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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

切り替え

2019年06月13日 | 学年だよりなど
2学年だより「切り替え」


 3年生にとっては、部活の集大成といえるインターハイ予選が、まさにまっただ中だ。
 見事出場権を勝ち取れたならば、夏休みまで部活は続く。メインの大会が秋に開催される種目もある。この春、いやこの春にかぎらずとも、自分の成績と目標とを考えたなら、このまま部活を続けていていいのかと悩んだことのある先輩たちも多いだろう。
 みなさんも来年同じ問題に直面するかもしれない。そこには「部活をとるか勉強をとるか」という問題があるように見えるが、本質は別のところにある。
 「部活が忙しく、受験勉強が進んでいません。引退すべきでしょうか?」
という高校3年生の相談に、『ユメタン』などの著者である木村達哉先生がこう答えている。


 ~ 僕は野球部の顧問をやってるんやけど、高3の夏まで野球を続けて現役で東大に合格した生徒をたくさん見てきた。こうやって書くと、「それは灘の生徒だからでしょ」って思うかもしれへんな。でも、うちの生徒たちでも、平日は毎日3時間の練習、週末も練習や試合が必ずある … なんて生活が夏まで続くと、さすがに焦ってくるんやないかと思うねん。部活をやっていない生徒に比べると、勉強できる時間はかなり制限されるからな。それでも平然と夏の大会を目指すし、模擬試験では好成績をとってくる。では、どうして彼らは高3の夏まで熱心に部活を続けても現役で合格できるんやろうか?
 それは、切り替えが極めて速いからやと断言できる。部活をやってる生徒たちだって、夜中まで拘束されてるわけじゃない。家に帰ってからダラダラするのではなく、風呂! → 飯! → 授業の復習! → 自分の勉強! → 終わった! → おやすみ! … って感じで、時間をスパスパと切りながらうまく使ってる生徒が多いんや。
 つまらんテレビを見たり、どうでもいい漫画を読んだり、そういう時間をカットできない人は、単なる高校3年生でしかない。本当の意味での受験生にはなれていないんやな。確かに部活は忙しいやろうけど、毎日帰ってから確実に1時間半の勉強を続けるだけでもかなりの力になるはずや。そのために必要なのは、「毎日1時間半は絶対に勉強する」と決めたら絶対に頑張る意志の強さや。切り替えの速さと意志の強さ、そして負けん気の強さが、成功へのカギを握ることになる。どうしても現役で合格したいなら、そこを意識して毎日努力することや。部活をやってる諸君、頑張るねんで! (木村達哉『キムタツ合格相談所』旺文社) ~


 時間が足りなくなるのは、今の段階ですでにわかっている。3年の春に悩むと言うことは、すでに準備がおくれていることであり、そういうタイプの人は根本的に何事も遅れがちだ。
 先を見通す力が不足しているか、先のことを考えるのが苦手かのどちらかだろう。
 大人になれば、三つも四つものことを平行して行わねばならない事態に置かれることは、いくらでもある。物理的時間の有無が、できることの量を決めるのではない。
 それが証拠に、同じ24時間を与えられていて、人によって成し遂げることの量は全く異なるではないか。大事なのは、それをやりきろうという意志であり、対策は早めにするという覚悟だ。
コメント
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