「之」の用法
一字一字の漢字は、つまり「語」は、文のどの位置におかれるかで、働きが決まる。
この漢字はいつも、名詞とか、この漢字はいつも動詞ということはない。
同じ漢字でも、SやOの位置に置かれているときは名詞で、Vの位置におかれた時は動詞だ。
訓読する際も、それに従って読んでいくことになるから、読み方(訓読み)が複数存在することになる。
「之」の用法は次の三つ。
① S V OのOの位置に置かれた場合。
V レ 之 … これ(を)
② S VのVの位置に置かれた場合。
S 之 … ゆ(く)
S 之二(場所)一 … (場所)にゆ(く)
③ つないでいる時
N 之 N … の S 之 V … の
名詞をつなぐと、「○○の○○」という名詞句ができる。
「S之V」も、「SがVすること」という意味の名詞句ができる。
「之」も、「所」「者」と同様に、一続きの言葉を体言化する重要な文字だ。
「S之V」は「也」をともなって、
S 之 V 也 … SがVするに際しては(副詞句)
S 之 V 也 … SがVすることについては(主題提示)
と用いられる。
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