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一般社団法人EIGC代表理事のブログ/ ニュース英語 北千里教室(大阪府吹田市)

使役と無生物主語構文、英語に開眼した出来事

2009-09-05 15:44:18 | ニュース英語・英語学習
前回の記事、分詞構文の説明に使った一文の後半が、無生物主語と使役動詞を使った構文でした。
これもたいへんよく使われるsyntaxですが、日本人には不慣れでリスニングでネックになることが多い型です。

再び、ピアニストの辻井さんのニュースです。


Asked about his disability, he said he has never felt his blindness makes it difficult to play the piano.


    障害について聞かれた辻井さんは、盲目のためにピアノの演奏が困難だと
    感じたことは、これまでありません、と答えた。

今日は後半部分に注目します。


he said he has never felt his blindness makes it difficult to play the piano.


まず、前のところは、
he said (that) he has never felt (that)...

~(that以下)だと彼は決して感じたことがない、と言った。

この部分は、thatで接続されている部分ですね。その次です。


his blindness makes it difficult to play the piano.


このまま直訳すると、
「彼の盲目は、ピアノを弾くのを困難にさせない」
          → 「盲目のせいで、ピアノを弾くのが難しい」
it = to play the piano
make と difficult の間に、置くには長すぎるので、とりあえず、it と言っておいて、
後で、to play the piano と、it の中身を言っています。

    ※ it ~ for~  to... 構文というのがありますね。あれと同じです。
    It is difficult for me to play the piano.(私にとってピアノを弾くのは難しいことだ。)

   To play the piano is difficult for me. 
    というと、頭でっかちの文になるので、とりあえず、it と言っておいて、後で
    it の中身を to...で説明しています。

さて、本文に戻って、

his blindness makes it difficult to play the piano.

 「盲目のせいで、ピアノを弾くのが難しい」

このように、his blindness のように、Heではなく、人以外のものを主語に置いて、
あたかも人のように扱う文を「無生物主語構文」と言います。
これが、因果関係がはっきりしてメリハリのある文になるので、英語ではよく使われます。

日本語にいちいち訳してしまう日本人にとっては、スピーディに理解しにくい構文なので、
何度も音読練習して英語のまま意味をすぅーっと理解できるようにしましょう!


最近の茅ヶ崎英語ニュースでも、たくさん使われています。

The 17-year-old goler's first victory of the season brought him the ticket
  to the major championship in Turnberry, Scotland in July. (Class1 5618)
石川遼選手の全英オープン出場権獲得の話ですね。

  枝葉を取り除くと、
  The victory brought him the ticket to the championship.

  the victory(ミズノオープンよみうりクラシックでの勝利)が主語、勝利が彼に選手権への切符をもたらした、
  という文章になります。 

A five-member meeting can help to move the stalled negotiations forward. (Class2 5618-1)

  五カ国協議が、行き詰まっている協議を前進させるのに役立つだろう。

The revised pharmaceutical law allows retailers to sell most over-the-counter medicines
by employing registered drug sellers instead of pharmacists. (Class2 5414-2)

  枝葉を取り除くと、
  The law allows retailers to sell most over-the-counter medicines.
 この法律は、小売業者がほとんどの市販薬を販売するのを認めている。

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こういった英語独特の構文に慣れるには、しっかり理解した文章(パラグラフ程度)を
完全に覚えてしまうくらい、音読練習するのが効果的です。

私は高校時代、英語が不得意だったと先日、告白しましたが、転機は高校3年生のときでした。
Readerのテキストの中に、Bertrand Russell(哲学者)の文章が出てきて、内容がとても
気に入ったので、何度も音読していて暗唱してしまったのですが、それからぐんぐん
英語が分かるようになりました。

おそらく、英文の深い理解+音読+暗唱で、そのとき初めて英語に開眼したんだと感じています。

英語の論理性と文章の作り、つまり内容と形の関係が初めて深く理解できたような実感がありました。
そのときの文章、もうなんだったか忘れちゃったんですがね

学習の中で、気に入った文章があれば、ぜひ何度も音読して自分のものにしてください。
内容に「のめり込める」ように、パラグラフ程度の長さがあるものがいいです。
ある程度の長さがあるものなら、ぜひ3ヶ月か半年くらいやってみてください。
いったん覚えてしまったら、続けるのはさほど難しくありません。半年同じものを続けると、
嫌でも完全に自分のものになります。(私もそれくらいやっていました。)


(皆さんに、暗唱を課題にしているのは、暗唱が上達の近道だからであり、私も経験を持って実感しているからです。)

他にも、リンカーンやオバマ大統領、ビジネス界のリーダーなど、
名演説家と言われる人の演説をしっかり暗唱すると、たいへん効果的だと思います。

ぜひ、トライしてみてください。
一人では難しいかもしれないので、北千里教室でも、そんな機会を作ろうと、今ひそかに画策?しています。
お楽しみに!


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