怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

日本という国(理論社)小熊英二2006.03.30

2007-12-30 23:33:51 | 教育書
また積ん読書からのエントリ。(しかもこれも1日読みでいけた。反省。)

割とざっくり語られ難い近現代の日本を、「明治」と「第二次大戦前後」の特に教育と外交状況を絡めた視点で平易に書き切っている。

ローティーンからOKということを狙いにしているようで、ふりがな付き、語りかけ口調なのは、このシリーズ「よりみちパン!セ」の基調なのだろうか。
(他のものを読んでいないので・・・)

小熊氏は若い。
私の年代からいうと、兄貴世代。
でも、ここまで書き切るには相当の文献に当たっているのだろう。

リベラルな視点から右派の強行な最近の風潮に逆行できるだけの耐性をもっているという意味で、大人にも充分読み応えある書だと思う。

特に、後段の最近の日本の状況を読み解いた部分は共感できる点が多かった。

下馬評的には根拠が示されていないとか、右派の論調丸飲みという批判に対しては無防備だが、それは紙幅や読者層の設定などの理由でまずは一次的には回避できそうだ。
でも、そういった批判も、実は論拠がなかったり、建設的でなかったり、自縛的な部分を多々抱えているのが見えているので、そういった批判になっていない批判の声も本書を通して聞いてみると、意外に大して有効でないことが分かるだろう。

歴史を現実問題として捉えて読み解いていくという指針めいたものが感じられるという意味でもティーン向け。
古びた若者の大人はどうするか。
それはここから入っていけばいいということ。

まず読者誰であろうとも話者と対話することから始めるのみ。

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