アウトドアライフの記録

四季それぞれに あちこちの山に登ったり、桜や紅葉の写真、および南の島の記録を写真とともに整理して、ブログにまとめました。

古代出雲王朝ゆかりの地を尋ねて 奈良県櫻井市の等彌神社とヒミコが祭祀した鳥見山霊畤 2015年12月26日

2016-01-11 19:13:21 | 古代出雲王朝ゆかりの地を尋ねて
奈良県櫻井市の等彌神社と鳥見山霊畤 (ヒミコが祭礼した登美の霊畤)
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大和盆地は古代史の舞台であり、遺跡の宝庫です。

秦国人徐福が出雲に渡来して、連れて来た部下の穂日親子や海童達により 出雲王国の主王副王が
相次いで殺害され、その皇子たちは秦国人との共生を嫌い 大和葛城地方に移住します。

大国主の皇子、味鋤高彦(西出雲神門臣家)は南葛城へ、事代主の皇子奇日方(東出雲向家)は
中葛城へ、そして徐福の息子五十猛(移住後は香語山と名乗ります)までも 遅れて葛城北部(笛吹)
にやってきます。

そして徐福子孫と出雲王家子孫たちで 初期大和政権が誕生します。

初代大和大王「天の村雲」に始まる磯城王朝は次第に東進して櫻井市付近にいたります。
大和の神社や史跡などを丹念に見ていくと、とんでもなく面白い発見があります。

今回もその一つ、桜井市の「等彌(とみ)神社」と「鳥見山霊畤(とみやまれいじ)」です。
奇日方の子孫は「登美家(とびけ)」と呼ばれます。出雲王家の向家は富家(とびけ)とも呼ばれました。
その登美(とび)の名前が今も櫻井市のあちこちに残っています。

鳥見山(とみやま)ももともとは登美山と呼ばれていました。また付近の地名は今も櫻井市 外山(とび)です。
またこの地の宗像神社は「登美に坐(います)宗像神社」が正式名称です。

その登美の霊畤とは 太陽の女神を祀る三輪山を 登美の霊畤から遥拝し、祭りごとを行う祭政一致の
政治行事を行う広場の事です。その登美の霊畤が 今日まで保存されているとは 思いもしませんでした。

※ちなみに宗像家は出雲王国第六代臣津野(おみつぬ)王(別名国引き王)の皇子吾田片隅(あたかたす)
が北九州へ移住して作った分家です。
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魏書に「その女王が立つと和国の戦乱が納まり、平和が訪れた」と書かれたヒミコはモモソ姫です。
そのモモソ姫が祭祀を執り行った場所が「登美の霊畤」つまり今の鳥見山(とみやま)山頂なのです。

磯城王朝第八代クニクル大王と磯城家クニアレ姫との間に生まれたモモソ姫は 母に似て信仰心深く
三輪山の太陽の女神を祀る姫巫女となります。三輪山の姫巫女は磯城家か登美家の姫しかなれないのでした。

九州物部王家の東進で ヤマトに出雲系豪族と物部系豪族の対立抗争、戦乱が続いていましたが
モモソ姫が姫巫女となり、太陽女神の崇拝行事をするようになると、戦乱が納まったといわれます。

モモソ姫の兄の第九代オオヒビ大王よりも モモソ姫は人々の大きな尊敬心を集めたという。登美家第九代当主
太田田根子(おおたたねこ)の庇護の下、春と秋の大祭には 大和はおろか出雲、越、尾張からも豪族が集まったと言う。

太田田根子の地盤の巻向に多くの宿舎が立てられて大いに栄えたと言われます。そのためその地は櫻井市「太田」
の地名がのこっています。
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等彌神社入口だ。この「とみ」という発音ももともとは登美だったのだろう。
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こちらの道路側の鳥居は伊勢神宮の「お下がり」らしい。
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石段の参道を進むと 石の鳥居があり、更に参道を進む。
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その奥に上ッ尾社がある。
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綺麗に磨き上げられた上ッ尾社拝殿の中。主祭神 はどこにも書いてないが どうせ出雲の神さんだろうと
軽く考えたが、後日ネットで調べたら「大ヒルメムチ」と書いてあり、びっくりだ。後で述べます。
お参りを済ませてから霊畤へ向う。
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この鳥居を潜ると 鳥見山霊畤への道が始まる。
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すぐに「黒竜社」がある。さすが出雲の神さんの神社だ。出雲族は幸の神三神の 国教のほかに太陽の女神や
竜蛇神の信仰もしていたという。この社は竜を祭っている神社だ。
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山道を歩いて登る。左手には高校があり、女生徒のテニスの掛け声が響いていた。
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すぐに「霊畤遥拝所」があった。もともと霊畤とは 三輪山に祀られている「太陽の女神」を鳥見山山頂で
遥拝する為の施設なのに、その鳥見山山頂をここからさらに遥拝するのだという。「ハテナ?」である。
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山道には沢山の標識が立ててあり、迷う事はない。
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「庭殿」に立つ石碑と説明看板。
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ここは 祭祀の時 沢山の人(もちろん各地の豪族たちです)が宴会をしたところだという。
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鳥見山山頂の霊畤に着いた。入口の鳥居から2キロ、ゆっくり歩いて30分弱だ。
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周りの雑木林のために良く見えないが、真北の山が三輪山のはずだ。
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下山途中に 別の社へ寄る。下ッ尾社だ。
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大きな赤い玉が吊り下げられている。太陽のようだ。三輪山に祀られていた「太陽の女神」を現しているのだろう。
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下ッ尾社の本殿は二社あった。
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下ッ尾社のすぐ近くには「サルタ彦」が祭られていた。さすが 出雲の神の社だ。
サルタ彦は出雲族国教幸の神三神のうち、クナト大神(父神)、佐毘売の尊(母神)、そしてサルタ彦(皇子神)
である。サルタとは古代インドのドラビダ語でいう 「鼻の長い」と言う意味でつまりヒンドゥーのガネーシャの事だ。
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この神社は広く大きな神社だった。この鳥居の下が社務所と駐車場だ。
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三輪山と鳥見山の位置関係である。真南から三輪山を遥拝していたのだ。
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等彌神社から鳥見山霊畤までゆっくり往復した50分ほどだった。
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「太陽の女神信仰」について
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太陽神は出雲族により 崇拝されていました。渡来人の徐福の子孫である物部族は「星」、「月」、「狐」を信仰
尊敬していて 七夕祭りや「月読みの神」、「稲荷信仰」はその名残です。

等彌神社のご祭神「大ヒルメムチ」とはモモソ姫ではなく、元来「サホ姫」のことです。

磯城王朝第十代彦坐大王の姫のサホ姫は、大和に進攻してきた九州物部王国のイクメ王と一度は結婚し
三輪山の太陽神を祭り 「大ヒルメムチ(大日霊女貴)」と呼ばれて 人気を集めますが、遅れて大和入りしてきた
豊国軍の豊来入彦に追われて 皇子のホムツワケを連れて兄のサホ彦の元に逃げます。

そして豊国軍は イクメ王に呼び出された出雲郡の野見の宿禰 に追い出されるまで「登美の霊畤」を占領します。
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この神社の祭神の「大ヒルメムチ」はモモソ姫とかサホ姫とかいう 個人名ではなくて、太陽の女神を
司祭する 磯城家、登美家代々の姫巫女一般のことをいうのではないのでしょうか。

それとも太陽の女神そのものを言うのかもしれません。

いずれにしても 現代まで古代出雲王国のゆかりの施設が保存されていて 驚きでした。
やはりヤマトは凄い。
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