アイリス あいりす 

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プーチンの演説1(バルダイ会議)10・24・2014<NO715>

2014-12-04 18:49:02 | 日記

鴨川耕助氏のblogよりプーチンの演説を転載
しました。
http://kamogawakosuke.info/2014/11/21/no-1093-%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E3%81%AE%E6%BC%94%E8%AA%AC/

翻訳ありがとうございました。

日本ではこの全文の翻訳が他に無いと思います。
長文ですので1と2に私は分けました。
素晴らしい演説だと思いますので、
皆さんもどうぞ読んでみてください。

プーチンの演説2はこちらへ https://blog.goo.ne.jp/y-hne/e/9b88a15f0bcd97d0f72b2cbb5bf1caaf

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以下:プーチンの演説

原文:http://eng.kremlin.ru/news/23137

バルダイ国際討議クラブ 
2014年10月24日 

バルダイ国際討議クラブは先ほど言われたように今年新しい共催を得ました。ロシアの非政府組織、専門家グループ、一流大学などです。ロシアの問題だけでなく世界の政治や経済まで討議を広げるためでもあります。

組織と内容は、優れた討議と専門家フォーラムとしてのこのクラブの影響力を強めるでしょう。同時に、自由でオープンな雰囲気と、まったく違う意見を率直に表現できる「バルダイ精神」が変わらないことを望みます。

その意味で、あなた方をがっかりさせないよう私も率直に話します。少し激しいことも言うかもしれませんが本当に思っていることを直接、正直に話せなければ、このように会議を開く意味はありません。誰も本当に意味のあることを言わない外交的な集まりをしていたほうがましです。そうすれば、誰も真に思うことを言わず、ある有名な外交官が言った、外交官は真実を話さない舌を持っているという言葉を実感するでしょう。

集まるのは他の理由もあります。お互いに率直に話し合うためです。嫌味を言い合うのでなく、実際世界で何が起こっているのか、なぜ世界は危険で予測不可能になりつつあるのか、なぜあらゆるところでリスクが増加しているのかについて話し合うのです。


今日の討議は「新しいルールか、それともルールなきゲームか」というテーマで行われました。この言い方は今日われわれが到達した歴史的転換点と、われわれが直面している選択肢を正確に言い表していると思います。世界は非常に速く変化しているという考え方はもちろん目新しいものではありません。それについては既に今日議論がなされたと思います。世界の政治や経済、人々の暮らし、産業、情報、社会的技術において、劇的な変化が起きてるのは明確です。

私の言うことが既に参加者が言われたことの繰り返しになる、先にあやまっておきます。それを避けることは事実上不可能です。あなたがたは既に詳細な討議を行われたが、私の視点を述べます。ある点は他の参加者の見解と同じでしょうし、また異論を持つ人もいるでしょう。

今日の状況を分析する時、歴史の教訓を忘れてはなりません。一つ目は、世界秩序の変化です。私たちがいま目にしているのはそれくらい大規模な出来事であり、世界秩序の変化は世界的な戦争や紛争とまではいかなくとも、ローカルレベルでの激しい紛争の連鎖のあとに起きます。二つ目は、グローバル・ポリティクスとは、経済的リーダーシップ、戦争と平和の問題、人権を含む人道的次元についてだということです。

世界は今日矛盾だらけです。信頼できるセーフティネットがあるか、お互いに率直に尋ねてみる必要があります。残念ながら今の世界または地域のセキュリティシステムがわたしたちを動乱から守る保証も確実性もありません。システムは弱体化し、分断し、ゆがんでしまいました。国際および地域の政治的、経済的、文化的協力機構もまた困難に直面しています。

そうです、今ある世界秩序を保つためのメカニズムの多くは、今から相当前、第二次大戦の後に作られたのです。当時作られたシステムの安定は、力のバランスと勝戦国の権利の上にだけあったのではなく、システムの「建国の父」は、お互いを尊重し、相手から搾り取ろうとするのではなく合意に到達しようという試みだったということを強調させてください。

重要なことは、このシステムは発展する必要があった。さまざまな短所はあったけど、少なくとも世界の今の問題をある一定のところで止め、国家間の自然な競争が激化するのを制することができるようになる必要があったということです。

私が確信してるのは、われわれは過去数十年に築いたこのチェックとバランスのメカニズムを持てず、代わりに何も作らずにそれを分断しました。そのため暴力以外の手段を何も持たなくなったのです。

私たちに必要だったのは、合理的な建て直しを行い、国際関係のシステムにおける新しい現実に作り変えることでした。

しかしアメリカは、自ら冷戦の勝者を宣言し、その必要性を理解しませんでした。秩序と安定に不可欠な新しい力の均衡を確立する代わりに、アメリカはそのシステムを深い不均衡に陥らせたのです。

冷戦は終結しましたが、既存のルールを尊重する明確で透明な合意に基づく平和協定も締結されず、新しいルールや基準も作られませんでした。このため、冷戦のいわゆる「勝者」は、圧力をかけ、世界を自分のニーズと利益に合わせて作り直すことを決めたかのようです。もし国際関係、国際法、抑制と均衡などの既存のシステムがその目的の邪魔になれば、そのシステムは価値がない、時代遅れだから、と解体されました。たとえは悪いですが、これは大きな富を手にしたにわか成金の振る舞いです。この場合アメリカが手にしたのは世界リーダーシップと支配です。そして富を賢く管理するかわりに自分の利益のためにそれを使い、彼らは多くの愚かなことをしたと思います。


我々は世界政治において異なる解釈と計画的な沈黙の時期に入りました。国際法は法律のニヒリズムの猛攻撃によって何度も退くことを強いられました。客観性と正義は、政治的な功利主義の祭壇で犠牲にされました。恣意的な解釈と偏見にもとづく評価が法基準にとって代わりました。同時に、世界のマスメディアを完全に支配することで、必要に応じて白を黒、黒を白と描写することが可能になりました。

1国とその衛星国ともいえるような同盟国による支配の状況の下、世界的な解決方法を探すのではなく、彼ら自身の一般的なやり方を強要する試みがなされるようになりました。このグループの野心は肥大し、自分たちが決めた方針を、あたかも全国際社会の見解であるかのように提示し始めたのです。しかし事実はそうではありません。

『国家の主権』という概念は、ほとんどの国にとって相対的な価値になりました。要するに、提案されたのは 【世界の唯一の超大国への忠誠が大きいほど、この国やあの国の政権の正統性は大きいる】という公式(フォーミュラ)だったのです。

あとで自由討議をしますので、質問には喜んで答えますし、あなたにも質問をさせてもらいます。今私が言ったことに反証したい人は次の討議でしてください。

それに降参することを拒否した人にとられる手段はよく知られているし、何度も試みられています。武力行使、経済的またはプロパガンダによる圧力、内政干渉、違法な干渉が必要なときはそれを正当化する超法規な合法性に訴える、不都合な政権は転覆させる。 最近では何人かのリーダーに対して明らかに恐喝がなされた証拠もあります。 何もないのに 『ビッグブラザー』が自分の親しい同盟国を含め、この世界を監視するのに何十億ドルも使うはずはありません。

自問してください。これが快適ですか。どれだけ安全ですか。この世界で暮らすのは幸福ですか。そしてどれだけ公平で理にかなっていますか。心配したり議論をしてへんな質問をする理由などないのでは?アメリカの例外的な地位と、彼らがとっているリーダーシップのやり方はわたしたちにとって良いことで、彼らが世界中で介入していることで平和、繁栄、成長、民主主義がもたらされているのだから、ただリラックスして楽しむべきでしょうか。

それは違います。ぜったいに違います。

一方的に理不尽な命令や自分のシステムを押し付けると、逆の結果が生まれます。紛争は解決するより激化し、独立して安定した国の代わりに、混沌とした国家になります。民主主義ではなく、ネオファシズム派からイスラム過激派といったあやしげな人々を支援するのです。

なぜそういう人たちを支援するのか。それは彼らを自分たちのゴールを達成する道具として使おうとするからです。でもそのために火傷してたじろぐのです。私たちのパートナーが同じ熊手を何度も踏むのをみると驚きます。ロシアでは同じ過ちを何度も繰り返すことをそういいます。

彼らはかつてソビエト連邦と戦うためにイスラム過激派運動を支援しました。そのグループは戦争の経験をアフガニスタンでしており、後にタリバンとアルカイダが生まれました。西側は支援はしなかったとしても少なくとも見ないふりをしました。そして情報を与え、国際的テロリストがロシアと中央アジアを侵略する、政治的、財政的な支援をしました。(我々はこれを忘れません)。ひどいテロ攻撃がアメリカの国土で起きた後、アメリカは共通したテロリズムの脅威に目覚めました。あの911の悲劇の時、我々が友人そしてパートナーとして最初に米国民を支える行動を起こしたことを思い出してください。

欧米のリーダーとの会話で私はいつも、世界のテロリズムとは、世界規模の挑戦として一緒に戦う必要性があることを主張してきました。この脅威を受け入れることはできないし二重基準を使って別々に切り分けることはできません。パートナーたちは合意を示しましたが、少したってそれは振り出しにもどりました。まずイラクで、次にリビアで軍事攻撃が行われ、ばらばらになってしまったのです。なぜリビアはその状況に追い込まれたのか。今日、崩壊の危機のある国はテロリストの訓練場となったからです。

エジプトの現リーダーの決意と知恵のおかげで、この主要のアラブ国は混沌に陥ったり過激派が好き放題できなくないようになりました。 シリアでは、過去と同様、アメリカとその盟友が直接、反乱軍に資金援助し、いろいろな国から傭兵を連れ込むのを許しています。これらの反乱軍はどこからお金がくるのでしょうか。武器や軍の専門家はどこから調達してるのですか。悪名高いISILはどうやってそんな強力なグループを統制したのでしょう。

資金源についていうと、今日、資金は麻薬からだけでありません。国際連合軍がアフガニスタンに駐在してから麻薬製造は数%どころか何倍も増えています。皆これに気づいています。テロリストは石油も売ってお金を得ているのです。テロリストがコントロールしている領土で石油は生産され、ダンピング価格で売り、運ぶのです。でも誰かがそれを買い、再販し、利益を得ている。そういう人たちは実際にはテロリストを支援し、いずれ自分の土地に彼らがきてその土地を破壊するかもしれないという事実を考えることもないのです。

テロリストたちはどこから兵士を補充しているのか。イラクではフセイン転覆後、軍を含む国の機関は崩壊したままでした。当時私たちは、注意するように、と言いました。人々を追い出したら彼らはどうするでしょうか。彼らが(正しかろうとなかろうと)強い地域勢力においてリーダーシップをもっていた人々だということを忘れてはなりません。そういう人々をどのように変えてしまおうというのか。

その結果どうなったでしょう。数万の兵士、オフィサー、元バース派の活動家などは、追い出され、今日、反乱軍に入っています。イスラム国のグループがなぜこんなに戦力を持っているのかの説明になると思いませんか。軍事的に言って非常に実戦的に活動するプロフェッショナルな人々です。一方的な軍事攻撃、主権国家の内政干渉、過激派にちょっかいを出すことの危険性をロシアは繰り返し警告してきました。我々はシリア政府と戦うグループ、なかでもイスラム国をテロリスト組織のリストに含むことを主張しまいsた。でもどうなったかというとこの主張は無駄でした。

私たちは時々、私たちの友人は自分の政策の結果、常に戦っているという印象を受けます。自分たちが作ったリスクに対処するためにあらゆる努力をして、さらに大きな対価を払うのです。

この一極支配という時期は、ただ1つの大国は世界のプロセスを管理可能にすることはできないということを証明しています。それどころか、この不安定な建造物は本当の脅威(例えば地域紛争、テロリズム、麻薬密売、宗教的狂信主義、盲目的愛国心とネオナチ主義)と戦うことはできないのです。それと同時に、膨張した国家のプライド、世論の操作、強いものが弱い者をおさえるという道筋を開いてしまいました。

基本的に一極世界は、単に人々と国の上に独裁主義を敷くことを正当化する手段にすぎません。一極世界は、リーダーを自称する国にとっても、不快で、重く、扱いにくい重荷を作り出しました。これにあったコメントは先ほどここでなされましたが、私はそれに完全に同意します。この新しい歴史的なステージにおいて、だからアメリカはリーダーシップを恒久化する便利なモデルとして、擬似的な両極性の世界の形を作りなおそうとしているのです。アメリカが宣伝する悪の場所に誰がくるかは重要ではありません。かつてはソ連が主要敵国でした。核技術を手に入れようとしているイランかもしれないし、世界最大の経済国中国、または核の超大国ロシアかもしれません。

今日、世界を分断し、新しい境界線をひき、なにかを築き上げるためでなく互い戦うように、冷戦時のように敵のイメージを作り上げ、リーダーシップを手にし、望むなら独裁者となるための運動が繰り広げられています。これは冷戦時代と同じです。私たちは皆これを理解してるし、わかっています。アメリカは同盟国にいつもこう言っていました:「我々には共通の敵、恐ろしい敵、悪の帝国がいる、そして、我々はあなた(同盟国)をこの敵から守っている、そして、我々にはあなたにいちいち指図する権利があり、あなたの政治的および経済的な利益を犠牲にすることを強制し、この集団的自衛の経費はあなたの負担となる。でも命令するのはもちろん私だ」 つまり、今日この新しい変わり行く世界においてみられるのは、世界管理の見慣れたモデルのすりなおしであり、これらはすべてアメリカの例外的な地位を保証し、政治的、経済的な配当をアメリカが獲るためなのです。

しかし、これらの試みはますます現実とかけ離れ、多様化した世界とは相容れません。この手のやり方は必然的に対立と対抗策をうみだし、期待する目的と逆の効果になります。政治が軽率に経済に干渉し始め、合理的な決定でなく国家事業の利益も含めて対立の理論が優先されると、自国の経済的地位と利益を傷つけるだけになるのです。

共同の経済プロジェクトや相互の投資は、客観的に国同士を近づけ、国家間の問題をスムーズにします。しかし今日、グローバルビジネスコミュニティは西側政府からの前例のない圧力に直面しています。「国は危機にある」「自由世界は脅威にさらされている」「民主主義は危うい」といったスローガンを聞くとき、どんなビジネスや経済の功利主義、実用主義について言っているのか。だから誰もが戦時体制になる必要がある。それこそが真の戦時体制政策です。

 

プーチンの演説2はこちらへ https://blog.goo.ne.jp/y-hne/e/9b88a15f0bcd97d0f72b2cbb5bf1caaf

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