚偽言い訳マスコミ操作だけでなく、告訴状取調書類改ざん等を行い、悪質性は栃木県警以上である。栃木事件と同様にジャーナリスト(本件では鳥越俊太郎:テレビ朝日『ザ・スクープ』MC。清水潔:週刊誌『フォーカス』記者)が警察の不正の一部を明るみに出した。マスコミの追求がなければ警察は問題点のすべてを覆い隠した可能性が大きい。県警の告訴状改ざんなどは虚偽有印公文書作成・同行使の罪で有罪となった。さいたま地裁裁判長は量刑事情の中で当時警部刑事二課長片桐敏男に対し「姑息にも自己保身の捏造改ざんを行い」「見苦しい限りである」と述べた。刑事ニ課長片桐以上に問題なのは刑事一課長とその上司の警視(生活安全課担当次長)で、刑事二課長片桐に責任を被せて逃げ切りに成功し、裁判で問われることはなかった。本事件に関わり刑事一課の刑事2名が自殺したが、これらの上司に追い込まれた可能性が大きい。事件後に県警が行った調査報告書も刑事ニ課を集中的に貶(おとし)めて刑事一課長と上司幹部を免罪する意図に満ちていると言える酷いもの。

栃木事件と同様、被害者両親が警察の職務怠慢糾弾する国家賠償訴訟を起こしたが、栃木事件では一審判決で警察の職務怠慢を認める画期的な判決があったが、桶川事件では一審から警察主張通りの判決で警察の怠慢は認めないものになった。桶川事件で被害者詩織さんが殺害されたのは栃木事件の被害者正和さんが虐殺される1999/12/2の約1カ月前の1999/10/26のことで、両裁判は並行している。

サイコ化事件としては例13北九州監禁殺人事件や例14尼崎監禁殺人事件(の事件)が、情報量が多く、まんじゅうサイコパスを理解する例として特に細かく分析したが、サイコ化事件警察の問題点としては例15栃木事件と例16桶川事件が、事件と共に情報量が多く重要である。桶川事件は、警察内部にサイコパス特性を持つ者が存在している場合にサイコ化事件がどのように扱われるかの例になる。サイコパス特性のある警察官サイコ化事件で苦悩する被害者と担当警察官を傍で見ていて、もっと苦しめ、めちゃくちゃになれ、誰か死なないか、とワクワクしていたに違いない。見ているだけでなく加担していた可能性もある。従って、サイコ化事件がうまく処理されるはずはない

尚、これまで同様青文字は読みやすくしたこと、あるいは重要な内容を示す。赤文字は読みやすくしたこと、あるいは青文字以上に重要な内容を示す。名称はこれまで同様に文章を簡潔にするために敬称を略して、短縮していることをご了承ください。【 】内はこれまで同様筆者の見解及び戦争との関連。表の場合は筆者の見解を主に注に記す。

埼玉県警内部にサイコパスの存在の可能性告訴状取下げを指示した警視(生活安全課担当次長)の自宅を部下の刑事(巡査部長)主任が放火した。後にこの刑事は自殺。この刑事は被害者の「相談内容の深刻さに同情して当初は熱心に話を聞いてくれていた」(ペディア)、善良な刑事だった。放火事件への対処に不信感を表明した別の刑事ものちに自殺。警察内部で自殺に追い込む力が働いたことは間違いない。放火は「交番勤務に左遷された逆恨み」として処理されたが、マスコミの追求がない限り警察が警察内部を調べることはない*1。筆者は「健常者が自殺するときには周りに必ずサイコパスの存在がある」と確信している。健常者の自殺には経済的困窮だとか、病気だとか、出世が妨げられたとかのサイコパスが係わらない理由を見つける人がいるかもしれないが、それらは「逃げられない絶望」の真白前期まででそれ以上に至るものではなく、遥か遠くかもしれないが必ずサイコパスがその後ろから押して自殺にまでに至らしめるメカニズムがある。うつ病での自殺でさえ、サイコパスが係わる場合があるのではないかと捉えている。健常者は周囲の健常者と共にどんなに苦しい環境においても生きることを追求し、人生を全うする。2名の刑事の自殺は警察内部のサイコパスの存在を暗示させる。

*1:週刊文春03/5/29日号『「消えない謎 桶川ストーカー事件」捜査員連続自殺の怪』が報じたが、これに続くメディアは出てこなかった。警察組織の閉鎖性に加え、まんじゅう構造ができているとその外に情報は簡単には出てこない。警察組織の健全な幹部でもサイコパスを理解していないと、内部のまんじゅう構造を把握できないで、それを仲間同士程度の軽い組織として誤った理解にしてしまう。

(aサイコ化事件としての桶川事件の全体像

桶川事件はまんじゅう構造を形成したサイコ化事件であるが、監禁を伴わない。これは監禁する前に猪野詩織さん(以下詩織)が異常に気付き徹底的に逃げ回ったこと、詩織の両親が徹底的に抵抗したこと、さらにサイコパス小松和人(かずひと)が、まだ暴力装置を十分には使いこなせず、犠牲者を屈服させるサイコ3手法(強弁、長時間拘束、眠らさない)を使えなかったことによると考えられる。もし詩織や両親があいまいな態度をしていれば、詩織は拉致され、虐待された可能性がある。実際拉致監禁の計画があった。監禁できない時のまんじゅうサイコパスがどのような行為をするか、この事件は貴重な内容を含んでいる。

詩織がサイコパス和人と知り合ってから殺されるまでの10カ月:自宅へ怒鳴り込んできたり、無言電話700~800回、詩織の顔と裸の女性をつなげた合成と思われる写真でピンクチラシのような中傷ビラを近所一帯や詩織の学校や父の勤務先などの壁に貼ったり、中傷カード、中傷手紙、ネットでの嫌がらせなど手の込んだ激しい嫌がらせと脅しである。家族で飼っていた犬を殺す計画もあった。警察に助けてください」と何度も足を運んだが、その都度「痴話げんかに付き合ってられない」「民事不介入」などと言われた。告訴状を書けば動いてくれると言ったので告訴しようとしたときも、「まだ学生で嫁入り前だよね。裁判になったら恥ずかしいことも聞かれちゃうよ。それでもいいの?」などと対応された。それでも告訴状を出した。この時に両親と詩織と2人の弟は「よかった、よかった。これで警察が動いてくれる」と喜んだ。しばらくして詩織が父に「警察って本当に動いてくれてるの?」と話した時、父は「日本の警察は一度動いたらものすごい勢いだ」と答えた。父は「殺害されるときまできっとと警察を信じていたばかだったと思う。結局願いは届かず、殺されてしまった。泣くに泣けない」「警察は見捨てていた」「やはり警察に殺された。なんであんなに喜んでいたんだろうと、つくづく情けなく思う」と話した。以上の情報元:「犯罪被害と警察の責任」を問う市民の集いのご報告〔2006.08.16〕での桶川ストーカー事件・詩織の父猪野憲一さんの話。

(ⅰ)主犯和人のまんじゅうサイコパスとしての特徴

主犯小松和人(かずひと)は次のようなサイコパスとしての特徴がある。

で犠牲者を取込む和人は「誠」と名乗り、職業を「外国車のディーラー」「貴金属や不動産を扱う青年実業家」などの嘘で相手の心を操った。詩織は始め信じて交際が始まった。この嘘は例12北九州監禁殺人事件の松永の嘘と類似である。松永の嘘については本シリーズ(その4-9)「(L)サイコパス松永の特徴まとめ(b)結婚詐欺」参照。

遠在の空気』を使い、詩織を殺した:和人は『空気』で武史を動かし、元暴力団員久保田や川上を『空気』と共に現金も使い動かした。例12映画『凶悪』原作のサイコパス三上静男が金で暴力団組長後藤良次らを使ったのと類似。金で後藤良次らは殺人を行うが、桶川事件では金で久保田らが詩織を殺した。殺害時、サイコパス和人は現場にいない。【アリバイ工作のために沖縄へ行っていたとする報道があるがこれは健常者の感覚でとらえた誤り。和人は沖縄で7/5から10/24まで3カ月半過ごし、途中2日間戻っているがアリバイにしては長すぎる。沖縄滞在には目的があり沖縄のテレホンクラブを閉店に追い込むために間断なく電話を掛けるなどを行っていた(ペディア)。詩織殺害10/26の2日前10/24から沖縄から戻っておりアリバイになっていない。まんじゅうサイコパスはアリバイのために現場にいないのではなく、他者を操り嫌がることをし、恐れさせ、殺させることに快感があるためにその場にいない。他者を操るところに単独サイコパスと異なるまんじゅうサイコパスの特徴が出る】。栃木事件のサイコパス萩原も正和殺害現場にいない。松永やが殺害現場にいないことは前の項の本シリーズ(その4-57)「(L-5)(a)(ⅱ)①遠在の『空気』を使い正和を殺す」参照。

【戦争でのまんじゅうサイコパスも、自分では最前線にはいかず、反社会性人格障害者や健常者をサイコ化して最前線に送り込み、残虐行為をさせることが見られる。後の項「戦時下のサイコパス」参照】

③簡単に死ぬが簡単に自殺してしまったように、和人は簡単に自殺した。サイコパスは本能を司る偏桃体が機能不全のため生きることに執着がない和人の手首には、幾重にもリストカット(自殺未遂)の痕がある(『桶川女子大生ストーカー殺人事件』鳥越他著 p105)。和人は自殺したためと同様に不起訴。

④係わったすべての人を恨む:後の項「(b-2)(ⅴ)和人の遺書:係わったすべての人を恨む」参照

(ⅱ)まんじゅう構造

下記表は形成されたまんじゅう構造と判決の量刑。

基本構造

基本構造内容

サイコパスまんじゅう構造、( )内当時の年齢

量刑

中心のアン

サイコパス

小松和人( 27)*1

自殺で不起訴

暴力装置

元暴力団員、久保田祥史(34)疑似サイコ前期*2

まんじゅうの皮

(健常者がサイコパス化したもの)

疑似サイコ後期

*3

疑似サイコ前期

久保田祥史、殺害実行、1000万円受取*2

懲役18年

真白後期

小松武史(33)、和人の金庫番、報酬金2000万円を配布*4

無期懲役

真白前期

殺害現場に久保田を運んだ運転手店員川上聡(31)*5

詩織が自宅を出るところの見張り役店員伊藤嘉孝(32)*5

懲役15年

懲役15年

まんじゅうに取り込まれる前に逃走

猪野詩織(21)

*1和人は違法風俗店6~7店を経営する経営者である。例12映画『凶悪』原作のサイコパス三上静男は不動産業の、例13北九州監禁殺人事件のサイコパス松永は布団販売業の、経営者の顔を持っていた。まんじゅうサイコパスは経営者の顔を持つ者が多数存在すると考えられる。経営者と言っても経営内部で虐待をし、健常者や公共組織に寄生して金品財産を奪う類の経営で、健常者の価値創造を行う経営とは全く別のもの。

*2:例12映画『凶悪』原作の暴力装置である暴力団組長後藤良次によく似た位置にある。後藤良次と同様に、久保田は詩織殺害の報酬1000万円を受け取っている。また、サイコパス和人が経営する違法風俗店のうちの一つの店長を命じられており、和人に従属する関係にあるのも、三上静男に従属する後藤良次の位置に似ている。

*3詩織が監禁されていないため、激しい虐待をする対象がまだ存在せず、自ら率先して虐待をする疑似サイコ後期に至った人はいないと考えられる。違法風俗店の経営の中で虐待が行われ疑似サイコ後期に至った人がいた可能性はあるが情報がない。

*4:小松武史は和人の実の兄であるが、和人に従属し言われるままである。まんじゅう内部の位置は例14尼崎監禁殺人事件のの金庫番と言われたの位置に相当し、和人の金庫番のように振舞い、和人から渡された2000万円を言われるままに中傷ビラ、中傷カード、中傷手紙の作成費や詩織殺害時の報酬金として配布している。まんじゅうサイコパスの支配は実の兄だとか父だとかは関係せず、実の兄でも、父でも従属させ、虐待の対象になる。武史がどのような経緯で和人に従属するようになったかの情報は今のところない。

*5:二人の店員は殺害後に報酬として400万円ずつを受け取っている。違法風俗店の店員など合計12人が中傷ビラ配布の名誉棄損で逮捕(ペディア。外部リンク)。まんじゅう構造は直接従属しているサイコ化した人だけでなく、周囲に多くの取り巻きがいる。この場合12人。取り巻きが健常者であるために、通常はまんじゅう構造の中心のサイコパス(黒いアン)が見えないまんじゅうの皮の表面は白い

(ⅲ)さいたま地裁は主犯を誤った:サイコパスの理解がないため

遠在の『空気』で操る和人主犯であるが、さいたま地裁は金を配った金庫番の武史を主犯として無期懲役の誤った判決をした。例14尼崎監禁殺人の金庫番のは最も同情すべき犠牲者であるが懲役21年の不当な重い判決になったのと同様である。これらはサイコ化事件(健常者がサイコ化された事件)の理解や対処がまだ確立していないために生じている。の不当判決など裁判がサイコ化事件を扱えていないことは本シリーズ(その4-43)「(K-4)司法の問題:「法の下の平等」が崩れ、犠牲者を重罪に処す誤り:サイコ化事件を扱えていない」参照。主犯を誤った裁判については後の項「(b-3)(ⅰ)犯人グループの刑事裁判と民事裁判の主犯が異なる判決」参照。

下の画像左はサイコパス小松和人、右は殺された跡見学園女子大学2年の猪野詩織(当時21歳)さん。詩織さんは自転車で自宅を出て、桶川駅から電車に乗り新座市にある大学に向かう途中、桶川駅で自転車を置いた直後に襲われ、殺された。詩織さんは小松和人の自分への興味がなくなるよう、髪の毛をアフロヘヤーのようにして女らしくないようにするなどの努力をしたが、サイコパスは嫌がっていることを知ると、さらに嫌がることをこれでもかと行い、心や肉体を破壊しようとする。健常者にはこのサイコパスの行為を理解することはできない。

犯罪心理学者の中には健常者の範囲でサイコパスの行為を説明しようとして「拒否されたことの逆恨みの行為」と言うようなサイコパスの理解を誤らせる見解を堂々とTVで言うものがいるので注意。民事裁判の判決でもこのような犯罪心理学者の見解を反映して「交際を絶たれての逆恨み」の動機とした(ペディア)。健常者は「交際を絶たれたこと」で、その人を殺すことはない。拒否されてもその理由が分かれば相手のためになることを考えることさえある】

 

画像出典左:桶川女子大生ストーカー殺人事件https://matome.naver.jp/odai/2139443011896832501元出典stat.ameba.jp (閲覧2017/11/10)画像出典右:桶川ストーカー殺人の主犯は警察?http://blog.goo.ne.jp/akizo1013/e/465e4459a866c31d9b1ac7e08ced009b(閲覧2017/11/10)

 (その4-62)へ続く。 

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-60)警察の問題10栃木リンチ殺人事件4

2016-07-09 23:01:25 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-59)の続き。

(二)判決3の考え方(ハ)と同様:自動車損害賠償責任保険支払い基準

判決ではこの3割も(ハ)と同様の「医療過誤」の考え方。すなわち自賠責賠償責任の支払い基準の考え方になる。正和3過失に相当するのは、前項(ハ)の表右から二つ目上の黄信号で横断歩道に出た場合である。正和は黄色信号で飛び出したに相当する落ち度(過失)はなく(ハ)と同様に当てはまらない

医師免許剥奪制度があるが、富越裁判長の裁判長資格をはく奪すべきと思うほど酷い不正な判決である。はく奪後に裁判制度を愚弄した罪があれば富越氏は告訴されるべき。一審柴田裁判長判決が事実と証拠に基づく優れた吟味を行っているので、その落差は際立つ。一審通り100%警察に職務怠慢の責任があり、正和には、いかなる殺される責任はない。二審は新たな証拠がないので警察側の控訴を棄却すべきであった。警察が新たに出した証拠も警察がでっち上げたファックスであることが判明する酷さ。

(ホ)事件に係った人の富越裁判長判決の批判

事件に係わった人が二審の酷い不正な判決に対し以下のように批判している。

・栃木事件の真相解明に尽力した警察ジャーナリスト黒木昭雄:「裁判所は何かにとりつかれたように偏った判断」「裁判所の判断のおかしさを指摘するとキリがない」「あらかじめ原告敗訴の判決が用意されていたのと同じ」(草思社:寄稿「やっと開いた国賠の扉を再び閉ざすのか」)

・栃木事件の警察の不正を最初に暴いた三枝玄太郎産経新聞社会部記者:「この判決はあまりにもひどい。これだけはいくら強調しても強調しすぎということはないだろう」「警察機構・行政の下僕のようで裁判長の資質に問題の判決根拠なく一審を覆した始から警察の怠慢を認めない姿勢」(草思社:寄稿「結論ありきの不当判決」)

・神戸商船大学院生リンチ殺人事件の弁護人中川勘太:「判決は、証拠と法律に基づいて詰め切った判断をすることなく、単に落としどころを決めて理由を付けただけ」(草思社:寄稿「 控訴審判決の問題点」)

原告は不服として直ちに最高裁に上告したが、一般的に「新証拠」「重要な新事実」「憲法違反」がない限り上告棄却になり、09/3/13第2小法廷古田佑紀裁判長が上告棄却(ペディア他)。【筆者はこの奇妙な考え方が判例として今後の裁判に悪影響力を与えないことを願う

(その4-61)(L-6)例16桶川事件(桶川ストーカ殺人事件)と警察対応、へ続く

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-59)警察の問題9栃木リンチ殺人事件3

2016-07-09 23:01:20 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-58)の続き。

(b-2)事件発覚後の警察とマスコミの対応

(ⅰ)県警は「正和暴走族」とマスコミ操作の発表:事件発覚直後に県警は「正和暴走族」を匂わす虚偽の発表をしたためマスコミは暴走族仲間のケンカとして全国に一斉報道した。正和救うことができなかった警察の無策目がいかないようにしたものである。この事件は県警の思惑通り、暴走族仲間のケンカでリンチされて死んだなら本人も悪いと、始めは世間に注目されなかった。正和は暴走族とはまったく無関係のまじめな会社員だったので、マスコミ操作の虚偽発表だった(ペディアなど)。【桶川事件でも殺された詩織を警察はブランド依存症の「放蕩女子大生」のイメージを作る発表をしたのと共通する。犠牲者を殺されても仕方がないダメな人と発表をする。警察はサイコ化事件が、何が何だかわからないために妥当な対処ができず、職務の重さから、責任回避の虚偽のマスコミ発表をする例である】

(ⅱ)警察の隠ぺいをジャーナリストが暴き出す:県警は軽い懲戒処分で幕引きを図る:逮捕から1年近くがたち事件が忘れられた頃の2000年4月7日から産経新聞栃木版で三枝玄太郎記者が警察の不手際スクープ記事を15回連載し、写真週刊誌フォーカスやテレビのワイドショーも次々と取り上げるようになり、注目されるようになった。栃木県警は警察庁に「正和の同僚安西(仮名)が『産経新聞記事はうそ偽りだらけ』と言っている」とのファックスを送り警察内部での言い訳が行われた【警察庁は全国の県警の総本部。会社で言えば本社。警視庁は東京管轄】。栃木県警は両親の訴えを無視し続けた警察官らを最大でも「停職14日間」の軽い懲戒処分にして幕引きを図った(ペディア他)。後に裁判で警察側が証拠としてそのファックスを提出したが、安西がそんなことを言ったことも警察官と話したこともないと証言し、そのファックスそのものが県警のでっち上げだったことが判明【警察はサイコ化事件を扱う当事者能力を失っている】。警察の問題点はジャーナリストが暴き出すことによって改善の方向性が出ることが多く、ジャーナリストの社会的使命の一つがここにある。

b-3)裁判での警察の対応

(ⅰ)国家賠償裁判:一審判決:警察の職務怠慢認めた

刑事裁判判決(00/6/1)で萩原、梅沢、村上の量刑が確定。判決は殺人と死体遺棄の罪で、虐待金銭略奪の罪は問われないという問題があるものであるが確定、一件落着と思われた(草思社)。「正和両親は自らの顔をさらして連日報道に虐待などの実情を訴えた警察批判の世論が沸騰し、その圧力に押された県警は判決から1か月後の7月、県警本部長以下、関係警察官の処分(最も重いものでも停職14日の軽い処分)を発表、県警幹部たちはテレビカメラに向かって深々と頭を下げて謝罪し、県警は自らの非を認めた」(ペディア、草思社他)。判決から10か月後の01年4月に両親が「警察の職務怠慢のために正和殺害された」として県警を国家賠償法1条1項に基づいて「警察の職務怠慢」を問う国家賠償訴訟を起こしたしばらくして県警の態度は一変し、非を一切認めない姿勢に変わった(ペディア、草思社他)。

国家賠償法1条1項:「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員(警察官など)が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」

以下は、国家賠償訴訟(以下国賠訴訟)の裁判についてである。

一審宇都宮地裁柴田秀裁判長が度重なる警察の虚偽証言やでっち上げ証拠を断罪し、「警察の職務怠慢」を認めたサイコ化事件での警察の職務怠慢を司法史上初めて認めた画期的な一審判決である。警察が醜態をさらすことになったのは、警察署員がダメ署員たちであるだけでなく、サイコ化事件が、署員にとって何が何だかわからなくなるために、どう対処していいか判断不能になったことに注目しなければならない。警察署員を責めるだけでなくサイコ化事件警察はどう対処すべきかの教訓を引き出さなければならない。裁判で明らかになった虚偽でっち上げの一部を下記表にまとめた。

虚偽、でっち上げ証拠内容

事実内容

情報元

19991130日の正和からの電話の応対

I巡査部長証言「正和が電話に出て『金なんかあるか。でれすけ野郎』と怒鳴ったから切れた。自分は電話にも出ていない

正和「私は電話に出ていません、出たのはI巡査部長です」と証言。その場にいた村上の両親や梅沢の母親の証言で巡査部長の嘘が判明。事実は前項(ⅰ)の表の11/30欄参照

ペディア。草思社の寄稿:三枝玄太郎

両親捜索願取り下げるよう連絡をしてきたので捜査していない*1

再三捜索を求めており、県警の虚偽

ペディア他

正和から捜索願取り下げてほしいと電話があったので捜査していない*2

捜査願の様子を須藤らは知らず電話はあり得ない。県警の虚偽

ペディア他

二審で県警から警察庁へのファックス「正和の同僚の安西(仮名)が『宇都宮中央署の刑事さんは親身に話を聞いてくれた。産経新聞の記事は嘘偽りだらけ。訴えに耳を貸さず捜査願受け取らなかったという記事はうそ』と言っている」を証拠として提出

安西は宇都宮中央署の人と会ったことがないことが判明。ファックスは被害届を受け取らなかった責任回避のためのでっち上げ証拠だった。

草思社の寄稿:三枝玄太郎

*1柴田秀裁判長は、石橋署生活安全課I巡査部長や石橋署生活安全課長の証言は「到底信用できない」とした((草思社、争点2。ペディア)。

*2柴田秀裁判長は「もし正和からそのような電話があったとしても、犯人が暴行や脅迫などで被害者を取り込むことはままあることであり、いやしくも犯罪捜査に携わる者であれば当然わきまえておくべき」「無理やり言わされていることに、捜査に当たるものであれば気が付かなければならない」と県警の嘘と怠慢を厳しく非難した(ペディアなど)。

一審宇都宮地裁判決(2006/4/12)要点:「11月1日の時点で…加害者に対する嫌疑は、起訴等はともかく、逮捕状を請求することができる『罪を犯したと疑うに足りる相当な理由』(刑事訴訟法199条1項)には達していたものと認められ、必要な裏付け調査を行えば、石橋警察署警察官において逮捕状請求を行うについて支障はなく、仮に、石橋警察署において強制処分に慎重を期すことを考慮したとしても、加害者らに対して重要参考人として事情聴取を行うことは必須であった…」「警察権を行使することによって加害行為の結果(正和が殺されること)を回避することが可能であった」「警察権を行使しなかったことにより、加害者らによる正和の殺害行為の招来を防止できず、正和が死亡するに至った」「国家賠償法1条1項にいう故意又は過失による違法な公権力の行使に該当するから、被告栃木県は、正和の死亡について損害賠償責任を負う」として職務怠慢と殺害との因果関係を認め、賠償金約9600万円の支払いを命じた(草思社、争点2)。支払い者は被告の県警を管轄する県知事になる。当時の県知事福田富一は「警察官の士気にも影響して、結果として、県民益を損なう。判決は受け入れられない」として控訴した(ペディア他)。【筆者この判決で士気が下がるとは思えない。逆に組織が締まると思うが、(ⅲ)で述べるように控訴審(二審)の警察幹部・行政の圧力に屈した不正な、奇妙な判決へつながる】

栃木事件の真相解明に尽力した警察ジャーナリスト黒木昭雄は『世論が騒がなくなったら知事もいいやと思ってしまう。マスコミに頑張ってもらわないとだめだ。世間の声が知事などを動かす』『ちゃんとした政治家を選挙で選んでいくべきだ』と述べた(講演「犯罪被害と警察」)

(ⅱ)二審は一審を覆す不正で奇妙サイコ化事件を扱えないだけでなく、警察幹部の圧力を反映?

二審は一審で明らかになった警察の失態を隠し、ことごとく警察を擁護した不正判決。これでは警察の改善が進まない。また、例えば、殺人罪で懲役10年の刑が相当とした場合。犯人の可能性が3割なので、10年の3割の懲役3年とする、と類似の奇妙な判決を行った。この奇妙な考え方は、警察の失態を隠すために無理やりひねり出したために生じている。一審柴田裁判長は提訴から判決まで5年を費やし、証人を多数呼んで弁論を行い、警察の職務怠慢を明らかにしたのに対し、二審富越裁判長書面審理のみでわずか11カ月、3回の弁論で結審(草思社:寄稿三枝)し、この間を、一審判決を覆すためにだけ費やしたと言える。二審判決(07/3/28)の頃にはマスコミの熱も冷めて、注目は少なくなっていた。警察関係者はマスコミの熱が冷めるのを待っていたかもしれない。

(イ)二審の不正な内容4:犯罪者が不正を働くのと同じレベルの見苦しい判決

「不正判決」とするのは、不当判決以上にひどい、法を犯す犯罪者のレベルの判決を示す。筆者はこの判決をせざるを得ないまでに圧力をかけられた富越裁判長に同情する。

①警察の職務怠慢両親へ責任転嫁:「正和両親が切迫した認識を告げて救済を求めていなかったために、栃木県警警察官においても切迫した認識を有するに至らなかったものといえる」(草思社、争点2)と両親に責任を転嫁した。前項「(a-1)まんじゅう構造形成から事件発覚までの警察の対応」で時系列の長文の表を作成したしたのは、両親に責任を転嫁するこの判決が誤りであることを示すためる。両親は警察が行うべき捜査活動を、警察が動かないのでやむを得ず警察に代わって行っており、とんでもない不正判決。富越裁判長は警察を擁護するために手段を選ばず、何でもありの状態。この裁判長に中立性はない

萩原証言を覆して警察の失態を隠した:一審で萩原は11/30日に県警巡査部長が電話で「誰だと?石橋の警察だ!」と怒鳴った時に電話を切り、「事件が発覚しそうだから殺して埋めてしまおう」と正和殺害を決意したと証言した。二審では、萩原の一審での証言にも関わらず県警巡査部長の電話対応は殺害を決断させたと認めるには足りない」(草思社、争点2)と警察の失態で正和が殺されたとはしない。【不正判決あろうがなかろうが、何が何でも警察の失態を隠し込む富越裁判長の姿勢が分かる】

③一審が職務怠慢とした内容を二審は無視:一審は11/1日の正和の友人2人からの聴取で捜査を開始しなければならなかったのに行わなかったのは職務怠慢としたが、これについて二審では触れず無視した。【隠すことができないことは無視する不正さ】

でっち上げファックスは存在しないことにした:警察側が二審で「警察が耳を貸さず捜索願を受け取らなかったと言うのはうそ」と言うことを証明するために提出した証拠の県警から警察庁へのファックスは、弁護側の反証で県警が責任回避のために創作したでっち上げファックスであることが判明した。すると富越裁判長は警察側に「一審で出された証拠をもとに判断しますが、それでいいですね」とファックスそのものを存在しないものとして無視した(草思社:寄稿三枝)。【本来、証拠をでっちあげる重大な背信行為で裁判長は警察を激しく糾弾しなければならない糾弾しない。警察に都合が悪くなった証拠は存在しないことにする、徹底的に警察側に立った裁判長の姿勢が出ている】

(ロ)二審の奇妙な考え方2点:筆者ができるだけ裁判用語を使わずに判決文を要約

①殺された正和にも殺される責任の半分はある。よって職務怠慢は5割で、賠償額は5割になる(草思社、争点2)。なぜ殺された正和に半分の責任があるか明確な理由は判決文にはない。「過失相殺」と言う言葉だけ。「過失相殺」は次項(ハ)参照。【理由なく犠牲者に殺される責任を負わせるとんでもない判決。経緯をどう見ても正和落ち度(相殺の過失)はない。警察幹部・行政の圧力だけでなく、サイコ化事件裁判長などの関係者が理解できないことが背景にある。例えば逃げられたのに逃げない、また仙台にいるなどの嘘をついたことは本人の責任というような、逃げられない状況や嘘を言わされていることを理解できない裁判長。「無理やり言わされていることに、捜査に当たるものであれば気が付かなければならない」を富越裁判長は理解できないのかもしれない(前項(ⅲ)の表注*2参照)。この低いレベルの裁判長が現実にいるということである】

【サイコパスに取り込まれればほとんどの健常者は逃げることができず、逆らうことができなくなる。サイコパスが起こす戦争で、健常者が逃れられなくなるのと規模が違っていても類似のことで、とても重要なことである】

正和生存可能性は3程度なので職務怠慢は3程度。二審は11/25日に両親が銀行の防犯カメラの録画を取り寄せてほしいと捜査願を石橋署出した時に刑事が失念(忘れた)ことのみ違法性があるとした。この時に捜査を開始すれば「救出出来た可能性、生存可能性(判決では生存可能利益)は3割程度」。よって職務怠慢3割程度で、賠償額3割程度になる(草思社、寄稿三枝、争点2)。なぜ3割程度の生存可能性となるのかの理由は判決文にはない。3割については後の項(二)参照。【たとえ1割の生存可能性と分かっていても全力で救出の努力をしなければ、救出することが警察の義務なので職務怠慢になるのが常識的な考え方。ましてや正和から電話があり、生存していることが分かっているのでこの奇妙な考え方でも生存可能性は3割でなく10割である。また一審が捜査開始しなければならないとした11/1日時点を富越裁判長は無視して11/25日で3割生存可能性としているが、11/1日時点では何割の生存可能性とするのだろうか?生存可能性割合の考え方は論理的にも破綻しているので答えられないだろう。そもそも生存可能性と職務怠慢の数値的な関連性はない

判決の合計の警察の職務怠慢は①×②=0.5×0.3=15%、一審判決賠償額9600万円×0.15=1440万円。その他を考慮して賠償額を約1100万円(9600万円の12%)と算出した。すなわち警察は12%の職務怠慢という奇妙な考え方。「医療過誤『死亡慰謝料の相場』少なくとも2,000万円以上」を使って算出したかもしれない(「医療訴訟(医療過誤事件)における損害賠償額の算定基準まとめ」弁護士の総合検索サイトhttps://yourbengo.jp/iryou/415/ (閲覧2017/10/14)

判決では約1100万円の算出内訳が示されていない正和が収奪された金額が分かっているだけでも728万円で、両親はこれの返済に回っている。両親の理髪店の営業損失や正和の葬儀費用(医療過誤の目安100~150万円)など実費だけでも二審賠償額1100万円は話にならない少額。正和死亡そのものの損失利益(生涯収入―必要生活費)や慰謝料などを考慮すれば「患者が死亡した場合には1億円以上の賠償額が認められるケースもある」(同上弁護士の総合検索サイト)のであり、一審の9600万円も控えめな数値と筆者には思える。両親は金銭のために国賠訴訟を起こしたのではなく、苦しんで死んでいった正和を見殺しにした警察の職務怠慢が許せないためであるが、金銭は職務怠慢を表す指標になる。

(ハ)過失相殺:自動車事故で被害者側にも責任(過失)がある場合の考え方

判決文の最後に警察の職務怠慢責任の割合を「医療過誤」と「同様の取扱を否定すべき理由はない」と周りくどい言い方である奇妙な判決医療過誤の考え方を採用したと述べた。「医療過誤の責任割合の基準はなく」医療現場では「自動車損害賠償責任保険支払い基準が公的に示されており、目安として幅広く利用されている『医療経営からみた医療事故及び必要となる費用に関する研究』今村知明東京大学医学部付属病院企画経営部長『厚生の指標』2005年5月号第52巻第5号)。奇妙な判決の考え方は自動車損害賠償責任保険支払い基準(以下自賠責支払い基準)の考え方でもある。自賠責支払い基準の例は下記図表の通り。正和5過失に相当するのは、表右上の赤信号で横断歩道に出た場合である。正和はこの場合に相当するいかなる行為も行っていないので、二審の5の過失相殺は成立しない

図表出典:慈友行政書士事務所「過失割合と過失相殺」http://www.jiyuu-office.jp/jibaiseki/kasitu.html (2017/10/17閲覧)

 

自賠責保険の因果関係不明5責任:事故後の後遺障害や死亡に対して、被害者が元々病気を患っていたためが原因なのか事故が原因なのか不明の場合には5割加害者側の責任として取り扱う(情報元。「交通事故サポートセンター:自賠責保険のしくみと慰謝料計算方法7.因果関係不明の減額」http://www016.upp.so-net.ne.jp/solicitor-toshi/jiko-2-1jibaisekishikumi.htm (閲覧2017/10/17))。富越裁判長はこの「因果関係不明の5割責任」の考え方を採用したのかもしれない。正和病気もなく健康であり、死亡に正和側に原因はないので「果関係不明の5割責任」は当てはまらない。富越裁判長の判決の5割は自賠責保険の「因果関係不明」を無理やり当てはめて、ひねり出したアイディアかもしれない。判決には5割の根拠となる理由記載がないというとんでもない判決である。

 

注:「医療過誤」とは医療事故のうち医療機関のミス・過失で患者が損害をこうむった場合を言う。

(二)判決3割の考え方(ハ)と同様:自動車損害賠償責任保険支払い基準

(その4-60)へ続く。

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-58)警察の問題8栃木リンチ殺人事件2

2016-07-09 23:01:15 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-57)の続き。

)事件経緯と警察の対応

経緯全体を3つに分けて、(b-1)まんじゅう構造形成から事件発覚までの警察の対応、(b-2)事件発覚後の警察とマスコミの対応、(b-3)裁判での対応、とした。

b-1まんじゅう構造形成から事件発覚までの警察の対応

下記表に警察や裁判での対応を正確に把握するために時系列的に詳細をまとめた。未成年事件であるために4組の両親が係わっている。表では犠牲者正和については父、母、他は父親、母親と表現している。両親と言う表現がどの未成年に対してかは前後関係から理解してください。表の左「時期鍵」欄に時期に対応した裁判などのキーポイントを記述している。情報元を筆者がまとめて作成しているので、厳密な情報に興味のある人は情報元を見てください。情報元は前項(a)と同様の4つで( )内に略称で記す。4つの情報元に共通に記載されている内容が多いので、代表して一つだけを記していることがある。【 】内はこれまで同様筆者の見解及び戦争との関連。青文字は読みやすくしたこと、あるいは重要な内容を示す。赤文字も読みやすくしたことと、青文字以上に重要な内容を示す。

時期鍵

できごと

1997

萩原は暴走族に入り、恐喝や傷害などの事件を度々起こしていた(ペディア、全貌)

萩原は17歳の少年から100万円を脅し取り、傷害と窃盗で検挙。父親が被害者宅へ赴き、100万円を弁済し、示談で済んだ。示談のため萩原(当時17歳)の処分は保護観察のみ(全貌)【父親の苦労が分かる

1999

4月

梅沢は父親が勤めていた日産栃木工場に就職する。殺された須藤正和と同期入社。梅沢の父親はギャンブル症で暴力を振るうため1998年に離婚。梅沢は妹二人と母親に育てられていた。母親は、朝は交通指導員、昼は花店、夜は工員の働き詰めの生活(全貌)

6月

萩原は暴走族で知り合った当時無職だった村上に自分のいる鳶の会社を紹介し、鳶の会社が解雇された後の土木会社でも一緒にアルバイトをした。【萩原村上を放さない。饅頭サイコパスは取り込んだ犠牲者を決して放そうとしない】。村上は作新学園在学中に暴走族所属が判明し退学処分、ピアノ教室を開いていた母親は「息子を立ち直らせたい」と運転免許を取らせ新車ホンダ・インテグラを買い与えた。後に正和が連れまわされた車。父親は婿養子で大手製菓会社勤務。村上は運転免許取得後警備会社に就職したが勤務態度を理由に1ヵ月もたたずに解雇され無職になっていた(全貌)

梅沢は仕事帰りに交通事故を起こし会社に認められた長期休暇をとる。休暇中に暴走族に入り、村上を通して萩原と知り合い、取り込まれる。梅沢の母親が仕事で不在の自宅がたまり場になった(全貌)

9月

萩原は自分に暴力団関係の知り合いがいると梅沢に金を要求。梅沢はサラ金で借金をして20万円を萩原に渡す。その後も暴力団を恐れ2回にわたり50万円を渡す。萩原村上にも金を要求し、村上は自宅から数十万円をもちだし渡す(全貌)【梅沢村上萩原から暴力を受けていたと推察できる】

村上が「もう勘弁してください」と萩原に泣きつくと「知り合いから金の借りられそうな奴を探し出してこい」と梅沢村上に命令した。梅沢は日産の同期入社でロッカーが隣のおとなしい須藤正和に目をつける(全貌)。

9/29正和監禁開始

梅沢正和を電話でコンビニに呼び出し、萩原に紹介する正和を脅し上げ、銀行口座から7万円を引き出させた。正和を連れてパチンコや飲みに出かけ、帰寮させずに、ホテルに監禁した(全貌、リンチ)【サイコパスはまじめで抵抗しない人に寄生する傾向があるが、健常者の誰でも寄生されうる

10/4

勤務先日産から理髪店を営む父に入社以来1日も休むことなく出勤していた正和が6日間も無断欠勤が続いていると連絡が入る。社員寮からも失踪し行方も掴めない。父が携帯で連絡を取ることができこの日の夜勤に出勤した(全貌、草思社)

10/12

正和の無断欠勤は再び始まる。この2週間でサラ金や友人から借りた合計約300万 円が萩原に渡る。萩原正和に寄生して得た金をパチンコ、風俗店、居酒屋、クラブイベントなどに使っている(全貌、リンチ)。

10/14

正和の携帯からから両親に「今、東京・上野にいて帰りの電車賃を貸してくれ」と電話。不審に思いながらも5万円を銀行口座に振り込んだ。

10/17

正和から父に仙台にいる、大金を振り込めと電話。その後ろでは怪しげな笑い声が聞こえる(草思社)。【サイコパスは犠牲者が嫌がっているときに笑う】。携帯番号がいつものと違うので、掛け直したところ別の男が出て切れた。両親は、正和が再び無断欠勤していることをまだ知らなかった(草思社)

10/18捜索願放置される

1週間続いた無断欠勤を不審に思った上司が部下に尋ねると「金を貸した」と言う社員が現れた。この社員によれば正和が見知らぬ男2人と金を借り歩いており、サラ金4社から計100万円借りていることも分かった。【男2人は梅沢村上と思われる。萩原は「遠在の空気』」で2人を動かした】。事の重大さに気づいた上司は両親に連絡。上司と母は管轄の栃木県警石橋署に捜索願を出した(全貌)。正和の自宅から石橋署までは60㎞離れており、簡単に行ける距離ではない(リンチ)

10/19

父が石橋署に前日に出した捜索願のその後の様子を聞きに行くと生活安全課I巡査部長(主任)は、「金を借りているのはあんたのせがれ、悪いのはあんたのせがれだ。仲間に金を分け与えて面白おかしく遊んでいるんだろう」と対応。「警察は事件にならんと動けないんだよ」と述べた(ペディア、全貌)【の事件の兵庫県警や香川県警や桶川事件の埼玉県警と類似の対応】

県警は主犯萩原把握隠ぺい

後で分かる警察の信じがたい状況:最初に捜査依頼に来たその日のうちに、石橋署は主犯萩原の名前を特定していたが萩原父親が現職の栃木県警警部補であることから、捜査依頼は徹頭徹尾つっぱねる対応を取り、悪いのは萩原でなく正和とした(草思社、全貌)。【これは「警察の怠慢」ではなく「警察の意図的事件歪曲」であるが、担当した巡査部長がダメ署員と言うだけが原因ではなく、萩原父親が署内では信頼されていたことを示すものである。同時に正和萩原に金を渡すまんじゅう構造のメカニズム、すなわちサイコ化事件が巡査部長には理解できず、妥当な判断ができない状態】

10/22

両親は郵便局の簡易保険を解約して工面し正和が友人から借りた100万円を返済正和が電話で「お父さん、迷惑かけてごめんね。お金はあとで必ず返すからね」 と別に150万円を友人に借りていることが発覚。無断欠勤を始めた時期と一致しており、両親は事件性を確信(リンチ)

正和借金理由

正和は友人に決まって「ヤクザの車と事故って弁償しなければならない」と言って金を求め、この時に「貸せない」と言うと脇にいた萩原梅沢村上がヤクザを装って脅した。正和は言われるままである。

10/22

父が正和を捜索してほしいという3度目のお願いに行くと、巡査部長はうんざりした顔で 「またか今日はなにしに来たんだ」と言った。父が正和の背後にいる男2人の存在と莫大な借金から、監禁されているのではないかと言うと 「憶測でものを言うなあんたの息子は麻薬でもやってるのとちがうか」と言う。父は「それなら麻薬の線でもいいから捜査してほしい」と必死に訴えたが、動こうとしなかった(全貌)

各署を次々

父は石橋署ではダメと思い、宇都宮東署、宇都宮中央署、黒羽署、栃木県警本部にも捜査を懇願に行く。各署を次々と懇願したその回数は十数回にわたった。警察は最後まで一貫してまったく動かなかった(ペディア、草思社)

10/26

日産人事部から両親に正和の有給扱い休暇が期限になり、出勤督促状送付の連絡。

10/27

父が正和の友人関係に「借金していないですか?もし借金を願い出てきても絶対に貸さないように。息子が現れたら連絡ください」と電話をかけまくる。新たに同級生が31万円を貸していることが発覚。

同級生はこれから借金返済に来る正和に会うと話す。同級生は「親には絶対言わないでくれ」と正和に言われており「約束をやぶったら逆恨みが怖い」というので父は離れたところで待機した。午後9時頃、正和と3人が車でやってきた。父は遠くだったため正和を見分けることができなかったが、これが正和を見る最後になった。この時の返済は3万円のみ。同級生は正和のほほに傷があり右手に包帯がまかれていたことを父に伝えた。このころ正和は既に体中に火傷をしており、その火傷跡に包帯がまかれていた(全貌)

10/28

両親は居場所を探して梅沢の自宅に電話を入れる。梅沢の母親は「梅沢は10/5日以降、正和とは会っていないと言っている」と話した。父は梅沢正和が勤める日産人事課に電話を入れ二人が会っているか確認すると梅沢正和が会っていたことが判明し梅沢が母親にうそを言っていることが分かる。【警察が頼りにならないので父は自力で懸命に正和を捜索している

10/29

日産人事課は梅沢と母親を呼び出して聞き取り調査を行ったが、梅沢は知らぬ存ぜぬで、それ以上聞けずに帰す。この頃新たに借金発覚、10/26に日産同僚から200万円、帝京大学生2人から20万円。帝京大学生と正和は面識がなかったが「もう借金を頼むあてがない」という正和村上が紹介して、借りさせた。

11月

11月に入ると両親正和捜索と共に借金を返済し謝罪する毎日

11/1署員状況把握

石橋署員は正和の同僚2人から萩原梅沢村上に脅されるような形で金を貸すことになったことや、犯人は萩原らであり、正和の借金の申出は萩原らにやらされているであろうこと、その際、正和の顔全体が腫れ上がってけがをしていたこと等について聴取した。(草思社、争点2) 一審判決はこの時点で捜査を開始すれば正和は殺されなかった警察の職務怠慢を判断する場面

11/2

31万円を貸した同級生の父親から両親へ、正和から新たな借金の申し出と連絡が来た。同級生は父親から通帳と印鑑を取り上げられていたので正和に金を貸すことができなかったが、取りに来た3人の車のナンバーを父親が控えて、正和の父に渡した。10/27日に正和が乗っていた車のナンバーと同じだった。

父は石橋署に、車の割り出しを願い出て行われ、持ち主は村上であった(全貌)父は監禁しているのは、梅沢村上ともう一人であることまで突き止めたことを伝え、再び捜索を訴えたが「逃げない正和が悪い」と対応した(リンチ)。【正和は逃げられる精神状態ではないことが、署員には理解できない

11/2?両親自力で捜査

警察が動かないので両親は村上の車と分かるとすぐに村上自宅へ行った。不在だったが探していた車はなく親と同居していることも分かり「親と同居だと、ここは監禁場所ではない」と判断した(リンチ)

日産栃木工場へ行き、捜索の法的処置のために会社の弁護士を紹介してもらい、その助言で県警本部総合相談窓口を訪れるが解決のための具体案は見つからなかった(リンチ)。【相談窓口は一般的にはサイコ化事件を理解することができず、解決策が提示されることはない】

11/9

あらためて石橋署へ捜査を依頼する。いつものI巡査部長は不在で、別の警官が「事件にならないと動けない」と対応(リンチ)【巡査部長は居留守を使い、別の警官に追い返えさせた?フォローがないのがその証拠】

11/11夜

31万円とは別の同級生が金を返してもらってないと正和の自宅へ来た。その同級生が正和に貸した金額は消費者金融から65万円、自分の預金通帳から35万円の計100万円(リンチ)

11/12

母が正和の携帯に掛けると、いつもは留守電機能だが正和が出た。正和は「何?何の用」といらだったような口ぶり、それまでにないような反抗的で、なんの質問にも答えなかった。母が「昨夜訪れた同級生から借りた分は自分達が返しといてやるから、迷惑かけたことは先方のお父さんに謝るように」と話したが、返事はなく電話は切れた。直後にその同級生から母に電話が入る。正和から同級生に電話があり、電話が男に替わると暴力団の名前をちらつかされ脅された。同級生の父親が電話を替わり激しい口調で「あんたは梅沢か、それとも村上か。ふざけるのもいいかげんにしろよ」と言うと先程までの凄みが消え、おとなしく電話を切ったと言う。(リンチ)

11/18

駐車違反で村上が宇都宮東署へ出頭。村上正和のことで逮捕されると思って「なぜ逮捕しないんですか」と尋ねたが、警察官は「なぜ逮捕するの」と聞き返した、と後に村上が話した。村上の父親が、家出状態村上捜索願の相談で村上の写真を宇都宮東署に預けていたが署員は気が付かない【村上正和と類似の失踪状態

11/21夜

正和は友人や同僚に金を借りるのをやめ、両親に金を無心するようになる。この時は「今仙台にいて前にお金を借りた人に返済したいから30万振りこんでくれ」との電話。両親は正和に「金は振り込むから、姿を見せろ」と、正和は「それはできない」と聞かなかった。30万を正和の口座に振り込む。どこで引き落とされるかを調べるよう銀行に依頼したところ、仙台ではなく東京の丸の内支店(リンチ)【父は必死に捜索している】

11/23夜

再び両親に金の無心の電話。この時は”高島良男”と名乗る男が変わり金を要求したが、両親は「梅沢くんだな?」と言ったところ切れた。その後も何度も電話はかかってきた。もはや振り込む金がなく電話に出れば、払う言われのない金を催促されるとわかっているので両親は出なかった。正和からの電話は深夜になっても切れなかった。両親は電話のモジュラージャックを抜いて就寝した(リンチ)

11/24朝

電話のモジュラージャックをつなげると同時に電話が鳴った。正和から「お願い。これが最後だから。だから30万振りこんで」。母は、金は用意できないと答えた。「だったら20万でいい。20万でいいから」「それならね、お金はなんとか用意するから、その前に会社に退職届を出しなさい。郵送で構わないから。そうすればお金を振り込んであげる」母はそう言って電話を切った。日産は有給休暇を過ぎても出勤してこないので退職勧告を出していた。その後、母は20万円を振り込んだ(リンチ)

11/25午前

正和から電話。「昨日、30万と言ったでしょ。20万しか入ってないじゃない。借金を綺麗に返して帰りたいから、あと10万、それから家に帰るための5万、計15万円を振り込んでよ」。母は仙台ではなく都内にいることは知っていたが、”家に帰りたい”という言葉を信じて振りこんだ。この4日間で両親が振り込んだ金額65万円になった(リンチ)

11/25夕方

防犯カメラ録画警察無視

振りこんだ足利銀行東京支店支店長から電話があり、今回も丸の内支店で引き出しており、防犯カメラによると正和本人が来ていたことがわかった。顔をかくすようにフードを深くかぶっていたが、一見してわかる火傷のような跡があったことも知らされた。「かなりひどい火傷のようです。どうなさいますか、差し出がましいかもしれませんが、ここは警察にお願いしては・・・。防犯カメラの画像は鮮明ではないが、証拠にはなる。警察に相談してください、いつでも資料として提供する」支店長はそう言った。さらにカメラに第3の男萩原が映っていた(ペディア他)

両親は証拠として銀行の防犯カメラの録画を取り寄せるよう石橋署に訴えたが、「裁判所の許可もないのにそんなことできない」と再び突き放した。裁判の許可は捜査令状のことと思われるが、銀行関係者は令状がなくても任意の提出に応じた可能性があった(ペディア。草思社の「特別寄稿:須藤光男、編集部注」)【署員はほとんど素人の対応】この後、母が録画に基づく捜査願を再び提出したが、石橋署刑事がこの提出を失念忘れた二審判決はこの時点で捜査を開始すれば3割の生存可能性」なので警察の職務怠慢は3とする場面

11/26

両親は防犯カメラの映像を証拠とした法的手段のために以前会った会社の弁護士に会いに行くが不在。知り合いの町議に紹介された弁護士に相談「正和が出てこないことには話は前に進まない」との話(リンチ)

正和の同僚から電話。新たな借金211万円が発覚。両親はすでに借金返済で、手元にお金がない(リンチ)

正和から「また15万円振り込んで欲しい」と電話が入る。正和萩原に会ってから殺されるまでの約2カ月で計728万円萩原に渡していた。お金がない父は電話のモジュラージャックをひき抜いた。思案に尽きた両親は石橋警察署に電話をし、生活安全課では埒があかないと、刑事課につないでもらった。「事件にならないと動けないが、村上の親が捜索願を出せば、事件として扱えるかもしれない」と捜査可能性を示唆した。藁をもつかむ思いでこの日のうちに両親は梅沢村上の親に捜索願を出してもらおうと連絡をとった。

11/30

巡査部長が電話で「警察だ!」と怒鳴り、殺害決意

両親は梅沢村上両親に協力を仰ぐ為、梅沢の母親、村上の両親とファミリーレストランで会い、分かっている詳細を話し、心境は怒りや恨みではなく、正和を連れ戻したい一心と頭を下げて協力を求めた。村上の父親が話を聞いて、もう一人は萩原ではないかと話し、初めて萩原の素性が明らかになる。村上の父親によると、自分達でも宇都宮署に捜索願を出したが、受理されなかったと言う。村上は家を出っぱなしになっていても2週間や10日に1回は帰ってきていたので、家出人に当らないと判断された。梅沢の母親も捜索願を出したが同じような理由で受理されなかったと話した。父は梅沢村上の親にもう一度捜索願を出すようにお願いした。正和の父は梅沢村上の親に協力の同意を得て、その足で、宇都宮東署へ向かった。だが正和捜索願を石橋署に出していると話すと、それなら石橋署が担当と断られた。その為3家族は石橋署に行ったが、I巡査部長はこれまで同様迷惑そうに話を聞くだけの対応で動こうしなかったが、3人に押されて村上車だけはどこにあるか手配するとした。

丁度この時、正和から金の無心の電話が父に入った。母が父の友人を装って、I巡査部長に電話を変ってもらうように提案した。友人を演じることで、正和今どんな酷い緊張した状態かを分かってもらおうとした考えたためだった。父が「お父さんの友人がいるから」と替わるとI巡査部長は「正和か。みんなに迷惑をかけちゃだめじゃないか」と怒鳴った。正和が別の男と替わり、その男が「あんた誰だ」と尋ねてくると巡査部長が「誰だと?石橋の警察だ!」と怒鳴った瞬間、電話は切れ、巡査部長は「あっ切れちゃった」と携帯電話を両親に返した(ペディア他)。萩原はこの返事で警察が動いていることを知り、「事件が発覚しそうだから殺して埋めてしまおう」と正和殺害を決意した(刑事裁判での萩原証言。草思社、争点2))。【警察官には「警察だ!」と言えば相手は恐れ入ると思う者がいるが、健常者には有効でもサイコパスには有効ではない。前の項「(c)第1香川県警察における対応状況等*6(c-2)警察官は「警察だ」と言えば相手は恐れ入って静かになると誤解」を参照】

12/1

萩原は鬼怒川河川敷に梅沢村上を集めると、正和をどうするか「明日までに決めておけ」と言った(リンチ)。

12/2

正和殺害。殺害状況は前項「(a)栃木事件概要」参照。証拠隠滅後4人は宇都宮市内のホテルに泊まった。そこで梅沢正和殺害の再現をしているときに勃起し射精する。萩原は「15年逃げ切れば時効になる」と言ってビールで乾杯しホテルの前で『追悼花火大会』と称して遊ぶ(ペディア、全貌、リンチ)

12/3

正和が生きている様に見せかける為、正和の携帯から両親に電話をかけ、梅沢が鼻をつまみ、短いやり取りを交わした。この日、正和の両親と梅沢の母親が萩原宅を正和の失踪先を知っているのではないか訪れた。梅沢の母親は協力的だった。萩原の父親は「たしかにうちの子は悪い。殺してやろうかとも思った」と言い、正和の両親が警察への提出書類を見せると「なるほど。事件になったら、さぞかし役に立つでしょうな」と話した(全貌)。【サイコパスの父で警察官と言う苦悩を示し、追い詰められた気の毒な状態ではないかと推察する。母親も同様】

12/4

4人は車に正和の指紋があるからとナンバープレートを取り、破壊して塗装をして鬼怒川ダム湖に放置した後それぞれ分かれた。萩原は自宅に帰り、ガールフレンドを呼び寄せ両親と4人で夕食を取る。萩原の父親は、正和失踪に自分の息子が係わっていることを正和の両親が前日自宅に来たことから知っていたが息子になにも問わなかった。

港区の自宅に戻った高校生Dが母親に事件のことを打ち明け、三田署に自首、事件発覚。【筆者は、Dはサイコ化の軽い段階の真白前期であったため、萩原から離れて自宅に戻ったことで呪縛解放し、次は自分が殺されると感じて母親に話すことができたと思われる。梅沢村上疑似サイコ後期/前期に至って、自首が困難だったと推察する】

12/5

萩原、梅沢、村上逮捕。

(その4-59)へ続く

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-57)警察の問題7栃木リンチ殺人事件1

2016-07-09 23:01:10 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その56)の続き。

(L-5)例15栃木事件(栃木リンチ殺人事件:栃木監禁殺人事件)と警察対応

警察の対応の項目であるが、重要なサイコ化事件なので例15として事件全体をまとめている。

の事件の兵庫県や香川県警の署員はまじめに対応しようとしたが、サイコ化事件が、何が何だかわからないために、多くの問題を次々起こし、「警察が警察を調査」したためその問題点を虚偽言い訳言い換えで取り繕うことになった。処分者は一人も出さない。一方栃木事件では被害者両親が警察を職務怠慢で起訴したため裁判で警察の怠慢が調査された。宇都宮地裁柴田裁判長は栃木県警石橋署員の供述を「全く信用できない」と退け、警察の虚偽証言を断罪し、職務怠慢を認めた。もしの事件の警察の職務怠慢が裁判で問われれば兵庫県警と香川県警の調査結果の多くは「全く信用できない」と断罪されたはずである。また栃木県警は殺された須藤正和を暴走族の一員らしいと嘘の公表をした。暴走族間のトラブルで殺されたと全く事実と異なるマスコミ操作を行った。暴走族では殺されても仕方がないと言わんばかりの情報を流し、殺されるのを止められなかった警察への風当たりを弱め、責任回避を図った。これらの嘘は裁判で暴かれた。暴走族同士のケンカでリンチが行われたと誤った報道がされリンチ殺人事件となって報道されたが、実態はまんじゅうサイコパスによる監禁殺人事件サイコ化事件である。また、主犯のサイコパス萩原は、幼少のころから他の子供をいじめ、池に落とすなどを行っており、近所の飼い犬を蹴り上げるなどの動物虐待も行っている。そのたびに父親は頭を下げて謝りに回る。サイコパスの子供を持つ両親のどうすることもできない深い悲しみをこの事件は浮かび上がらせてもいる。

(aサイコ化事件としての栃木事件の全体像

例11「女子高生コンクリート詰め殺人事件」と似た友人関係の閉鎖環境の事件。16~19歳の若いまんじゅう構造であることや火傷をさせるところなど虐待に類似性がある。例11の外部犠牲者高校3年吉田順子さん18歳は拉致されて41日(約1.5カ月)で虐殺されが、栃木事件の外部犠牲者日産自動車社員須藤正和さん(以下正和)19歳は約2カ月で虐殺され、期間が短いのも共通する。例11の詳細は本シリーズ(その4-5)参照。

主犯はサイコパス萩原19歳。萩原に取り込まれまんじゅう構造を形成し虐待する側になった内部犠牲者は日産自動車社員の梅沢19歳、当時無職の村上19歳、後に高校1年D16歳が加わり3人。萩原は始め暴力装置としてや例12のサイコパス三上静男と同様に暴力団関係者を使った。始めは梅沢村上が金を奪われるなど虐待を受けていたが、金がなくなった梅沢が日産の同期入社の正和をコンビニで萩原に合わせると、正和が虐待対象になり、正和はまんじゅう構造の最下層の外部犠牲者になった。

正和への虐待は、連日の手加減なしの殴る蹴るのほか、「熱湯コマーシャル」と称して90度以上に沸騰したポットの熱湯や風呂場へ連れて行き最高温度にしたシャワーを全身に浴びせる、「火炎放射器」と称して殺虫スプレーにライターで火をつけ浴びせかけるなどが火傷跡を狙って繰り返された。火傷でただれた跡を長い靴ベラで殴ることも行われた。【正和は痛さで悲鳴を上げていたであろう】。煙草の火を押付ける「根性焼き」も頻繁に行われた。【痛さと恐怖で叫びまわる姿にサイコパス萩原はにやにやと笑いながらほれほれもっと怖がれと快感を味わっていたと筆者は推察する。が裸の初代を壁際に立たせ、食器類を次々と投げつけて割り、怖がり叫ぶ初代を、笑いながらほれほれもっと怖がれと快感を得ていたのと類似である。しばらくすると萩原は傍にいるだけで、梅沢村上に虐待を行わせるようになっていたに違いない】。萩原正和が抵抗すると殴り続けた。萩原は精液を無理矢理飲ませたが、次の(ⅲ)で述べるようにサイコパスは残虐行為の最中に勃起し射精するものがいる。正和は一度逃げたが直ぐに捕まり、激しい虐待を受け二度と逃げることはなかった。正和は坊主にされ、眉毛もない状態。【毛は焼けてなかったのかもしれない】。死因はひもで首を絞められた絞殺であるが、肌は焼けただれ、顔ははれあがり、全身の8割が重度(3度以上)のやけどで、全身打撲もあり、絞殺で死ななくても、司法解剖した法医学者は「そのまま放置しておいても死亡していたに違いないほど衰弱していた」と語った。

殺害時の様子:車で山林に行き正和が見ている前で穴を掘り、服を脱ぐよう命令し全裸で地面に正座させ後、梅沢村上が両側に立ちネクタイを正和の首に巻き両側から引っ張った。正和は失禁し、血を吐き、うつ伏せに倒れこみ、村上は怖くなり、持っていたネクタイを放してしまうが、梅沢がそれを持ち、背後から首を絞めつけ殺害した。その後穴に落とし込み、コンクリートを流し込んで埋めている。この時萩原は少し離れた車の中で音楽を聴いておりその場にいない。高校生Dは萩原らが車から出る時に車の中の正和の見張り役や穴を掘る手伝いなど小間使いに使われていた。

上記は次の4情報元を筆者がまとめたもの。この情報元は以下の項目でも使うので、情報元略称を赤文字で示しておく。

情報元:①ウィキペディア『栃木リンチ殺人事件』(以下ペディア)、②『栃木リンチ殺人事件トップページ - 草思社栃木リンチ殺人事件の真実』(以下草思社)http://www.soshisha.com/book_wadai/38tochigi/outline.html、③『栃木リンチ殺人事件の全貌【萩原克彦・梅沢昭博・村上博紀】』(以下全貌)https://matome.naver.jp/odai/2139571138891307501。④『栃木・リンチ殺人』(以下リンチ)http://yabusaka.moo.jp/sudou.htm (いずれも閲覧2017/9/1~30)

(ⅰ)まんじゅう構造

下記表は形成されたまんじゅう構造。

基本構造

基本構造内容

具体的なまんじゅう構造と確定判決、年齢は事件当時

中心のアン

サイコパス

萩原克彦19歳(反社会性人格障害との合併サイコパス?):無期懲役

暴力装置

暴力団関係者。ポット90℃以上の熱水、最高温シャワーの熱水。殺虫スプレーの火炎放射器。ホテルの部屋(監禁)。正和を移動した車、長い靴ベラなど

まんじゅうの皮

(健常者がサイコパス化したもの、内部犠牲者)

疑似サイコ後期

梅沢昭博19歳(反社会性人格障害が有?):無期懲役

疑似サイコ前期

村上博紀19歳(反社会性人格障害が有?):懲役5年以上10年以下の不定期刑

真白後期

須藤正和は虐殺される頃までには、この段階に至ったと考えられる

真白前期

後に加わった高校1年D16歳:少年院送致

外部犠牲者

須藤正和19歳:虐殺された

(ⅱ)萩原のまんじゅうサイコパスとしての特徴

 主犯萩原克彦は次のようなサイコパスとしての特徴がある。

 遠在の空気』を使い正和を殺す萩原は鬼怒川河川敷に梅沢村上を集めると、正和をどうするか「明日までに決めておけ」と言って帰った。二人に正和を殺すことを決めさせ、二人に正和殺させた萩原は近くの車の中で、音楽を聴いており殺害現場にはいない。これは例13北九州監禁殺人の松永が親族3人に恵理子をどうするか「今から寝るから、一家で結論を出し、起きるまでに終わらしておけ」と親族に殺すことを決めさせ、実行させるのと類似。松永は恵理子殺害現場にいない。本シリーズ(その4-8)「(E)第4の殺人:緒方恵理子33歳」参照。が橋本久芳を殺す時も類似で、久芳が沖縄万座毛で飛び降りさせるのはマサなどで、はホテルにいて殺害現場にいない。久芳殺害は本シリーズ(その4-17)参照。

正和への虐待を「楽しかった」と話す萩原は裁判中に虐待の際の正和の様子を見てどう思ったかと言う質問に「楽しかった」と応えた。例11「女子高生コンクリート詰め殺人事件」のサイコパス小倉は刑期を終え出所後、事件を振り返り「アレはマジで楽しかったなあ」と話した。【サイコパスは犠牲者を虐待している間、逆転快ドーパミンを味わっているため、楽しいと感じる。残虐行為を行っているときにサイコパスが笑うのは、この「楽しさ」を味わっているため健常者は残虐行為に嫌悪しか感じず、サイコパスのこの「楽しさ」を想像することもできない。サイコパスは「快感・楽しさ」が健常者とは逆転している

③幼少期の特徴:幼稚園時:他の園児に無理やり草を食べさせる、池に突き落とす。小学生時:近所の飼い犬に石を投げる、蹴飛ばす(動物虐待)。謝罪してまわるのは決まって父親。父親は警察官。母親の方は近所じゅうに萩原のトラブルが知れ渡っても、一度としてそれを信用しようとしなかった(情報元:全貌他)。【母親は萩原の行為が、何が何だかわからず、その結果として対応できなくなり、トラブルそのものをなかったこととして無視したと思われる。サイコ化事件に対応した警察官が、何が何だかわからずに対応できず無視するのと類似】

(ⅲ)疑似サイコパス後期梅沢はサイコパスと変わらない:残虐行為で勃起し射精する

この項は気持ち悪い内容を含みます。サイコパスを把握するのに、どうしても必要なのであらかじめご了承ください。

正和を虐殺した夜、4人は宇都宮市内のホテルに宿泊した。殺害を見ていなかった萩原は「どんな風にやったんだ」と梅沢に殺した時の再現をさせた梅沢は再現している最中に勃起し射精している(情報元:リンチ)。残虐行為の最中に勃起し射精するのはサイコパスの特徴的現象

例5「神戸連続児童殺傷(酒鬼薔薇聖斗)事件の少年Aは次の残虐行為の最中に性器に触れることなく射精している。

・切り刻んだ猫の頭にレンガを置き、上から踏み潰し、脳が出てぐちゃぐちゃになったとき。

・淳君の首を切断したとき

・淳君の両目にナイフを十字に刺し、口を耳まで裂いた頭部を風呂場で洗ったとき「首を洗った時も興奮して勃起し、淳君の髪の毛にクシを入れながら射精した」

・淳君の頭部を学校の正門に置き5、6分ほど眺めていたとき「性器に何の刺激も与えてないのに、何回もイッてました」

大阪姉妹殺害事件2005年の犯人山地悠紀夫は16歳の時に金属バットで母親を滅多打ちにして殺害した時に射精している。

本シリーズ(その2)で述べたテッド・バンディ(Theodore Robert Bundy =Ted Bundy)は女性を切り刻んだ時に勃起し、切断した女性の頭部の口の中に射精している。また、女性の頭を万力でつぶしているが、少年Aが猫の頭をつぶして脳が出てぐちゃぐちゃになった時に射精をしたように、テッド・バンディも女性の脳が出てぐちゃぐちゃになった頭を見ながら射精をしていたと推察される。

15人の男性を殺害したD.ニルセン(Dennis Andrew Nilsen)は男性死体を床下に隠し、時々床を剥がして取り出しては興奮を味わい、腐敗が進み、蛆が湧くまで肛門性交を繰り返し射精している。

これらは偏桃体が機能を停止し、偏桃体から残虐を避ける指令がないために、残虐行為から逃れた安堵の時のドーパミンが、残虐行為の最中に放出(逆転快ドーパミン放出)されてしまうことから生じている生存欲求や性欲、食欲などの本能の中枢である偏桃体が機能停止したことと相まって逆転快ドーパミンの作用で上記の性欲障害の現象を起こす梅沢の例で重要なことは疑似サイコパス後期に至ると性欲がサイコパスと変わらない障害を起こすことである。サイコパスの女性も男性と変わらない障害を持っている。サイコパスは残虐依存症、残虐中毒としての側面を持つ。ジークムント・フロイトはサイコパスの残虐性を勃起し射精するため、性欲からくるものとし、残虐欲求は人間ならだれでも潜在意識にあるとする根本的な誤りに陥った。健常者にはこのような残虐欲求(逆転欲求)はない。以上は本シリーズ(その4-4)「6)サイコパスの性的サディズム論の誤り(b)サイコパスの快感は性欲とは別物」参照。尚、フロイトは健常者の連想試験(思いつくことを次々連想させる)で常に性欲に行きつくことなどからも性欲を潜在意識の欲求の根源とする誤りに至っている。これは被試験者が試験時には安全欲求、食欲、睡眠欲などが満たされているので表面化せずに、相対的に欠乏していた性欲が表面化しただけのこと。これについては後の項「経営とサイコパス」でも触れる。

下画像左は萩原克彦、その右は梅沢昭博、その右は村上博紀、右端は虐殺された須藤正和さん。「正和さんはまじめで穏やか、非常に優しい性格だったと周りの人が口を揃える」(草思社)。左3人は事件当時19歳の未成年だったが、重罪の刑事事件として有罪になっているので掲載する。問題が生ずれば削除する。

画像出典左の3画僧:栃木リンチ殺人事件の全貌【萩原克彦・梅沢昭博・村上博紀】元の出典personalsite.liuhui-inter.net。https://matome.naver.jp/odai/2139571138891307501 (閲覧2017/9/2)画像出典右端:栃木リンチ殺人、捜査の不手際と殺害の因果関係認定https://ameblo.jp/iero01/entry-10011230442.html (閲覧2017/9/2)

(ⅳ)サイコパス萩原のサイコ寄生区分

サイコ寄生区分で萩原の行動を下記表の通り区分できる。後の項「(b)事件経緯と警察の対応の経緯」に基づく。萩原は1999年9/29日に正和を監禁するとサイコ寄生後期に移行しはじめ。金品の略奪残虐行為を並行して行う

萩原のサイコ寄生区分

~1997年~1999年

1999年9/29日

1999年12/2正和虐殺

サイコ寄生前期略奪寄生

サイコ寄生後期残虐寄生

取込期

甘い言葉とカラ理由で離さない

略奪期

金品財産あらゆるものを奪いとる

残虐期

心の破壊サイコ化及び肉体などあらゆる物的な破壊

犠牲者の状況

17歳の少年、梅沢村上が金を萩原に吸い取られ、逃げられない。まんじゅう構造形成

正和がまんじゅう構造の最下層に取り込まれ、金を吸い取られるとともに、激しい虐待を受け死亡

サイコ寄生区分については本シリーズ(4-35)「(J-1)(a)サイコサイクルをサイコ寄生区分で分析する:略奪寄生と残虐寄生」参照

(ⅳ)警察官の父親でもサイコパスの息子はしつけることができない

萩原父親栃木県警捜査1課外国人犯罪対策室にいたこともある、事件当時は交通課警部補の警察官。マスコミは警察官でありながら息子萩原の犯罪を止められなかったことを非難する。萩原の幼少期や青年期の他者への虐待や動物虐待などの苦情や非難に対し、父親はその都度何回も何回も謝罪して回っている萩原は鳶の会社に就職したが、入社初日に「祖父が危篤だ」との嘘で早退。その後もつまらない嘘の理由で早退と無断欠勤を繰り返す【サイコパスの嘘をつく特徴が出ている】。社長が解雇をしようとすると、母親が訪れ「今度こそ真面目にやりますから」と頭を下げて慰留することが繰り返されたが、解雇された。【筆者は、両親萩原常識的な行動をするようあらゆる手を子供のころから打った、おそらく叩いてしつけようとした時もあったと思われるが、全く効果がなく、何が何だかわからず、お手上げの状態になっていたと推察する。例5「神戸連続児童殺傷(酒鬼薔薇聖斗)事件」の少年Aの母親は、幼少期に2人の弟を虐待するなどの少年Aの異常な行動を、言っても止めないのでやむを得ず叩くことがあった。それでも止むことはなかったのと同じ状況に萩原の両親はある。警察官だからサイコパスの息子の残虐行為を止められるというようなものではない】。正和を虐殺した後に自宅に戻った萩原はガールフレンドを呼び寄せ、両親と4人で夕食をとった。父親は息子萩原正和失踪に関わっていることを、前日に正和の両親と梅沢の母親が失踪先を知っているはずと尋ねに来ているので知っていた。しかし萩原父親はこの夕食の時に息子萩原になにも問わなかった。前日に尋ねてきた正和の両親と梅沢の母親に萩原父親は「たしかにうちの子は悪い。殺してやろうかとも思った」と話していた。【警察官の父親はもはや息子萩原をどうにかできるような状況にないことを示している。筆者は警察官の父親深い悲しみは、殺された正和さんの父とは別のサイコパスの息子をどうすることもできない悲しみであるように思う】。父親は事件発覚後警察官を辞職した。

大阪姉妹殺害事件の山地悠紀夫が理由なく金属バットで母親を滅多打ちにしたように、例2会津若松母親殺害事件の少年17歳が理由なく母親の首を切断したように、サイコパスに両親の思いが通じることはなく、逆に殺す。また、肉体的に両親を殺すだけでなく、両親の思いを裏切り、両親の心を破壊することに快感を得ているサイコパスが存在すると考えられる。これは反抗期と称するレベルとは全く違う次元の、はるかに強烈なものである。

映画『エスター:(2009、米国、原題:Orphan孤児):養女として受け入れた少女9歳がサイコパス特性を持つ。里親となった両親は愛情を注いで育てるが、その愛情は少女エスターには届かず、逆に里親から虐待を受けていると嘘を言って困らせ、じわじわと里親家族を破壊する。栃木事件の萩原の両親の愛情が萩原届かないように、例5「神戸連続児童殺傷(酒鬼薔薇聖斗)事件」少年Aの両親の愛情が少年Aに届かないように、映画『エスター』の里親両親の愛情は届かず、悲しい残酷な現実に向き合わざるを得なくなる。下の画像左はエスター、画像右はエスターを受け入れた里親家族4人と手前にエスターがいる。エスターは里親の子供を分からないように殺そうとする。最後は意外な展開。尚、少年Aはエスターのように母から虐待を受けていると嘘をつき、それを真に受けた精神科医が、少年Aの残虐性は幼少期に受けた母の虐待が原因と誤った診断をしたため、その後の更生計画が的外れになった。少年Aについては後の項「1.24元少年A更生の失敗と『絶歌』:元少年Aへの呼びかけ」参照

 

画像出典左:2017-07-18めちゃくちゃ怖い!おすすめホラー映画 厳選30作【洋画・邦画】出典:©︎エスターhttp://www.pony-iroha.com/entry/2017/06/18/211833 (2017/10/14)画像出典右:Filmgoer Orpolapsi ei ole sitä miltä näyttää kutkuttavassa, vaikkei järin omaperäisessä kauhuelokuvassa. Aleksi Salonen  Vera Farmiga, Peter Sarsgaard, Isabelle Fuhrman, Jimmyhttp://www.filmgoer.fi/new/dvd-blu-ray/ottolapsi (2017/10/14)

 (ⅴ)サイコパスが健常者を殺したのか、健常者がサイコパスを殺したのかその場だけを見ただけではわからないことがある

警察官の父親萩原を「殺してやろうかとも思った」と述べたが、いずれ本当に殺したかもしれない。健常者の父親サイコパスの息子を思い余って殺したのか父親サイコパスで健常者の息子が正当防衛父親を殺したのかなどサイコパスが係わる殺人は、殺害の瞬間だけからは分からないことがある。それまでの経緯を観て初めて分かる。もし警察官の父親が息子萩原を殺せば、これまでの経緯から健常者がサイコパスを殺したケースになる。量刑や治療刑の判断もサイコパスを殺した健常者か、健常者を殺したサイコパスか、を判定しなければならない。筆者の考え方は、殺人者がサイコパスならば治療刑、健常者ならば呪縛解放を兼ねた講習受講と執行猶予刑が原則になる。本シリーズ(その4-43)「(K-4) (a)筆者の判決の考え方」及び「(b)筆者のサイコ化事件の量刑の考え方」参照。

(その4-58)へ続く。

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