怒りのブログ

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ねじれの意味

2013-01-12 23:17:05 | 教育
保護者の約7割が土曜授業に賛成。対して教員の約7割「実施しないほうがよい」(Benesse 教育情報サイト) - goo ニュース

親は土曜日に学校へ預けたい、学ばせたいという希望が多いが、教員は負担を訴えているという構図だろう。

保護者側には、教育公務員なのだから、教員が子どもに授業をするのは当然として、その機会が増えた方がよいだろうという楽観があるのだろう。

しかし、教員は保護者と同じ労働者だ。
土曜日に同じように休むべきだという観点が欠落している。
教育施策は、どのようなものでも「やってみたら何らかの成果がでるだろう」というポジティブリストが多いともとれる。
残念だが、それが、今日の教育現場を裏で相当荒らし続けている、社会的な潜在意識の悪だとは、それほど意識されることはない。

「教員にやらせればできるだろう。」という楽観は通用しない。
「以前、土曜日に授業をやっていたのだから、全面に渡って戻せというのでないのだから大丈夫だろう。」
そういう見通しも、まったく今日の現状を知らずにいえる、能天気か、あるいは悪意でしかない。
すでに、教員の残業のひどい程度は公表されている。
そういったストレスも病欠者増大に一役買っていることも、あまり知られていないのかも知れないが、言われ続けている。

そういった中で、教員が負担を理由に「実施しない方がよい」と答えるのは当然だ。

また、「実施も可」という教員の意見も、週5日制導入後に増やされた授業内容が及ぼす平日のひどい負担が、少しでも解消できるための方策であるならば、土曜日に時間数(時数)を消化できる方が、我々教員の負担軽減に繋がるだろうという見通しでいっている。

教員は、上位下達の縛りの中で、必死にそれらを消化するための教育課程を組み、仕事として消化している。
(無論、そういった点を無効化し、たくみにそれらをかわしながら子どものためのカリキュラムを実施している教員も少なくないが、それは、マジョリティから見れば、不良教員の所業ともうつるかもしれない。)

保護者と教員との、この認識のねじれは、目的に対する一致を見いだす事ができれば、前向きにそういったことを実施しないという方針で協調できるようにも思えるのだが、そういったメタレベルにも達しない議論の前に、政治的、あるいは事務的な教育方針が粛々と決まって実施されていっているということは見えているものだろう。

(以下、引用)

保護者の約7割が土曜授業に賛成。対して教員の約7割「実施しないほうがよい」
Benesse 教育情報サイト2013年1月12日(土)08:00

今、一部の自治体などで土曜授業を認める動きが出てきている。保護者の間にも土曜授業への賛成派が広がっているが、実際に実施しようとなると、様々な課題があるようだ。土曜授業の問題を、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が分析、解説する。

***

横浜市教育委員会が行った調査(2011年1月実施)では、土曜日に授業を「実施したほうがよい」と回答した保護者が約69.6%を占めています。さらに回数を尋ねると「月2回以上」が45.3%と半数弱という結果です。ところが同じ質問を教員にしたところ、「実施しないほうがよい」が70.5%に上りました。また実施したほうがよいという回答した教員でも「月2回以上」とした割合は、10人に1人に過ぎません。
では、なぜ教員は、土曜授業に否定的なのでしょうか。土曜授業を実施しないほうがよい理由を複数回答で尋ねたところ、「子どもや教員にとって負担になるから」が66.0%を占めました。保護者でこれを挙げたのは30.4%にとどまっていますから、「子ども」より「教員」自身の負担が大きいということなのでしょう。

ただし「負担」ということに関しては、注目される結果があります。土曜授業を実施したほうがよいと回答した教員に、その理由を聞いたところ、「平日の6校時目を土曜日に振り分け、子どもや教員の平日の負担を減らせるから」が85.5%に上っています。
新しい学習指導要領によって、授業時間数は2009(平成21)年度から徐々に増やされています。数字上では1~2時間程度の増加ですが、全部の授業で「考える力」をはぐくむなどの改善を図り、そのうえで時間数も増えるのですから、毎日の授業の準備にかかる負担は、見た目以上に大変なのです。

各自治体で土曜授業を検討・実施しているのは、新指導要領で授業時間数が増やされるなかであっても、平日に増える負担を何とかしたい、という考えからです。しかし、現実にはなかなか簡単にできない事情があるのは、先に見た通りです。夏休みや冬休みをさらに削るのか、それとも無理をしてでも土曜授業をするのか……。自治体や学校の悩みは、まだまだ続きそうです。

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