横浜映画サークル

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-69)警察のサイコ対策と治療体制5

2016-07-09 23:02:10 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-68)の続き。

ⅱ)中間サイコに対する警察対応策と中間構造解体手順

① 中間サイコに対する警察対応策

下記表にあるべき警察の対応の要点をまとめている。饅頭サイコと同様サイコ㌟の段階に応じて対処する。中間構造は饅頭サイコのサイコ㌟が圧縮した状態になっている。饅頭サイコの寄生区分の略奪寄生と残虐寄生の境がなく一体化し、略奪期と残虐期の境があいまいで、ほぼ一体化している。饅頭サイコとの比較が分かりやすいように饅頭サイコだけに対応するサイコ㌟の欄を右から2,3列目に「なし」として記述している

 

中間サイコのサイコ㌟の段階別対処策

サイコ㌟区分

懐柔期

懐柔/豹変繰返し

満足期

なし

なし

停滞期

サイコ寄生区分

(特徴行動㌟区分)

サイコ寄生略奪・残虐寄生

明確な残虐寄生期ない

寄生対象消滅

取込期

甘い言葉とカラ理由で離さない

略奪・残虐期    金品財産子供女性、あらゆるものを奪いとる。心の破壊とロボット化、及び肉体などあらゆる物的な破壊

明確な残虐期はない。略奪期と一体している

空虚期

破壊しつくした後の空虚

サイコ犯罪区分

前兆捜査  前兆軽犯罪

本格残虐犯罪   (犠牲者ロボット化、自殺強要*2

疑似サイコ化はない

犯罪行為空白

あるべき警察の対応の要点

犠牲者が出る前のこの時期にサイコを特定し、治療へ導くのが最善策*1

サイコと反社会障害者と混同しないように、サイコを特定。中間構造を把握し、解体する。サイコを治療へ、犠牲者を呪縛解放へ導く*2

なし

なし

虐待が収まったように見えるが、再発するので、その前に逮捕*3

*1前兆捜査で、少なくても軽犯罪の段階で中間サイコを特定することは饅頭サイコと同様に重要なこと。前項「ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順」の表の注*1と同様の処置になる。

*2:サイコは暴力装置となる仲間を周囲にはべらし、仲間は反社会障害者でないこともある。前項「ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順」の表の注*2を参照。中間構造は饅頭構造に類似した集団で犠牲者を虐待しているが、違いは、中間サイコは饅頭サイコのように見ているだけと言うことがなく、常に自身が虐待に何らかの参画をしている。犠牲者を真白後期にまで至らしめ、言いなりになった状態で盛んに自殺を強要するところに特徴が出る。饅頭サイコも犠牲者に自殺を強要するが主要な虐待でなく、中間サイコは虐待の主要な行為になっている。

*3:停滞期は饅頭サイコと同様になり前項「ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順」の表の注*4参照

②中間構造の解体手順

ここでは饅頭構造と同様、前兆軽犯罪本格犯罪に至った段階について述べる。その前の前兆捜査段階についての対応は前項「(ⅰ)判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)別の対応策」の表注*1参照。中間構造を構成するそれぞれについて以下のとおり対応する。

中間サイコ自身への対応:二次判定承認後逮捕令状で逮捕しサイコ治療院へ

饅頭サイコと同様。

暴力装置となった犠牲者への対応:逮捕後呪縛解放と反社会性人格障害者救済プログラムへ

饅頭サイコと同様

・饅頭の皮になった内部犠牲者への対応:サイコ化段階に応じた呪縛解放プログラム

饅頭サイコの真白前期、真白後期と同様に対処。疑似サイコ前期と疑似サイコ後期に至った犠牲者は中間構造にはいない。

・虐待を受けている外部犠牲者への対応:一刻も早く救出の手を打つ

饅頭サイコと同様

ⅲ)単独サイコに対する警察対応策

下記表にあるべき警察の対応の要点をまとめている。他の類型と同様サイコ㌟の段階に応じて対処する。サイコ㌟は懐柔取込期と満足期と停滞期の3つしかなく中間サイコよりさらに圧縮された状態になっている。略奪期がほとんどなく、直ぐに本格残虐犯罪の満足期に入る。すなわち犠牲者に懐柔と豹変を繰り返す時期がほとんどなく、豹変した時には本格残虐行為をすぐに行う。単独サイコも犠牲者を監禁することがあるが、他の類型のような犠牲者のサイコ化は行わず、物理的に衰弱させ、虐殺し、解体するためだけの逆転生存欲求(ただ殺す)と逆転認知欲求(どうなるか、どうなっているか観察するように殺す)に基づく監禁になる。表では饅頭サイコ、中間サイコとの比較が分かりやすいようにサイコ㌟の対応欄右から2,3,4,5列目は「なし」として記述している

 

単独サイコのサイコ㌟の段階別対処策

サイコ㌟区分

懐柔取込期

満足期

なし

なし

なし

なし

停滞期

サイコ寄生区分  (特徴行動区分)

サイコ寄生残虐寄生

略奪寄生なし

なし

寄生対象消滅

取込期       甘い言葉で接近する

残虐期     肉体など物的な破壊

略奪期なし

なし

空虚期       破壊しつくした後の空虚

サイコ犯罪区分

前兆捜査      前兆犯罪

本格残虐犯罪  対象は誰でもいい

犠牲者のサイコ化求めない

なし

犯罪行為減少

あるべき警察の対応の要点

犠牲者が出る前のこの時期にサイコを特定し、治療へ導くのが最善策*1

サイコを特定し治療へ犠牲者を救出*2

なし

なし

なし

なし

虐待が収まったように見えるが、再発するので、その前に逮捕*3

*1前兆捜査で、少なくても軽犯罪の段階で単独サイコを特定することは饅頭サイコ、中間サイコと同様の重要なこと。前項「ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順」の表の注*1と同様の処置になる。前兆捜査段階についての対応は饅頭サイコ、中間サイコと同様に前項「(ⅰ)判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)別の対応策」の表注*1参照

*2:構成する人は単独サイコと犠牲者だけ:暴力装置に相当する人はいない内部犠牲者もいないので外部犠牲者だけになる。単独サイコは逮捕し治療処置へ、犠牲者は救出し、必要があれば呪縛解放プログラムを適用する

*3:停滞期は饅頭サイコ、中間サイコと同様で、前項「①饅頭サイコパスに対する警察対応策と饅頭構造解体手順」の表の注*4参照

(I-3)その他の注意事項

(ⅰ)健康な警察官や教師が陥りやすい誤り:説得できると思う勘違いと警察を恐れるという勘違い

これまで事件の具体例の中で述べているが、健康な警察官や教師が陥りやすい誤りを再びまとめておく。

相手が健常者である場合には有効な、説得という方法は、サイコには有効でない。例13北九州監禁事件では、話せばわかると思い直談判に行った元警察官緒方主也がサイコ松永に取り込まれて虐殺され、例14尼崎監禁殺人事件では、同じように直談判に行った谷本隆がサイコに取り込まれて虐殺された。

警察官(以下警官)がサイコに「犠牲者が虐待を止めてほしいと相談に来たぞ、虐待はやめろ」とサイコに話したとしても、「警察に相談したことがばれて」さらに陰湿に虐待を受け、二度と相談に来なくなる。警官は相談に来なくなったので虐待がなくなったと勘違いする。警官の最も陥りやすい誤りは「警官が乗り出したぞ」と示せばサイコが恐れいいって虐待を止めると勘違いすることである。もし虐待が止まったとしても一時的で、サイコは、ほとぼりが冷めるまでじっと待ち、再び虐待を始めるだけのこと。

サイコ一次判定を行い、サイコ周囲の状況から、サイコであることを察知して手を打たなければならない。サイコに分からないように二次判定を行い、サイコ病患者として対応しなければならない。警察が乗り出したことをサイコに察知されれば、巧妙に虐待を隠し、1年でも2年でもじっとして次のチャンスを待つ、きわめてたちが悪い、生まれながらの根っからの犯罪者であることを知らなければならない。また、停滞期には自分はおかしい、何とか人を殺すことを止めたいと思うサイコがいることも知っておく必要がある。

警官が陥りやすい誤りは一般の人も陥りやすく松永型サイコパスのように知能水準が高い場合、サイコを説得しようとして逆にサイコに利用されてしまう場合がある。一般的にはサイコ本人を説得することは不可能だと言うことを理解しなければならない。説得と言う形式をとれないことがこの病気の根深さである。

以下理解しやすいように率直な言い回しで表現することをご了承願いたい

サイコを理解していない間抜けな警官がサイコと接触すれば犠牲者にさらにひどい虐待が待っている。ダメ教師がいじめの主犯サイコに「いじめを行ってはいけません」と言うバカな対応するのと同じ。言って聞くようなサイコはいない。賢いサイコは言われた時だけ分かったように振舞うだけ。

サイコを直ちに犠牲者から物理的に切り離し、接触しないように処置を取り、サイコ病対策を行わなければならない。サイコは状況を読み、停滞期には健常者と変わらないことを理解し、徐々に逆転欲求(虐待)がエスカレートすることをのような饅頭タイプの場合は金品を奪う(略奪期)から虐待が主体(残虐期)へと変化し、自分では行わず他者に虐待をやらせることを理解しなければならない。例13北九州監禁殺人事件松永のようなスポーツ万能、小学生時代はオール5の成績優秀で弁論大会では上級生を負かすサイコに対しても、「君は病気だと言えなければならない

サイコの残虐行為が、健常者には何が何だかわからないために警察も、教育現場も、本質に迫ることなく自己弁護の対応で終わっているのが現状。これを何とかしなければ。

(ⅱ)サイコの治療の注意:集団治療法逆効果になるので行ってはならない

この治療の注意は一般の人がサイコを理解する参考になるので記述する。集団治療法はサイコに対しては逆効果なので絶対に行ってはならない。集団治療法で他の人がどんなにつらいかという話にサイコは同情することはなく、もっとつらい思いをさせるにはどうしたらいいかを学習し、実行を決意させてしまう。サイコの欲求は健常者と全く逆になっていることを理解しなければならない。サイコには個別治療以外にない。しかも長期になり、一生治らないかもしれない。治ったふりをするので特に、偏桃体機能が回復しているかどうかを判定する脳神経活動解析装置が必要になる。サイコに対する集団治療の誤りはM.ストーンが指摘している。

映画『アメリカン・サイコ』(日本公開2001、米国、監督メアリー・ハロン):この映画はサイコが自分を何とかしたいと思っていることをよく表している。「サイコの駆け込み寺」は自分を何とかしたいと思うサイコのために必要であることを示す映画でもある。

主人公はハーバード・ビジネス・スクールを出てニューヨークウォール街の投資会社副社長のエリート、松永型サイコと言える。下画像左である。下画像中は自宅に招いた友人がソファーに座っている後ろから斧で襲う場面。血が飛んで服に掛からないよう簡易雨具を着ている。斧を使うのは名古屋大女子学生が2014/ 12/7に自宅に招いた森外茂子(もりともこ)さんを殺害するときに似ている。

主人公は何人も殺害し、女性の頭部を冷蔵庫に保存した。頭部はサイコにとって逆転快報酬系ドーパミンを繰り返し味合わしてくれる「宝物」になる。『アメリカン・サイコ』はサイコの心理をよく表している。主人公は何人も殺した後に、停滞期に入った状態を示し、フィアンセの女性に「殺すのを止められないんだ」「我慢できずに何人も殺した」と別れを切り出す。このままではフィアンセも殺してしまう。元名古屋大女子学生は裁判の被告人質問で「今も人を殺したいと思うことが1日に5、6回、多いときは10回以上ある」と、弁護士や検察官を殺したいと思うこともあると述べた。また「人を殺さない自分になる方法を探したい」とも述べた。実際に刑務所の中で他の受刑者を殺すサイコパスがいる(M.ストーン)。映画『アメリカン・サイコ』の主人公と元名古屋大女子学生はとても似た心理状態。名古屋大女子学生については後の項「平和時のサイコパスの特徴行動:まとめ」でも述べる。

下画像右上は終盤の主人公で殺人を止められない自分に悩む姿。画像右中は主人公のノートに書かれている残虐場面の絵【サイコパスは記録を残す】。画像右下は感情を失った状態と言える主人公の表情。主人公はクリスチャン・ベールが好演をしている。クリスチャン・ベールの演技に対する姿勢は本ブログの「三国連太郎、船越英二、俳優のプロ根性。海外も調べてみました」を参照。

画像出典中:★映画レビューとかのブログ★『アメリカン・サイコ』(90点)①あらすじ。https://ameblo.jp/beatifulmonster2/entry-11535348349.html (閲覧2017/12/1)。画像出典右:American psychohttps://www.pinterest.jp/joshplayszelda/american-psycho/ (閲覧2017/12/1)。画像出典左:FlixChatter Film Blog Let's Chat Movies!https://flixchatter.net/2015/01/ (閲覧2017/12/1)

映画『アメリカン・サイコ』の終盤サイコ犯罪を無かったことにする人々で終わる。残虐殺人は妄想だったとする終わり方。サイコに対する健常者の心理として、重要な場面展開。健常者にはサイコの残虐行為が理解できず、サイコ犯罪はなかったことにする心理が働く。本シリーズではサイコの残虐実態を、映画を通しながら明らかにして、映画でその実態と対策を表現することを求めている。サイコは残虐で健常者には理解できないため無かったことにするのは、サイコ犯罪とその源となる戦争をいつまでも繰り返させることになる。無かったことにするのでなく、実態を把握して、サイコがなぜそのような行為をするのかを解明し、対策を考えることが重要なこと。下記はサイコ犯罪を無かったことにする2例。

1、南京大虐殺:太平洋戦争時に中国の当時の首都南京へ攻め込んだ日本軍が大量虐殺をした事件。日本人がそんな残虐行為をするはずがないとして、「南京大虐殺(戦時サイコ犯罪)を無かったことにする人々」が今もいる。

2、旧日本軍731部隊の京大医学部資料館展示撤去:2014/2月に完成した資料館に展示されていた旧日本軍731部隊関係資料が開館してしばらくして撤去された。731部隊長石井四郎は京大医学部出身だった。石井は松永型サイコと言える面が強い。資料館展示撤去は「731部隊の残虐行為(戦時サイコ犯罪)を無かったことにする人々」がいることを示す。南京大虐殺と731部隊については後の項「戦時下のサイコパスの特徴行動」で述べる。

(j)この項のおわりに

この項で述べている対策は警察関係以外でもサイコ対策の基礎知識として役立つはずである。社会がほんのわずかの割合のサイコに振り回されることがなく、人を信頼する本来の人間関係を作り上げる武器の一つにしてほしいと筆者は願っている。この項の始で述べたが再び述べる「サイコパスについては先天的や後天的や優秀な人もいるなどいろいろの解釈があるが、肝心なことは解釈することでなく、サイコ犯罪に対処し、解決することである」。逆に言えば、対処でき、解決できることでその解釈が正しいことが証明される。サイコ犯罪に対処・解決できない解釈は意味がない。この項で述べたことがサイコ対策の実践に少しでも役に立てば、筆者はこの上ない幸せなことである。

以下(その4-70)「5)平和時のサイコパスの特徴行動:まとめ」へ続く。

コメント (2)
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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-68)警察のサイコ対策と治療体制4

2016-07-09 23:02:05 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-67)の続き。

(g)前兆犯罪捜査の基本事項:前兆捜査の基本事項と同様

前項「(f)前兆捜査の基本事項」と同様であるが、既に犯罪を行っているので、その捜査にサイコ捜査官が参画して、従来の犯罪捜査官との連携を図ることが有効である。サイコ捜査官の参画で従来の犯罪捜査官の一次判定の精度を上げることができるとともに二次判定がスムーズに進む。

(h)犠牲者が逃走してきたときの対応基本事項:逃走レベルの把握が最優先

(ⅰ)サイコ3類型と逃走してきた犠牲者の心理状況の関係警察の窓口にサイコから逃げて来た犠牲者はサイコ化して記憶力が減衰しており、論理的な思考も困難な場合があるので、窓口警察官はサイコ犠牲者らしいと判断した場合には、問い詰めるようなことをせずに直ちにサイコ一次判定を行い、サイコ対策室へ移管する。警察に来るのは一般的な家出や家庭のもめごとが圧倒的に多いので、窓口警察官はその中からサイコが係わることを見つけ出す訓練を、簡易サイコ判定マニュアルを使い定期的に行い、サイコに対する「臭覚」を養っておく

下記は逃げてきた犠牲者の逃走4レベルとサイコ3類型の関係を示す。単独サイコから逃げてきた人は逃げられない恐怖(真白前期)から逃げてきたので、真白後期には至っていない。中間サイコから逃げてきた人は真白前期と真白後期(ロボット化)の状態がありうる。饅頭サイコから逃げてきた人は真白前期・後期(ロボット化)及び疑似サイコ前期・後期(サイコ化)の状態がありうる。疑似サイコ後期になればサイコから逃げることはないが、停滞期に呪縛解放が進み逃げる可能性はあるので含めている。下記表のは犠牲者心理状況の可能性あり、×は可能性なし。

逃げてきた犠牲者のサイコ化状況

逃走レベル

単独から

中間から

饅頭から

虐待の理由が分からず恐怖の中にいる。正常心理か真白前期。

1,2レベル

真白前期・後期(ロボット化

2,3レベル

×

真白前期・後期(ロボット化)疑似サイコ前期・後期(サイコ化

3,4レベル

×

×

(ⅱ)犠牲者の逃走レベル別の心理状況警察に逃げてきたサイコ犠牲者の心理状況は以下の表の通り。相談窓口警官はこの逃走レベルのどこに当たるかを短時間に把握し、犠牲者保護などの処置をとる必要がある。例14尼崎監禁殺人事件の谷本明が警察に逃げ込んだ時はおそらくレベル3と推察されるが、もし妻初代に暴力を振るうことを強制されるようになっていればレベル4になる。犠牲者の逃走はサイコが停滞期に入り残虐性が緩んだ時に生じやすい。逃走レベルの詳細は本シリーズ(その4-5)「(d)(ⅰ)サイコパス化過程の4段階(ⅱ)犠牲者がサイコパスから逃げる時の逃走4レベル:サイコパス化過程の4段階と逃走の関係」参照

 

ロボット化(真白化)過程での逃走

サイコ化(疑似サイコ化)過程での逃走

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

真白前期になることを拒否する逃走

真白後期になることを拒否する逃走

疑似サイコ前期になることを拒否する逃走

疑似サイコ後期になることを拒否する逃走

絶望から見た4レベル

逃げられない絶望にならないよう逃走。物理的拘束を拒否して逃走

残虐を受け入れる絶望にならないよう逃走。虐待を見る、受けることを拒否して逃走

自分が自分でなくなる絶望にならないよう逃走。他者虐待する自分(別人=サイコ)になることを拒否して逃走。逃走のための自殺

人間でなくなる絶望にならないよう逃走。自律他者虐待する自分(完全な別人=完全なサイコ)になることを拒否して逃走。逃走の自殺

逃走4レベルの心理状況まとめ

危機回避の一般的な逃走と同様。危険なものには近づかない逃走

当面の生命の危機を回避するため逃げないでいたが、残虐行為が目の前で、また自分に行われ、逃げないでいることが生命の危機回避にならなくなったため逃走

感情喪失(意志喪失)してサイコが作る残虐状況に適応して自己存続を維持していたが、他者を虐待するサイコになることを強制され、感情喪失だけでは存在できなくなり逃走

言われるままに他者虐待し前期のサイコ化することで自己存続を維持していたが、言われなくても虐待する完全なサイコになることを強制され、サイコ化前期では存在できなくなり逃走

警察へ来た、または通報で対応の犠牲者

サイコ化していず、健常者の心理状態を維持している

サイコ化は若干進行しており、恐怖で震えている

体中に虐待の跡。なぜ虐待されるのか聞いても本人も分からない

サイコの指示で他者を虐待している。なぜ虐待するのか聞くと、サイコと同じカラ理由しか出てこない

記憶は正確で状況の詳細を警官に説明できる

記憶・判断力が鮮明でなく状況を警官へうまく説明できない

(I)二次判定でサイコ病と判定後の警察の対応策

(I-1)判定結果を上部組織の承認取得

各県のサイコ対策室は客観的証拠の判定結果を上部組織(全国中央サイコ対策室と中央サイコ治療院の承認部署)の承認を得る。「承認」は現状の裁判所の捜査令状発行に相当するが、より厳密な証拠による内容になる。「承認」取得後に、初めてサイコ病として対象者への働きかけを行うことができるので、迅速な承認体制が必要となる。最近数年の捜査状況が大きく変わるのは、スマホなどにより録画録音が容易に安価にできることである。通報者や関係者にスマホ録画や録音の協力を依頼し、客観的な証拠にもとづくサイコ病判定を行うことができる。必要に応じて各所に点在する防犯カメラ記録等も活用できる。これら記録機器の発達が客観的な証拠による判定を可能にしたサイコの中には狡猾に犠牲者を巻き込み偽録画録音を行う可能性があるのでサイコ捜査官はそれらを見破るレベルを維持しなければならない

以降の警察対応の説明はサイコ3類型やサイコ㌟や犠牲者のサイコ化程度の区分による基本的な考え方を述べたもので、現場の実践では微妙な状況の違いを考慮しなければならない。また、さらに実践的な経験を積み上げ、より良い対応策を作り上げていくことになる。

(I-2)判定3形態別とサイコ3類型別の対応策

上部組織の承認手続きと同時にサイコ対応戦略を迅速に立案する。判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)とサイコ3類型(饅頭、中間、単独)で対応戦略が異なってくる。以下それぞれについて述べる。

(ⅰ)判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)別の対応策と公的治療への誘導

 

判定3形態

前兆捜査

前兆犯罪

逃走者証言

一次判定部門

通報・相談窓口部門

犯罪者逮捕部門

逃走者飛び込み窓口部門

一次判定情報元

家族、知人、友人、同僚、近隣住民、企業・官庁などの情報

犯罪捜査情報

逃走者証言情報

二次判定部門

各県警、府警、道警、警視庁のサイコ対策室:一次判定に基づき二次判定調査を実施。

サイコパスと特定した後の対応

犯罪者ではないので本人に説明し、公的治療を勧める*1

3類型のどのタイプのサイコかで対応戦略を立てる*2

3類型のどのタイプのサイコかで対応戦略を立てる*2

*1前兆捜査での対応:サイコ専門官が面談して、対象者のサイコ化進行状況、今後の残虐行為に及ぶ可能性を本人に話す。サイコ病は本人の責任でなく、公的な治療を受けられることを説明し、治療の選択を勧める。治療を認めた場合にはサイコ治療院でfMRIやPETなどの検査や治療を受ける。治療を拒否した場合はいつでも治療を受けられることを説明し、残虐行為に及びそうになったら連絡するように指導する。その後も繰り返しサイコ前兆行為を行っていることが通報などで判明した場合には上位組織の承認と裁判所の許可を得て強制的に治療を受けさせる処置をとる。サイコ病は法定伝染病のように他者への影響が強く、強制的に対処しなければならない。強制治療は本人への救済でもある。前項「(d-1)(ⅰ)犠牲者が出る前にサイコ前兆をつかみ、サイコパスを治療へ」参照

サイコの公的治療:サイコによるサイコ犯罪や犯罪と特定しづらい恨み合う人間関係の増幅は、社会の健全性を阻害し、金額に換算した社会的損失は膨大になる。サイコによる米国の年間損失を約50兆円と算出した例がある。公的に治療することは経済合理性がある。公的治療を治療体制全体に含めて至急確立すべき考え方である。また、戦争を繰り返した人類史が生み出した病気の可能性があり、サイコ病であることは本人に責任を問えない。サイコ病の原因については後の項「経営とサイコパス」参照。サイコによる社会的損失額:K.A.キールは現状のサイコ関連年間社会的損失費用は2011年で4600億ドル(約50兆円、1$≒109円換算)に達するとしている、そのほかにも多くの社会的損失を上げている(情報元:別冊日経サイエンス『心の迷宮、脳の神秘を探る』P13、中野信子著『サイコパス』P21)

*2:犯罪が行われており、初めから強制的な処置になる。3類型のどのタイプのサイコかで対応策が異なり次の項で述べる。

(ⅱ)サイコ3類型(饅頭、中間、単独)別の対応策下記表の通り、饅頭構造、中間構造の解体が基本戦略になる。単独サイコは人間関係を作っていないので人間関係の解体はない。本来饅頭構造や中間構造ができる前に対処すべきで、それぞれ次項で説明する。

ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順

①   饅頭サイコにたいする警察対応策

饅頭サイコのサイコ㌟の段階に応じて対処する。あるべき警察の対応策は下記表の通り。犠牲者を取り込む懐柔期段階でサイコであることを特定し、治療へ導くことが本来あるべき最善策である。説明は表の注で行う。

 

饅頭(外交的)サイコのサイコ㌟の段階別対処策

サイコ㌟区分

懐柔期

豹変期

懐柔/豹変繰返し

懐柔/豹変繰返し

満足期

停滞期

サイコ寄生区分

(特徴行動区分)

略奪寄生(サイコ寄生前期

残虐寄生(サイコ寄生後期

寄生対象消滅

取込期

甘い言葉とカラ理由で離さない

略奪期

金品財産子供女性、あらゆるものを奪いとる

残虐期

犠牲者の心の破壊とサイコ化、及び肉体などあらゆる物的な破壊

空虚期

破壊しつくした後の空虚

サイコ犯罪区分

前兆捜査

前兆軽犯罪

前兆残虐犯罪

(犠牲者ロボット化)

本格残虐犯罪

(犠牲者サイコ化)

犯罪行為空白

あるべき警察の対応の要点

犠牲者が出る前のこの時期にサイコを特定し、治療へ導くのが最善策*1

サイコと反社会障害者と混同しないように、サイコを特定。サイコを治療へ、犠牲者を呪縛解放へ導く*2

サイコパスに言われるまま内部犠牲者が外部犠牲者を虐待している構造を把握し解体する*3

サイコパスがいなくても内部犠牲者が自律的に外部犠牲者を虐待している構造を把握し、解体する*3

虐待が収まったように見えるが、再発するので、その前に逮捕*4

*1:懐柔期のサイコは健常者との違いが分かりにくいので、窓口の警察官は口頭注意で終わらしてしまわないよう、前兆行為、前兆軽犯罪でサイコを一次判定、二次判定へと進められるよう教育訓練を受け、サイコを治療へと導く。これ以外に深刻な犠牲者を出さない方法はない。前兆残虐犯罪段階では本来遅すぎる。

*2:豹変期の饅頭サイコは金銭などを奪うので反社会性人格障害(反社会障害者)の犯罪と捉えやすく、警察が乗り出したと言えば収まると誤りやすい。また、例14尼崎監禁殺人事件のように、せっかく猪俣家甥が角を逮捕させるまで行ったのに饅頭構造での残虐犯罪に気が付かず軽犯罪として執行猶予の軽い刑で処置し、その後にさらに多数が虐殺されることになった。これは前兆犯罪を見逃した例になる。窓口の警察官はサイコと反社会障害者による犯罪の違いを見落とさない目を教育訓練で養う必要がある。現在のアメリカ心理学会「精神障害の診断と統計マニュアル」(DSM5)はサイコと反社会障害者を一色たんにし反社会性パーソナリティー障害としているので、DSM5の分類は使えず、見直さなければならない。サイコと反社会障害者の違いは本シリーズ(その2)「1.8 サイコパスと反社会性人格障害やその他の犯罪の違い」及び(その4-5)「11)用語(b)「反社会性人格障害」と「反社会性パーソナリティー障害」参照

サイコは隔離し、自殺しないよう注意しながら、サイコ治療院に収容し、犠牲者と二度と接触できないようにする。犠牲者と和解させようとすることはサイコ病が完治しない限り行ってはならない。犠牲者は呪縛解放のプログラムにより復帰を進める。詳細は次の項饅頭構造の解体手順で述べる。

*3:サイコパスの知識がないと、本格残虐犯罪段階の饅頭構造内部の犠牲者同士で例えば娘が父親を、母親が子供を虐待する理由が分からない。また虐待行為をするときにサイコはその場にいない場合もあり、カラ理由を真に受けやすいので、窓口の警察官は饅頭構造を作るサイコの残虐寄生の特徴から一次判定、二次判定へと進められるよう教育訓練を受けなければならない。対処の基本のサイコの隔離と犠牲者の呪縛解放は上記*2と同様に行う

*4:停滞期のサイコは外見上や行動は健常者とほとんど変わらなくなるので、それまでの経緯・行動の特徴からサイコ病を特定する。饅頭構造内部の虐待も激しさがなくなるので、虐待が終わったと勘違いしてはならない。窓口警察官は再びサイコ㌟が始まり犠牲者が出る前に一次判定、二次判定へと進められるようしなければならない。またこの停滞期に、サイコの中には自分が異常であることを何とかしたいと苦悩する者がいるので、自主的に治療へ誘導しやすい時期でもある。犠牲者が逃走するのはこの時期が多いと考えられる。

②饅頭構造の解体手順

ここでは前兆犯罪本格犯罪に至った段階について述べる。その前の前兆捜査段階についての対応は前項「(ⅰ)判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)別の対応策」の表注*1参照。饅頭構造を構成するそれぞれについて以下のとおり対応する。

饅頭サイコ自身への対応:二次判定承認後逮捕令状で逮捕しサイコ治療院へ

饅頭構造の犠牲者状況など全体像を客観証拠で把握したのちに饅頭サイコを犯罪容疑で逮捕隔離する。饅頭サイコの逮捕は従来の刑事訴訟法の犯罪処置手続きと同様で、原則裁判所の逮捕令状を得て行う。犠牲者が生命の危険に直面し緊急を要する場合は、饅頭構造の全体把握の前でも警察官職務執行法に基づく『緊急の救護』で介入する。裁判所へは二次判定承認書を提出し、治療処置の許諾を得る。この承認書提出は起訴に相当するが、裁判に入ることなく、事案は裁判所から離れ、サイコ治療院の治療処置に移行する。治療院では単なる治療ではなく、サイコはサイコ病そのものの解明や治療方法の進歩のために貢献することが義務付けられる。治療処置は完治が確認されるまで行われる。治療期間は犯罪の内容にかかわらず、完治するかどうかで決まる。完治とは偏桃体機能の完全回復で、判定は脳神経解析装置データを基礎に客観的に行い、問診は原則使わない。サイコは問診で本当のことを言わないだけでなく、相手の心理を読みベテランの精神科医でも簡単に騙されてしまうことがある。

サイコ治療院への移行手続きのすべては「サイコ冤罪監視救済独立機関」(以下サイコ冤罪監視機関)に報告される。サイコ冤罪監視機関は疑義があればサイコ対策室やサイコ治療院などの関係部署に問い合わせ、関係部署は回答しなければならない。疑義が解消しない場合サイコ冤罪監視機関はサイコ病判定のやり直しを指示することができる。再診断でサイコ病でないと判定された場合には、一般犯罪として従来の裁判手続きへ移行する。警察官職務執行法『緊急の救護』については本ブログ(その4-51)「(L-1)(b)「民事不介入」「事件化していないので動けない」は警察官職務執行法違反」参照

サイコ病完治後の特別裁判と懲罰刑:何人も虐殺した犯人は治療より死刑にすべきと遺族などは思うかもしれないが、サイコは死ぬことが怖くないので死刑が懲罰にならない。本シリーズ(その4-2)「1)サイコパスの逆転生存欲求」で述べた附属池田小事件で23人を死傷させたサイコ病の宅間は弁護士が控訴を勧めても断り、死刑を早くするよう申し出て判決後約1年後に死刑執行。大阪姉妹殺害事件のサイコ病の山地も弁護人が行った控訴を自ら取り下げて死刑を望み執行された。例14尼崎監禁殺人事件のサイコ病や例16桶川事件のサイコ病の小松和人のように簡単に自殺することも多い。死刑よりも偏桃体機能を回復させ、残虐行為をしたことに苦痛を感じるような状態になることの方が遥かに懲罰になる。例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aは逮捕直後盛んに死刑にしてくれと述べ、捜査官が少年法で死刑にならないと言うとしばらくして苦悩で泣き続けた(『絶歌』)。そもそもサイコ病であることは本人に責任はなく、残虐犯罪であったとしても、サイコ病患者に対して懲罰刑は論理的にふさわしくない。サイコに自殺させないで、偏桃体機能回復後の本当の苦しみを味あわせることで、本来の懲罰になり、犠牲者の気持ちが理解できるようになり、社会復帰の可能性も出てくる。人の苦しみを理解できるようになったところで、社会復帰の前段階として自分の犯した罪を償わせる特別裁判を行う。これまでの刑務所に入れるだけの刑ではなく、「人のために尽くす刑」などサイコ病患者が最も苦手とする刑の新しい概念が必要である。サイコ病犯罪者には偏桃体機能回復治療がすべてに優先するカギになる

暴力装置となった犠牲者への対応:逮捕後呪縛解放と反社会性人格障害者救済プログラムへ

暴力装置になった犠牲者は暴力団員か反社会性人格障害者(以下反社会障害者)が多い。反社会障害者は集団秩序を守ることが困難で、破壊的自己表出(粗暴行為)を行う傾向を持つので饅頭サイコと親和性がある。健常者と同様に饅頭サイコによりサイコ化され、粗暴性が暴力装置として利用される。生まれながらの偏桃体機能不全の残虐性を求める病気ではなく、サイコとは別の対応が必要になる。サイコに利用されているとは言え、犠牲者を直接虐待・虐殺する犯罪実行者で、従来の裁判では最も重い刑を受けやすい。例12映画『凶悪』原作の暴力団幹部後藤良次や例14尼崎監禁殺人事件の元暴力団員マサや例16桶川事件の元暴力団員久保田などがこの例になる。対応処置は健常者と類似の呪縛解放プログラムにより呪縛解放へ導くとともに、反社会障害者救済プログラムにより社会復帰の道筋をつける。反社会障害者は従来の「懲罰刑」だけでは不十分で、再犯性があり、サイコに利用されなくても犯罪傾向を持つので、反社会障害者救済プログラムが必要になる。反社会障害者救済プログラムは多くの人の努力があるが、反社会障害の原因究明と治療が不十分の現状と思われ、サイコと同様に脳神経解析装置による解明が必要かもしれない。サイコと反社会障害者の違いは本シリーズ(その2)「1.8 サイコパスと反社会性人格障害やその他の犯罪の違い」及び(その4-5)「11)用語(b)「反社会性人格障害」と「反社会性パーソナリティー障害」参照。

【旧日本軍では軍幹部に入り込んだサイコに利用された暴力団員、反社会障害者の兵士が、軍内部で下級兵士に暴力をふるい、サイコ饅頭構造を形成した部隊が少なからずあったと考えられる。この饅頭構造化した軍隊は軍内部の弱い下級兵士だけでなく、中国大陸や朝鮮半島や太平洋諸国などで残虐の限りを尽くした。詳細は後の項「戦時下のサイコパス」参照】

・饅頭の皮になった内部犠牲者への対応:サイコ化段階に応じた呪縛解放プログラム

饅頭の皮となった犠牲者をサイコから順次切り離していく。順次行うのは、人数が多く一時に解体できないほど饅頭構造が強固な場合である。下記表のように犠牲者のサイコ化段階に応じて対処が必要になる。広義ではロボット化も含めてサイコ化である。表で分かるように疑似サイコ後期に至った犠牲者がいる場合には饅頭構造の解体が容易でない場合がある。疑似サイコ後期か複数のサイコがいるのかの判定が困難な場合は疑似サイコ後期の可能性がある人をサイコ (サイコ病患者)として扱う。表では前項「犠牲者の逃走レベル」と混同しないよう「レベル」と言う用語を使わず、「段階」を使い「犠牲者のサイコ化段階」としている。

 

ロボット化(真白化)段階の犠牲者

サイコ化(疑似サイコ化)段階の犠牲者

サイコ化階段

真白前期

真白後期

疑似サイコ前期

疑似サイコ後期

絶望から見た犠牲者の状態絶望は重層化する

逃げられない絶望

逃げられない絶望。周囲で残虐が行われ、又は自分に行われ。残虐を受け入れる絶望

逃げられない絶望。残虐を受け入れる絶望。他者を虐待する自分:別人=サイコの自分に絶望:自分が自分でなくなる絶望

逃げられない絶望。残虐を受け入れる絶望。自分が自分でなくなる絶望。自律的に他者虐待する自分:完全な別人=完全なサイコの自分に絶望: 人間でなくなる絶望

偏桃体機能

機能健全

機能ほぼ停止

生命維持機能以外完全に停止。偏桃体機能と別の逆転快に基づく性行動が出る*1

逆転快有無

なし

逆転快あり、ドーパミン少量

逆転快あり、ドーパミン大量

犠牲者の主要な状況

恐怖で震えている

恐怖などの感情喪失、意志喪失。サイコに言われるままに行動

サイコの指示で他者を虐待することに苦痛が消えている

サイコを崇拝しているサイコから物理的にも心理的にも離れることができない*2サイコを守るあらゆる行動を取る

殺意の代行

なし

なし

サイコの指示で殺意を代行

サイコの『空気』で殺意を代行

記憶力状況

健全

記憶・判断力が鮮明でなく状況を警官へうまく説明できない

カラ理由による説明や嘘の説明をする

呪縛解放と回復必要期間*3

救出と同時に自分を取り戻す

短期間に回復。他者を虐待していないので回復が早い

一定期間のリハビリが回復に必要。他者への虐待が強い心の傷

長期のリハビリが回復に必要。適切な治療がなければ一生完全回復できない場合も考えられる

呪縛解放後*4

問題なし

忘却、苦悩の可能性

忘却、苦悩。正当化のいずれも可能性がある

*1:本シリーズ(その4-4)「6)サイコパスの性的サディズム論の誤り」参照

*2疑似サイコ後期に至った内部犠牲者はサイコから物理的に切り離しても再び自らサイコを求めていくサイコ崇拝の状態になっている。サイコから離れることができないだけでなく、サイコを守るあらゆる行動を取るので、人権との関係で饅頭構造の解体に最も慎重に進めなければならない犠牲者である。疑似サイコ後期に至った犠牲者の重要なことはサイコから物理的に切り離せば呪縛解放が進むという単純なものではないことである。【太平洋戦争でサイコ化した兵隊の中にはサイコの軍幹部を崇拝するだけでなく、戦争そのものを崇拝し、戦後いつまでもカラ理由で残虐行為を正当化し、呪縛解放が進まない者がいる。これについては本シリーズ(4-5)「(d)(ⅰ)表の注*2:太平洋戦争開戦の『空気』はサイコパスの強い意志」参照】

*3:サイコ治療院の呪縛解放プログラムに基づいたリハビリなどになる

*4:犠牲者は呪縛解放した後は、「忘却」「苦悩」「正当化」の3タイプがあるが、それぞれに応じたサイコ治療院の呪縛解放プログラムになる。3タイプについては本シリーズ(その4-5)「(d)サイコパスまんじゅう内部での健常者のサイコパス化過程(ⅰ)サイコパス化過程の4段階」の表の注*3健常者の呪縛解放時の3つのタイプ「忘却」「苦悩」「正当化」参照

・虐待を受けている外部犠牲者への対応:一刻も早く救出の手を打つ

外部犠牲者が特定されれば、その救出を饅頭構造解体の最優先に行わなくてはならない。体中に虐待の傷を持っている可能性があるので医療機関に収容するなどの手を打つ。同時に精神的にも、虐待されて真白後期まで至っている可能性があり、サイコ治療院の呪縛解放プログラムの実施が必要かを検討する

以下(その4-69)へ続く。 

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-67)警察のサイコ対策と治療体制3

2016-07-09 23:02:00 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-66)の続き。

(e)3類型(単独、中間、饅頭)の各サイコ㌟とサイコ前兆

e-13類型(単独、中間、饅頭)各サイコ㌟

下記表はサイコの基本分類(3類型:単独、中間、饅頭)別のサイコ㌟を示す。表の類型名の右にその類型の特徴要点を記している。警察の捜査はサイコがどの基本分類に属するかだけでなく、サイコ㌟のどの段階にあるかを把握する必要がある。饅頭サイコが最も複雑で表の上段に記している。中段の中間サイコでは饅頭サイコの犠牲者を疑似サイコ化することがなく、真白後期(ロボット化)までである。また、略奪期と残虐期に明確な区別がなくなっている。下段の単独サイコでは犠牲者のロボット化もなくなり、肉体的にただ虐待し、虐殺・解体するだけになる。この3分類の境目はぼんやりしたもので、全体的にスペクトラム(連続構造)になっている。健常者とサイコの精神構造の間をつなぐスペクトラム(連続構造)はなく、全く別の扱いが必要である。サイコと健常者の精神構造の違いは後の項「経営とサイコパス」参照。饅頭サイコのサイコ㌟の説明は本シリーズ(その4-35)「(J-1)サイコサイクルの基本事項」を参照 

饅頭サイコのサイコ㌟:饅頭構造では内部犠牲者がサイコ化し外部犠牲者を虐待・虐殺する

サイコ㌟区分

懐柔期

豹変期

懐柔/豹変繰返し

懐柔/豹変繰返し

満足期

停滞期

犠牲者サイコ化区分

正常

真白前期

(ロボット化前期)

真白後期

(ロボット化後期)

疑似サイコ前期

(サイコ化前期)

疑似サイコ後期

(サイコ化後期)

弱い呪縛解放により逃走する者が出る時期

ロボット化

サイコ化

サイコ寄生区分特徴行動区分

略奪寄生(サイコ寄生前期

残虐寄生(サイコ寄生後期

寄生対象は破壊つくして消滅

取込期    甘い言葉とカラ理由で離さない

略奪期             金品財産子供、あらゆるものを奪いとる

残虐期            心の破壊とサイコ化、及び肉体などあらゆる物的な破壊

破壊しつくした空虚。自分はおかしいと感じる時期

中間サイコのサイコ㌟:仲間は作るが饅頭構造に至らず。犠牲者が嫌がることに興奮・虐待し、ロボット化後に自殺教唆

サイコ㌟区分

懐柔期

豹変期

満足期

なし

停滞期

犠牲者サイコ化区分

正常

真白前期    (ロボット化前期)

真白後期   (ロボット化後期)

なし

饅頭サイコと同じ

ロボット化

なし

サイコ寄生区分 特徴行動区分

略奪・残虐寄生(サイコ寄生)

なし

取込期    甘い言葉とカラ理由で離さない

略奪・残虐期          金品財産子供、あらゆるものを奪いとる。心の破壊とロボット化、及び肉体などあらゆる物的な破壊

なし

単独サイコのサイコ㌟:誰でもいい、ただ殺す。通り魔的殺人。首切断などぐちゃぐちゃにする。毒物投与や放火など

サイコ㌟区分

懐柔期

満足期

なし

停滞期

犠牲者サイコ化区分

正常

なし

饅頭サイコと同じ

なし

サイコ寄生区分 特徴行動区分

残虐寄生(サイコ寄生)

なし

取込・残虐期          甘い言葉で誘うか、急に襲う。肉体などあらゆる物的な破壊

なし

e-2)3類型(単独、中間、饅頭)サイコ前兆

3類型ごとにサイコ前兆と前兆犯罪の様子が異なるので概要を下記表に示す。表の類型名の右にその特徴要点を記している。最も残虐になるのがサイコ犯罪期でその前段階が前兆犯罪期、さらにその前段階がサイコ前兆期である。表の上段部の饅頭サイコでは最も残虐なのが、饅頭構造が出来上がった段階の表右から2と3列目の饅頭サイコ犯罪期である。饅頭が出来上がる前の犠牲者がロボット化段階なのが前兆犯罪期で表の中央になる。前兆犯罪と言っても内容は財産略奪、自殺教唆や監禁を伴う悪質な傷害などの重犯罪(残虐犯罪)である。表の中断の中間サイコでは饅頭サイコの前兆犯罪がサイコ犯罪期に相当する。下段の単独サイコでは中間サイコの前兆行為前兆犯罪残虐犯罪が凝縮している。

饅頭サイコの前兆:逆転共感欲求が強いサイコ:サイコの人間関係(虐殺し合う関係)を作る

サイコ㌟

懐柔期:取込期

豹変期

懐柔/豹変繰返し

懐柔/豹変繰返し

満足期

停滞期

サイコ犯罪区分

サイコ前兆期

饅頭サイコ前兆犯罪期

饅頭サイコ犯罪期

犯罪空白期

前兆行為

前兆軽犯罪*1

前兆残虐犯罪(犠牲者ロボット化)

本格残虐犯罪(犠牲者サイコ化)

犠牲者

サイコ化

犠牲者は正常な精神を維持

真白前期    (ロボット化前期)

真白後期   (ロボット化後期)

疑似サイコ前期(サイコ化前期)

疑似サイコ後期(サイコ化後期

弱い呪縛解放

行動状況

サイコから逃げ回っている

逃げ回っているが時々捕まり、虐待を受ける

常時捕まっている。逃げられない絶望。金品子供などを奪われる

日常的な残虐恐怖感情喪失自殺が怖くない。言われるままに動く

言われたまま外部犠牲者を虐待し、殺す

言われなくても自律的に外部犠牲者を虐待し、殺す

逃走する者が出る

中間サイコの前兆:逆転愛情・承認欲求が強いサイコ:愛情・承認欲求を破壊する。ロボットの人間関係にする

サイコ㌟

懐柔期:取込期

懐柔/豹変繰返し期

満足期

なし

停滞期

サイコ犯罪区分

サイコ前兆期

中間サイコ犯罪期

なし

同饅頭

前兆行為

前兆軽犯罪*1

本格残虐犯罪(犠牲者ロボット化)

なし

犠牲者

サイコ化

犠牲者は正常な精神を維持

真白前期    (ロボット化前期)

真白後期   (ロボット化後期)

なし

同饅頭

行動状況

同饅頭

同饅頭

同饅頭

同饅頭

なし

同饅頭

単独サイコの前兆:逆転生存・逆転認知欲求が強いサイコ:生きようとすることを破壊する。認知できないことを求める

サイコ㌟

懐柔取込期

満足期

なし

停滞期

サイコ犯罪区分

前兆期

犯罪期

なし

同饅頭

前兆行為 前兆犯罪*2

本格残虐犯罪

なし

犠牲者

心理

犠牲者は正常な精神を維持

なし

いない

行動状況

瞬時いじめパワハラ*3

通り魔殺人*4,毒殺,身体解体

なし

いないか逃走

人以外

軽い動物虐待*5。火遊

激しい動物虐待*5。放火

なし

ない

 *1:ここの軽犯罪は軽犯罪法の騒音、覗き、脅迫、凶器所持などの33の行為そのものではなくサイコ前兆として残虐度が軽微な犯罪のことを言っている。軽犯罪の範囲を犠牲者に後遺症が残らない段階と仮にしておく。軽犯罪期をすぐに通過して残虐犯罪期に移行する場合も、数年以上の長期で移行する場合もあると考えられ、今後データの蓄積が必要である。サイコ前兆の可能性がある場合には脅迫や凶器所持などを軽犯罪法処置で終わらすのではなく、サイコ前兆捜査を実施する。サイコ病の可能性が高いことが判明した場合の処置は後の項「(f)二次判定で対象者がサイコ病と判定した後の対応」参照

*2:単独サイコの前兆犯罪は注*1の軽犯罪を含み、さらに残虐な犠牲者に後遺症が残る犯罪も含む。刃物を使ったり、異物などを食べさせたり、点滴液に異物混入などをするが死ぬまでには至らない段階を含む。

*3:いじめ、パワハラの初期は口頭・SNS・軽い暴力により行われる。やがて道具を使う激しい暴力、薬物使用の繰返し加害など残虐性が増していく。単独サイコのいじめやパワハラは、いじめるとどうなるか、パワハラでは例えば無理やり長時間残業をさせるとどうなるか確かめるように行う。単独サイコにとっては、いじめる行為やパワハラ行為そのものが逆転認知欲求の逆転快をもたらしている。単独サイコにとって相手が嫌がっていることは重要でなく、快感の源泉ではない中間サイコや饅頭サイコは相手が嫌がることに快感の源泉があるので、この点が異なる中間サイコや饅頭サイコのパワハラは例えば長時間残業をさせる場合でも、本人が嫌がれば嫌がるほど興奮して残業をさせ、自殺へ追い込むことに快感がある。単独サイコは自殺しようがしまいが興味はなく、ただ自殺したんだと冷淡に見て、何も感じてない。単独サイコと中間サイコ、饅頭サイコのパワハラは分かりにくいがはっきり違いがある単独サイコのいじめ、パワハラは比較的短時間の瞬時的なのものが多く、その場を逃げれば執拗に追いかけるようなことは少ないと考えられる。中間サイコや饅頭サイコが犠牲者を執拗に追いかけまわして、嫌がっていることを快感にして、いじめ、パワハラを継続するのとは異なる。

*4殺す相手は、殺しやすい人であれば親族でも、友人でも、通りがかりの人でも、幼稚園児でも、障害者でも、高齢者でも、誰でもいい。例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aが首を切断した淳君は自閉症傾向があり、殴っても反撃することはない(『絶歌』)、殺しやすい人であった。自閉症の人が暴力を受けても決して反撃しないことは本シリーズ(その3)「1.15(4)サイコパスと他の精神障害との関係4)サイコパスと自閉症(Psychopath and Autism)」参照

*5:動物虐待は「(d-2)(ⅰ)②単独サイコパスの前兆例:通り魔的殺人など凶悪犯罪に至る前段階」で述べたが動物虐待は分かりやすいサイコ前兆なのでここではさらに「軽い」と「激しい」を説明しておく。

軽い動物虐待昆虫など小型の動物が苦しむ姿に引き付けられ、切り刻みばらばらにして殺す。例5神戸連続児童殺傷事件犯人少年Aは犯行前にナメクジをカミソリで薄く裂き、ナメクジがもがく姿に引き付けられている。保護観察期間を終え32歳の時にも多数のナメクジに塩を駆けてナメクジがもがいている姿に引き付けられている。健康な児童がどうなっているか好奇心で解剖などを行うのとは全く別の次元のもので、サイコパスは結果としてぐちゃぐちゃにする。犬や猫などを叩いたり蹴飛ばしたりするが「軽い動物虐待」は動物が死ぬまでは至らない段階。動物はいずれ回復できる。少年Aの行動については本シリーズ(その4-2)「2)サイコパスの逆転認知欲求(a)サイコパスの逆転認知欲求を示す絵、コラージュ、光景の例」参照。

激しい動物虐待:犬、猫、鳥などの動物の首や手足を切断するなどの残虐行為をする。死んだ動物は切り刻んだり、内臓を取り出したり、頭をつぶしてぐちゃぐちゃにしたりする。この段階では人を殺す寸前であるか、殺している可能性がある。例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aは猫の頭部をレンガでつぶしてから、しばらくして人を殺したい衝動を抑えきれなくなり女児をハンマーで殴り、別の女児を刃物で刺し、淳君の首を切断した。

動物虐待は饅頭サイコ、中間サイコにも見られる。饅頭サイコ、中間サイコは人への虐待が目立つため、動物虐待が目立たないだけである。特に幼少期の動物虐待では饅頭、中間、単独の3類型の違いが分かりにくい。 

(f)前兆捜査の基本事項:サイコに捜査していることを知れないように客観的証拠を揃える

前項で述べたサイコ前兆を前兆捜査で確認することになるが3類型(単独、中間、饅頭)で基本が異なるのでサイコ前兆捜査官は、一次判定の情報から類型を推定し、基本戦略を以下の通り立てる。サイコに捜査していることを知れないように客観的証拠をそろえることは3類型に共通する。

(ⅰ)饅頭サイコの前兆捜査の基本:饅頭構造を掴むことが最優先

饅頭構造把握はサイコに知られないように慎重に行わなければならない。サイコが知れば虐待を隠し、サイコ化した犠牲者に虐待はないと言わせる狡猾な振舞いをしてくるからである。また、犠牲者が疑似サイコ後期まで至っているとサイコ崇拝の状態になりサイコが指示しなくても、サイコを守る言動をすることに注意しなければならない。例14尼崎監禁殺人事件のに取り込まれた猪俣家の人々は窃盗でが捕まった時に裁判で「は良い人」と話して裁判長の判断を誤らした。サイコは捜査が終わるまで1年でも2年でもじっと待つ。万が一知られてしまった場合は、捜査終了を偽装してサイコの本性が出るのを待つことになる。サイコは10年以上の長期のサイコサイクルの場合もあり、捜査陣は人事異動などで途切れることのないようにサイコの長期特性に対応した体制とする必要がある。

饅頭構造の把握:下記表の右の2列の内容を埋めることが前兆調査の基本になる。前兆捜査の段階ではすべてを埋めなくても饅頭構造ができていることが証明できればよい。証拠は動画、静止画像、証言録音等客観的な、第3者が判断できる証拠をそろえる。 

 

饅頭サイコ基本構造

基本構造内容

饅頭構造調査の内容

証拠例

中心のアン

サイコパス(一人とは限らない)

誰か、サイコ㌟どの段階か

虐待指示画像

暴力装置(暴力団員、道具類、監禁部屋など)

暴力装置は誰か、何か

暴力行為画像

饅頭の皮(内部犠牲者)

(取込まれて、サイコ化した犠牲者)

疑似サイコ後期(下位者を虐待する)

誰か(一人とは限らない)

虐待行為画像

疑似サイコ前期(下位者を虐待する)

誰か(一人とは限らない)

虐待行為画像

真白後期(言われるまま自殺しうる)

誰か(一人とは限らない)

監禁受け画像

真白前期(逃げるのをあきらめている)

誰か(一人とは限らない)

監禁受け画像

外部犠牲者

金品資産子供などを取られ、虐待を受ける

誰か。深刻さの程度

虐待受け画像

 

 

(ⅱ)中間サイコの前兆捜査の基本:中間構造を掴むことが最優先

下記表の右の2列の内容を埋めることが前兆調査の基本になる。犠牲者が内部と外部にはっきり分化していない。中間構造は暴力やいじめを行うのはサイコと暴力装置だけで、その周囲の人はまだ傍観するだけ。他は前項「(ⅰ)饅頭サイコの前兆捜査の基本」に準ずる。

 

 

中間サイコ基本構造

基本構造内容

饅頭構造調査内容

証拠例

饅頭サイコのアン相当

サイコパス(一人とは限らない)

誰か、サイコ㌟どの段階か

虐待指示画像

暴力装置(暴力仲間、道具類、監禁部屋など)

暴力装置は誰か、何か

暴力行為画像

犠牲者

金品資産子供などを取られ、虐待を受ける

真白後期(言われるまま自殺しうる)

誰か(一人とは限らない)

監禁受け画像

真白前期(逃げるのをあきらめている)

誰か(一人とは限らない)

監禁受け画像

正常な精神を維持

誰か(一人とは限らない)

虐待受け画像

 

(ⅳ)単独サイコの前兆捜査の基本:前兆行為を掴むことが最優先

下記表の右の2列の内容を埋めることが前兆調査の基本になる。暴力装置に人がいない。その他は前項「(ⅰ)饅頭サイコの前兆捜査の基本」に準ずる。

単独サイコ基本構造

基本構造内容

饅頭構造調査内容

証拠例

饅頭サイコのアン相当

サイコパス(一人)

誰か、サイコ㌟どの段階か

虐待行為画像

暴力装置(人以外。道具類、監禁部屋など)

暴力装置は何か

使用道具画像

犠牲者

虐待を受ける(一人とは限らない)

誰か。深刻さの程度

虐待受け画像

 

 以下(その4-68)に続く。 

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-66)警察のサイコ対策と治療体制2

2016-07-09 23:01:55 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-65)の続き。

(d-3)サイコ判定(サイコフィルター)の内容

以下の(ⅰ)一次判定と(ⅱ)二次判定のフィルターにより、サイコを特定する。一次判定は全警察のすべての通報・相談窓口の部署が行う。サイコから逃げてきた犠牲者でもこの部署で一次判定を行う。二次判定は各県警のサイコ対策室で行う。

(ⅰ)一次判定(一次フィルター):簡易サイコ判定マニュアルによる

サイコの知識が豊富でない警官などにも判定できるようにした簡易サイコ判定マニュアルに基づき判定する。判定結果でサイコが係わっていると判断された場合はサイコ対策室へ案件を移し厳密な二次判定を行う。マニュアルは全国中央サイコ対策室で作成し、充実したものにしていく。判定の元情報は市民などからの通報・相談とし、一次判定段階では原則としてサイコ前兆捜査を行わない。一次判定段階で既に前兆を過ぎてサイコ犯罪が行われていると思われる場合でもサイコ対策室へ案件を移す。簡易サイコ判定マニュアルは警察学校ですべての警察官に教え、使えるようにする。簡易サイコ判定マニュアルは次項のサイコ基本分類に基づき作成され、およその内容を事項以下に示す。

ⅰ)サイコ基本分類3類型:単独、中間、饅頭

以下3類型の要点をまとめておく。その後で3類型ごとのサイコ前兆を示す。

・単独(内向的)サイコパス動物、人の身体、整然としたあらゆる物を物的にぐちゃぐちゃにする。「痛さ、恐怖、残虐」に逆転快を得る。心の破壊に執着はないので、ただ殺すだけになる。通り魔的殺人、理由なき殺人になる。虐待しやすいか、殺しやすいかを直感的に把握して犠牲者を選択する。逆転生存欲求、逆転認知欲求が強いサイコパス

・中間サイコパス犠牲者を監禁に類した逃げられない下で虐待を加えるが、主要な興味は犠牲者をいじめや恐怖で、心を破壊しロボット化(偏桃体機能停止の感情喪失状態)にすることにある犠牲者を自殺に追い込むことが見られる。仲間を作ることはあるが饅頭構造までは至らず、虐待は主に自ら行う。単独サイコと饅頭サイコの中間になる。逆転愛情・承認欲求が強いサイコパス

・饅頭(外交的)サイコパス主要な興味は饅頭構造に取り込んだ内部犠牲者をサイコ化することにある。サイコ化した内部犠牲者は外部犠牲者を虐待し、虐殺する。例13北九州監禁事件のサイコパス松永は自分で殺さずに子供たちをサイコ化し母親理恵子を、姉彩10歳らに弟優貴5歳を殺させた。サイコパス角は自分で殺さずに、川村ら子供たちに母親和子を、夫仲島らに妻まり子を殺させた。逆転共同社会感情欲求(逆転共感欲求)が強いサイコパス

単独サイコであった者が成長とともに中間サイコを経て、饅頭サイコに移行するものがいる。その逆はほとんどいないと考えられる。

3類型の要点をまとめると下記表の通りになる。表のは「あり」を示し。×は「なし」を示す。は、サイコパスの興味は相対的に強くなく、興味の主体はにあることを示す。

サイコの行動特徴

サイコの基本分類:3類型

単独サイコ

中間サイコ

饅頭サイコ

物的破壊

物的破壊+心的破壊(ロボット化)

×

物的破壊+心的破壊(サイコ化)

×

×

用語解説:ソシオパス(社会病質)は使わない:饅頭サイコに対応したサイコをその外交的社会性(Socio=社会性)からソシオパスと言う心理学者がいるがが、相応しくない。ソシオパスでは健常者をサイコ化することが表現されていず、さらに健常者を取り込み恐怖に満ちた饅頭構造を作る特性が表現されない。また、サイコパスを先天的、ソシオパスを環境から生じた残虐性で後天的とする心理学者がいるが、本シリーズでは単独サイコも饅頭サイコも生まれながらに逆転欲求をもつ先天的なものとしている。後天的なものは健常者がサイコ化した犠牲者である。本シリーズではソシオパスと言う用語は使わない。尚、内向的、外交的と言う区分は以前にも述べたが心理学者ユングが使い始め現在は使う人が少ないが、労働編成の「自然に働きかける」と「人に働きかける」に対応している本質的なもので、理解しやすいので補助的に使用している。

ⅱ)単独サイコの前兆例:通り魔的殺人など凶悪犯罪に至る前兆

以下は既に犯罪行為であるが、さらに残虐な犯罪の前兆でもある。

動物虐待:ハトや猫などの足や首を切断したり、思い切りバットで叩いたり、内臓を取り出したり、脳をつぶしてぐちゃぐちゃにしたり、カミソリで目を切ったり、どうなるか観察するように、また痛みを感じるあらゆることを行う可能性がある。例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aは小学生の時からカミソリでナメクジを薄く切る「痛さ」に執着がある(『絶歌』)。

弱い人虐待:自分の子供や弟や妹や老人や近所の弱い人に対して叩いたり、蹴ったり、手をねじったり、思い切りつねったり、口の中に棒を思い切り入れ込んだり、肛門に棒を入れ込んだり、熱湯を掛けたり、こんなことをしたら大変なことになると思うあらゆることを繰り返し行う。

放火:近所の家の周りや自転車などに火をつける。自宅でも紙を燃やしたり、小物に火をつけたりする。火の恐怖を感じるあらゆることを行う可能性がある。【「放火魔は火事で人が騒ぐのを見たいので行う」という「ゆかい犯」との見解を述べる心理学者がいるが、これは健常者の範囲でサイコを理解しようとした誤り。人が騒ごうが騒ぐまいがサイコは放火する。火の恐怖そのもので逆転快ドーパミンが放出され、機能不全の偏桃体がわずかに反応する快感に引き付けられている。大火事の野次馬の中に放火したサイコがいることがあるのは、快感を味わっている。放火は残虐行為と同じ逆転快のメカニズムである】

食物への異物混入:洗剤、農薬、糞尿、ゴキブリ、毒物などを食物に混入して食べさせる。学校給食などに混入する場合もある。異物で人がどうなるかを観察するかのように食べさせる

整然としたものの物的破壊:整然としたあらゆるものをぐちゃぐちゃにする。多数の窓ガラスを割ったり、タイヤをパンクさせたり、きれいな車のボディーに傷をつける。破壊するとどうなるかを観察するように破壊を繰り返す。健常者は人を困らせるためにやっていると感じるが、そうではない。単独サイコは困る人の気持ちを感じ取ることはできない。ただ物的破壊衝動に従っただけである。

医療機関:点滴液に異物混入人がどうなるか観察するようなあらゆることを行う可能性がある。特に医療機関はサイコパスが入り込まないようにする必要がある。献身的な医者や看護婦などの努力を台無しにしてしまう

残虐宝物残虐行為の結果を「宝物」として残す。例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aは殺した猫の舌を「宝物」として瓶に溜めていた。健常者には気持ち悪いだけだが、サイコパスには「宝物」とする者がいるので前兆把握の目安になる。例13北九州監禁殺人事件の松永は犠牲者の頭の皮をはいだものを集めていた。これは前兆の段階を超えているが、頭の皮は松永にとって「宝物」であった。ネットの自殺志願者9人を殺害し2017/12/11逮捕の白石隆浩は、9人の頭部を切断してクーラーボックスに保管していたが、白石にとって頭部は「宝物」であったと思われる。発覚を恐れ遺棄しなかったのではない。白石はサイコ病の可能性が高い。【サイコにとって戦争は残虐興奮を与えてくれる「宝物」崇拝対象になる。健常者には残虐を求めるサイコの戦争崇拝は理解できない。異常に戦争を求めることはサイコ前兆の目安になる】

残虐画像・残虐映画の収集:執着し、収集する。残虐画像類は「宝物」になる。この収集自体は犯罪ではないが前兆把握の目安になる。

ⅲ)中間サイコの前兆例:中間構造の自殺教唆など凶悪犯罪に至る前兆

単独サイコの人を物体として物的にぐちゃぐちゃにすることに加えて、中間サイコではさらに人の心を破壊することが加わる。家庭内や学校の友人関係や企業内、公的組織内などの閉鎖環境で犠牲者を逃げられないようにし、嫌がれば嫌がるほど、恐怖で悲鳴を上げれば上げるほど興奮して虐待を強める。虐待にはサイコ3手法(強弁による暴力、長時間拘束、眠らさない)のいずれかが使われることがある。仲間を作っての学校でのいじめ企業や公的組織でのパワハラなどが中間サイコの前兆行為であることがある。中間サイコの特徴の一つは犠牲者を自殺にまで追い込むことである。犠牲者の自殺は執拗ないじめなどで心が破壊され、恐怖を感じない真白後期 (ロボット化:偏桃体機能停止し言われるままに行動する状態)にまで追い込まれたのちに行うことが多いと考えられる。ロボット化すると犠牲者はサイコに逆らうことはない。犠牲者の自殺はロボット化が完成した証でもある。犠牲者がロボット化する前にサイコの行為を止めなければならない。ロボット化については本シリーズ(その4-3)「(d)サイコパスは健常者を自分と同じ感情のない状態にしたい衝動(ロボット化衝動)を持つ」及び(その4-4)「10)e)健常者のロボット化とサイコパス化の違い」参照。

単独と中間の食物への異物混入の違い単独サイコが食物への異物混入を行う場合は、不特定の人であるのに対し、中間サイコは特定の人になる。特定の人がなんでこんなことをするのかとサイコを恨む反応が中間サイコの快感になり、恨み/恨まれる人間関係を作る。また、中間サイコは食物に混入せず直接無理やり食べさせることも見られる。嫌がれば嫌がるほど興奮して食べさせる。例11女子高生コンクリート詰め殺人事件でのサイコパス小倉らは尿やゴキブリを高校3年の吉田順子に、例13北九州監禁事件のサイコパス松永は大便を虎谷久美雄に食べさせている。両例とも饅頭サイコであるが、中間サイコも同様の犠牲者が嫌がることを行う特徴を持つ。相手が嫌がることを盛んに行うのは中間サイコの前兆行為である。

犠牲者の金品を奪い、持ち物を破壊する:金品を奪うのは単独サイコには見られない特徴で、反社会性人格障害の行動と見わけにくい。中間サイコが反社会性人格障害と異なるところは、金銭そのものが目的ではなく、犠牲者が金銭を奪われることを嫌がり、奪われた後に苦しみサイコを恨むことが快感になっていること犠牲者の持ち物を破壊するのも、同様に破壊することよりも犠牲者が苦しむ姿に引き付けられている相手と恨み/恨まれる関係を作る金品略奪や物品破壊は中間サイコの前兆行為である。健常者には通常この中間サイコの恨み/恨まれる関係の快感を理解することができない。

ⅳ)饅頭サイコの前兆例:饅頭構造の監禁殺人など凶悪犯罪に至る前兆

他者に、前項ⅱ)単独サイコの前兆例やⅲ)中間サイコの前兆例、を行わせる自分で行わずに他者に行わせるところに饅頭サイコの特徴が出る。他者に行わせるときにカラ理由(健常者にはばかばかしい理由。中身のない表面的な理由)が付く。例14のサイコパスは自分では直接手を出さずにサイコ化した猪俣家の人が猪俣家長男の息子24歳を窓から飛び降り自殺させ、サイコ化したマサらが橋本久芳を沖縄万座毛から飛び降り自殺させた。はその場にいない。【旧日本軍では幹部に饅頭サイコが多数入り込んで、多くのサイコ化した兵隊を作り出したと考えられる】

他者に第3者から金品を奪わせることに饅頭サイコの前兆行為の可能性。その際サイコ3手法(強弁による暴力、長時間拘束、眠らさない)のいずれかが係わる。反社会性人格障害の行動と見わけにくいが、自分で行わずに他者に行わせるところに特徴が出る。また、カラ理由が付く。略奪期の金品財産を奪いつくした後に残虐期に入ることが多いので、金品などを奪い始めた段階が前兆行為と言える。

他者に行わせるので、誰がサイコかわかりにくい難しさがあるが、饅頭サイコこそサイコパス中のサイコパスで、最も警戒しなければならない、あらゆる残虐性を内包している饅頭サイコを前兆段階で捕捉できるようにすることは社会の健全性を確保するために不可欠な社会機能として警察の重点施策にならなければならない

(ⅱ)二次判定(二次フィルター):厳密な前兆調査によりサイコを判定

二次判定はサイコ対策室サイコ専門警察官が行う。現状の「サイコパシー・チェックリスト」などは健常者の誰もが持つ民主的冷淡(労働編成冷淡)とサイコの冷淡を混同しているので使えない。実際のサイコ犯罪の調査分析でサイコ病がもつ特徴を蓄積して、「サイコパシー・チェックリスト」は犯罪現場の実践に使えるように大幅に見直さなければならない。現状の「サイコパシー・チェックリスト」などサイコを判定する基準についてはウィキペディア『精神病質』参照。

用語解説:民主的冷淡(労働編成冷淡:例えば、設計、製造、研究などの労働編成それぞれが互いに相手を尊重して、相手が困っていても、インターフェイス(仕事の接点)に係ること以外は口出しいない冷淡のこと。互いの専門性を尊重した冷淡と言える。この冷淡は他の人が多少困っていると見えても、その人の生活や人生に口出ししない、その人の自由を尊重した民主的冷淡となる。この冷淡では相手が不当なことのために明らかに困っているときには助けたいと感じ、助けることがある。民主的冷淡は民主的な社会の基礎になる。この冷淡の起源は現生人類が労働編成を形成した時に遡る。現生人類の民主的冷淡の詳細は後の項「経営とサイコパス」で述べる。サイコパスの冷淡(サイコ冷淡):健常者に寄生し、略奪寄生と残虐寄生を何の躊躇もなく、進んで行う冷淡である。民主的冷淡が『相手のことに口出ししない』のに対し、サイコ冷淡は『相手に積極的に口出しし、寄生する』

ⅰ)「優れた経営者にはサイコパスが多い」という民主的冷淡を混同した誤り:「優れた経営者にはサイコパスが多い」という誤りは、「サイコパシー・チェックリスト」などのサイコ判定基準が民主的冷淡とサイコ冷淡を混同しているために生じたと考えられる。優れた経営者は明確な民主的冷淡(労働編成冷淡)を持っているのでそれが現れたと考えられる。優れた経営者は経営内部の人のそれぞれの専門能力を尊重して、重要な仕事を任すために、経営がうまくいく。経営者の中には徹底的に冷淡で、人が困っていても共感しないものがいるが民主的冷淡の範囲でサイコのような残虐を求めることはなく、サイコ冷淡を持っているわけではない。困っている人に共感すると資本主義の競争に対応できないことから生じており、サイコ特性があるということではない。この誤りはNHK心と脳の白熱教室第3回「あなたの中のサイコパス」の講師ケヴィン・ダットン(Kevin Dutton)などサイコパスの研究者と言われる人の中に多い。健康な学生に「サイコパシー・チェックリスト」などを使い「君はサイコパス特性がある」などと無責任な対応をして困らせている。このようなサイコパス研究者はサイコパスの研究を歪ます害毒を振り撒いている。経営は労働編成の一部で特別ではなく、経営者の中にも一定の割合のサイコパス特性を持つ者がいることは他の人たちと変わりはない。中野信子著『サイコパス』(2016、文芸春秋)も民主的冷淡とサイコ冷淡を混乱させるダットンと同様の誤りを含んでいる。「大企業のCEOや弁護士、外科医と言った、大胆な決断をしなければならない職種の人々にサイコパスが多いという研究結果がある」(『サイコパス』P6)と言うのは「サイコパスが多い」でなく「明確な民主的冷淡を持っている人が多い」と書き換えなければならない。また、「先進国にサイコパスが多い」というのも誤りで、「先進国は明確な民主的冷淡を持つ人が多い」ということで、サイコパスが多いわけではない。この誤りは「サイコパシー・チェックリスト」などのサイコ判定基準が持つ誤りから生じている。

ⅱ)二次判定の基礎になる最先端脳神経活動解析技術:サイコ病(偏桃体機能不全症候群、残虐依存症)は最先端の医療装置の進歩でますます判定と治療の可能性がはっきりしてきている。下画像は独立行政法人放射線医学総合研究所(以下放医研)分子イメージング研究センターの『感情の中枢である扁桃体におけるドーパミンの役割を解明』と題された論文のものである。画像の上左にある装置がfMRIと言う装置でその手前の台に人が横になって左の円筒状の中へ移動して計測する。画像右の脳断層画像は「fMRIによる恐怖の表情の顔写真を見た時の扁桃体の活動の計測。黄色の部分が扁桃体の活性を示す」「健康男性21名の脳活動をfMRIにて測定し、恐怖や不安の感情により扁桃体の活動が活発になることを確認した」。画像下左は使用した顔写真の例だがこれはあまり効果的でない写真かもしれない。

同様の試験は『サイコパス、冷淡な脳』の著者J.ブレア(James Blair)が行い、サイコは恐怖などの写真に偏桃体が反応しないことを突き止めている。J.ブレアが使用している写真は本シリーズ(その1)「1.2 サイコパスは他の人と共感することができない。表情や声や身振りから人の感情を把握できない」参照。また、米ケンタッキー州ジョージタウン大学アビゲイル・マーシュ教授は「サイコパスの偏桃体が標準より小さめで、他人の怯えや不安の表情に対してほとんど反応をしない」としている。本シリーズ(その4-3)「(b)愛情あふれる人の偏桃体は大きい」参照。

 

放医研分子イメージング研究センターの論文では「脳内で情動の中枢とも呼ばれる扁桃体は、特に不安や恐怖といった感情に深くかかわっており、様々な精神疾患においては扁桃体の機能異常が報告されています。このため扁桃体の活動を調節するような薬物を開発し、このような精神疾患の治療に利用していくためには、扁桃体における分子のはたらきを理解することが不可欠です」と研究の背景を説明している。

下のグラフは同論文にある「扁桃体のD1受容体の密度が高い(受容体結合能が大きい)被験者ほど、恐怖の表情の顔写真を見たときの扁桃体の活動が強いという関係がある」ことをPET(陽電子断層撮像法)により計測した結果を示すもの。DはドーパミンDopamineの頭文字。受容体はドーパミンなど神経伝達物質と結合し反応する神経分子。ドーパミンには5つの受容体が知られており、D1はその代表的な興奮を伝達するもの。21人について調べたためグラフには21プロットがある。サイコについてこのようなグラフを作成すれば、サイコであるかどうかを客観的に判定することができる可能性がある。この論文は米国科学雑誌「The Journal of Neuroscience」2010/2/24に掲載されている。

もう一つの論文、生理学研究所『恐怖による交感神経活動の脳内ネットワークが明らかに− 不安障害や自律神経失調症の予防や治療に期待(2016年7月14日 プレスリリース)では、「fMRIを用いて32人の健常者に対してホラー映画とコントロール映画を視聴した時の脳活動を調査」し次の3点を明らかにした。「①恐怖によって扁桃体と前帯状皮質、扁桃体と前部島皮質との機能的な結びつきが強くなっている。②恐怖の程度が大きいほど、左扁桃体と前帯状皮質との機能的な結びつきがより強くなっている。③前帯状皮質は、恐怖と交感神経活動をつなぐ重要な役割」。

この研究で筆者が重要と思うことの一つは恐怖に対して左右の偏桃体が異なる反応をしており、左右の偏桃体の機能が異なることを突き止めていることである。本シリーズ(その4)「1.16(2)扁桃体の構造と具体的機能とサイコパス」で偏桃体が少なくても6機能部位から構成されていることを示したが、さらに左右で異なり、6機能部位以上があることを暗示するもの。サイコには首の切断に執着がある者、毒物に執着がある者、犠牲者が衰弱してガリガリに痩せることを求める者など、いろいろのタイプがあることは、偏桃体のどの部位が機能不全かと係わりがある可能性がある。またサイコに単独、中間、饅頭の3類型があることは機能不全の偏桃体と脳辺縁系との関係が係わると考えられる。

下の画像はK.A.キールがサイコでない者とサイコの脳波を観察したもの。当たり障りのない単語は「家」など、情動に訴える単語は「血」など。サイコでない人は単語の変化で脳波も変化するが、サイコは感情の変化がないので単語の変化に対して脳波の変化反応はない。この実験からK.A.キールは、サイコは「目にしている単語がどのような種類のものでも、脳波のパターンが通常の人とは大きく異なっていた」「サイコパスの脳が他の人々とは異なる発火(脳の活動)の仕方をすることを示唆している」と述べている。

 画像出典:別冊日経サイエンス『心の迷宮、脳の神秘を探る』(2013、p10、「脳波の違い」)

以上で分かるように、fMRIやPETなどの脳神経活動解析装置の技術の進歩と脳機能や神経伝達物質などの解明は、サイコ病の判定と治療を可能にする展望を示している。現状の装置はまだ分解能(細かさ)や時間能(反応の検出時間遅れ)や被験者姿勢など課題がある。fMRIでは磁気発生のための大きな音も課題である。また、サイコ㌟の懐柔期、満足期、停滞期の違いで偏桃体の反応がどう変わるか、疑似サイコ化した犠牲者の偏桃体の反応はどう変化するかなど解明しなければならないことが多数ある。精神科医の中にはサイコは治療できないと主張する人がいるが、癌が以前は治療不可能の病気と言われえていたが、現在では治療可能な病気として展望が広がっている。サイコ病も癌同様にいずれ治療の展望が開かれると確信している。治療の展望は社会の明るい展望につながる。

(ⅲ)前兆犯罪サイコ判定(前兆犯罪フィルター):犯罪行為で逮捕された容疑者のサイコ判定である。

逮捕した部署が簡易サイコ判定マニュアルにより一次判定を行い、サイコ病の可能性があればサイコ対策室へ事件を移す。次の例は「前兆犯罪」でサイコ病を判定していればその後の凶悪サイコ犯罪を防ぐことができた可能性が大きいものである。

2001年附属池田小事件(小学生8人殺害、15人重軽傷):犯人宅間守は小学生の時に猫等の動物を新聞紙に包んで火をつけて殺害する動物虐待をし、中学では弱いものをいじめ、女子生徒の弁当に精液を掛けるなどサイコ病の特徴を示している。自衛隊に強い興味を持ち、1981年航空自衛隊に入隊したが1年強で除隊。十数社転々とし暴行障害事件を繰り返し、家族にも暴力をふるい、高速道路の逆走を行った。1984年に強姦事件で精神科に入院。入院中に5階から飛び降り重症。統合失調症の診断。1985年に強姦事件で3年の実刑。出所後に父親から勘当された。市バス運転手の時には乗客女性に言いがかりをつけ懲戒処分。1999年4月に小学校の用務員の時に教諭らが飲むお茶に薬剤を混入し免職。その後付属池田小事件2001年6月までに職を転々としその都度暴行事件などを繰り返していた。強姦や傷害事件の段階を前兆犯罪としてサイコ病であることを特定できた可能性が高い。以上の情報元ウィキペディア『付属池田小事件』、および本シリーズ(その4-2)「1)サイコパスの逆転生存欲求・2001付属池田小事件」参照。

1971大久保清連続女性誘拐殺人事件:犯人大久保清は1971/3/31~5/10の約1.5カ月に8人の女性を殺害したが、最初の殺害の29日前1971/3/2まで府中刑務所に入っていた。小学6年の時に幼女の性器に石を詰め込む事件を起こし、その後も強姦や恐喝で実刑を受けている。また嘘で大学生や全学連活動家などに成りすまし女性に接近するなどサイコ病特性を示しており、殺人に至る前の犯罪を前兆犯罪」としてサイコ病であることを特定できた可能性が高い。(情報元ウィキペディア「大久保清」2017/12/27閲覧)

2016年相模原障害者大量殺傷事件:障害者19人殺害、26人重軽傷の犯人植松聖(さとし)は、事件前に津久井署が「他人に害を及ぼす恐れがある」として警察官職務執行法に基づき、北里病院措置入院(行政による強制入院)の処置が取られていた。植松は上半身全体に般若の入れ墨があり、障害者入所者の手首に黒で時計のいたずら書きをしているが、この行為はサイコ病の特徴の可能性がある。隔離病室ではドアを蹴り、大声を出すなど精神錯乱が見られ「ヒットラーの思想が降りてきた」と言う。退院時に友人に「医者をだまして退院してきた」と話す。サイコは簡単に医者をだます。植松は大麻をやっており、UFOが見えると幻覚があるようでで、統合失調症などとサイコ病との合併症状態ではないかと筆者は推測する。津久井署が事件前に把握した植松は前兆犯罪」の状態と言える。この状態で手を打てるようにすることが必要。被害者が出てからでは遅い。以上の情報元:「植松聖(うえまつさとし)生い立ちから事件まで【相模原障害者殺傷事件】」https://www.orangehoppe.com/uematsusatoshi-oitachi-sagamihara-shogaisha-sasshojiken/(閲覧2017/12/22))

植松聖(さとし)のカラ理由「ヒットラーの思想が降りてきたサイコパスがカラ理由(健常者にはばかばかしい、中身のない表面的な理由)を必要としている例になる。例14尼崎監禁殺人事件のサイコパスは「お前の出来が悪い」と言う理由で谷本明などを虐待する、どう出来が悪いかの説明はない。例13北九州監禁事件のサイコパス松永は娘沙織に父虎谷の問題点を無理やりメモに書かせ、その問題点メモをカラ理由として虎谷の前で読み上げて通電虐待する。松永はいろいろな犠牲者を通電虐待するときに必ずカラ理由を必要としていた。サイコパス植松聖も殺す相手は誰でもいいが、カラ理由を必要としていた。カラ理由を見つけ「ヒットラーの思想が降りてきた」と表現した。植松がたまたま就職したのが障害者施設であったためにこのカラ理由になった。もし幼稚園の用務員に就職すれば幼児を殺すカラ理由を見つけ出し、例えば「泣き声がうるさい」と言う理由でも植松は幼児を殺したに違いない。ヒットラーが障害者を多数殺したことを知りカラ理由にしただけで、それ以上の理由はない。植松のカラ理由は至ってまじめで衆議院議長公邸を訪れ障害者抹殺を求めた便せん3枚の手紙を渡した。手紙には「安倍晋三様にご相談いただけることを切に願っております」とある。ヒットラーはドイツ国家の中枢を握り残虐の限りを尽くしたが、サイコ病の特徴が随所に出ており、障害者大量虐殺やユダヤ人大量虐殺もカラ理由以上の理由を見つけるのは困難である。ヒットラーについては後の項「戦時下のサイコパス」でも触れる。植松はカラ理由を裁判でも主張する可能性がある。

精神科医松本俊彦は「彼(植松聖)の思想は、生産性、効率性、社会的負担を判断基準とした、いわば『憂国の士による障害者無用論』と感じました」「障害者に対する『憎悪(ヘイト)』というよりも、優生思想であるといえる」(「相模原障害者殺傷事件の植松聖被告が宮崎勤死刑囚について言及した手紙」https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20170814-00074533/ (閲覧2017/12/22))としたが、植松のカラ理由はそのような立派な『思想』ではなない。サイコのカラ理由を真に受ける精神科医がいることに注意する必要がある。カラ理由については本シリーズ(その4-4)「9)サイコパス自身は自分をどう感じているか(d)虐待行為にどうでもいい理由を必要とする」参照。

(ⅳ)サイコ対策室のサイコ前兆捜査官は最前線のサイコ病診断医サイコ前兆捜査では裁判制度の「推定無罪の原則」(裁判で有罪判決が出ない限り容疑者は無罪として対応する)は適用しない。すなわちサイコであるかどうかは裁判制度によるのでなくサイコ対策室のサイコ前兆捜査官が中央サイコ治療院との連携で診断する。サイコ前兆捜査官は警察官であると同時にサイコ病の最前線の診断医でもある。現状の裁判制度ではサイコ病を診断する体制がなく、サイコ病で生じた犯罪を的確に処理できないので、本シリーズで述べるサイコ対策と治療体制が必要になる 

(ⅴ)サイコ犯罪防止を警察官の業績評価に直結させる:現状は犯罪防止が評価されない

現状は犯罪を防止しても業務成績評価にならない。現状は立件事案、起こった犯罪の解決、が業績評価の主体で、犯罪防止に対しては新しい業務評価が必要になる。すなわち、犯罪防止を主要な任務とするサイコ前兆捜査官などの前兆捜査業務を評価するシステムが必要。

・犯罪が起こらなければ動かない現状:犯罪防止を評価しないばかりか、犯罪防止で動こうともしない現状。特に饅頭サイコが行う友人間や親族間など健常者同士で虐待させる行為は署員には動機が不明で何が何だかわからないため現状では立件さえできない。従来の「物取り、怨恨」のような動機がはっきりした場合しか対応できない。例14尼崎監禁殺人事件ののような血だらけになって警察署に飛び込んできても「事故か、事件か」と問い詰め、「娘に虐待された」という話に、何が何だかわからず「被害届が先だ」と追い返した。猪俣家甥は何回も警察へ行ったが相手にされず、やむを得ず、らを誘って倉庫からバナナなどを盗む窃盗事件を起こして、自ら出頭して警察を動かした。これらは犯罪が起こらなければ動かない警察の実態を示している。特にサイコ犯罪が起こる前に対処する警察官のモチベーションのために人事業績評価システムを見直さなければならない。

・国家公安委員会警察刷新会議8回会議2000/6/16でD氏は栃木事件、桶川事件に関わり、次のように述べた『被害者の親が何度言っても動かないというのは、これをやっても得にならないとか、かえって損をするとか、逆インセンティブがあるのではないか。犯罪を未然に防止することが得点にならないことが問題である』『事件を未然に防ぐ力がない。国民から見れば警察は殺人が起きるまで待っている組織というイメージではないか。』(情報元:公安委員会H.P.)D氏の発言に対し現状は改善された様子はないようである

サイコ犯罪防止を警察官の業績評価に入れる例:下記表は筆者が考えるサイコ前兆捜査に対する業績評価方法の例である。N値が高いほど業績評価が高い。 

 

業績評価点数N

加点要素

負点要素

評価点算出式

窓口部門

一次判定を行った件数:n1

サイコ対策室の二次判定へ送った件数:n2

二次判定でサイコと特定された件数:n3

一次判定を怠たり他部門(含他県警)で一次判定が行われた件数*1:n4

二次判定へ送ることを怠たり他部門(含他県警)で二次判定へ送った件数*1:n5

N*2=n1+5n2+10n3-5n4-10n5

サイコ対策室

二次判定を行った件数:m1

二次判定で特定し承認得た件数:m2

冤罪監視救済機関から疑義を受けた件数:m3

二次判定が誤りだった件数:m4

N*3=m1+10m2ー5m3-10m4

 注*1:通報者や犠牲者は、警察署員が訴えを理解できず、期待した対応をしない時に、理解できる警察署を探してあちこち行く。このことを防ぐために、負点にしている。本シリーズ(その4-53)「(g)犠牲者はいろいろな署へ行く」参照

*2加点重み付け:n2は二次判定の証拠をそろえる必要があるのでn1の5倍。二次判定でサイコと特定された場合には、サイコを見つけ出し犯罪を未然に防いだことを評価しn1の10倍の評価としている。負点重み付け:通報者や犠牲者が他の部門に相談に行くのは、その窓口部門の対応に問題があるので5倍の負点5n4。他の部門が二次判定へ送ったとなれば、その窓口はサイコ前兆に対処する能力がない証明になり、10倍の負点10n5とした。

*3加点重み付け:二次判定の上部組織(中央サイコ対策室と中央治療院)の承認を得た場合は、サイコ犯罪を未然に防いだことを評価し10倍の10m2とした。負点重み付け:冤罪監視救済機関から疑義を受けることは、証拠が不十分であることが考えられ、サイコ判定の人権が絡む重要性を鑑み5倍の5m3とした。二次判定が誤りであることは本来許されないことで10倍の10m4としている。このような本来許されない負点の重み付けの問題があったとしても、サイコの深刻な現状に対処することを優先しなければならない

実際の運用経験を積み、効果的な人事業績評価へと改善していく参考になれば筆者は幸いである。

以下(その4-67)へ続く。

 

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映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-65)警察のサイコ対策と治療体制1

2016-07-09 23:01:50 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-64)の続き

(L-7)警察のサイコ対策と治療体制

サイコ犯罪は他の犯罪とはかけ離れた特徴があるので、従来の「犯罪者を懲らしめる」懲罰対応は健常者には相応しいが、サイコには根本的な解決にならない。サイコには刑期を終え釈放後に再び残虐犯罪を行うものが多い。「日本の犯罪史上に残るシリアルキラーを見ると、前科がある人物ばかりである」(筑波大学人間系教授犯罪心理学者原田隆之:女性セブン2018年1月4・11日号)。また、サイコ化事件では取り込まれた犠牲者のほとんどは警察へ相談できる状態でない。警察へ相談できない状態の犠牲者をどう救うか。犠牲者を救うだけでなく偏桃体機能不全症候群の病気のサイコ自身をどう救うかが対策になる。

例13北九州監禁殺人事件の松永のように自分を病だと思っていないサイコもいるが、サイコの中には自分が異常であることを感じ、例5神戸連続児童殺傷事件の少年Aのように逮捕後に面会に来た母親に「僕は病気やねん」(『挽歌』)と話すサイコもいる。2015年に斧で女性を殺した名古屋大学女子大生は裁判で「今も人を殺したいと思うことが1日に5、6回、多いときは10回以上ある」「人を殺さない自分になる方法を探したい」(本項最後の項『映画:アメリカン・サイコ』を参照)と述べる者もいる。サイコの中には割合は少ないと思われるが自分自身を何とかしたいと思う者がいる。特に停滞期に入ったサイコや高齢になったサイコはそう思う者がいる。サイコの脳内でのドーパミンの作用は麻薬患者が何とか麻薬を止めたいと思うが止められないのと似ている。自分を何とかしたいと思うサイコを救うのはサイコ病を治す治療体制以外にない。サイコ対策はサイコ病を治療して初めて根本的な対策になる。この項ではこれらを考えた。本シリーズがサイコ犯罪対策に少しでも役に立てば幸いと思う。筆者の考えるサイコ対策と治療体制をまとめているが、多くの人がサイコを理解し一日も早く対処できるようになってほしいと願っている。サイコについては先天的や後天的や優秀な人もいるなど、いろいろの解釈があるが、肝心なことは解釈することではなく、サイコ犯罪に対処し、解決することである。

注:サイコパスと言う言葉が繰り返されるときにはサイコと短縮している。本シリーズではサイコパスとサイコは同じこと。

本項は長いので全体が分かるよう目次を以下に記しておく。

(a)本当に救わなければならない深刻な犠牲者は警察へ相談しない

(b)兵庫と香川両県警の新組織の状況と問題点から見える、あるべき対応策

 (ⅰ)兵庫県警新組織「広域相談指導係」:4つの問題点

 (ⅱ)香川県警新組織「広聴・被害者支援課」:兵庫県警「広域相談指導係」と同様の問題点

(c)警察及び諸組織のサイコ対策室治療体制の確立

 (ⅰ)サイコの人権:逆転欲求は人権として認められない

 (ⅱ)警察は従来の日常業務サイコ対策業務を分けた全国体制

   ⅰ)相談・通報を受ける機能部署

   ⅱ)サイコ対策室

(d)サイコ対策の基本原則とサイコ判定の内容

(d-1)現在の刑法の犯罪論体系の根本問題:残虐犯罪を繰り返すサイコ病に対する体系が欠如。

(d-2)サイコ対策の基本原則

 (ⅰ)犠牲者が出る前にサイコ前兆をつかみ、サイコを治療へ

 (ⅱ)サイコ前兆捜査と内心の自由の関係

 (ⅲ)「犠牲者は警察に相談に来ない」ことを前提にする

(d-3)サイコ判定(サイコフィルター)の内容

 (ⅰ)一次判定(一次フィルター):簡易サイコ判定マニュアルによる

  ⅰ)サイコ基本分類:3類型:単独、中間、饅頭

  ⅱ)単独サイコの前兆例:通り魔的殺人など凶悪犯罪に至る前兆

  ⅲ)中間サイコの前兆例:中間構造の自殺教唆など凶悪犯罪に至る前兆

  ⅳ)饅頭サイコの前兆例:饅頭構造の監禁殺人など凶悪犯罪に至る前兆

(ⅱ)二次判定(二次フィルター):厳密な前兆捜査によりサイコを判定

  ⅰ)「優れた経営者にはサイコパスが多い」という民主的冷淡を混同した誤り

  ⅱ)二次判定の基礎になる最先端脳神経活動解析技術

(ⅲ)前兆犯罪サイコ判定(前兆犯罪フィルター):犯罪行為で逮捕されたもののサイコ判定

(ⅳ)サイコ対策室のサイコ前兆捜査官はサイコ病診断医

(ⅴ)サイコ犯罪防止を業務評価に直結させる:現状は犯罪防止が評価されない

(e)3類型(単独、中間、饅頭)の各サイコサイクルとサイコ前兆

 (e-1)基本分類(単独、中間、饅頭)の各サイコサイクル

 (e-2)基本分類(単独、中間、饅頭)のサイコ前兆

(f)前兆捜査の基本事項:サイコに捜査していることを知れないように客観的証拠を揃える

 (ⅰ)饅頭サイコの前兆捜査の基本:饅頭構造を掴むことが最優先

 (ⅱ)中間サイコの前兆捜査の基本:中間構造を掴むことが最優先

 (ⅳ)単独サイコの前兆捜査の基本事前兆行為を掴むことが最優先

(g)前兆犯罪捜査の基本事項:前兆捜査の基本事項と同様

(h)犠牲者が逃走してきたときの対応基本事項:逃走レベルの把握が最優先

 (ⅰ)サイコ3類型と逃走してきた犠牲者の心理状況の関係

 (ⅱ)犠牲者の逃走レベル別の心理状況

(I)二次判定でサイコ病と判定後の警察の対応策

 (I-1)判定結果を上部組織の承認取得

 (I-2)判定3形態別とサイコ3類型別の対応策

  (ⅰ)判定3形態(前兆捜査、前兆犯罪、逃走者証言)別の対応策と公的治療への誘導

  (ⅱ)サイコ3類型(饅頭、中間、単独)別の対応策

   ⅰ)饅頭サイコに対する警察対応策と饅頭構造解体手順

   ⅱ)中間サイコに対する警察対応策と中間構造解体手順

   ⅲ)単独サイコに対する警察対応策

 (I-3)その他の注意事項

  (ⅰ)健康な警察官や教師が陥りやすい誤りまとめ:説得でると警察を恐れるという勘違い

  (ⅱ)サイコの治療の注意:集団治療法は逆効果になるので行ってはならない

映画『アメリカン・サイコ』:自分を何とかしたいと思うサイコが描かれている

映画『アメリカン・サイコ』の終盤:サイコ犯罪を無かったことにする人々

(j)この項のおわりに

以下本編

(a)本当に救わなければならない深刻な犠牲者は警察へ相談しない

大人の虐待通報データがないので、まず18歳未満(児童)の虐待の通報データを見る。下記グラフは児童相談所への虐待の通報元を示す。子供本人からの「助けてほしい」は930件で0.9%(グラフでは1%)のわずかな割合で99%は異常に気が付いた周辺の人からである。通報元に警察が多いのは、近所の人などが初めに警察に通報し、そこから児童相談所へ通報が行くためと思われる。虐待を受けているのは小学生以上が5万9千件で57%。18歳以上の大人もの事件でわかるように犠牲者本人からの通報はほとんどない本当に深刻な犠牲者は、先生や、家族や、友人や警察などに相談しない。周囲の状況から、サイコパスの存在を察知して手を打たなければならない。尚、児童の虐待死と明らかなのは2015年に52人有ったが、主な加害者は実母の26人(50%)、実父12人(23%)。(以上情報元:日経2017/8/17朝刊と夕刊。グラフはデータから筆者が作成した)。サイコは近親者を理由なく恨み、虐待、虐殺することが多い。近親者がターゲットになるのは身近で手っ取り早いこと以外に理由はない。本シリーズ(その4-2)「1)サイコパスの逆転生存欲求・千葉君津祖父母殺害事件2015年」の犯人17歳は「通行人でもいいが、逃げられると思い、身内にした」と述べた。

の犠牲者の場合は谷輪家、橋本家、安藤家、鄭家、皆吉家、李家、谷本家、仲島家、川村家のほとんどは警察に相談をしていないか、近所の人がその異常さで通報している。その通報で警察が実態を理解することはなかった。犠牲者としては猪俣家の甥と谷本家のの二人が警察へ繰り返し訴えたが、警察に相手にされなかった。相手にされたのは川村家の傷だらけの香愛が警察に訴え、殺害されてコンクリ詰めにされた和子が発見されたときで、既に12人以上が虐殺され後である。遅すぎた。兵庫県警と香川県警が猪俣家甥と谷本の訴えに対する対応が酷いとマスコミに叩かれ、対応を強化する新組織を作ったが、いずれも次の項で見るように犠牲者が相談に来るのを待つ姿勢だけでサイコ対策としてうまく機能しない。知人や近所の人などの通報を手掛かりにサイコの存在を察知して、饅頭構造などを把握する積極的な姿勢でなければサイコ対策は機能しない。

(b)兵庫と香川両県警の新組織の状況と問題点から見える、あるべき対応策

兵庫と香川両県警の警察へ飛び込んだ谷本明、猪俣家甥やサイコパス角に対する多くの問題点は本シリーズ(その4-51)~(その4-56)で「筆者の見解」として述べている。新組織の問題点についても述べているのでそれを参照してほしい。ここではその後の新組織の活動結果からあるべきサイコ対策と関係する問題点をまとめた。

(ⅰ)兵庫県警新組織「広域相談指導係」:4つの問題点

2013/5/1日付の新設組織「広域相談指導係」は前項で述べた「犠牲者が相談に来るのを待つ姿勢だけ」の問題のほかに、設立当初から次の4つの問題点を持っている。その問題点から「あるべき対応策」が見える。

①目的の問題:新係は「複数署にまたがる相談事案を集約するため」としているが、の事件や栃木事件で分かるように、被害者は一つの署が事件を理解できないので、他の署では理解してくれるかもしれないと思い複数署を転々としている。複数署に被害者が来たことが問題でなく一つの署で対処できないことが問題一つの署で対処できる体制を作る必要がある。

②広域になっていない問題:この係は兵庫県内だけを対象としており広域とは言えない。角は滋賀県、高知県で監禁し、周辺住民などが警察へ異常を通報している。県の枠を超えた情報を集約するサイコ対策の全国システムが必要。

③書類保存期間3は短すぎる問題:サイコが係わった情報書類は、一般的な相談書類とは別に管理されなければならない。保存期間も3年以上のはるかに長期間が必要になる。は橋本家を取り込んでから母親橋本芳子殺害までのサイコ㌟は32年であった。サイコは全人生を残虐行為に注ぎ込むので、本質的な解明は人生の軌跡そのものになる。サイコ犯罪は従来の犯罪捜査とは全く別の長期の患者を診る主治医に類似した視点が必要である。病気が致命的になる前に手を打つ主治医である。サイコの兆候がいつからどのように出ているかを調べ、犯罪が起こる前に手を打てるように情報を集積する社会的なシステムが必要。医者が病気に対する情報を広く集めて患者に接するとともに、その患者情報を他の医者と共有するように、サイコ対策室のサイコ専門警官は情報の収集と共有をしなければならない各サイコ対策室は当該サイコ事件が解決すればそれで終わりと言うようなものではなく、サイコ対策の貴重な情報として蓄積していき、全国のサイコ対策の水準を上げることに貢献しなければならない。

④担当5人だけで、サイコ化事件対応は不可能の問題:下記グラフに示す通り相談実績は平均28件/日。1時間に平均3.5件の相談に対処しなければならない。サイコが関係しなくても夫婦げんかや暴力事件、ストーカまがいのことは多数ある。この多数の相談件数の中でわずかな割合のサイコが係わる相談を篩い分ける必要がある。埼玉県警の調査だが1997~2000までの間「『つきまとい、無言電話』等の相談を受けた事案で殺人まで発展したという事件は、皆無である」(情報元:ウィキペディア桶川ストーカ事件)と桶川事件の「殺人まで発展した」ことは予期できず、やむを得なかったと言い訳の報告をしている。この報告は殺人に至らない虐待はあったことを示している相談の多くはサイコが係わらないが、わずかだがサイコが係わる相談が含まれることが重要。桶川事件は、わずかだからと言って見逃してはいけないことを示している

サイコに虐待されている犠牲者は記憶や判断力が希薄になっており警察へうまく説明できない場合が多いので、その深刻さを見落としてしまう。また虐待をしているサイコに「警察だ、虐待するな」と連絡を入れると警察へ行ったことがばれてさらに激しい虐待を受け、二度と来ない。二度と来ないので警官は解決したと勘違いする。サイコの特徴を理解した専門知識を有する特別な警官の体制が必要。兵庫県警担当5人の体制ではサイコ犯罪対処は不可能。次の項「(c)警察及び諸組織のサイコ対策室と治療体制の確立」で、あるべき体制を述べる。(グラフはデータから筆者が作成した)

(ⅱ)香川県警新組織「広聴・被害者支援課」:兵庫県警「広域相談指導係」と同様の問題点

香川県警は2013/4月に新組織「広聴・被害者支援課」を発足させたが、前項の兵庫県警「広域相談指導係」と同様の問題点を持っている。兵庫県警と新設組織の横通しをしたためと思われる。

(c)警察及び諸組織のサイコ対策室治療体制の確立

サイコを偏桃体機能不全症候群・残虐依存症の病気サイコ病(サイコパス病)として研究治療体制を作ることが基本になる。この病気は、人を理由なく恨み、虐待し、殺す。また、人に他の人を殺させることを求める病気で、通常の病気とは全く別の体制を必要とする。警察はその体制の重要な役割を占める。サイコ病の人口割合が0.4%程度と微小なことから、人口割合が事件の割合と等しいと仮定すれば、事件の99.6%はサイコパスが係わらない可能性がる。事件、の99.6%を扱う従来業務と0.4%のサイコ対策業務を体制的に分けることが実務的なカギになる。尚、サイコ病の人口割合は凶悪事件の割合を基にしているが、このことは本シリーズ(その3)「1.11 サイコパスの統計的特徴(1)サイコパスの割合」参照

用語解説:サイコ病(サイコパス病):偏桃体機能不全症候群・残虐依存症の病気のこと。サイコ病の人がサイコパスである。病気そのものと人を区分した概念。サイコ病の治療が成功すればその人はサイコパスでなくなる

(ⅰ)サイコの人権逆転欲求は人権として認められない

サイコが他者に寄生する、略奪寄生と残虐寄生の、あらゆる行為は、本人が生まれながらに持つ逆転欲求に基づくものであったとしても人権として認められない。サイコの「人に苦痛を与える自由」「虐待する自由」「殺す自由」「人間関係を恨み/恨まれる関係にする自由」は「人権の自由」に含まれずに、サイコ病(逆転欲求)として扱われるべきもの。SNSなどによるサイコの「嘘で人を貶(おとし)める」「汚い言葉で繰り返しののしる」なども「言論の自由」に含まれず、サイコ病あるいはその前兆に類するものとして扱われるべきもの。ネットの世界で、ほんのわずかな割合のサイコがやりたい放題になることは、何らかの規制をしなければならない。「あらゆる自由」と言う概念はサイコには適用できない。サイコの逆転欲求追求の自由は他者の犠牲の上に成り立ち、「認められない自由」で強い規制を必要とする。時の支配階級が従属階級の自由を奪うことと、社会がサイコの自由を奪うことを混同してはならない。前者の従属階級の自由は回復されなければならないが、サイコの逆転欲求の自由は認めてはならない。人類史ではサイコが自由に残虐行為したことを示す遺跡が多数ある。この遺跡については後の項で述べる。

他者に害を及ぼすことがない、すなわち寄生することがない範囲で逆転欲求を追求することまでは内心の自由として妨げない。例えば残虐映画を見るなどの範囲の逆転欲求を満足させるのであれば、基本的人権として許容する。だが、残虐映画に触発されて他者に害を及ぼすに至る過程である場合は残虐映画を見ること自体に制限が加えられる。

これまでサイコ犯罪は残虐なために死刑にすることが多いが、次々残虐犯罪が出てくるので死刑は解決にならないことが判明している。サイコ病を治療する体制がなければいつまでもサイコ犯罪はなくならず、サイコが戦争を引き起こす潜在的な脅威はなくならない。サイコ病は戦争を繰り返した人類史が原因の可能性が大きく、本人に責任を問えず、社会的に治療を受ける権利を有すると考えるべき。サイコは戦争を繰り返した人類史の犠牲者としてその人権が扱われるべき位置にいる。サイコ病が戦争の人類史に原因があることは後の項「経営とサイコパス」参照

(ⅱ)警察は従来の日常業務サイコ対策業務を分けた全国体制

例えば兵庫県警新組織「広域相談指導係」を相談・通報を受ける機能サイコ対策室機能に分け、全国体制の一部にする。

ⅰ)相談・通報を受ける機能部署サイコが係わるかどうかの篩い分け(一次サイコフィルター、一次判定)を行う。サイコが係わらないと判断した案件は従来の対応とする。サイコが係わる可能性があると判断した案件はサイコ対策室へ移す。

ⅱ)サイコ対策室サイコが係わるかを深く入り込んで調査(二次サイコフィルター、二次判定)をする。サイコが係わらないと判定された件は一般の相談・通報を受けるグループへ戻す。サイコが係わると判定された案件は全国中央サイコ対策室へ報告し、指導を仰ぐ。全国中央サイコ対策室は必要に応じて専門官を県警サイコ対策室へ派遣し、サイコ対策の全国的な水準で対処する。サイコ篩い分け部門(一次判定)、県警サイコ対策室、全国中央サイコ対策室の3部門は適宜人事異動を行い、3部門のそれぞれの経験をサイコ対策の共通財産として蓄積していく。府警や道警や警視庁も県警と同様の組織体制を作る。下記の図の左下がその体制を示す。また、サイコ対策と称して人権侵害が起きやすいので、特別に人権保護を強化したサイコ対策室とする。そのためにサイコフィルター機能を学術的な裏付けのあるものにする必要がある。また、サイコフィルター機能などは下記図体制の実践の中で充実したものへと改善されていくべきもので、最初から完璧なものにはならないことを覚悟してスタートする必要がある。サイコ病対策は一刻の猶予もない深刻な現状がある。

上記図のそれぞれの組織について説明する。

中央サイコ治療院:fMRIなどの最先端医療機器を備え、脳科学と脳神経医学の最先端の治療院である。サイコ対策の最も重要な要になる。神経伝達物質(ホルモン)治療などの治療方法の確立と改善を、実践を通して行う。凶暴なサイコがいるので、医療者の安全警備と入院施設に特別な配慮を必要とする。サイコによっては一生入院することも想定した施設にする必要がある。児童サイコの入院施設も併設する。各県や政令都市など大きな都市に出先サイコ治療院を設け、各サイコ対策室との連携を図る。凶悪犯罪を行う重症のサイコ病患者は中央サイコ治療院が収容し治療に当たる。

・大学病院精神科等のサイコ病研究部門:各大学の研究成果を中央サイコ病治療院へ集約する体制を作る

・サイコの駆け込み寺:サイコ自身が自分の異常に気が付き、自分を何とかしたいと思った時に駆け込めるようにした施設。サイコ治療院の指導を受け、サイコフィルター機能とサイコ対策機能を持つ。親がサイコ特性を持ち、子供を殺してしまうので何とかしたいと訴えてきた場合には、子供を児童相談所で引き受けるなど他の施設と連携を取る。

全国中央サイコ対策室:全国のサイコ情報を統括し、サイコ対策の指針を作成し、指導・支援を行う。当面警察庁内がいいと思うが、上記図右下のように警察以外の組織のサイコ対策が進んだ段階では、警察庁から独立したサイコ対策専門の行政組織が相応しい。

・完治者社会復帰支援室:一般犯罪者の社会復帰と変わらないが、サイコ病再発有無を定期的に検診するところが異なる。無期限の定期サイコ検診受診義務を課す場合もありうる。サイコ前兆が再び観察された場合には精密検査と再入院などの処置になる。

・サイコ冤罪監視救済独立機関:冤罪(誤診)はあってはならないがサイコ病の場合は現実的な対応として必要。サイコでないのにサイコとして被害を被った場合に直ちに対応できるようにした救済機関。サイコはあらゆる能力を駆使して健常者を陥れるので、サイコの策略に乗せられた警官などが健常者をサイコと誤る可能性を皆無とできない。また、健常者がサイコ饅頭構造に取り込まれて疑似サイコ化した場合に、現状の脳神経活動解析装置ではサイコと誤って判断される可能性があることにも対処したものである。このようなサイコ病診断の誤りがないようにしなければならないが、現実のサイコには知的水準が高く、警官などを簡単に手玉に取ってしまうものがいるので、この救済機関はサイコの現実を考えればどうしても必要なものになる。将来サイコ病かどうかを簡単に正確に判定できるようになればこの救済機関は不要になる。このような組織を設けてでもサイコに対処しなければならない深刻な事態が現実である。

・児童相談所サイコ対策室児童虐待などすでに警察と連携を取っているが、サイコフィルター機能と対策機能を持たせたサイコ対策室を設けて、全国中央サイコ対策室の指導を受ける。児童サイコパスに早い時期から治療の手段を講じるようにする。

・教育関係サイコ対策室サイコパス特性を持つ児童・生徒・学生に対峙した先生などを支援するばかりでなく、先生や職員がサイコ特性を持つ場合を想定したサイコ対策室である。サイコフィルター機能とサイコ対策機能を持たせる。

・自衛隊関係サイコ対策室:太平洋戦争時のサイコ特性を持つ軍幹部が少なからず自衛隊幹部を占めたと考えられる時期があり、自殺者が国民平均より明らかに多い現状で、特にサイコ対策を必要とする組織である。本シリーズ(その4-32)「(c-4)初代や谷本夫妻が受けていた虐待は自衛隊内部の虐待と共通するものがある」及び(その4-33)及び(その4-17)参照

・官庁関係サイコ対策室:国家運営、自治体運営の中に戦争を希求するサイコの影響があることは、理由なく戦争へ突き進む危険性を持つことになり、官庁関係のサイコ対策室はこの点から重要である。

・各企業関係サイコ対策室:企業は「経営の自由」という閉鎖社会で、価値創造と言う社会発展の重要な役割を果たしている一方、パワハラや残業による虐待、不当解雇などサイコの逆転欲求を満たす場にもなりやすい。また、経営者がサイコの残虐性を利用して長時間労働や不当解雇などを行わせる場合があるので特に注意が必要。本来サイコ特性は企業発展の阻害要因になるので積極的なサイコ対策が求められる。

・その他組織サイコ対策室サイコパスはあらゆる組織に入り込んでいる可能性があり、それぞれの組織がサイコ対策を講じる必要がある。

上記体制構築や各組織にサイコ対策室を設置することは的確なサイコ対応ができるようになるだけでなく、サイコの対応の仕方が市民に広く普及し、より安心な社会へと進むことができる。またサイコ特性のある人に自制をさせる効果もあると考えられる。

(d)サイコ対策の基本原則とサイコ判定の内容

(d-1)現在の刑法の犯罪論体系の根本問題:残虐犯罪を繰り返すサイコ病に対する体系が欠如している。

現在のサイコ犯罪に対する刑法犯罪論体系は「医者が、『手順通りで手術は成功したが患者は死んだ』」と言う状態に似ている。『法律通りで裁判は成功したが犠牲者が処罰された』。患者が死んでは手術を見直さなければならないように犠牲者を罰するのでは法律の方を見直さなければならない。例13北九州監禁事件の最も同情すべき犠牲者緒方純子は無期懲役、例14尼崎監禁事件の5歳の時からに従属し人生を奪われた最も同情すべき犠牲者谷輪三子は懲役21年。このようなサイコ化犠牲者を重刑に処する刑法体系は改革しなければならない。サイコ化した犠牲者の犯罪行為は「違法性阻却事由」(特別の理由があるため違法性がない。法律用語)の一形態とする刑法体系が必要である。本シリーズ(その4-9)「(M)松永の無罪弁明にみるサイコパス裁判と科学的犯罪心理学の課題」及び本シリーズ(その4-43)「(K-4)司法の問題:「法の下の平等」が崩れ、犠牲者を重罪に処す誤り:サイコ化事件を扱えていない」参照

(d-2)サイコ対策の基本原則

次の(ⅰ)(ⅱ)はサイコ犯罪から市民を守るため、どうしても必要な警察の基本原則となる。この原則はこれまでの捜査原則とは異なるので、前項の「(c)警察及び諸組織のサイコ対策室と治療体制の確立」と同様に大きな警察改革を伴うことになる。警察改革は刑法の犯罪論体系の改革と一体に行う必要がある

(ⅰ)犠牲者が出る前にサイコ前兆をつかみ、サイコを治療へ

残虐犯罪を行う前のサイコの特徴行動を前兆として、犯罪の前駆体直前の段階)と捉えて対応する。本人にサイコ病の可能性を示し治療を受けることを勧める。この段階では本人の意思が尊重され、強制はないが、サイコ病がどのように進行するかなどサイコ病の実態が示され、どう対応したらいいかの指導が行われる。また残虐犯罪が行われてしまった場合にその前兆がどのようなものであったかを追求して蓄積しデータベース化しサイコ犯罪の事前防止に役立てる。犠牲者が出てからでは遅すぎることを警察の行動原理にする。サイコの特徴行動を警察は見落とさないで徹底的にサイコを探しだし、サイコを治療へ誘導する。ほとんどの残虐犯罪にサイコ病が係わっている可能性があるので、残虐犯罪を発生の根本から抑え込む重要な基本原則になる。サイコ前兆捜査にかこつけて政治的反対勢力を捜査することに利用されないよう、サイコ前兆捜査はサイコ対策室だけに限られて、サイコ専門警官だけがサイコかどうかの調査に限り行使できるものとする。また、サイコ冤罪監視救済機関は常にサイコ前兆捜査が政治利用や恣意的歪曲やプライバシー侵害にならないかを監視し、事前通告なくサイコ対策室を調べる権限を与えられなければならない。

用語解説サイコ前兆:サイコが犯罪を行う前に示すサイコの特徴行動のこと。具体的には後の項「(d-2)サイコフィルターの内容」参照。サイコ前兆捜査:市民などからのサイコ前兆情報により、サイコを特定する捜査を行い、特定後に本人に治療誘導などを行う。サイコは本当のことを話さないばかりか捜査されていることが分かれば狡猾に妨害をする可能性があるため、初期は本人には知らせずに行う。本人には知らせないので、サイコ前兆関係以外は調べないという人権配慮が必要で、サイコ専門警官以外は行えない。従来の犯罪捜査は犯罪が行われた後を想定しているのに対し、サイコ前兆捜査はサイコ犯罪が行われる直前か既に軽微に行われていることを想定している。

(ⅱ)サイコ前兆捜査と内心の自由の関係

サイコ前兆捜査は犯罪に係わる問題行為を捜査するもので、内心そのものを捜査するものではない。サイコ病かどうかの二次判定は捜査でなく診断になる。前項「(C)(ⅰ)サイコパスと人権」参照。

(ⅲ)「犠牲者は警察に相談に来ない」ことを前提にする

前項「(a)本当に救わなければならない深刻な犠牲者は警察へ相談しない」で述べたように相談に来るのを待っていてはサイコ対策にならない。兵庫県警は「県内に約2千人いる『地域安全まちづくり推進員』を対象に講習を開くなどし、通報・相談態勢を強化する」「『ひょうご地域安全SOSキャッチ電話相談』で犯罪につながりそうな小さな異変を匿名で通報でき、「『何かおかしい』を相談できる敷居の低い窓口」開設した」(情報元:kobe-np.co.jp/news/shakai/201306/000606)。このような市民の協力がサイコ対策では重要になるが、サイコ特性のある人は嘘情報や他者を陥れる情報を多量に狡猾に送ってくるので、そのような情報に対処できる体制にしなければ有効なサイコ前兆情報収集はできない。嘘情報などを単に「いたずら」とせず、その嘘情報発信源にサイコが潜んでいる可能性があるとして取り組む必要がある。あらゆるレベルの妨害に対処できるようにして市民の協力情報からサイコ前兆を抽出し、犠牲者とサイコ自身を救うネットワークを作る必要がある。そのためにもサイコに関する基本的な理解を警官だけでなく市民に広く普及する必要がある。兵庫県警の試みは、兵庫県警内だけで、しかもサイコ対策が考慮されていず、いずれ限界に突き当たりギブアップしてしまうのではないか?兵庫県警の試みは、前項「(c)警察及び諸組織のサイコ対策室と治療体制の確立」と一体となった時に有効性をより発揮できると思う。

(その4-66)へ続く

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