山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士南麓の植物探し  平成30年6月27日

2018年06月28日 | 花・花・花
 蒸し暑かった山梨県南部町で目的の植物を観察した後、新東名高速を使って富士山の南麓に移動する。しかし、見上げる富士山は2合目あたりから真っ黒な雲が巻いていて雲の中に突っ込んで行くようなものだ。案の定、視界は20mほどしか利かない暗い霧の中に突入する。しかも霧雨時々雨、風が吹くという植物を観察するには悪い条件が揃ってしまった。これで目的の花は見つかるのだろうか?


    ハコネラン。咲いていてくれたのは良いが森が暗いうえに風で揺れてまともに撮らせてくれない。


    マクロレンズのリングライトを点灯して撮影するがこれが限界。接写はあきらめる。


    雨交じりの霧が立ち込める暗い森の中で着生ランを探す。探し当てた(探してもらった)までは良かったが・・・

 この場所はフガクスズムシソウが生育している森で、案内していただいて双眼鏡で確認したまでは良かった。しかし、いざ三脚を立てて撮影しようとすると、望遠レンズとカメラをつなぐコネクターを置き忘れてきてしまい撮影が出来ない。あったとしても暗すぎてまともには撮れなかったであろうが、それにしても不覚である。

 さらに移動してもうひとつの花を探しに行く。なんとなくしか場所を聞いていないので見つからない確率が90%(まず見つからないだろう)と思っていたのだが、とりあえずはどんな感じなのか様子を見に行ってみた。すると、2ヶ所目で幸運にも発見できた。


    本当にあった。ちょっと変わったクモキリソウ。


    唇弁の中央の根元あたりに紫色(というよりも黒っぽい)の点が入るクモキリソウ。


    葉にやや光沢がある。シテンクモキリ。

 何度か訪れてみないと発見は出来ないだろうと思っていた花であるが、幸運にも初めての訪問で出会うことが出来た。他の場所も探せばあるのだろうが、今回は咲いている株2株を見て十分に満足である。天候も悪いので撤退する。なんとなく咲いている環境はわかったが、ここは静岡県である。この花を山梨県で探し出すのが目標である。
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ほころび始めたベニシュスラン 南部町  平成30年6月28日

2018年06月28日 | 花・花・花
 昨年は7月10日ごろに見ごろを迎えていたはずだが、今年はもう咲いている頃なのではないかと思う。南部町まで足を運んでみた。中部横断道が増穂の先まで延びたおかげで以前に比べると甲府から南部町まで2時間くらいで行けるようになり、だいぶ行き易くなった。


    苔の中に生えるベニシュスラン。まだ1週間ほど早く、一部が咲き始めたばかりだった。


    ほころび始めたベニシュスラン


    こちらの株はあと3日もすれば見頃。


    別角度から。


    接写


    一株だけイワタバコが咲いていた。こちらもこれからのようだ。

 見ごろには若干早かったが、花も葉も美しいベニシュスランを堪能してきた。昨年発見したもう1ヶ所別の場所を訪れてみたが、沢が増水していて目的地まで行けずに撤退した。

 山梨県ではもう1ヶ所別の沢の周辺に生育が確認されているらしく、いつかそちらも散策してみたいと思っている。
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末期的な草地 帯那山  平成30年6月26日

2018年06月28日 | 花・花・花
 保護柵の設置されている大蔵高丸からハマイバ丸、さらに保護柵が設置されていない高座山と、山梨県を代表する草地を巡り歩いて来た。保護柵の設置してある場所はススキ野原からアザミ類やキク科の植物が生える野原に変わりつつあるが、保護柵が設置していない山はやはり鹿の食害が目立ち、年々少なくなっている花が多い。今回訪れるのはかつてはアヤメがたくさん咲いていたと言われている帯那山山頂の草地である。しかし最近ではアヤメを見るためにこの山を訪れる人はほとんど皆無であろう。完全にススキ野原と化してしまいアヤメはほとんど見当たらなくなってしまっているからである。保護ロープは以前から張られているが保護柵は設置されておらず、鹿の餌食になったためと思われる。


    「アヤメ群生地」の看板はあるが、今では全くアヤメは見当たらない。


    頂上の建物。今はほとんど管理されていない。


    ほとんどがススキ野原で目ぼしい植物はあまり見当たらない。


    ススキの少ない場所に黄色い花。


    ミヤコグサ


    確認できたアヤメは折れかけた1本だけ。葉も見当たらない。


    大型のテンナンショウ属。いつも見ているいわゆるマムシグサとはちょっと違う。


    仏炎苞に少し光沢がある。


    葉より下か同じ高さに花(仏炎苞)が出る。これはオオマムシグサではないかと思われる。


    フナバラソウか?残念ながら花が付いていない。

 おそらくは、鹿の食害に遭ったまま何もしないとこのような荒れた草原になってしまうのだろう。この場所は末期的な草地を見ているのだと思う。もはや保護柵で囲ったとしても植生を取り戻してアヤメが生えてくるのは困難だと思う。

 ここからは自分の勉強のために撮影してきたイネ科の植物だが、図鑑を見ても何だかさっぱりわからない。


    カモガヤ?


    イヌムギ?


    上と同じ??

 そのうち、少しは同定できるようになる、かも知れないイネ科の植物。田んぼや畑の界隈には普通にいろいろなものが生えているが、全く分かっていないのは問題だろう。
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