後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

歳時記としてのリオのカーニバル、灰の水曜日、四旬節、復活祭の意味とお互いの関係

2016年02月07日 | 日記・エッセイ・コラム
リオのカーニバルが新聞やテレビに出てくるようになると、ああ 春が近づいたと感じます。
そしてそれが終ると「灰の水曜日」があり四旬節が続いて復活祭がきます。
それは春先の季節のうつろいを示す歳時記のようなものです。
今年の灰の水曜日は2月10日です。ですからリオのカーニバルはその前日に一斉に終了します。
そのあとの四旬節は今年は2月10日に始まり、復活祭の3月27日へと続くのです。
北半球の西洋では春先ですが南半球は夏の終わりです。その季節のうつろいを示す祝祭日です。
西洋の祝祭日のクリスマスやバレンタインなどと共にカーニバルや復活祭が日本の俳句の季語になっていることは面白いと思います。
その上、外国人も俳句を作るようになっています。俳句の世界も広くなったのです。
そこで今日はリオのカーニバル、灰の水曜日、四旬節、復活祭の意味とお互いの関係を簡単にご説明したいと思います。
まず下にリオのカーニバルの写真を2枚示します。



リオのカーニバルでは山車の飾りつけを競います。そして女性の踊りもついています。毎年、四旬節の前に行われるお祭りです。
南米での、このようなお祭りさわぎはヨーロッパではしません。
南ヨーロッパでは仮装を中心にした宴を開きます。謝肉祭の宴です。
下の写真ははイタリアのヴィネチアのカーニバルの仮装の写真です。

南ヨーロッパのカーニバルは仮装を競う宴ですが、謝肉祭とも呼ばれます。
その一方、ドイツなどの北ヨーロッパではカーニバルのお祭り騒ぎをしません。
ところで本来はカトリックのお祭りのカーニバルは日本人も参加するようになりました。
下の写真は昨年、ブラジル・サンパウロのカーニバルに参加した青森県五所川原市の立佞武多の人形灯籠の「ねぷた」です。ねぷたの写真は、http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H3G_U5A210C1CR8000/ より転載しました。

昨年は日本とブラジルが外交関係を樹立して120年です。サンバチーム「アギアジオウロ」は日本をテーマに選んだそうです。五所川原市が「日本の復興支援への御礼を伝えたい」とねぷたの参加で協力したのです。
 日系人や日本人650人が参加したそうです。ねぷたを制作した福士裕朗さん(33)は「すごい歓声と拍手に感激した。お祭りの雰囲気は青森と似ていた」と感慨深げに話したと報じられていました。
一方、カーニバルの踊りのサンバ踊りは日本各地の「サンバ祭り」として夏祭りの一つとして広がっています。
サンバ祭りは四旬節に関係なく夏に行われますので宗教行事ではありません。
しかし夏の歳時記の一つとして開催されているようです。
下は私の住んでいる町の隣の小平市に毎年行われるサンバ祭りの光景です。

写真の出典は、http://www.jiji.com/jc/d4?p=smb005&d=d4_int です。
さて日本の俳句の季語は中國の「歳時記」から派生したと言われています。
多くは宗教的な祭りや行事ですが、季節季節の花の名前も季語になっています。
そのような季語にキリスト教の祝祭日がなっているのです。日本文化の寛容性を示しているようで興味があります。
さてそれはそれとして、最後にこれらの宗教的な行事の意味とお互いの関係を簡略に説明しておきます。
イエス・キリストは、ローマ提督、ピラトによって十字架刑にされました。2000年程前の出来ごとです。しかし3日後に復活して生き返りました。そして弟子達と会い、話をして、天国へ登り、神の右の座に着きました。
このイエス様の復活を祝うのが復活祭です。春先の大きなお祭りです。今年は3月27日(日曜日)です。その前の40日間が四旬節として歌舞音楽を控え、断食や節食をしてイエス様の処刑を悼みます。カトリック圏では騒がしい音楽やお笑いがテレビやラジオから消えます。静かな番組になります。禁欲的な生活を送る40日間なのです。
その四旬節の始めの日が、「灰の水曜日」です。灰の水曜日とはその日に神父さまが信者一人、一人の頭に灰をつけてくれるのです。この世の全てのものは土から生まれ、土へ還るということを忘れないように信者の頭に灰をつけるのです。今年は2月10日の水曜日です。
そしてこの日から禁欲の40日(四旬節)が始まります。
この禁欲的な40日間の前に大いに肉を食べ、ワインを飲み、バカ騒ぎをして断食や節食の期間へ突入する準備をします。それがカーニバル、あるいは謝肉祭と呼ばれるお祭りなのです。
ですからこの飽食の馬鹿騒ぎは「灰の水曜日」の前日にピタリと止めます。大規模なリオのカーニバルも2月9日にピタリと止め、世の中は水を打ったように静謐になります。
この謝肉祭が行われるのはカトリックの国々です。特にスペインやポルトガルの植民地だった南米では大きなお祭りとして毎年行われます。
しかし、よくよく考えてみるとイエス様は飽食や、欲望のままに酒を飲むのを喜ぶでしょうか?「汝、肉慾に生きるな」と教えました。ですから馬鹿騒ぎのカーニバルはキリスト教とは関係の無いお祭りだと私個人は理解しています。
けれどもカーニバルは地球上のすべての生物は土から生まれて、土に帰る灰の水曜日の意味を強調してくれます。
「灰の水曜日」はカトリックの重要な儀式で、今年は2月10日で、この日から復活祭の四旬節が始まります。
なお復活祭の日付は毎年変わります。「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日が復活祭」と定められているからです。これは、紀元325年に開かれたニカイア公会議という世界教会会議で定められました。その年によっては最大一ヶ月ほど、つまり月の周期プラス数日のずれが生じるのです。年ごとの日付は、http://www.calvin.org/misato/easter/easter04.htm をご覧下さい。

このような歴史的事情と関係の無いのが日本の夏の「サンバ祭り」です。
しかし日本に定着しているクリスマスと同じようにサンバ祭りも良いものです。


それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

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