山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

保護柵の効果を確認に行く(続編) 大蔵高丸からハマイバ丸  平成30年6月24日

2018年06月25日 | 山梨無名山
 保護柵が設置されて3年を迎える大蔵高丸からハマイバ丸界隈は柵の中の植生はだいぶ回復してきている。特にアザミ類の復活は目を見張るものがあり、驚くほどの数のセイタカトウヒレンが姿を現している。その保護柵の中に今年見てみたいと思っていた花が咲いているのをブログ仲間の記事から知った。梨ヶ原あたりで運が良ければ見られるのではないかと思っていたのだが以外にもこちらの山域にも生育しており、山梨県レッドデータブックのメッシュには入っていない場所だった。


    見たかったのがこのヒメイズイ。梨ヶ原か高座山あたりにあるのではないかと思っていたのだが以外にもこちらにもあった。


    2008年版では絶滅危惧Ⅱ類だったが2018年版では準絶滅危惧種になった花。思っていた以上にたくさんあって驚いた。

 もう1種類フナバラソウという花を探していたのだがとうとう発見できなかった。

 さらにもうひとつ、存在を確認しておきたかったのがムラサキという花である。自身のブログの記録を検索してみるとこの花に出会ったのは平成24年6月で、その頃にはまだこの山域には保護柵が設置されておらず貴重な赤紫色のランの花が咲かなくなってきた頃でもあった。その数年後に保護柵が設置されたがムラサキを目撃した斜面は保護柵の外だったため、おそらくは食害に遭って消滅しているのではないかとずっと心配していた。しかし幸運にもその斜面には以前とあまり変わらずにその花が咲いていてくれた。


    食害による消滅を心配していたが以外にもあっさりと花が見つかった。


    周辺を見渡すとちょうど見頃の花が数株あった。


    ムラサキ。じっくりと見てみると美しい花。根が紫色の染料になるらしい。


    新調したEosM用の28㎜マクロレンズに変える。解像度は十分。小型で軽くて使いやすいのが良い。さらに暗い場所でも撮影可能なリングライトが搭載されている。


    スーパーマクロモード。超接写が可能となる。


    これだけ写ってくれれば十分。

 他の斜面にもあるのではないかと2時間ほど探してみたがこの場所以外では発見できなかった。山梨県絶滅危惧種ⅠB類だけあって、あまり数は多く無さそうである。

 もう1種類、ゴールデンウィークの頃に見た花がその後どうなっているのか立ち寄ってみた。シロカネソウの仲間なので鯖の尾のような種を付けているのではないかと興味があった。しかし、この季節になると他の下草が増えていてなかなか目的の花の葉っぱが見つけられずに一苦労する。


    薄暗い谷の中でようやく発見。探しものはチチブシロカネソウ。


    鯖の尾のような種では無かった。既に種がはじけた後のようだ。


    別株。まだ種が残っている。


    スーパーマクロモード。蒴果と呼ぶのだろうか?

 ヒメイズイと出会えたことも嬉しかったが、ムラサキが咲き残っていてくれたことは本当に嬉しかった。周辺にはワラビがたくさん生えているが食害と思わしきちぎれた痕跡が多数見られた。(あるいは人が採取していった跡か?)時間がとれるならば、秋にアザミの仲間が咲いている季節にもう一度訪れてみたい。
コメント
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