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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ミズオオバコ三昧  令和5年9月7日

2023年09月10日 | 水辺に咲く花
 昨年何度も探しに出かけてようやく見つけたミズオオバコがそろそろ見ごろを迎えている頃ではないかと思う。甲府市の水田ではもう稲刈りの準備で田んぼの水を抜いている場所がちらほらと見受けられるようになり、時期を逸するとミズオオバコの咲く田んぼも水抜きが始まってしまうかも知れない。仕事を終えて午後から訪問してみる。

    ウキクサに囲まれてミズオオバコの花が咲いている。

    薄ピンク色の透けるようなミズオオバコの花

    上品な美しさである。

    オモダカとミズオオバコ

    イネの隙間に咲いたミズオオバコ

    手前はもう咲き終えているようである。この田んぼではたくさん生えていた。

    田んぼの敷居の両側に咲いていたミズオオバコ

    2つ並んで咲いていた。

    1株から2輪咲いたようである。

    近接して4輪

    これはヘラオモダカであろう。


    水抜きされた田んぼにヒルムシロがたくさん

    既に結実して種を落としているようである。

    これは外来種で繁殖力旺盛な少し拙い植物

    ウチワゼニクサ。手前にはスイレンの葉ともうすぐ咲きそうな蕾がある。

    これはウスゲチョウジタデであろう。

    チョウジタデに比べると花が少し大きい。5弁のものが多い。

    接写してトリーミング。花床に付いている水滴は蜜ではないかと思う。水滴の奥に白い毛が生えている。

 今年のミズオオバコは昨年以上にたくさん花を見ることが出来たが、場所によっては少ないところもある。しかし、全体的には増えているように見受けられる。別の場所で別の花も見たかったのだが、ここだけで十分に満足して撤退となった。


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河口湖の水草を再訪する  令和5年9月3日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 9月1日に訪れたばかりであるが正体不明の水草が気になって再訪してみることにした。ネットや文献で調べてみるとツツイトモもホソバミズヒキモもツツミズヒキモもいずれもあまりお目にかかれない水草である。撮影してきた画像を拡大してみてみると花のようなものが付いているように見えなくもない。もし花や種が付いていれば同定が可能となるかも知れない。また、ハゴロモモではないかと思われる藻はもしそうならばこの季節に花を咲かせていてもおかしく無い。いよいよ超マニアックな藻類の世界に足を踏み込んだ気がする。

    スイレンの生える池を再訪する。


    対岸には黄色い花がたくさん咲いている。

    これはオグルマではないかと思う。

    池の中にたくさん生えている葉の細い藻

    他の藻も生えている。これはホザキノフサモの花であろう。


    こちらはエビモの葉と花

    どこが違うのかは分からないがフジエビモという仮称が付けられているようである。


    問題の水草。細い葉と茎がワンサカと密集している。花だと思った白いものはウキクサのようである。


    一部採取して調べてみる。細くて長い茎に細い葉が付いている。


    葉を調べてみる。

    葉の根元部分は筒状になっている。ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモの可能性が高い。


    湖畔に生えていた藻。葉脈の模様が鮮明でガシャクモを期待したのだが・・・

    葉には長い柄が付いていた。これはエビモであろう。


    たくさん生えているこの藻は?

    葉に小さな突起がありイバラモの仲間であろう。


    細い葉と突起、そして茶色い種子が見える。


    種子は先端が尖る。葉鞘の先端部が細かくギザギザになって尖っている。これはホッスモではないかと思う。

    問題の泥を被っているこの藻。花は咲いていなかった。

    花を付ける様子は無い。

    採取して調べてみる。

    先端部だけ少し形状が違う。ゼリー状のものを纏っているように見える。

    3~4回枝分かれするようである。頂部だけゼリー質のものに覆われている。枝分かれのところに茶色い種子のようなものを付けている。


    先端部をトリーミング。小さな棘状の突起が1個付いている。

    ゼリー質の部分の先端部も同様に尖った突起が1個付く。

 藻類の図鑑は持ち合わせていないのでネットを使って調べてみると、兵庫県の湿生・水生植物のサイトにこれとそっくりな藻の画像が掲載されていた。おそらくこれはセイロンフラスコモという珍しい藻なのではないかと思う。詳しい専門家に画像を送って調べてもらっているがまだ返事待ちの状態である。もしそうだとすれば、山梨県では初めて発見されたことになると思う。

 ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモについては花や種が確認出来ていないのでどちらかは分からないということになる。イトモの花が6月ごろに咲いていたところから、こちらの藻もその頃に花を咲かせているのではないだろうか?来年花を見に来てみたいと思う。

 新たに足を踏み入れた藻類の分野は新鮮な驚きばかりである。全ての同定は困難であろうから、だいたいこの辺りの分類、というところくらいまでは見分けられるようになりたいと思っている。なお、採取した藻はまた元の水の中に戻してやっている。


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山中湖と河口湖を散策  令和5年9月5日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 今朝の鉄砲木の頭のパール富士は素晴らしかった。これで今日1日の運は使い果たしてしまった気がする。まだ時間は6時半だが、本日は8時に山中湖湖畔で花仲間と待ち合わせしており、コオニビシやマメダオシ、ミソハギ、そしてオオガンクビソウなどを見て回ろうと思っている。コオニビシは近付いて撮影するためにボートを借りて撮影に行く予定である。少し早めに待ち合わせ場所に到着したので30分ほど車の中で寝てから合流する。まずは湖畔の花を見に行ってみる。

    エゾミソハギがたくさん咲いているがもう終盤である。


    大物のエゾミソハギ

    これはオオアレチノギクか?

    背の高いタカアザミが生えていた。

    背が低くてキセルアザミではないかと思ったのだが・・・

    総苞片が反り返っている。キセルアザミの総苞片は反り返らないのでこれはタカアザミであろう。

    湖畔に打ち上げられていた水草。これはイバラモであろう。


    未だに正体が分からない藻。そのうち正体が分かると思う。

 双眼鏡で湖面に浮かんでいるはずのコオニビシを探すのだが一株も見つからない。昨年一緒にたくさん生えていたナガエノフサモも姿が見えない。湖底に何か変化があったか、それとも清掃されたか?いずれにせよ1年草であるコオニビシが今年は姿が見えないということは来年以降も生えてくる保証が無いということで、ひょっとしたら消滅してしまうかも知れないという危機にさらされていることになる。浮いている個体が見えないのでボートを借りるのは止める。期待していたオオガンクビソウは草刈りが行われて消失したようで今年は見つからなかった。

 場所を河口湖に移動する。まずはミソハギを見に行くが今年は水量が多くて近付けないうえに個体数が少ない。

    ミソハギ。葉の形を確認出来るところまでは近付けなかった。

    湖畔に生えているのはオナモミだと思っていたがこれはジャンボサイズで、オオオナモミではないかと思う。

    この場所は草が刈られていて水際まで行ける。

    立ち上がって青々と茂っているのはヌマハリイないしはスジヌマハリイと思われる。


    水際に茂っている藻


    まだ正体が分からないが、ホッスモないしはトリゲモの仲間ではないかと思う。

    泥を被って地味に生えている藻があった。

    一部をとって観察してみるが、これはハゴロモモか??

    スイレンが咲く溜池

    スイレンの花


    水草がたくさん繁殖している。

    イトモの仲間のようだが??


    一部を採取して観察してみる。葉が細く、イトモの仲間だと思う。

 マメダオシを探してその後も数ヶ所を巡ってみたのだがいずれの場所でも発見出来なかった。昨年発見した場所は今年は大部分が水没していたため入れなかったが、マメダオシが好んで絡み付くメドハギが今年はかなり少ないように見受けられた。昨年はたくさん見かけたマメダオシだったが今年は見つからず、来年以降が心配である。

 帰宅してからネットで藻類を調べてみると、河口湖に生育する藻類の論文が見つかった。そこに出てくるのはツツミズヒキモというツツイトモとホソバミスヒキモの交雑種である。河口湖ではツツミズヒキモが主体を占めているようでツツイトモは見つかっていないようである。特にツツイトモとツツミズヒキモは葉だけでの区別は困難なようで花や種を観察しないと同定は困難なようである。そしてもうひとつ、ハゴロモモではないかと思われる藻であるが、そうであればこの季節に白い花を咲かせているはずである。これは再訪してもう少し詳しく見て来る必要があるだろう。


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北杜市の牛池を散策  令和5年8月22日

2023年08月26日 | 水辺に咲く花
 暑い中を午後から2ヶ所を散策し、汗だくになってバテたのでもう帰ろうと思ったのだが、日没までにはまだ1時間以上時間がある。折角なので以前から気になっていた牛池という溜池に立ち寄ってみることにする。ここは春の桜の名所らしい。


    牛池。水は濁っていて透明度は低い。池のほとりに3~4台車が止められる駐車場がある。

    この池にもヒシの葉が浮かんでいた。

    ちらほらと花が咲いているがもう終盤のようである。

    赤紫色の花が咲いている。

    車に超望遠レンズを取に戻って撮影してみると、これはミソハギのようである。

    おそらく植栽のものであろう。

    春の桜の名所で知られており、向こうに八ヶ岳が見えるはずである。

    オオオナモミであろう。

    まだ種が色付いていないが、おそらくムラサキシキブ

    勉強不足でイネ科の植物はまださっぱり分からない。

    植栽のものが広がったのであろう。これはハッカのようである。

 かつては釣りの名所だったようだが、現在は釣り禁止になっている。あまり綺麗な溜池では無く、鯉の死骸が浮いていたりしてやや悪臭が漂っている。ヒシ以外はあまり目ぼしい水草は無さそうである。


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コマツカサススキが生える溜池を散策  令和5年8月22日

2023年08月25日 | 水辺に咲く花
 昨年ようやく出会ったコマツカサススキに会いに、今年もこの草が生える溜池を訪れてみる。きっとヒシの花が咲いて見ごろになっている頃であろう。ここにはまだ正体が分かっていない藻が生えており、それも調べてみたいと思う。


    池に浮かんでいる水草がヒシ、手前に生えているのがカンガレイ。


    群生して浮かんでいるヒシの葉。花がたくさん咲いているようである。


    ヒシの花がたくさん咲いている。


    ヒシの花。ちょうど満開。


    たくさん生えているのはカンガレイ。


    カンガレイの花には花茎が無く、茎から直接小穂が出る。


    これは普通に見られるアブラガヤ

    その根元にコマツカサススキが生えていた。昨年よりも数が多い。


    少し離れた場所にも群生していた。


    思っていたよりもたくさん生えていたコマツカサススキ。

    コマツカサススキの花穂。なんということはない雑草のように見えるが見慣れてくると可愛らしい(と思う)。


    水際からあまり遠く無いところに正体不明の水草が生えていた。


    一部を採取して観察してみる。


    葉は細く棘のような突起が付いている。

 
    種はまだ付いていない。経験不足でイバラモの仲間はまだ判別が出来ない。

    別の藻が生えていた。


    車輪のように枝が伸び、そこにオレンジ色の種が付いている。これはシャジクモであろう。


    セリの仲間が生えていた。

    今度こそドクゼリか?と思ったが、これもセリのようである。残念。

 コマツカサススキは昨年よりもたくさん生えてくれたようである。ただ気になるのは近日この溜池周辺の草刈りが行われるらしい。刈られずに残ってくれることを祈るばかりである。また、正体不明の藻は判別するのはもう少し観察が必要である。他の場所に生えている似たような藻も見て歩かないと答えを出すのは難しそうである。9月中旬にまた近場に出張で行くのでこの溜池を再訪してみたいと思う。


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高層池の水草訪問  令和5年7月3日

2023年07月08日 | 水辺に咲く花
 高層池に生育しているイトモの花が見たくて昨年何度か通ってみたが、それらしきものは偶然に1輪だけ写っていたのみでまだ自分の目では見ていない。撮影されたのは確か6月下旬ごろではなかったかと記憶している。昨年は池の水量が異常に少なく、生育条件が悪かったのであまり咲かなかったのではないかと推測している。今年こそは花が見られるだろうか?


    林道脇に生えていたトウダイグサの仲間


    ようやく大きくなって判別できるようになった。これはやはりタカトウダイだ。


    池の水量は普通か、やや少ない程度。昨年に比べるとだいぶ多い。


    ヒメナミキと思わしき草


    山梨県ではさほど珍しいものでは無いようである。


    たくさん生えているこのスゲ


    ずっと何だか分からなかったが、これはシラコスゲのようである。


    イトモが生育している池。湖面が反射して池の中が良く見えない。


    PLフィルターを装着して反射を和らげて見てみると、沼底に水草がたくさん茂っている。


    イトモの群落。今年もたくさん生えてくれている。昨年はあの場所まで水が無かったのだから、かなり水量が少なかったことが分かる。


    沼底一面がイトモだらけのようである。


    さて、花は咲いているだろうか?


    200㎜ズームレンズにPLフィルター装着して覗き込んでみる。


    トリーミング画像。茎の先端部に穂を出して水面近くに花の蕾のようなものを出している。


    別のもの


    トリーミング画像。まだ蕾のようだが、花で間違い無さそうである。たくさん付いているのが見える。

 ようやく見ることが出来たイトモの花であるが、まだ蕾のようで、観察には200㎜望遠では距離が足りず570㎜天体望遠レンズを持って行く必要がありそうである。PLフィルターがうまく装着できるのかどうか、ちょっと不安がある。いずれまた再訪してみたいと思っている。


    こちらはたくさん生育しているミズハコベ。これもあまり見かける草では無い。


    花は咲いているのだろうか?


    いちばん左側の葉とその隣の葉の先端部に角のようなものが2本見える。たぶんこれが雄しべであろう。その下の葉腋に白っぽい花のようなものがあり、これが雌花であろう。


    タヌキモの仲間を見に行ってみる。草や葉に囲まれていて見つけずらい。昨年よりはだいぶ少ないように思う。


    花を見てみたいのだがそれらしきものは見当たらず、咲きそうも無い気がする。


    コカモメヅルと思わしき草は順調に育っている。


    まだ固い蕾がたくさん付いている。7月下旬か8月初旬には咲きそうである。

 コカモメヅルを含めて7月下旬か8月初旬に再訪してみたいと思っている。9月になったらタヌキモと思わしき水草の沈水芽を調べるためにまた訪れるであろう。今年も何度も訪れることになりそうである。

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ヒシの生育する河川を新発見 南アルプス市  令和5年6月21日

2023年06月25日 | 水辺に咲く花
 南アルプス市に出張で出かけたが、朝の交通ラッシュがあまり無かったため集合時間より1時間も前に到着した。脇に河川が流れていたためちょっと散策してみると・・・変わったものが浮かんでいる。


    出張先の脇を流れていた河川。すっかり護岸工事が行われていて下には下りられない。


    水草が生えている。


    こちらはカナダモの仲間のようだ。


    もうひとつは・・・ヒシではないか。

 ヒシが生育しているのが確認出来たが、周辺を探しているほどの時間は無かったので、お昼休みとさらに仕事が終了してから河川沿いを探索してみる。


    上流部は穏やかな流れの停留河川。


    護岸の壁に付いているのは・・・園芸種だろう。


    こっちもたぶん園芸種。


    花はムラサキサギゴケに似ているが茎はツルのようになっている。


    ヒシは結構たくさん生えている。これからもっと増えて来るであろう。


    ヒシの葉


    藻がたくさん生えていて白い花が咲いている。


    これは何?


    花は白花で小指の頭くらいの大きさ


    葉はあまり切れ込んでいないように見える。


    ネットで調べてみるとこれはオオカナダもという外来種の水草のようである。花が咲いているのは初めて見た。


    さらに上流域を調べてみる。


    別の水草が漂っている。


    これはササバモではないかと思う。


    カワヂシャか、それともオオカワヂシャ?花はもう大部分結実している。


    残った花を望遠レンズで捉えてみると、花は白っぽい。葉には鋸歯がある。これはカワヂシャであろう。

 ほとんどノーマークだった南アルプス市の河川であるが、環境的には甲府市のヒシやミズアオイが生育する停留河川に良く似ている。カワヂシャも生育しており、ひょっとしたら他にも良いものが生育しているかも知れない。今回巡ったのは河川のほんの一部だけでまだ広大な範囲が調べられずに残っている。

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干上がっている溜池のヒシの実 北杜市  令和4年11月8日

2022年11月12日 | 水辺に咲く花
 出張に行く途中で溜池の水が抜かれて池が干上がっているのが見えた。この溜池は9月にヒシの花がたくさん咲いているのを見た場所である。ひょっとしたら種が確認出来るのではないだろうか?種の形を見ないとヒシなのかコオニビシなのかそれともヒメビシなのかは確定できない。月食の撮影予定地に移動する前に池に立ち寄ってみる。


    干上がっている溜池。冬季は水を抜くようである。


    池の向こうには富士山が見える。


    カンガレイは枯れている。


    冬に枯れるから寒枯れいと言うらしい。


    干上がった池には動物の足跡がたくさん。長靴を履いて踏み込んでみる。


    干上がったヒシの群生


    枯れたヒシ


    種が付いている。


    数個採取して調べてみる。棘は左右に1対と上に1個。これはヒシで間違い無さそうである。


    イトイバラモと思わしき藻が生えていた場所。


    すっかり枯れている。これは本当にイトイバラモなのかどうか?来年調べ直してみたいと思う。

 種を観察してこの溜池に生育しているのはヒシであるとほぼ確定できた。葉が小さ目で切れ込みが深かったのでコオニビシではないかと期待していたのだがヒシのようである。水が溜まっていると採取できないだけに、今回は良いタイミングで訪問出来たと思う。

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椹池の水草探索  令和4年10月4日

2022年10月07日 | 水辺に咲く花
 10月に入り、椹池の水草はもう終盤を迎えていることであろう。例年ならば9月初旬から中旬に見ごろを迎えるサワギキョウを見に行くのだが、今年は行けずに終わってしまった。残っているのはカンガレイとナガエミクリくらいではないかと思う。それでも、秋になる前に一度は見ておかないと気が済まない。


    紅葉にはまだ早い椹池。湖畔に生えるアブラガヤはもう枯れかけている。


    大型のシダ、イヌガンソク。秋に胞子葉を出す。


    もう結実しているアオフタバラン


    トリカブトが咲いている。


    烏帽子の上部が前方に曲がり気味になっているこの形はヤマトリカブトではないかと思うのだが葉柄には直毛が生えている。トリカブトの仲間は判別が困難。


    もう枯れかけているアブラガヤ。いくら探してもマツカサススキの仲間は見つからない。


    ナガエミクリと花が終わったサワギキョウ


    ナガエミクリ


    咲き残りのサワギキョウ


    アギナシの葉はほんのわずかしか見かけられない。花は咲かなかったようである。


    浮かんでいる葉はヒルムシロであろう。


    カンガレイとナガエミクリが一緒に生えている。


    カンガレイ


    カンガレイの花。もう枯れ始めている。


    ナガエミクリ


    こちらも少し枯れ始めている。


    ヒゴタイの仲間。葉の中央部が細くなっていてタカオヒゴタイではないかと思うのだがちょっと感じが違うようにも見える。


    総苞には毛が生えている。


    枯れかけているがこれはヒロハノドジョウツナギと思われる。


    やや珍しい植物ではないかと思う。


    ヌマハリイの群生。茎が若く見え、種を落とした後にまた新たに生えてきたものだろうか?


    フクオウソウであろう。


    フクオウソウの花

 やはりサワギキョウを見るには遅く、その他の水草ももう終盤である。ひょっとしたら藻の仲間が生えているのではないかと池の水面下も注意してみてみたのだが、この池は水の透明度が低くて見当たらない。池のほとりにも藻が流れ着いていないところをみると、この池には生育していないのかも知れない。だが、まだ知らない植物が生育している可能性は十分にある。数少ない山梨県の高層池なので、今後も引き続き観察に訪れてみたいと思う。

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タヌキモか、イヌタヌキモか? 高層池を再訪  令和4年10月4日

2022年10月06日 | 水辺に咲く花
 今年発見したタヌキモと思わしき水草は花を期待していたのだがとうとう見ることは出来なかった。いろいろと調べてみると、本来のタヌキモは交雑種で、母はイヌタヌキモ、父はオオタヌキモであることが分かってきた。そしてタヌキモはイヌタヌキモよりも生育数が少ないようである。タヌキモを発見した池にはおそらく1種類しか生育しておらず、交雑種の可能性は低く、これはイヌタヌキモのほうではないかと疑っている。見分けるのに最も簡単なのは越冬する際に形成される殖芽の形態を調べてみれば区別が出来るはずである。タヌキモの殖芽は緑色で羽状細裂し中軸があるのに対して、イヌタヌキモは殖芽が茶色で中軸が不明、不規則に分裂し刺毛が明瞭であり、容易に区別出来るらしい。問題は既に沈水してしまっていて、浮遊しているものが残っているかどうかである。生育している池に行ってみるとやはり全く見当たらない。池の底を棒で探ってみるが引っかかって来ない。良く探してみると、池に浮かんでいる丸太の上に引っかかって1株残っていた。


    ここに固まって浮いていたはずだが・・・


    浮いている葉をかき分けてみるが見当たらない。


    画像を良く見てみると1株だけ浮いているものがあった。これには気がつかず、丸太に引っかかっていた1株をすくい上げて調べてみる。


    既に捕虫嚢は脱落し、葉もだいぶ脱落している。先端部に殖芽が付いている。


    殖芽の色は茶色である。


    拡大して見てみると、先端部に小さな棘状突起がたくさん付いている。


    裏側から撮影。この小さな突起が刺毛であろう。


    ほぐしてみるが、中軸ははっきりしない。

 これらの観察から見る限りでは、予想していた通りこの水草はイヌタヌキモと見て良いのではないかと思う。調べた個体が1個のみなので、結論は来年に持ち越したいと思う。


    池に1つだけ白い花が浮かんでいる。


    ヒツジグサの花。今年はあまり咲かなかったようである。これが今年の最後の1輪であろう。

 他にもまだ良く分からない水草が沼底に沈んでおり、また来年、何度も訪問することになるであろう。

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コマツカサススキ再探索 北杜市  令和4年9月27日

2022年09月29日 | 水辺に咲く花
 先日見にってきたヒメマツカサススキはもう枯れかけていて終盤だった。おそらく今年やっと見つけたコマツカサススキもそろそろ終盤を迎えていることであろう。見つかったのは2本だけだったが、時間が足りずに見ていない場所もある。おそらく今回の探索がコマツカサススキを見る今年最後の機会になるであろう。


    北杜市の池を再訪する。草が刈られていて見やすくはなったのだが嫌な予感がする。


    思った通り、ここにあったはずのコマツカサススキとアブラガヤが刈られて無くなっている。


    周辺を探してみると、倒れかけてはいるがコマツカサススキが生えていた。


    狭い範囲ではあるが数本発見することが出来た。


    残っていてくれて一安心したコマツカサススキ。花序の付き方がまばらなのが特徴である。


    もう枯れかけているが至近距離で観察することが出来た。


    雌小穂が大型のスゲが生えていた。


    これはオニスゲであろう。これを目撃するのはこれで3ヶ所目だと思う。それほど珍しいものでは無さそうである。


    アキノウナギツカミの群生


    ツリフネソウ群落


    花が散った後のイヌノヒゲ


    ミゾカクシはまだ結構咲いている。


    水量が増えてホシクサは大部分が水没していた。


    結実しているヌメリグサ


    ヒシの葉が浮かんでいるが花はもう終わっている。


    ヒシの葉。一緒に浮かんでいたオヒルムシロの葉はもうほとんど見当たらない。


    結実した実が見えないかと思ったが無理である。葉の上ではたくさんの虫が休憩していた。


    気になっていたのが池の底に生えていた水草。水量が増して近付けないが、千切れた葉が岸辺に流れ着いている。


    すくい上げて調べてみる。長い茎を持った藻のようである。


    これが先端部分であろう。


    葉には細かい突起がある。


    葉鞘の部分を調べてみるが、あまりはっきりしない。痛んで脱落してしまったようである。


    別のもの。こちらには種のようなものが付いている。


    細長くて先が尖った種と思われるもの。


    トリーミング画像。やはり葉鞘はあまりはっきりしない。種は1個で縦縞があるように見える。

 気になっていた水草は、初めて見た時はイバラモであろうと思ったのだが、富士五湖で見つけたイバラモに比べると明らかに葉が細くてイバラモではないことが分かってきた。ならばこれは何なのか?葉趙がはっきりしないのだが、これは千切れて時間が経っていて痛んだためだと思う。実がひとつで表面にはゴルフボール状の模様が無いこと、葉が細くて突起があることなどは富士五湖の湖畔に打ち上げられていたイトイバラモと思わしき藻とそっくりである。おそらくこの藻もイトイバラモではないかと推定しているのだが、全国的にも珍しいイトイバラモがそんなに生育しているものなのだろうか?水草に詳しい人に相談してみないと、結論は出せなそうである。

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富士五湖に生育するコオニビシを再訪するが・・・  令和4年9月27日

2022年09月28日 | 水辺に咲く花
 富士吉田に出張があり、この日は夕方まで目いっぱい時間がかかるだろうと思っていたのだが、以外にも3時前に片付いた。そこで、コオニビシを発見した湖を再訪してみることにする。うまくすればコオニビシの種の写真が撮れるのではないかと期待したのだが・・・台風の大雨の後で水量が増しており、ほとんど近付くことが出来ず全く無理だった。


    湖の湖畔。前回は左下の水草が根元まで露出しておりかなり先まで行けたが今回は全く無理。


    湖畔にはホザキノフサモが大量に流れ着いていた。


    花はもうほとんど終わっている。


    お目当てのコオニビシはかなり遠い位置に浮かんでいる。周辺にあったホザキノフサモは大部分が無くなっている。


    望遠レンズで捉えたコオニビシ。葉の形がやっと分かる程度しか撮れない。


    1,140㎜超望遠でやっとこの程度。花は終わっていて見えない。葉の上にある黄色っぽいものはヤゴの抜け殻のようである。


    場所を変えてみるがやはり遠い。


    超望遠で狙ってみるが距離が遠過ぎるうえに湖面が波で揺れるため、画像が不鮮明である。左側に水色のトンボがとまっている。


    湖畔を散策してみる。藻が打ち上がっている。


    山中湖きららの浜にも打ち上がっていたこの藻はたぶん珍しい藻だと思う。


    拾い上げて調べてみる。


    葉に棘状突起があるのは明らかだが、葉の付け根の部分の葉鞘の形態が同定のポイントらしい。葉鞘は短くて尖っていないようである。


    別株には種のようなものが付いていた。


    マクロ撮影してトリーミング。葉鞘は短くて先端部は鋸歯状である。これはイトイバラモの可能性がきわめて高い。

 山梨県では生育しているかどうかがまだ未確認になっているイトイバラモであるが、湖畔に打ち上がっているものの形態を見る限りではこの藻はイトイバラモの可能性がきわめて高いのではないかと思う。まだ水草は初心者なので結論は出せないが、他の場所の水草も調べてみてから結論を出して行きたいと思っている。

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ヒメマツカサススキ茂る高層池  令和4年9月24日

2022年09月28日 | 水辺に咲く花
 タヌキモの花を期待して高層池を訪れてみる。雨が降った後なのでどうなっているか心配していたが、訪れてみると花どころかタヌキモ自体がほとんど無くなってしまっていた。流された感じではなく、越冬するために沼の底に沈んだのかも知れない。


    ここにたくさんあったはずのタヌキモがほとんど見当たらない。浮いているのはくるみの実のようだ。


    わずかに浮かんでいたタヌキモ。脱落したのか、捕虫嚢があまり見えなくなっているようだ。


    撮影してきた画像を拡大して見てみたところ、先端部に殖芽葉らしきものが付いていた。

 タヌキモの仲間は越冬時に殖芽葉の形になって湖底で冬を越すらしい。そしてこの殖芽葉の形態を調べることによってタヌキモか、イヌタヌキモかの区別が出来るらしい。知ってはいたのだが殖芽葉はもっと遅い時期に形成されるものだと思っていた。すくい上げて良く観察して来るべきだったと大いに反省している。


    他の場所に無いかと池をぐるりと巡ってみるが見つからない。


    他の藻が生えているようであるが近付けない。これはイトモか?水が少ない季節に調べてみたいと思う。

 別の池に立ち寄ってみる。やっと通常の水量になったようである。いつも足場に使っている倒木の場所までは行けない。


    水草が枯れて少し秋らしい雰囲気になってきた。水量が増えていつも足場に使う倒木のところまでは長靴を履いていないと行けない。


    ヒメマツカサススキが昨年に比べるとだいぶ増えている。


    左の塊も右に生えているのもヒメマツカサススキ。


    枯れかけているヒメマツカサススキ。これだけたくさん花序を付けるとマツカサススキと区別が出来ない。


    こちらはまだ青い穂が残るヒメマツカサススキ


    ヒメマツカサススキの花穂は垂れ下がらない。


    ちなみにこちらがアブラガヤ


    アブラガヤの花穂は垂れ下がる。


    手に取れる位置に生育していたヒメマツカサススキ


    こんな近い位置で観察できるとはラッキーである。


    もう1ヶ所、イトモの生育する池に立ち寄ってみる。増水していてイトモのところまでは近付けない。


    湖底に茂るイトモの群落。これが本来の姿であろう。

 ヒメマツカサススキは昨年は数株しか発見出来なかったのだが、今年はだいぶ増殖していて株も大きくなっていた。希少な植物だけに元気に茂ってくれて良かったと思う。イトモも水が増えてやっと空気にさらされずに本来の姿に戻った。来年は元気にたくさん花を咲かせて欲しい。

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ミズオオバコ (トチカガミ科) Ottelia alismoides (L.) Pers.

2022年09月23日 | 水辺に咲く花
 水田や泥湿地に生育する1 年草である。葉は水中にあり、葉の間から花茎を伸ばし、水面に径 2 ~ 3㎝の白色から淡紅紫色を帯びた3枚の花弁をもった花を開花する。花は一日花で、雄しべが 3 ~ 6 個、花柱が6 個あるが、いずれも黄色である。葉は、幼葉は線形だが成葉は葉柄が長く、卵状広楕円形、長さは10~30センチになり、縁は波状に縮れる。山梨県では水田や沼地の減少、除草剤の使用によって分布域、個体数とも減少傾向にある。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    水田に咲いたミズオオバコ 2022年8月 身延町で撮影


    沈水葉とミズオオバコの花


    花は淡紅紫色を帯びることが多い。


    ミズオオバコの沈水葉。薄くて柔らかく傷み易い。形は陸上のオオバコの葉に良く似ている。


    沈水葉と結実した細長い種


    稲刈り前の水が抜かれた場所に露出したミズオオバコ。 2022年9月 身延町で撮影。


    同上


 ➡山梨県の絶滅危惧の水生植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物

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甲府市濁川および近傍を探索  令和4年9月14日

2022年09月17日 | 水辺に咲く花
 本日は午後から甲府市内で仕事だったのだが、想定外に早く仕事が終わった。先日チョウジタデを探しに行ったが河川敷清掃が行われて発見出来なかった濁川およびその周辺の再探索に行ってみる。


    まずは前回訪問した河川の1本隣の河川敷を散策してみる。ここは草が刈られていない。


    ガマがたくさん茂っている。


    チョウジタデを探すが生えていたのはアメリカミズキンバイ


    黄色い花を見かけるがこのコセンダングサばかり。


    オナモミの仲間が生えていた。山中湖の湖畔で見るものよりもだいぶ大きく葉が切れ込んでいる。これはオオオナモミであろう。


    果胞は細長い。

 草が刈られていないこの河川敷ならばチョウジタデが生えているだろうと思ったのだが、残念ながら発見出来なかった。隣の濁川に移動して今度は前回よりも下流部を探索してみる。


    曼珠沙華が咲いている。前回探索したのは向こうに見える橋よりも上流部だった。


    今回は下流部を探索してみるが、同じように河川敷清掃が行われていて何も残っていない。


    川の中に群生していたホテイアオイ。花は見当たらない。


    ずっと下流まで刈られていて期待できそうもない。綺麗になったのは良いが、何か虚しさを感じる。

 河川敷は綺麗に草刈りが施され過ぎており植物は期待できない。堰堤から下りて田んぼの周辺を散策してみると、溜池のようになったところに水草が茂っていた。


    田んぼの脇の溜池のような場所に水草がたくさん茂っている。花は咲いていないがたぶんこれはコナギであろう。


    コナギの群生


    その隙間に小さな白い花を付けた水草がある。


    トチカガミかと思ったのだが葉に切れ込みが無くちょっと違う。ネットで調べてみると、これはウキアゼナではないかと思う。


    その周辺に生えていた藻を採取して調べてみる。


    小さな種(胞子嚢)がたくさん付いている。これはシャジクモであろう。


    田んぼの草むらに生えているチョウジタデらしきものを発見。


    もう夕方なので花は散ってしまっている。


    位置が悪くて接写できないため、一部を採取して調べてみる。花床に毛が生えているようである。


    やはりしっかりと毛が生えている。


    結実したものを調べてみると、表面に短毛があり種の凹凸が目立たない。これはウスゲチョウジタデであろう。

 チョウジタデを期待していたのだが今回発見したものもおそらくウスゲチョウジタデであろう。意外と見つからないチョウジタデは観察に難航している。トチカガミに似た花は外来種のアマゾントチカガミかと思ったのだが、どうやらウキアゼナ(ゴマノハグサ科)という植物のようである。あまり良く知らない花だったので観察が不十分だったことは否めない。

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