建築・環境計画研究室
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・背景
多床室の療養環境を改善する対策として個室的多床室の提案がされている。しかし既存の4床室では、こうした対応は不可能に近い。そこで主に既存病室を対象に多床室のベット間にパネルや家具による間仕切りを設置することを含めた病室の改修を行い個室的な環境を提供する試みがある。
・調査概要
パネル設置による環境の改善効果を見るために、既存4床室の病室周りにパネルを設置した事例を対象に調査を行った。調査対象は、大阪府の急性期病院(768床)の入院患者で、準個室化改修を実施した病室を持つ6病棟の入院患者のうち、看護師が自筆回答可能と判断した者に対して調査票を配布し回収箱を利用し回収した。質問項目は、施設・設備環境に関する項目、満足度と入院生活にとっての重要度を5段階(満足~不満など)またプライバシーが守れないと感じた経験を4段階(よくある~全くないなど)で訪ねた。
・準個室病室と通常4床室の比較
医療スタッフと院内施設に関する項目には差がなく、満足度を見ると狙いどおり、「病室内の全体的環境」「プライバシーの確保」「インテリア」で準個室が高い。また「静かさ」や「広さ」「間仕切りの高さ」も高く、カーテンで仕切るよりも開放感があると推察される。
・まとめ
今回設置したベッド間のパネルによる準個室化改修でも、患者の満足度は概ね向上することが確認された。今後は抽出された課題の解決法を検討するとともに、より多くの事例について詳細な分析を行い、準個室化の効果・課題を明らかにしたい。
・感想
一言で、読みやすく面白い論文でした。
素人の私が読んでも全体的に目的意識が明確で、背景からまとめまで筋が通っていると思いました。特に準個室化にデメリットがないか検証しながら、有効性を述べている点は説得力がありました。しかし本稿は、急性期病院に的をしぼった研究であったので、急性期病院以外で同じ調査をした場合どのような変化があるのか気になりました。
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後藤新平に学ぶ リーダーの力量 88年前の「復興院」総裁 #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/eecc30a9c428d0fd2b871ed1e9fd8b33
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