怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

教育大混乱(洋泉社)プロ教師の会/編著2007.4

2007-04-21 09:21:35 | 教育書
内容の主義主張に関しては諏訪氏が一手に引き受けているように思う。
他の文責を任された人たちのものも興味深いものが多いが、やはり諏訪氏による教育施策に対する今後の展望が全てを物語っているように思った。

諏訪氏の主張を聞いていて思うのは、子安先生のいう「復古主義」。
他の論者が現在のありように合わせるべき部分が多いとしているようにも思えるのだが、前書き、あとがきを締めくくる諏訪氏は、「昔の状況に学べ」といっているように思える。
だから「復古主義」から逸脱するものではないと思う。

そういった点を気をつけて、流されずに読むと、現在の教育界が置かれている状況分析は傾聴するに値するものが多い。
昨今の父親向け教育雑誌などの話も新鮮だった。

最近目立った動きのなかったように思える「プロ教師の会」。
この書で巻き返すかもしれない。

ただ、私的には「復古主義」はそういったものでしかなく、それでは一般に対する説得力に欠けると思う。
「教員の立場を保持したいとだけにしか聞こえない」という批判に対しては、やはり弱い言説ではないかと思う。

すでに現状認識として、学校というシステムが生み出す「教育」という現実問題は、容易に後戻りできない位置にいるのだから「復古」はできない相談ではないだろうか。
(これは私自身の「持論のあきらめ」という矛盾をはらんでいるので、いつか私も巻き返さないといけないということでもあるのだが・・・。)

楽天的に「学びへの回帰」を計れない現状認識は悲観かもしれない。
けれど、それで教育現場以外の人たちを説得することは難しいという現在の状況からは逃れられない私としては、今のところそこ(逃れられない事実)からしか語り始められない。
そういった意味で、傾聴に値するとはいったものの、そこに同調して話を始めるのは非生産的だと感じる。
私がプロ教師の会に感じる違和感はそこにある。

さて、どうしたものか・・・。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
誤植です (通行人)
2007-05-11 13:52:12
『教育大混乱』の出版社は、
「羊泉社」ではなく、「洋泉社」です。
返信する
ご指摘どーも (yo)
2007-05-11 17:04:23
以上。
返信する

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