(その4-70)の続き
(b-3)類型:饅頭サイコ:6件:逆転共同社会感情欲求が強い。サイコは共同社会を作る人々の中にいることが苦痛であるばかりか、共同社会を破壊して、サイコだらけの饅頭構造に作り替えようとする。取り込まれた犠牲者はサイコ化し、饅頭構造の一部になる。サイコは饅頭構造により徹底した残虐性を実行する。その実行は平和時には閉鎖環境の監禁状態の中で行い、犠牲者を監禁状態にできない条件下ではストーカー化することが見られる。
区分 |
事件名と事件注目点 |
サイコ犯罪としての特徴内容:右欄は事件の詳細記述の本シリーズの対応項目 |
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監禁 逆転共同社会感情欲求が強い |
残虐寄生 |
例11「女子高生コンクリート詰め殺人事件1988小倉ら逮捕 少年のため公開情報が少なく内部犠牲者のサイコ化過程は明確でない |
サイコ小倉17歳、暴力装置宮野18歳他4人以上の饅頭構造。外部犠牲者女高生17歳を監禁、虐殺。トイレに行かせず尿を飲ませ、ゴキブリを食べさせた。顔にマジックペンでいたずら書き。陰部や肛門に鉄棒や瓶を挿入し、刺し込んだまま瓶を割る。激しい殴打で目の位置がわからなくなるほど顔が膨れ上がると小倉は「なんだお前でっけえ顔になったな」と笑う。遺体の状態:顔や性器、肛門は破壊されて原型を留めていない:鼻には血が詰まり、口でしか呼吸ができない状態:陰部には栄養ドリンクの小瓶が2個差し込まれたまま:乳房には縫い針が複数本刺ささり、片方の乳頭(乳首)はペンチのようなもので潰されていた:手足は火傷と炎症で体液が漏れ出し、歯茎にまともに付いている歯は一本もない:51キロあった体重は30キロ台:脳が委縮していた。刑期終了後小倉は「アレはマジで楽しかったなあ」と話し再び監禁事件を起こした。この犠牲者は報復を恐れ裁判で証言できず |
その4-6 「5)監禁」 |
略奪寄生と残虐寄生 |
例12「映画『凶悪』原作、三上静男事件2006逮捕 内部犠牲者の位置に暴力団組員全員が組み込まれた饅頭構造 |
サイコ三上は略奪寄生(土地家屋奪取や保険金殺人)と残虐寄生(虐待・虐殺)を繰り返した。暴力団組長後藤良次を暴力装置とした饅頭構造による一連の事件。多くの外部犠牲者を出し、虐待は主に三上静男の事務所やアパートの部屋の閉鎖環境で行われた。犠牲者大塚某は身体を解体され焼却され、倉浪は生埋めにされた。後藤良次の組員全体で饅頭の皮になって、饅頭構造と暴力団の組としての2重の構造になっている。また、周囲に寄生的生活を支える土地利権や保険金利権に群がるように人が係っている。原作にある14件のうち裁判になったのはカーテン屋保険金殺人の1件だけ。三上はハトなどに動物虐待 |
その4-7 「5)監禁」及び (その5)(その6)(その7) |
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例13北九州監禁殺人事件2002松永41歳逮捕 生き延びた2名の内部犠牲者の証言でサイコ化過程が明確 |
16年以上略奪寄生と残虐寄生が繰り返された。饅頭内部でサイコ化が進み親子間、夫婦間、姉弟間で殺し合わせ7人が虐殺された。サイコ化した犠牲者にノコギリで首を切断させ、頭の皮をはぎ、脳を取り出させ、身体を解体させた。松永の会社の社員6人以上が通電虐待を受け、自殺教唆1人以上、結婚詐欺25人以上など41人以上が犠牲。松永は小学校時代オール5の「成績優秀」で中学2年の弁論大会では3年生を負かし、先生は議論ではかなわない。「弁が立ち」「頭の回転がいい」松永型サイコパス。 |
その4-7~その4-12まで |
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例14尼崎監禁殺人事件2011角63歳逮捕 直系と傍系の重層饅頭構造を平和時に作った貴重な例 |
角は人生のほぼすべてを略奪寄生と残虐寄生に費やした。10家族以上が犠牲、内7家族が破壊された。親子間、夫婦間、兄弟間、親族間で殺し合わせ、自殺させた。12人以上が殺され、その内サイコ化した子供が母を殺したと考えられるのが5人。角は50代で残虐の円熟期に入り直系と傍系の重層饅頭構造を作る。兵庫、香川県警はサイコ犯罪が理解できず対応できていない。角は逮捕後首吊り自殺。【サイコは人を殺すが自分も簡単に死ぬ】 |
その4-13 ~その4-56 |
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例15栃木事件(栃木リンチ殺人事件)1999萩原19歳逮捕 サイコ犯罪に対する警察の職務怠慢を認めた1審判決犯罪史上重要な裁判 |
萩原は暴力団を使い、梅沢、村上の2人を虐待し金を略奪。2人は饅頭構造に取り込まれサイコ化。犠牲者正和は連日の殴る蹴るのほか、「熱湯コマーシャル」と称し沸騰したポット湯などを全身に浴びせられ、「火炎放射器」と称し殺虫スプレーに火をつけた炎で焼かれる。全身の8割が重度の火傷。火傷跡を長い靴ベラで殴られる。一度逃走に失敗、さらに激しく虐待受け、二度と逃走せず。正和は金を根こそぎ奪われ、友人や両親から再三金を工面したが、最後は絞殺され埋められた。正和の異常に気が付いた両親が埼玉県警に救出を訴えたが、埼玉県警は動かず。裁判1審は警察の職務怠慢を認めた画期的判決。2審裁判長は警察の職務怠慢は約12%と言う奇妙な判決。【2審裁判長が警察と癒着の可能性を示す判決】 |
その4-57~その4-60 |
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ストーカー |
残虐寄生 |
例16「桶川事件(桶川ストーカ殺人事件)監禁できずにストーカー化。警察内部にサイコがいる可能性 |
サイコ和人が犠牲者詩織を監禁できずにストーカー化し、嫌がれば嫌がるほど興奮して追い詰め、最後は饅頭構造の暴力装置に殺させた。警察は両親の再三の訴えを無視、殺されたのは両親の訴え方が悪かったと責任転嫁。責任回避のため告訴状や内部資料を改ざん。改ざんを指示した警察幹部宅に担当警察官が放火。係った警察官2名自殺。【この自殺は警察内部にサイコの存在が示唆される。和人自殺。サイコは人を殺すが自分も簡単に死ぬ】 |
その4-61~その4-63 |
(b-4)饅頭サイコの例11から例16までの饅頭構造まとめ:詳細は本シリーズの各例の項目を参照
例11から例16までの6件について饅頭構造を下記表にまとめた。6件のうち5件は暴力装置に暴力団組織が係わっていることは饅頭サイコ犯罪の極めて重要な特徴である。【饅頭構造のこの特徴は戦時下、あるいは戦時に向かう過程で政府や軍隊がサイコ化した場合に、周囲で陰の主役として暴力団が非合法暴力を盛んに行うことを暗示している。これは世界共通。旧ドイツナチスの『ナチス突撃隊はナチ党が組織した暴力団であり、道端でユダヤ人を殴ったり、他の政党の人に暴力を振るった』(『ヒトラーの大衆扇動術』(2010許成準著彩図社)。早い時期にナチス突撃隊は法律改正で警察と一体となり非合法から合法に変わり、公然とユダヤ人や弱者と共に抵抗する人々に激しい暴力を振るった。日本の太平洋戦争時では特高警察がナチス突撃隊に相当する】
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例11女子高生監禁殺人事件 |
例12映画「凶悪」原作監禁殺人事件。〔 〕内映画役名 |
例13北九州監禁殺人事件 |
例14尼崎監禁殺人事件 重層饅頭構造 |
例15栃木事件 |
例16桶川事件 |
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直系饅頭 |
傍系饅頭 |
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アン |
サイコ |
小倉護 |
三上静男〔木村〕 |
松永太 |
角田美代子 |
萩原 |
和人 |
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暴力装置人間 |
宮野、暴力団関係あり |
後藤良次〔須藤〕暴力団組長 |
緒方純子 |
李正則(マサ)元暴力団員 |
川村 |
暴力団員数人。梅沢 |
久保田元暴力団員 |
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暴力装置道具武器等 |
監禁部屋。ライター。縛り付ける柱。鉄球付き棒。瓶、縫い針、ペンチ他 |
監禁戸建て家、監禁鳥小屋、通電装置、96度のアルコール、ホースからの水、拘束用ロープ,解体用のナタ,拳銃他 |
監禁マンション。通電装置,解体用ノコギリ,肉片粉砕用ミキサー他 |
監禁部屋(ベランダ物置)。監禁監視カメラ。アイスピック。ガスバーナー他 |
監禁部屋硬いスリッパ。通販カタログ丸めたシバキ棒 |
監禁部屋,ポット沸騰熱水,殺虫スプレー火炎放射器他 |
各種中傷ビラ。刺殺したナイフ他 |
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饅頭の皮 |
疑似後期 |
宮野 |
後藤良次〔須藤〕 |
緒方純子 |
マサ |
川村 |
梅沢 |
― |
疑似前期 |
同級生など8人程度。未成年で情報少ない |
後藤の舎弟小野塚〔五十嵐〕鎌田〔日野〕、カーテン屋の家族3人など。サイコ化段階は不明 |
沙織 |
谷本瑠衣 |
香愛、裕美 |
村上 |
久保田 |
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真白後期 |
― |
鄭,枝,優,徹也 |
― |
― |
武史 |
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真白前期 |
― |
― |
― |
高校生D |
川上、伊藤、風俗店店員 |
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犠牲者 |
高3吉田順子 |
大塚と倉浪殺害,保険金殺人1件,同未遂3件,自殺強要2件,殺害未遂2件,監禁変死3件,カーテン屋監禁虐殺*1 |
虎谷、緒方誉、清美、恵理子、主也、彩、優貴など7名以上 |
橋本久芳、次郎、谷本初代、まり子、安藤みつゑなど12名以上 |
母親和子 |
須藤正和 |
猪野詩織 |
注*1:原作『凶悪―ある死刑囚の告発』(2009「新潮45」編集部)からリストアップした犠牲者。カーテン屋監禁虐殺事件以外は起訴されず。
(c)映画『ソウ』シリーズ。(残虐画像注意。残虐画像苦手な人は拡大しないように。画像が忘れられなくなることがありますので凝視注意)
第1作は健常者同士に殺し合わせる饅頭サイコが描かれていたが、シリーズ2作以後2017年11月日本公開された8作まで、主に工夫した虐殺装置により恐怖と痛みを追求する残虐映画になっている。いずれも実際の単独サイコが実行する残虐行為と基本は変わらない。実際のサイコも能力を総動員して道具や武器類を工夫して残虐行為を行う。自分がサイコ特性を持つかどうかは、この映画を好むかどうかである程度判定できる。好むようであればサイコ特性を持つ。このことの詳細は本シリーズ(その4-41)「(c)映画『ソウ(SAW)』第1作 (2004米国) :まんじゅうサイコパスの心情を表現:健常者が殺し合いをすることに快感を得る主人公ジグソウ」を参照。
「君たちは『嘘をついてきた、罪を告白せよ』(第8作)さもなければこの装置が作動する」と残虐にどうでもいい理由(カラ理由)をつけるのもサイコらしい。ストリーの展開にはほとんど意味がなく、残虐場面を売りにした映画。サイコパスの研究材料として観るにはいいが、一般的には観る必要がない映画。
下の画像左は手足を拘束され頭部に装置を付けられた犠牲者、画像中(拡大注意)は装置が作動して口が裂けた犠牲者。画像右は装置を外そうと懸命にもがくが外すことはできない。
画像出典左:Saw imágenes Jill wallpaper and background photoshttp://images4.fanpop.com/image/photos/19300000/Jill-saw-19399782-395-550.jpg (閲覧2018/4/10)。画像出典中:ナマニクさんの暇つぶし 映画秘宝セレクション『映画と残酷』http://namaniku.net/2017/06/01/eigatozankoku-2/ (閲覧2018/4/10)。画像出典右:このCIA★こちら映画中央情報局ですhttps://cia-film.blogspot.com/2016/07/movie-news-tidbits-and-more_14.html (閲覧2018/4/10)
下の画像左は回転刃が近づいてくる恐怖で叫び声をあげている。画像中は回転刃により生きながら腹を切られている場面。画像右は拘束され顎を上げる装置で顎が上がったところに刃物が近づく場面。
画像出典左:2013.06.10ソウ ザ・ファイナル 3Dhttps://plaza.rakuten.co.jp/kurosaurs/diary/201306100000/ (閲覧2018/4/10)。画像出典中:切り株画像(映画『ソウ ザ・ファイナル 3D』よりホフマン刑事の手作り拷問器)https://blog.goo.ne.jp/ginmakutaitei/e/d267a30c4d0c9db5412819eefc6968f9 (閲覧2018/4/10)。画像出典右:Saw 7 Official Trailer HD Newhttps://www.youtube.com/watch?v=GThGjHinMKE (閲覧2018/4/10)
下の画像左は順次金属の針が刺さる装置。金属針は心臓を避けるように配置されている。画像右は顔の両側に鋭いナイフが並んだ装置、徐々に顔に近づいてくる。
画像出典左:NAVERまとめ【SAW】ジグソウが仕掛けた全ゲームまとめ【62個】https://matome.naver.jp/odai/2141060582622298901/2141939293195927603 (閲覧2018/4/10)。画像出典右:ソウ4 - Saw IV https://japaneseclass.jp/trends/about/ (閲覧2018/4/10)
下の画像は最新作8作目『ジグソウ:ソウ・レガシー』(2017.11月日本公開、米国、監督マイケル&ピーター・スピエリッグ一卵性双生児兄弟)の始めの場面。犠牲者5人にバケツがかぶされ、首には鎖が巻かれて逃げられない。鎖の先には回転刃があり、鎖は徐々に回転刃に犠牲者を引っ張っていく。公園でこの装置で切断されたと思われる口の部分で切断され、頭部のない死体が発見され警察の捜査が始まる。
検視官(変死体など現場を調べる職種)であるエレノアはジグソウが作った虐殺装置を個人的にコレクションし、ジグソウの気持ちが分かると話し、サイコ特性を示す。殺人課刑事など関係者全員が残虐事件に興奮しサイコ特性を持つと描かれる。映画『凶悪』がみんな残虐を求めている、みんなサイコだと描いたのと共通するところがある。映画『ソウ(SAW)』シリーズのそれぞれの監督は変わるが、シリーズ全体は1作目の監督ジェームズ・ワンと脚本リー・ワネルの2人が制作総指揮などの位置でまとめている。
画像出典:ANZYU🌻さん の最近のツイート - 1http://ja.whotwi.com/anchobiprin/tweets?only_popular=&page=1 (閲覧2018/4/10)
以下(その4-72)「5-2)最近の事例」に続く
原稿作成中でき次第掲載いたします(2018/4/15)