屋久島エコツアーガイドの旅行案内ブログ by 屋久島自然学校

「大人だって童心にかえって楽しもう!」をモットーに屋久島でエコツアーガイドを開催している屋久島自然学校のブログです。

ヤクシマシャクナゲを求めて【屋久島黒味岳登山】

2019年06月29日 | 屋久島黒味岳ツアー

久しぶりに屋久島の黒味岳に登ってきました。

例年であればヤクシマシャクナゲを目当てに登りに行くのですが、今年は道路の通行止めや休みがなかなか合わず登りに行くことができませんでした。

歩き始めてすぐに巨木に出会えるのが屋久島のすごいところ。

清々しい朝の大気を吸いながらのトレッキングはとても気持ちが良いです。

足元を見ながら歩いているとフタリシズカの花が咲いていたり。

屋久杉の実生を見つけたり、いろいろな発見があったりします。

時には見上げてみるのも面白く、こちらはツガの大木。

35分ほど歩くと世界自然遺産登録地域の中に入っていきます。屋久島全部が世界自然遺産ではなく、屋久島の約5分の1ほどです。

ちなみに今回の黒味岳コースは約8割が世界自然遺産のエリアですが、有名な縄文杉コースは最後の30分が世界自然遺産のエリアとなっています。

山と森を楽しむのであれば実は縄文杉コースより黒味岳登山コースがおすすめです。

淀川。まるで川が流れていないような透明度です。

1000年以上は生きているであろう屋久杉。まだ名前はありません。屋久島以外の場所にあればご神木ですが、屋久島の人は大きな木を見慣れてしまっているようです。

こちらはまた違う大きな屋久杉なのですが、大きなこぶが特徴的です。

屋久杉以外の樹木も巨木になります。こちらはモミの木。すでに枯れてしまっていますが枝先や幹には違う植物が引っ付いて生きています。このような現象を着生と言います。

ふわふわの苔を触ってみるのも気持ちが良いです。

アセビの新芽。最初は赤い色をしていたりします。

高盤岳の〇〇岩。皆さんならどのような名前をつけますか。右上には月が見えていました。

黒味岳展望台からの眺め。目指す黒味岳は左上の山です。遠く見えるかもしれませんが意外と歩けるものです。

高層湿原の小花之江河。突然、このような湿原が現れたりします。

お坊さんの頭の形に見立てたヤマボウシの花。

屋久杉の白骨樹。積雪(このあたりでは1m以上)や強風などの厳しい環境のためこのような姿になってしまいます。

数百年前に作られたであろう花之江河のほこら。屋久島では岳参りという山岳信仰がいまでもあり、山は神様の領域だったりします。

花之江河によく咲いているコケスミレ(屋久島の固有変種)。小さすぎて(花の大きさは数ミリ)気づかない人もいると思います。

こちらも小さ目の植物、コバノフユイチゴ。秋には赤い果実をつけてくれます。

今回の目的、ヤクシマシャクナゲ。時期的にはもう終わりですが出会えただけでうれしいです。

オオセンチコガネ。青緑色の光沢が美しいですが糞虫です。

パンケーキのようなキノコ。

ヒメコナスビの花。標高が高いので矮小化した植物が多いです。

ヤクシマニガナ。派手さはないですが屋久島の固有種。

ヒメコイワカガミの花。こちらも屋久島の固有品種。葉っぱが鏡のように光沢があります。本州で見られるイワカガミに比べてとても小さいです。

今回見られたヤクシマシャクナゲは数株程度でした。

山頂も近くなり、見下ろしてみると花之江河の高層湿原が良く見えます。山の真ん中にグランドのような平地があるのが本当に不思議で自然のすごさを感じます。

山頂までもうちょっと岩の上に人がいるのが、分かりますか?

無事、黒味岳山頂に到着。

遠くに見える山が屋久島最高峰の宮之浦岳1936m。知らない人も多いですが九州最高峰でもあります。屋久島は山が高いのが大きな特徴です。

山頂付近にも大きな岩が所々で見られます。ちなみに花崗岩です。

この日の登山者は数組ぐらい。人の少ない穴場のコースです。

帰り道では数センチ程度のカエルを見つけたり。


ヤクシマザルとも出会うことができました。

思わず目が合ってしまい臨戦態勢。少しドキッとしてしまいました。

多くの花や生き物にも出会うことができた見所の多い屋久島黒味岳登山でした。

ぜひ、山がお好きな方は遊びにお越しください。

 

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雨の日もいろいろ楽しんだ【屋久島白谷雲水峡ガイドツアー】

2019年06月21日 | 屋久島白谷雲水峡ツアー

奈良県から来られたNさんと屋久島白谷雲水峡のガイドツアーに行ってきました。

今日はあいにくの雨模様。川が増水しています。

足元をゆっくり見ながら歩いているとシライトソウ(白い糸とのような花をつける)の花を発見。

仲間のチャポシライトソウの花が終わり、シライトソウが咲いてきました。

サツキの花が満開を迎えています。庭木として有名なサツキは渓流植物なので本来このような場所に自生しています。

飛流おとしの滝。雨の日は滝も増水して迫力が増してきます。

苔むした川。白谷雲水峡は最初から苔むしているのでこのような緑の世界が当たり前になってきます。

大きな屋久杉とご対面。二代目の大きな屋久杉「二代大杉」。 写真より実物の方が大きく見えます。

足元にサワガニを発見。雨の日も歩き始めてみると苔が輝いていたり、雨に日にしか姿をあらわさないサワガニやカエルなどに出会うことができるので楽しいです。

実はこの日は増水のためコース制限があり、白谷雲水峡のショートコースだけを歩いてきました。

午後は里に下りて観光です。(天候に合わせて柔軟に対応させていただきます)

写真は白谷雲水峡から宮之浦地区までの林道途中の眺め。

志戸子の集落に移動。漁船がとまっていたり、素朴な田舎風景に気持ちが和みます。


志戸子のガジュマル園。それほど大きくない園内ですが、ゆっくり見て歩くとなかなか面白いです。

入場料は200円。

志戸子のガジュマル園で一番大きな「大ガジュマル」。名前は見た目のまんまです。

Nさん気根を持ち上げています。

違うアングルから。屋久島らしい「屋久杉の森」だけでなく南国的な「亜熱帯性の森」も見ていただきました。

屋久島には多様な森が存在しているところが世界自然遺産らしいところです。

カタツムリ?を発見。

一湊の灯台に移動。右下には漁船と奥の方には口永良部島が写っています。

広大な海を眺めていただき「島」を感じていただきました。風が強かった!

一風変わった一湊の矢筈岳神社にも行ってきました。

海岸洞窟の中に神様を祭っています。

振り返るとこのような景色。

漁師さんの多い一湊集落の海の守り神です。

この後、屋久島環境文化村センターにも立ち寄りきました。阿部寛さんがナレーションをしている大型映像は一見の価値があります。気持ち良すぎていつも眠くなりますが、癒される映像です。

今回、なかなか天候に恵まれなかったNさんですが、また屋久島に遊びに来てくださいね。

屋久島白谷雲水峡ガイドツアーにご参加いただきありがとうございました。

 

 

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白谷雲水峡より原生的な自然を感じる【屋久島ヤクスギランドツアー】

2019年06月15日 | 屋久島ヤクスギランドツアー

先日の白谷雲水峡のツアーに引き続き北海道から来られたOさんとヤクスギランドの一日ガイドツアーに行ってきました。

まずはいきなり推定樹齢3000年の紀元杉へ。こちらだけでも一見の価値があります。

ヤクスギランドは巨石や屋久杉、いろいろな魅力のつまったコースです。

この日は少し川が増水気味でした。屋久島の川のスケールには毎回驚かされます。

このような日は苔のしずくがきれいだったりします。

タツナミソウの花。打ち寄せてくる波のような形の花をしています。

屋久杉の切り株の中にはいってみたり。肌をとおして自然を感じていただいています。

屋久杉の上にヤマグルマという木が巻き付いています。

フタリシズカの花。花を見つけるとやっぱり嬉しいですね。

二大杉の洞をのぞきこんでいます。名の無い屋久杉でも十分に立派なのが屋久島のすごいところです。

そんな大きな屋久杉も時には倒れてしまったり。平成9年の台風で倒れてしまった蛇紋杉。

だけど、次の世代の杉が立派に育ってきています。

枝っぷりが面白かった屋久杉。

コショウノキの実。コショウのように辛いらしいです。

きれいな渓流が眺められる橋を渡ったりしながら歩いていきます。

小さなスミレの花が探すとたくさん咲いています。

推定樹齢2600年ほどの母子杉。ヤクスギランドの名の通りいっぱい屋久杉を見てきました。

最後にOさんの希望もあり、猿川のガジュマルを見てきました。先ほどまでいた屋久杉の森とは違う亜熱帯の森です。

白谷雲水峡に比べヤクスギランドの奥の方は人が訪れるのも少なく、Oさん曰く「より原生的な自然を感じた」ようです。

ヤクスギランドはゆっくりと屋久島の自然を堪能するには最適な場所だと思いますよ。

ぜひ屋久島に遊びにお越しください。

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雨にしか見れない景色があるよ【屋久島白谷雲水峡ガイドツアー】

2019年06月13日 | 屋久島白谷雲水峡ツアー

遠く北海道から来られたOさんと屋久島白谷雲水峡のガイドツアーに行ってきました。

すでに梅雨入りしている屋久島。

今日もぱっとしない天気かと思いきや、霧のかかった幻想的な世界を楽しむことができました。

川沿いにはサツキの花が咲いていました。庭木に使われるサツキですが本来は渓流植物といってこのような川の近くに自生しています。

落差20mほどの飛流落としの滝。雨と山が多く急峻な屋久島では滝が多くみられます。

屋久島を表す言葉はいろいろありますが「水の島」でもあります。

白い霧がかかったつり橋。 これぐらいガスがかかるのはまれなのでラッキーです。

白谷川、つり橋からの眺め。

苔むした渓谷も良い雰囲気。

ユウレイダケとも言われるギンリョウソウの花。光合成をしないので真っ白の姿です。

空を見上げるとモミの巨木がモンスターのようにも見えてきます。屋久島は屋久杉以外も大きいです。

雨の日は苔がいきいきしているので苔のしずくをみるのには最適です。

大きな七本杉の横を通りぬけていきます。推定樹齢1500~2000年ほどではっきりとは分かりません。

有名な「苔むす森」。雨の日の方が光の反射が少なく苔が色鮮やかに見えたりもします。

根っこや石のあるこんな登山道を頑張って登っていくと・・・

太鼓岩に到着。残念ながら真っ白でこの日、唯一の心残りです。一回ではすべてを見せてはくれませんのでOさん、また見に来てください。

太鼓岩の後ろの屋久杉を見てみると・・・蜘蛛の巣も雨の日はこんなにきれいです。

天候が今一つで心配していた白谷雲水峡トレッキングでしたが、思いのほか素晴らしい森を見せてくれました。

その日にしか見れない自然がありますので梅雨時でもぜひ屋久島に遊びに来てくださいね。

Oさんとは翌日ヤクスギランドツアーに行ってきました。

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ひと味違う屋久島の森をハイキング【屋久島世界自然遺産の森あるきツアー】

2019年06月07日 | 屋久島世界遺産の森西部林道ツアー

大阪から来られたKさん親子と屋久島世界自然遺産の森をあるく西部林道ツアーに行ってきました。

まずは日本の滝百選にも選ばれている大川の滝に寄り道。

落差88mもある大きな滝で見応えがあります。

近くまで寄れるのが良いところです。エメラルドグリーンの滝つぼもすぐそこ。

水しぶきをあびるのがとても気持ちが良いです。

西部林道に向かう途中の眺め。右下には神様が降り立つ場所「立神岩」。

世界自然遺産の森の中に入るとさっそくヤクシカのお出迎え。

近づくと逃げてしまうのでこれぐらいの距離感ですが、自然の姿を観察することができます。

亜熱帯性の着生植物シマオオタニワタリ(シダ植物)が岩の上に着生しています。

こちらはガジュマルの木にシマオオタニワタリが着生しています。

ガジュマルの気根が岩を覆っています。

時には他の木にも巻き付くので締め殺しの木も呼ばれています。

清流で休憩をするのも涼しくて気持ちが良いです。

時には見上げて樹冠を見ると鬱蒼としたジャングルチックな森を感じることができます。

大きな葉っぱの植物はクワズイモ。観葉植物などにも使われます。奥の岩の上にもヤクシカがいます。

船首のような大きな岩。

恐る恐るほかの大きな岩に登ってみると・・・(写真では分かりづらいですが怖いところです。)

世界自然遺産の森や山を眺めることができたり。

東シナ海の大海原をのぞむことができます。

終点の河原に到着。お弁当の時間です。上の2枚の写真は左上の岩から撮ったものです。

海の方を見ると口永良部島が見えます。今でも噴煙あげている活火山の島で人口100人ちょっと。

足をつけると疲れもとれますし、気持ちが良いです。

Kさんは食後に周りを散策中。のんびりとした時間が流れています。

童心にかえってつる植物にぶら下がったりもしました。

帰りは屋久島灯台に寄り道。教会みたいと言われるぐらい美しく、古い灯台です。(明治時代に点灯)

近くにはテリハノイバラの花が咲いていました。バラ科で鋭いトゲがあります。

灯台からの眺め。屋久島の成り立ちがよくわかる場所です。(屋久島は白い花崗岩が隆起してできた島です。)

うみがめの産卵地で有名な屋久島いなか浜にも立ち寄りました。

天気が良すぎてこの日は暑過ぎ。あまり長くいることができませんでした。

Kさん達は夜うみがめの観察に行くようです。見れたかな?

今回は屋久杉の森とは違う亜熱性のジャングルチックな森をを体験していただきました。

屋久島世界自然遺産の森をあるく西部林道ツアーにご参加いただきありがとうございました。

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